ぴおんち33の観てきた!クチコミ一覧

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蝦夷地別件

蝦夷地別件

ピープルシアター

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/10/10 (木) ~ 2013/10/16 (水)公演終了

満足度★★★

う~ん?
2時間半の長尺の舞台でしたが、複雑な原作を舞台化したせいか、スピーディーというよりはせわしない、重厚というよりは重苦しいという、演出家の方の意図が裏目裏目に出た感じの舞台でした。蝦夷地の話にクラシック音楽を使うのもいい試みだと思いますが、手垢の付いた有名な楽曲が多かったためか、はまりが悪い。終盤のスローモーションによる殺陣も迫力が無く、ちょっと陳腐な感じに。役者さんは皆巧かったと思いますが、全体にこなれが悪く、この小説の壮大さからはちょっと違う感じに。もっとナレーションなどを多用して解り易くお話を進めたほうがよかったかも。

サラ金へおいでよ

サラ金へおいでよ

劇団チキンハート

新宿シアターモリエール(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/09 (水)公演終了

満足度★★★★

いいですね!
こういうグダグダ、チープなテイスト、私は好きです。サラ金からの転身もお見事!?全体にもう少しディテールが細かく示されて、個々のバックグラウンドなどが透けて見えればもっとドラマを感じられたかも。特に大家さんなんか、ああなるにはいかにも何かあった感じなんですが、何の説明も無いのでいきなり関西弁になる変な人、としか見えないのは残念。少しづつでもいいから登場人物の個々のドラマを設定しておいてほしかったです。ピンクのスポットライト、なかなかポップで楽しかったです。

ネタバレBOX

ええと、私が思ったカラーで良かったのかなと、ちょっと疑問に感じています。つまり、グダグダでチープというのは劇団の意図したものであったのかどうかと。私としては新宿という場所柄、もう少しポップな感じも欲しかったなぁ。例えば何で白いブリーフなんだろう。女性からすれば気持ち悪いだけですが・・・・。ここはド派手なビキニでしょ。ズボン脱ぎ始めてげげっと思った瞬間、げらげら笑えるという・・・。あと、暗転の時間が長いのが気になりました。
もう少し全体にシャープさとポップさがあれば、グダグダ感と相まってメリハリがあったと思います。
ファニー・ガール

ファニー・ガール

シンクロ少女

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

よく、「三鷹市ご自慢」
の枕詞で紹介される「星のホール」での舞台で、劇団、劇場ともに初見だったので、興味深さもひとしおでした。いや~、「星のホール」素晴らしいですね!280席と聞いていたので、どうするつもりだ・・・・と心配してましたが、客席を自由に設営できるとは。もちろん舞台もすごい。高い天井、美しい陰影を描く照明、何よりもどんなに大音量でも決して音が割れることがない音響。小さな音も確実に拾うことができ、これって役者泣かせなのか、それとも楽に演技できるのかわかりませんが、この劇団の俳優さんたちはこのホールの特性をものすごくうまく生かしていたと思います。多重する台詞、ずれながら被せる台詞、ささやく声、すすり泣く声、どれもとても自然で聞き易く、2時間半の長尺の緊密な台詞劇をゆるみ無く演じ切っていた。一見ありえない人物設定も、ディテールが細かく示されすんなりと入っていけて、とても楽しめました。

ネタバレBOX

どうしてストレートプレイに徹しなかったのかがちょっと残念。台詞や演技の巧さに比べるとやはり歌や踊りは見劣りがする。ミュージカル映画からの楽曲だろうか、あまり感動を呼ばなかった・・・・というよりはハラハラした。なかなかチャレンジングでした。
小豆洗い-泥を喰らう-

小豆洗い-泥を喰らう-

鬼の居ぬ間に

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

うう、面白かったです!
効果音怖すぎ、ムード出過ぎ。特に幕開け。は~、もう、こんなにしなくても十分怖かったし、面白かったですが、ヒロインのすずの不可解な態度の意味が終盤でわかり、愕然。いや~、よくできていましたね。見入ってしまいました。こういうタイプのお芝居って、ちょっと際物っぽいですが、上質な音楽や効果音、丁寧な美術などで、非常にドラマチックな舞台に仕上がっていたと思います。役者さんの演技も見事でした。あの障子の裏でたぶんあのシーンが・・・・と想像はついたけれど、やっぱり怖かった!こうした、妖怪に着想した物語って、日本的な不思議な怖さがありますね。また見たいです!

ネタバレBOX

お役人と四代目は何で羽織の紐が無かったのかな~?真っ当な商人がきちんと羽織の紐をしないなんてありえない。お役人様は言うまでもなく。羽織の紐は意外なくらいキャラクターを表現します。真面目な人柄、洒落者、癖のある人物、お金の有る無し。男性の和服はどれも似たような感じになりがちですが、こうしたところでも魅せて欲しかったです。和服はきれいだから、女性はしっかり着付けから小物まで見てますよ~!
おやすみクリーミー

おやすみクリーミー

ミントシアター

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/10/02 (水) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった~!
ミントシアターという可愛い劇団名と、素直な演目そのままの舞台でした。粋な音楽の選曲がよかったですね。こういう、納まりがいいのか悪いのか分からないような劇、私は割と好きです。どんな夫婦間のトラブルも軋轢も、過去のものになってしまうよりは、やはりあったほうが良いとしみじみ感じさせられる舞台でした。ゲイテイストあり、イタリアンテイストあり、大阪のおばちゃんテイストまで満載の、ちょっと忙し目のくすくす笑える舞台。よくシェイプアップされた男性のエアロビクスも見られます。

ネタバレBOX

楽しかったですが、楽しい舞台と面白い舞台というのとはやはり違う。面白い舞台は感情をより深く掘り下げられ、何かをインスパイヤされるような気がしますが、それがちょっと足りなかったかな。いろんなテイストのオンパレードで終わってしまったような気がするのが残念。
イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】

イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】

劇団東京イボンヌ

ワーサルシアター(東京都)

2013/10/01 (火) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

感動は一度がいい。
現代とベートーベンの生きた時代を並行させながら、ベートーベンの様々な楽曲をライブと音源で十分に楽しませてくれました。照明がよく、特に下からの照明が雰囲気を盛り上げている。衣装の色彩にも細かく注意が払われ、父と娘のシーンでは赤と緑を基調とし、不安定で愛憎半ばする関係をよく示唆しており、ベートーベンの時代は白が基本でクラシックな感じをよく表わしている。解り易い演出があちこちに見られ、現代とベートーベンの時代の社会の問題点なども浮彫りになっており、とても見応えがありました。ただ、楽曲とお芝居のコラボなら、クライマックスは一度で良かったと思います。

ネタバレBOX

すいません、少々衣装にケチを。マリアの衣装やアクセサリー、髪型など、素晴らしかったです。これに比べ、ベートーベンやシューベルトなど、男性陣の艶のあるファブリックや鬘が少し安っぽく見えた。同じ白でも素材が違うと雰囲気が全然違ってくる。これ、全体に薄いセピア色に統一できればさぞ美しかったことと思います。それと、せっかく映像を使うのだから、時代を示唆するだけではもったいなかった~。「イッヒ・リーベ・ディッヒ」の歌詞の訳とか、当時の街の様子などをそれこそセピア色で流せば素晴らしかったと思う。あるいは、ピアノ演奏の手元とか客席からは見えないので、ぜひ映して欲しかったですね~。私はピアノのコンサートの時は必ずピアノを弾いている手元が見える席に陣取ります。これ、ライブの楽しみの一つなんですよ~。ぜひ見たかったなあ。ストーリーは現代、過去ともにもう少しサスペンス色があればもっと楽しめたかな。それにしても、なぜ「イッヒ・リーベ・ディッヒ」を2度使ったのだろう。どんな名曲でも2度目は感動が薄れる。また、クライマックスは歓喜の歌とみちるの叫び声だったと思うが、どんなに大音響にしても小品のピアノと歌のライブには敵わない。感動がばらけてしまう感じがして、なんだかちょっと残念な感じが残った。それにしても平日のマチネで満席の入り。現代の観客はこんな劇を欲しているのかもしれません。それとベートーベンがそこはかとなくお笑いテイストなんですけど、そう感じたのは私だけ?
押忍! 龍馬【池袋演劇祭CM大会優秀賞受賞!】

押忍! 龍馬【池袋演劇祭CM大会優秀賞受賞!】

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/02 (水)公演終了

満足度★★★★

面白かったです!
殺陣の冴えが良かった~。ふつう男性と女性が同時に殺陣をすると女性の筋力が劣るため、どうしても遅くみえてしまう。でも、この劇団は女優陣がよく鍛えられているのか、まったく見劣り無く楽しめました。俳優さんたち、みんな素晴らしい発声でしたね。動きながらでも軽々と声が出ている。安心してストーリーが追える感じでした。幕末の歴史のとらえ方も面白かった。日本がアジアでも抜きん出た近代化を成し遂げた原点をうまくとらえていたと思います。
最後はどうしても龍馬にスポットが当たってしまいますが、乙女姉さんという一般人の考え方と龍馬の考え方の違いなどが興味深かったです。影絵については・・・・なんかクラシックな、古拙な感じが割と好き。終幕の殺陣のシーンのクラシック音楽は秀逸。美しかったです!

ネタバレBOX

そうなんですよね~。なぜ日本が植民地化されなかったのかに関して、ほとんど議論されないのが現実ですが、(曰くちっぽけな国なので、興味が無かったとか、資源が無かったとか色々言われますが、当時植民地の分取り合戦を繰り広げていた欧米諸国が見逃したとは思えない。)やはり大規模な市民戦争が日本で起こらず、他国から武器供与を受けてまで自国民を殺そうとはしなかった日本人の倫理感によるところが大きいと私は思っていますが。まあ、結果として幕臣を見捨てて江戸に逃げ帰った将軍慶喜のおかげかと・・・・。
OVER SMILE

OVER SMILE

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

う~ん、開演前15分の
前説が失敗したかな?手話やイケメン君など、興味深くてトイレに行きそびれた人が多かったのでは。どうしてもこれをやりたいのなら、公演時間が2時間半超えと最初に言っておくべきでしたね。前説と合わせると2時間45分。急に寒くなってきたせいもあるけれど、公演中にこんなにばらばらとトイレに立つ観客が多い劇も珍しい。生理現象だから仕方ないけれど、これはやはり前説のせいもあると思います。これもあって、なんだか緊張感に欠ける舞台になってしまってすごく残念~。凝った華やかな衣装、キレのある殺陣とダンス、よくできた映像、声もよく通り、メッセージ性も強く、エンターテイメントとしてもよく出来ているのに。劇団側としても、思いがけない落し穴だったのではないでしょうか。トイレに立った観客の方はマナーもよく、決して目障りというのではありませんでしたが、やはりそうさせない工夫が大事だったと思います。

ネタバレBOX

人間の緊張ってホント続かないものですね。今回の劇、劇自体に中弛みがあったのか、あるいは上の事情でこちらのテンションが続かなかったせいか、すごく長く感じた。実際長いのだけれど、決して退屈というのではなく、何だかフラストレイトしました。ファンタジー物ですが、単なるファンタジーに終わらず、手話の力強い言葉が聞こえてくるようだった。切なさも十分。それだけに残念感が残る。私たち観客は前説から劇に入っていきます。雰囲気を盛り上げる上手な前説はそれだけで一場の劇になりうる。それだけに疲れも出てくるんですね。公演中にトイレに立つにはそれなりの葛藤もあるし、勇気もいる。明日からは観客の方がゆっくりと観られますように!
カルナバリート伯爵の約束 【池袋演劇祭‘優秀賞’受賞】

カルナバリート伯爵の約束 【池袋演劇祭‘優秀賞’受賞】

メガバックスコレクション

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2013/09/13 (金) ~ 2013/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

恐ろしくリアルな美術と、その使い方に驚嘆。
不思議な味わいの物語。サスペンスとホラーの味付けもあり、始終ドキドさせられる。でも一番のミステリーは脚本家の滝氏の生死感だ。いや、氏の生死感は 「Hottel call at」 で知っているんだけれど、今回はそれがもっと鮮明になった感じ。でもたくさんの謎も怖さも、一つの「生きる」という人間の根源的な問題に収斂されていく。お見事です。どんな小説も舞台もこのテーマが入っていないものは無いけれど、これほど真正面から取り上げたものも珍しい。優れた俳優陣がいてこそ取り扱えるテーマだと思います。今回は特に恐怖の表情、苦渋の決断後の台詞、死者たちの一晩の変化など、演技の凄まじさを堪能しました。名作の名に恥じない作品ですね!

ネタバレBOX

う~ん、カルナバリート伯爵の名前とか、ほかの登場人物の名前から察するに、これはスペインかポルトガル、あるいはあのポンチョっぽい衣装から、もしかすると南米か中南米を意識しているのか?とあまりのリアルさから事故現場を想定せずにはいられない私です。兵士がベレー帽とか被っているとバスク地方と確定できるのだが・・・・・と妄想が膨らむ。この作品、死者が普通に出てくるだけにこのリアルさがカギですね。でも、兵士の制服やワインやチーズの名称など、実に巧みに個性を消されていて、確定させない。これがお芝居の面白さを増幅させている。ずるい~。
プロタゴニスト

プロタゴニスト

ハグハグ共和国

テアトルBONBON(東京都)

2013/09/11 (水) ~ 2013/09/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

いやぁ・・・・・やられました。
開幕時の白黒の衣装や大上段の台詞など、大丈夫かなこの劇・・・・・とちょっと不安が広がりましたが、すぐに丁寧な作りに惹き込まれました。これといった物のない田舎町にもこれほどの激動の歴史があったことを、少し視点を変えることで浮かび上がらせるその手法には感動です。力量のある俳優さんがあってこそできる、プロタゴニスト集約型劇ですね。でも、そこに至る丁寧な物語があってこそのラスト5分だと思います。大人数の劇団員の使い方の巧さにも脱帽!!初見の方はぜひプロタゴニストの意味を調べていくといいと思います。

Hedda

Hedda

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/09/11 (水) ~ 2013/09/18 (水)公演終了

満足度★★★★

これは・・・・・
当時の社会というか、女の在り方というものを理解していないとよくわからない作品ですね。上流の女は社会で働かないという大きな蓋がある中で、自分の力を持て余している女が陥る蟻地獄といったところでしょうか。もうね、な~んて嫌な女、とあきれますが、でも後味も限りなく悪い。こんな結末にしかなりようのない時代、というものを俳優さんたちは違和感無くうまく引き出していたと思います。

かっぽれ!〜夏〜

かっぽれ!〜夏〜

green flowers

あうるすぽっと(東京都)

2013/09/06 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

前作に続く
落語家一門のシリーズ物だが、明るく楽しい舞台で今回も堪能しました。綺麗なせりふ回しに程よい声量、一人が二役やるにもかかわらず、一瞬にして違う人物になる切り換えの鮮やかさなど、すごい劇団だな~とつくづく思います。今回は落語の部分の背景の切り替えなどもあり、手が込んできた感じに。台詞やしぐさで江戸時代を表現する役者さんたちの演技はお見事でした。一緒に行った劇団初見の友人は大喜び。DVD欲しい~と騒いでました。師匠に会えなかったのが残念!

ネタバレBOX

ただ、あうるすぽっとという大きな舞台で、背景だけ変えて衣装はそのまま、というのはなんだかちょっと残念な感じがしました。落語の、手ぬぐいと扇子だけであらゆるものを表現するという手法に倣ったものと思われますが、どんなに素晴らしい所作や台詞でも、やはり視覚からの違和感はいかんともしがたい。衣装を全部変える必要はないと思いますが、例えば小間物屋の主人は長めの羽織に変えるとか、焼き餅やきの女房は黒繻子の襟をかけるとか、髪に櫛を挿すとか、何か江戸情緒を感じさせてくれる工夫があればもっと楽しかったかなぁ、と思います。船頭の女房が洋装なので色々難しいことと思いますが・・・・。これ、以前は感じなかった違和感ですね。舞台の大きさのせいでしょうか?
elePHANTMoon×iaku

elePHANTMoon×iaku

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

まさに小劇場界の雄
というにふさわしい二劇団でした!刺激的で、一瞬も目が離せない、聞き耳を立てずにはいられない。しかも観客側には緊張を強いない。不思議だ・・・。いやまぁ、排泄物を食べるシーンではうっとしたけれど。でも、「ボクが・・・・」のほう、食べ続ける理由がイマイチわからなかったなぁ。食べる、という行為にフォーカスしたいのか、最後の残滓のひとかけらまで愛しいということなのか、私の頭ではよく理解できませんでした。

ネタバレBOX

写真家の星野道夫氏の写真の言葉に「獣を狩ってそれを食べということは、その獣の生きてきたすべて、見てきたすべてを自分の体内に取り入れるということ」「私は獣になり、森になる」みたいなのがありましたが(←うろ覚え)なぜかそれを思い出した。でも、こちらのイメージは鮮明で美しいが、「ボクが・・・」のほうはその美しさが無かったな。病院という人工物の中でのお話のせいかも。初心者の方にはおすすめできないかな。
兄弟ノート

兄弟ノート

劇団ヨロタミ

萬劇場(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

歌あり涙あり、
ちょっぴりスパイスの効いたオヤジ風ギャグあり・・・・。とても楽しませてもらいました。家族の絆を何度も噛みしめてしまいます。無理の無いきれいな台詞が聞き易く、心に響きました。劇っていいなぁと素直に思ってしまいますね。

男郎華(おとこえし)

男郎華(おとこえし)

Marmoset

俳優座劇場(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

若くて売り出し中の
俳優さんがたくさん見れます・・・・・。しかし、それにしては美術が雑。ネオジャパニズムの世界観が全く描けず。

ネタバレBOX

古いですが、田村由美のマンガ「BASARA」を思い出させる世界観でしたね。でも、緻密さが全く違う・・・・。
花の散りぎわ

花の散りぎわ

年年有魚

駅前劇場(東京都)

2013/08/28 (水) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団名の示す通り、
余裕ある空間をうまく使って、様々な物語を並列的に述べるという手法で、とても面白く観劇しました。初めはちょっとうるさく感じましたが、そりゃあ、四人姉妹だもの、色々あるよね~と納得。しかも、劇中かなり劇的なことが起こっているにもかかわらず、その横でごく日常の会話が交わされているという情景も現実感があり、良かったです。ただ、演出の方の好みだと思いますが、台詞回しや声量がちょっとTVドラマっぽかったかな?ちなみにこの日は都心で37度近い暑さ。当然劇場の冷房はガンガン入り、あの声量では台詞が聞こえにくいという事態に。その分ちょっと感動が薄まってしまったような気がします。よくお芝居は生き物といいますが、こういうことなんだな~と。(ちょっと即物的すぎ?)

ネタバレBOX

駅前劇場をあんなに広く感じたのは初めてです。黒という色が面積を広く感じさせるというのは本当ですね!歌舞伎の松みたいな背景はちょっと笑ってしまった・・・。ライティングが巧みで、クラシック音楽もとてもよくはまっていました。劇の初めと終わりの無伴奏チェロ組曲は感動もの。
父と暮せば

父と暮せば

演劇集団 激突撃破

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2013/08/28 (水) ~ 2013/08/31 (土)公演終了

満足度★★★★

力のある俳優さん二人の
熱演で見応えありました。けれんみの無い演出、美しいライティング、アコースティックな音楽、どれも見事でした。すべてがこの作品にぴったりとはまっていて、映画とはまた違った迫力がありました。ちょっと気になったのが、始終MAXな声量で演じられたこと。この俳優さんたちなら、どんな小さな声でも演じられたはず。80分という公演時間は決して短くはない。もう少し強弱があったほうが観客側としてはリラックスして見られたかな、と思います。

ネタバレBOX

小物がうまく使われていて、上手いな~と・・・・・。モンペ姿で化粧気のない美津江が、最後に木下を迎えに行くときにさりげなく眼鏡を外す。悲しみや苦しさの中にも娘心がよく出ていて、思わず美津江に幸多かれと祈りたくなるようなワンシーンでした。
メロス&メロス

メロス&メロス

ODASSA企画

ART THEATER かもめ座(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

シリアスメロスとコメディメロス
という二つのメロスでしたが・・・。太宰メロス、メロス役の役者さんが何だかとってもイメージ通りでびっくり。よくはまってましたね~。全体に無駄がなく、すっきりメロスという感じ。朗読劇としても面白い出来だなと思いました。これに比べると森見メロスは詭弁を弄さなくてはいけないので、どうしてもちょっと説明的になる。それより、このお笑い、どこかで見たことのあるような気が・・・・。何だろう、この既視感??そうだ、「鴨川ホルモー」とか、「あおによし、鹿男」なんかにすごく雰囲気が似ているんですが・・・・。あのブリーフダンスなんか特に、鴨川ホルモーを思い出してしまった。また、朗読劇の形を取りながらも実際には役者さんはほとんど本は読んで無かったようですが、朗読劇であるからにはナレーションの噛みは厳禁ですよね。わずかな噛みでもだれてしまいます。皆さん声がよく出ていて好感が持てましたが、前半の出来がよかっただけにちょっと残念な感じに。でも、勇気をもってブリーフダンスをしたことに敬意を表して星ひとつおまけ。

クロスワールド

クロスワールド

夏色プリズム

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/08/14 (水) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

メインキャラクター達の
背景がほとんど説明されず、何だか全体によくわからなかった。作者の中でも、天上とクローン人間等のいる世界観があまり確立していないのではないかと思われる甘さがあって、共感できない。SFというのは世界観が最大の魅力だ。様々なディテールが示されてこそ、私たち観客はその世界に入っていける。クローンたちはなぜ逃げているのか、なぜかたくなに病院へ行くのを拒むのか。すでに臓器を提供させられているからなのか、何か体に一目でクローンとわかる刻印か機器が埋め込まれているのか、通報されるとすぐに連行されるからなのか、それとも彼らを匿った人間も罪に問われるからなのか。何かあるはずだが、何の説明もないので、彼らの置かれている立場が少しも分からない。彼らを殺しに来る男も「お前たちは失敗だ、存在してはいけないんだ」というだけで、オフィシャルな殺し屋なのか、宗教的狂信者なのか、個人的に彼らを憎んでいるのか、これも不明。全体にあまりにも漠然としていて、メインテーマのみが示されている感じ。テーマが何度も過去に遡って示されるが、そのたびに少しずつ謎が解け、世界観がはっきりしていけば見応えがあったと思う。天上界ももっと色々ディテールが欲しかった。「私はお茶を汲みに来たのではない」なんて言うフェミニズムな台詞はあまりにもありきたりで、おまけに現実にはほとんど聞かれない言葉だと思います。俳優さんは声がよく通る人が多く、良かったですね~。

鉄の時代

鉄の時代

劇団霞座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/08/09 (金) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

舞台美術や照明、それに導入の
環境音楽っぽいものがすごく美しく、期待が高まりました。シンセサイザー(?)の生演奏による音楽も壮大で美しかったです。(演奏者も役者さんで、なんか新鮮だった)ただ、劇が始まって全員が一斉に言う台詞の第一声からして私には無理でした。発声が悪くひどく聞き辛い。声が生々しくて舞台用の声になっておらず、こちらの喉が締めつけられるような気がした。

ネタバレBOX

う~ん、どうしたのかな?最近は学生演劇でもかなり発声のきれいな所が多いですが・・・・。小さな声でもきれいに客席の隅々まで響かせるし。発音や内容以前の問題だと思いますが。私の場合、第一声からほとんど生理的に無理な感じ。

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