媚励(ビレ)
乞局
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/04/05 (木) ~ 2007/04/15 (日)公演終了
ズレてると、可笑しい
人間のどうしようもなくダメで嫌な部分を淡淡と、乾いた質感で描く、というのが最近の流行りというか、もはやスタンダードという印象さえあるが(それは観客のダイレクトな反応を見ても感じたことだ)、その中でも人物が取っている行動の異常さとあくまで日常を基点とした演出とのギャップが、、、もの凄くツボ。表面的には淡淡としてるもんだからその多大なズレが更に増幅されて、猛烈に可笑しく感じられる。
紅の舞う丘
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2007/04/04 (水) ~ 2007/04/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
力を持った特良作
起業家の話というより、女性達が、いかに仕事と、自分と向き合い、どう生きるか、というテーマに真っ向から取り組んだ作品。
おそらく意図的に類型的に造られたであろうキャラクター達により、けっこう都合のいい物語が、そして心にじんと響く言葉が、そこはかとなくゆれる魂が、まるでジャズのスイングのように勢い良く転がり出してゆき、テーマを確実に浮き上がらせつつ、弛緩することなく最後まで突き進む。
俳優陣に力がある。個々の実力、というよりは、若いコアメンバー、そしてそれをがっちり受け止める客演陣とのチームワークの良さが、立ち上がったばかりの新会社の混沌とした雰囲気と絶妙に重なり合ってゆく。
個人的にマイナス点がありません。
傑作というより、たいへんな特良作だと思います。
イメージの世界
ユニークポイント
OFF OFFシアター(東京都)
2007/03/02 (金) ~ 2007/03/11 (日)公演終了
叩き台としての作品
本公演を5年半ぶりに観劇。
技術を擁して自らの世界観を展開するのではなく、伝えられるべき、あぶり出されるべき構造を、演劇という手段を用いて再現させてゆく。それを支えるべく集団の強靭さが増していた。
1h40'をさらに1h15'に刈り込んだと聞き、やや感動。ただ、この時間で二つの問題を取り扱ったことについては、最後まで、そしてこの後も疑問が残る。
『籠釣瓶花街酔醒』(かごつるべさとのえいざめ)
劇団黒テント
イワト劇場(東京都)
2007/02/15 (木) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
クレイジー!
ああ、なにもかもがクレイジー。さても男といふものは。
歌舞伎「籠釣瓶」を上演しようとする一座。@イワト劇場、実際の黒テント劇団とも重なって見えるようにも勝手に感じられ、そうするとこれは三層構造?
歌い、踊って、管楽器にチャンチャンバラバラ、熱い魂やら怨念やらが揺らゆらと色めき立ちこちらに触れる。