rieの観てきた!クチコミ一覧

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美藝公(びげいこう)

美藝公(びげいこう)

KUDAN Project

ザ・スズナリ(東京都)

2007/03/16 (金) ~ 2007/03/21 (水)公演終了

満足度★★★★★

映像を使った演出に感動!
Kudan Projectは毎回欠かさず観ていますが、これは、天野天街さんの作品の中では、かなり理解しやすく、初見の方でも楽しめるものになっていたと思います。映画がテーマとなっているのですが、演劇のなかで映像をこんなふうに使えるのか、と目からうろこの演出には、感激です。

ネタバレBOX

映像の使い方はもちろんのこと、Kudan Projectのファンとしては、ふたりの役名の呼び名が、「ヤジさん」「キタさん」なのが、ちょっとトキメキました。
冒頭のシーン、真っ暗闇の中で、ふたりが名前を呼び合いながら、「ここはどこか」と言い合うのですが、まるで『真夜中の弥次さん喜多さん』の最後から続いているようでした。
はたらくおとこ

はたらくおとこ

阿佐ヶ谷スパイダース

大阪厚生年金会館 芸術ホール(大阪府)

2004/05/03 (月) ~ 2004/05/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

赦すということの意味
この作品を観て、思わず上司に「仕事やめます」となぜか言ってしまったほど、衝撃を受けた作品。・・・当時書いた劇評を一部訂正の上、転載します。
「20代という若さゆえの潔癖さか、誰かを赦すことができず、処理できない気持ちを爆発させ、悲劇が起こす人間を描いてきた長塚圭史だが、この作品の1年くらい前から、男女や家族という人間関係の中での「赦す」ということを描くようになっていた。ただ、それは無償の行為、自己犠牲の行為などでは、けっしてない。彼らは、自分が赦されたいから赦すのだ。また自分にとって都合がいいから赦すのだ。なぜなら、赦さないと、ひとは誰かを愛せないから。だから、自分のためであっても、赦さないより、赦したほうがイイ。
 そして、関係が続くかぎり、その「赦し」は美しいまま残ることなく、生活と感情の中へうずもれてゆく。そして、混沌とした苦しみと、本当の「劇」は、そこから始まる。」

オイル

オイル

NODA・MAP

近鉄劇場(大阪府)

2003/05/30 (金) ~ 2003/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

松たか子に圧巻。
初めて演劇を観て泣いた。冒頭と最後の松たか子の切ない表情と科白に圧巻。人間と歴史について考えさせられた・・・。

「名探偵シャーロック・ホームズの来日~帝國怪人総進撃~」

「名探偵シャーロック・ホームズの来日~帝國怪人総進撃~」

劇団東京ミルクホール

シアターVアカサカ(東京都)

2007/11/28 (水) ~ 2007/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

毎回、同じ完成度が凄い
いつもながら、歌ありダンスあり客いじりありの楽しい演出のコメディで、思う存分楽しめました。私にとって、物語の進行上は、特に必要のない場面がこんなに楽しめる劇団はそんなにありません!

ネタバレBOX

今まで女役もこなされていた柳生タカシさんが退団されてしまうそうなので、それが残念!
いやむしろわすれて草

いやむしろわすれて草

五反田団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/03/15 (木) ~ 2007/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

しあわせということ
どうしようもない状況でも、お互いへのちょっとした思いやりや愛情で、楽しい!とか幸せだーとか思える瞬間があれば、幸せに生きていけるんだなぁということを実感させられた作品。役者さんたちの些細な表情や言葉の間合いなどが、秀逸。

オアシズ×女王陛下「LES FOLIES NIGHTS」

オアシズ×女王陛下「LES FOLIES NIGHTS」

女王陛下

駅前劇場(東京都)

2006/12/21 (木) ~ 2006/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★

さすが!
楽しくって、笑えて、でもそんな彼女たちの姿にちょっと切なくて・・・個人的には、クリスマスにぴったりの作品だなぁと思いました。それにしても、やはり光浦さん、大久保さんのショーマンシップと肩の力の抜け方は凄いなぁ。

クロスプレイ

クロスプレイ

マシンガンデニーロ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2006/12/14 (木) ~ 2006/12/18 (月)公演終了

満足度★★★★

クロスプレイ
 知り合いから勧められた初見の劇団。旗揚げ1年くらいで、また小さいけれど、今までにあまり観たことのない世界観。ここは一見の価値ありだと思います。
 ある救急病院に押し入った強盗と患者たちが繰り広げる物語。実は、強盗はここで以前、違法な臓器移植を受けており、そのヒミツを探ろうとやってきた。そして、強盗ユキコが出会ったのは、マスター(本体)である自分のために自らの臓器を提供するクローン・ミヤコだった・・・!臓器移植、クローン、代理母・・・と医療と倫理にまつわるさまざまなテーマを鋭く斬る社会性と、演劇としての豊かな表現力が、うまく融合していたと思う。
 役者たちが、それぞれ本体とクローンと二役を演じ分けていて、オミゴト。死を厭わずあっけらかんとしているクローンたちと、彼らを救いたいと願うマスターたち。病院側は、クローンたちを可愛がって育てつつも、今後の医療のために、クローンからの移植という選択肢を捨てられない。それぞれが葛藤する中、ミヤコが周囲からの愛の中で毅然として死を選ぶ。途中から泣きっぱなしでした。いろいろなことを考えさせられました。
 主演の劇団員ふたりはもちろんのこと、劇団子の伊奈稔勝さんや、壺会の内海詩野さん、フリーの土田裕之さんとか、気になる役者さんがいっぱいです。

肝高の阿麻和利

肝高の阿麻和利

あまわり浪漫の会

うるま市きむたかホール(沖縄県)

2007/02/11 (日) ~ 2007/02/12 (月)公演終了

満足度★★★★

感動して
今でも、言葉になりません。中高生の演劇、というとひいてしまう方も多いと思うのですが、今まで考えていた演劇の枠を超えて、力を持った作品でした。出演する子どもたちには、役者、群舞、バンド演奏、歌とそれぞれの役割があって、そのレベルは様々なのですが、表現ということの魅力を知った彼らの輝きには、そんなことには頓着させない強さがありました。

スピンオフ

スピンオフ

マシンガンデニーロ

萬劇場(東京都)

2007/06/14 (木) ~ 2007/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

暴力あり、社会批判あり、でも泣けます。
炭鉱での強制労働者階級へすべり落ちた若者たちが、希望を信じるミケという痛みを感じない少女とともに、“脱出”を試みるが、その意外な結末は・・・?

汚れた顔の役者たちが、床面をはいつくばる。顔を背けたくなるほどの過激な暴力あり、ワーキングプアと言われる今の若者たちの現実を重ねあわせた社会批判あり、でも最後には泣かずにはいられなかった。

一種、狂気をはらんだような役者たちの演技、ロープを使った演技上の工夫もいい。ただそれだけじゃなくて、この劇団はいつも何かを考えさせる。ぜひ、いろんな人に観てほしいです。



ネタバレBOX

いつものことながら、役者が本当にいい。

過去のトラウマによって痛みを感じなくなり、希望だけを信じている少女という、一種、記号的な難しい役どころを、独特な透明感を持って演じた松崎映子。また、そんな少女に反感を抱き、強制労働に甘んじている若者を演じた菊池豪の、これまでになかった薄暗さを漂わせた感じもいい。

そして今回は、労働者たちをモノのように扱う、狂気に満ちた炭鉱経営者を演じる、ククルカンの三瓶大介さんがツボにはまった。ふわっとした優しい感じの演技した観たことがなかったのですが、頭のねじが一本抜けているような、キレた演説のシュールさは、誰にも真似ができないと思う。
トリツカレ男

トリツカレ男

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2007/11/29 (木) ~ 2007/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★

季節感溢れる演出に華がある
毎年のことですが、クリスマスらしい季節感溢れる舞台美術、音楽や照明に、幕開けからわくわくしました。物語も、原作の雰囲気を取り入れながら、うまく成井さんらしいテイストが出ていたと思います。

ネタバレBOX

大道芸もよかったですが、終盤近いシーンで、トリツカレ男がはしごから落ちそうになる場面のしかけと、視覚的効果に驚きました。
クローバー:冬

クローバー:冬

ククルカン

TEMPORARY CONTEMPORARY (東京都)

2006/12/07 (木) ~ 2006/12/10 (日)公演終了

満足度★★★

保村大和ならではの何かがほしかった
 元・惑星ピスタチオの保村大和さんが出ていたので、観にいきました。身体のキレがよく、大舞台での演技が映える人なので、こんな小さいギャラリーでどう演じるのか期待大。
 がん患者である兄(保村)と、離婚寸前の妹(中村真知子)、不器用でまっすぐな弟(三瓶大介)とが、月島のマンションの一室で過ごす日々を描いた物語。劇中にデジカメで撮影し、背景に映し出すという、ギャラリーならではの試みもあり。一瞬一瞬を切り取るカメラという存在が、死と向き合う兄の姿とリンクし、生の歓びと哀しさを喚起させる。
 ククルカンは二度目でしたが、恋愛にかわって、兄弟愛を描いても、ククルカンらしい演出。もう少し、保村さんならではの存在感を生かす工夫があっても、よかったんでは、という気がしました。

 

イヌの日

イヌの日

阿佐ヶ谷スパイダース

本多劇場(東京都)

2006/11/06 (月) ~ 2006/11/26 (日)公演終了

満足度★★★

初演のファンだけに。
大阪で『日本の女』を観て、阿佐ヶ谷スパイダースに興味を持ち、その後、『イヌの日』のビデオを観て、ファンになった。思い入れのある作品だけに、初演にあった濃密な空気感や、現実と非現実とのギャップみたいなものが足りない気がした。ただ、ヒロセがなぜ同級生を閉じ込めたのか、その理由となる背景が描かれていて、それは良かった。
役者の中では、今回、ヒロセを演じた伊達暁の、制御できない感情を抱え込む辛さというまともま部分と、狂気との散らつかせ方が良かった。しかし、内田滋が前に出すぎていて、バランスがとれてない感もあったり、全体として役者の関係性はもう少し追及してほしかったかも。

絵空事を描いた父

絵空事を描いた父

演劇集団壺会

王子小劇場(東京都)

2007/02/16 (金) ~ 2007/02/19 (月)公演終了

満足度★★★

女性ならではの美しい空間
端整な顔だちの女優さんたち、衣装、舞台芸術、音楽、照明・・・と、すべてにこだわりの感じられる、美しい空間でした。女の子たちの間のちょっとした会話でも、女性作家ならではの感性がびんびん伝わってきます。ただ、父親と娘たちとの関係性がもう少し色濃く描かれたほうが、観客に伝わりやすい作品になったような気がします。

踊りに行くぜvol.7 SPECIAL IN TOKYO

踊りに行くぜvol.7 SPECIAL IN TOKYO

JCDN

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2007/03/02 (金) ~ 2007/03/03 (土)公演終了

満足度★★★

茅ヶ崎の新人に注目
コンテンポラリー・ダンスの狭い世界では、面白い新人が出てきても、なかなか観客が発見するのは難しいもの。その中で、JCDNのこの『踊りに行くぜ』は、全国各地に散らばる新人の作品が観られるのだから、たまらない。その点では、既に評価を得ている山下残や康本雅子さんはもちろんのこと、茅ヶ崎オーディションからあがってきたという、まだ大学生の酒井幸菜さんに目が惹かれた。寝返りのポーズから連想する面白い動きを中心に、明るく、ほのぼのとした世界を展開。もっと観たくなる人でした。

サボテンの花

サボテンの花

演劇集団キャラメルボックス

シアターアプル(東京都)

2007/03/14 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了

満足度★★★

最後はほろりと・・・
もちろん音楽はしっかりしていたのですが、音楽劇にしなくてもよかったんじゃないかな、という気も。ストレートプレイでも十分楽しめる内容だったので、そう思ってしまいました。

ネタバレBOX

学校が舞台のお話なので、中盤は少し説教臭いかなーと思うところもありましたが、最後、子どもたちが教頭先生のためにお酒を作っていたということをばらすシーンでは、ほろりときました。やはり、分別のある落ち着いた初老の男性の中に、ちらりちらりとまだ熱い炎、まだ青い心を覗かせる西川さんの演技は、素晴らしいと思います。
レッツゴーギャング~私が生きる為に必要なもの~

レッツゴーギャング~私が生きる為に必要なもの~

劇団東京ミルクホール

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2006/11/01 (水) ~ 2006/11/05 (日)公演終了

満足度★★★

舞台を一体化する演出はさすが。
 友人に勧められた初見の劇団。座長をつとめるさのたかまさは、ワハハ本舗、宝塚歌劇団演出部などを経て、全員が男性であるこの劇団を旗揚げしたらしい。(女性は出演せずに、男性が女性を演じるという徹底ぶり。)若手演出家コンクールでも最優秀賞を受賞した手腕は、なかなか確か。はじめは、客席の約半分を舞台にあげるという荒業で、観客を物語にひきこみ、クライマックスでは派手な日舞で盛り上げる。
 役者陣は芸達者。ギャグもけっしてすべらないし、オリジナルの歌もいい。からりとした演技で、昭和初期に社会変革活動に身を捧げる人々を生きいきと存在させ、生きることに必要なものは何かという普遍的なテーマをつきつける。
 ただ、作・演出と役者を兼ねる座長のさのたかまさ以外は、少々地味か。印象に残りにくい気がする。もう少しひとりひとりをじっくり描き、個々の持ち味を見せてほしい。


 

少年ラヂオ

少年ラヂオ

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2006/11/25 (土) ~ 2006/12/25 (月)公演終了

満足度★★★

がんばれ、主役!
今回もまとまっていて、最初から最後まで居心地よく拝見した。ただ、主演ふたりは、まだまだな印象。技量的には問題ないようだが、もっと持ち味を出してほしい。無難な感じがする。完全に、脇役の先輩たちに食われているような気が・・・。

走れメルス

走れメルス

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2004/12/03 (金) ~ 2005/01/30 (日)公演終了

満足度★★★

公開ゲネ拝見。
関係者の方に誘われて、公開ゲネを観るという貴重な経験をさせていただいた公演。オープニングが印象的だったし、深津絵里も良かったけど、他の野田作品と比較すると、少し物足りない気がした。夢の遊眠社のときはどうだったんだろう。

ポルノ

ポルノ

阿佐ヶ谷スパイダース

近鉄小劇場(大阪府)

2002/08/20 (火) ~ 2002/08/21 (水)公演終了

満足度★★★

阿佐スパにしては・・・
大阪・近鉄小劇場にて観劇。阿佐ヶ谷スパイダースが、小さな劇場からやや大きめの劇場に移行しはじめた頃の上演でした。私には、彼らの作品の中では、観劇後にどちらかと言えば爽やかさが強く残る作品。いろんな恋があるけれど、当事者たちの抱える想いはいつも純粋で切ない。狂気が哀しい、いつもの中山祐一郎と、透明感のある小島聖が今でも印象に残っています。

発情日記

発情日記

妄想旅団

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2007/03/30 (金) ~ 2007/04/01 (日)公演終了

もっと思い切っては。
チラシなどではアングラ色を前面に押し出してありましたが、意外に普通の芝居だったという印象。ここまでやるなら、もっと思い切ってやってもよかったのではないでしょうか。舞台右の壁面に映像を写していましたが、あまり意味がなかったような・・・。ただ、ヒロインを演じた女優・伊藤ららさんの美しい迫力のある演技は、とてもよかったです。

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