INDESINENCE
LUCKUP
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
テンポのいい台詞のやり取り、分かりやすい内容で肩肘張らずに楽しめる作品である。ただ物語の面白さには欠けていた。遺産相続争いの結末がどのような結末を迎えるのかが最大の焦点になろうが、終盤の展開は少々お粗末で期待外れであった。女子大生探偵の登場で中盤までミステリー的要素が高まっていただけに残念だ。
#12『ピーチオンザビーチノーエスケープ』/#14『PINKの川でぬるい息』
オフィス上の空
シアターサンモール(東京都)
2021/02/07 (日) ~ 2021/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
『ピーチオンンザビーチノーエスエープ』を観劇。初っ端からなんだ、このシチュエーション?と思ったのだが後半、謎が解けて切なさがこみ上げた。人間に潜む闇の部分=狂気が目いっぱい描かれていたので、陰惨ではあるが後味は悪くなかった。役者陣の熱演が光った。
農園ぱらだいす
劇団 匂組
駅前劇場(東京都)
2020/10/14 (水) ~ 2020/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
なるほど、女の園は彼女たちにとってこの上なく心地いい場所で「パラダイス」そのものだ。ただ、パラダイスであるが故、物語に波乱もなく観る者には少々物足りない感もある。逆に互いに惹かれあいながら素直になれない男女の心の機微は、この平凡な日常の中で見事に際立っている。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。
オフィス上の空
シアタートラム(東京都)
2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★
なるほどこういう性癖もあるのか、と妙に納得させるところもあるが、(ラストシーンだったり、場面転換時の爆発音だったり)モヤモヤするところもありすっきり観られたとは言えない。現代の閉塞感を突破するような勢いは感じられた。
スーパー・ウーマン・リヴ
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2020/08/04 (火) ~ 2020/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
小劇場の芝居ではよくあるタイプのハートフルコメディ。もともと好みのジャンルだがコロナ禍のこの時期だからか、余計心に沁みた。バラエティ豊かなキャラクターも物語を盛り上げている。
『ブラックアウト』
singing dog
雑遊(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
久しぶりに芝居を観ることができた喜びをしみじみと感じさせてくれる舞台でした。役者さんが皆達者でアルコール依存症のこわさが強烈に伝わってくる。また、この病気を通して患者と家族との関係を描くことによって、一段と濃厚な物語になっている。
終わらない世界
ジェットラグ
博品館劇場(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★
緒月さんや十碧さん、宝塚出身の女優さんが出演されているのでとても華やかで華のある舞台でしたが私にはこの物語の面白さがわかりませんでした。コミカルなシーンもそれほど笑えないし。役者さんは皆うまかったんですけどそれぞれのキャラクターを作りすぎているような感じもして。なんだか合わなかったです。
365度人生
張ち切れパンダ
小劇場B1(東京都)
2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
まだ3かいめだが、観ていてこれだけ心地いい劇団は久しぶりです。一番の理由は主人公が良くも悪くも魅力的なのです。今回の七子もそう。後半そこまでするか、という展開も彼女の人物像を作り上げるためには必要だったのかと思う。また毎回謎めいたタイトルの解答を明快に(劇中の伏線の張り方が実に巧い)示してくれること。これは物語を味わう観客の醍醐味になっていると思う。今回は場面転換の速さも光っていたし、日常のクスッと笑える場面をうまくとらえたシーンが随所にちりばめられていて楽しめる、など理由は挙げればキリがない。これからも末永く楽しませてください。
最後の伝令 菊谷栄物語
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2019/11/27 (水) ~ 2019/12/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
シリアスなドラマと華麗なレビューが絶妙な配分で融合した極上のエンタメ作品。レビューがキラキラして楽しい分、ドラマがより切なく感じた。「やっぱ芝居って最高だな!」と素直に思わせてくれる一本。文句なしの星5つ。
8人の女たち
T-PROJECT
あうるすぽっと(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
君恋し
劇団昴
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/26 (木)公演終了
満足度★★★
戦後間もなくの時代の空気は舞台セット、衣装、アコーディオンを中心とした演奏シーンなどで存分に感じさせてくれる。また場末の芝居小屋に集う人々の間に交わされる軽妙な会話のやりとりは人間模様がありありと伝わってきて楽しめる。ただ肝心の「ハナの咲かなかった男」二村定一に関してはもう少しフィーチャーして描くべきだったのではないかと思う。クライマックスであるはずの「君恋いし」の歌唱シーンには何の感興も起らず物足りなさを感じた。
半ライスのタテマエ
Sky Theater PROJECT
「劇」小劇場(東京都)
2019/09/11 (水) ~ 2019/09/17 (火)公演終了
満足度★★★★
二組の家族を中心に描かれるファミリードラマ。登場人物が多いのに全てのキャラクターが生き生きとしていてとても心地よい芝居だった。時系列が前後しても全く違和感なくて整然とした印象。演者も皆達者で堪能できた。
あの日見た星空はきれいだった
アンティークス
シアター711(東京都)
2019/05/22 (水) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★
出来過ぎな結末に象徴される「愛」とか「優しさ」が少々押しつけがましく感じた。兄妹が旅で出会う人々と紡ぐ物語という設定だが個々の物語が並行して描かれているだけで、これだけの登場人物が必要だったのかという疑問が残る。ファンタジーっぽい展開は決して嫌いではないのだが…。
TOCTOC あなたと少しだけ違う癖
株式会社NLT
ザ・ポケット(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
翻訳劇(特にコメディ)は日本人の感性に合わない部分も多く苦手な方だったが今回はそのイメージを完全に覆された。人間なら誰しも強迫性障害を持っているせいか、登場人物に限りなく親しみを感じるのだ。そう思わせてくれたの出演陣の好演によるところが大きい。まさに舞台上にはフレッドやブランシュたち、6人が存在していた。
花火鳴らそか ひらひら振ろか
劇団銅鑼
あうるすぽっと(東京都)
2019/02/15 (金) ~ 2019/02/21 (木)公演終了
満足度★★★★
コメディタッチの作品と思いきや最後にはホロッとさせられる素敵な物語でした。亡き祖父が後ろから孫娘(平原)を抱きしめる場面、姿は見えないのに手のぬくもりだけは感じられたようなとても美しい場面でした。舞台セットもシンプルなのにまるで部屋の情景が浮かび上がってくるような。久しぶりに舞台の魔力を感じられる作品に出会えました。
還るなら、ハラ
張ち切れパンダ
オメガ東京(東京都)
2018/12/22 (土) ~ 2018/12/26 (水)公演終了
満足度★★★★
遅ればせながら感想を一言。サラッと観てしまうと単なるホームコメディで終わってしまいそうだがそうではなかった。物語の組み立て方や登場人物の配置が絶妙であった。(冒頭の主人公のセクシーな下着姿はのちの水かけ事件につながるし、兄夫婦の新たな生命の誕生に逆行するように彼女の胎内回帰願望(?)があったり)何より主人公の最後の一言に物語のすべてが収斂していた気がして作家の力量を感じさせた。
こっちとそっち
劇団時間制作
萬劇場(東京都)
2018/11/14 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
満足度★★★
オーバーなセリフ回しには少々違和感を覚えてしまう。(バックの音響が一層その感を強めた。)全体的に過剰なのだ。もっと強弱があっていいし間があっていいいだろう。それでもピュアでストレートな表現に胸打たれる場面もあって複雑な印象だ。
硝子の獣
雀組ホエールズ
「劇」小劇場(東京都)
2018/06/27 (水) ~ 2018/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
少年犯罪というテーマにとことんストレートに向き合った真摯な舞台。現実の問題と比べると少し無理な展開と思える部分はあるがそれは舞台上のリアルを生み出すための一つの方法と考えればいいだろう。救われない物語が最後に救われるところがグッとくる。
忘却論
華凛
ワーサルシアター(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★
当日パンフの作家の言葉に“「女」の熱量の集合体”とか枯れていたが確かに熱量はすごい。女の怖さをまざまざと思い知らされる。
一つの物語というより彼女たちのパフォーマンスという感じだった。水槽を使うというのが斬新な発想だと思った。
空観
ヒンドゥー五千回
座・高円寺2(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/26 (木)公演終了
満足度★★★
観客は登場人物のセリフから彼らの関係性や物語の内容を理解すると思うのだが、この作品は訳のわからない言語によって成り立っているのでそれができない。よって表情や身振りからそれらを理解しようとするのだがそれで何となく理解できてしまう(そんな気になる)。とするとセリフにはどれだけの意味があるのだろうかと思ってしまう。普段見る芝居とは全く違った世界、ちょっと寓話的な内容もある不思議な世界だった。