あらいの観てきた!クチコミ一覧

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サロメ

サロメ

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★

現代劇のサロメ
有名なわりに現在では上演される機会が少ない作品。演出は現代風だが、成功しているとは言い難いのでは。税金で運営している手前、意欲作を取り上げているというエクスキューズのために取り上げられたのではと邪推してしまう。

ネタバレBOX

我がままな娘とそれに振り回される父というホームドラマ的な感じで、この作品の本来の魅力である、背徳とかエロティシズムといったものがあまり感じられなかった(多部美華子さんはなかなか良かったけど)。古典を現代風に演出する最近の流行りに便乗したようにしか思えない。有名な七つのベールの踊りももっと観たかった。
意味不明なのが舞台に大勢出ている俳優たち。実力のある人も多いのに群衆的な扱いでほとんどせりふもない。手持無沙汰そう。国立劇場ならではで、民間ではありえないこと。
サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2012/03/06 (火) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★

退屈
何年か前に新妻聖子さんと剣幸さんが演じた舞台は、息詰まるような母娘の闘いを演じて見事だったが、今回はいささか集中力に欠けたものとなったと思う。演出も、本来は言葉だけで盛り上げていくべき二幕、三幕のクライマックスを中心に、若干過剰に感じた。

美女劇 伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪

美女劇 伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

今の時代に・・・
寺島しのぶさんが寺山修司作品に出るということで観に行ったが、ちょっと後悔した。
作品は当時はそれなりに斬新だったのかもしれないが、今から見るといかにも古臭い。日本がまだ高度成長期で、一方で貧しさがあちこちに残っていた時代における、金持ちに対する憧れと憎しみがバックグラウンドになっているのだと思うが、多くの人がこの作品で描かれたような金持ち(女中はいないが)に近い生活を送れるようになった現代ではピンとこない。
演劇はその時代背景を強く反映するものだけに、容易に陳腐化する。単に有名作家のものというだけで安易に過去の作品を取り上げるのはいかがなものかと思う。
社会的な背景などは無視してコスプレに興じる、甘っちょろいノスタルジーに浸っているような感じに少々辟易した。
内容はともかく、出演者は好演。
ただし寺島しのぶさん出演場面も少なく役不足では?
他もみなさん芸達者で、音楽ショーとしてはそれなりに満足できたのでこの評価とした。

思い出のブライトン・ビーチ

思い出のブライトン・ビーチ

文学座

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2011/04/29 (金) ~ 2011/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

良かった!
作品が良いのはもちろんだが、確かな演出とそれに見事応えた俳優陣の演技で、久々に良い作品を観たという気がした。一緒に行った、普段は小劇場中心の知人も喜んでくれた。狂言回しのユジーン役を、まだ研修生という若い宮内克也さんがはつらつと演じたことで(好演!)、作品全体がテンポよく軽快なものに仕上がったと思う。それでいて後半のドラマチックな場面では、白熱した演技が展開され、しっとりとした余韻が残った。
それにしても周知のことではあるが、文学座の人は皆さん本当にはっきりしゃべりますね。せりふがクリアに聞こえるという点では、他の新劇団と比べても一頭地を抜いていると思います。

音楽劇 わが町

音楽劇 わが町

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2011/03/03 (木) ~ 2011/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

贅沢なステージ
わが町を音楽劇にしたのは正解。
いつも少し退屈に感じる一幕、二幕が、音楽が入ったおかげで華やかになって楽しめた。
ただその反面、三幕の精神性、悲しみのようなものは少し失われたような気もした。
俳優の方々はみなさん歌も演技も達者(特に進行役が巧い)、観る前は年齢的にちょっと無理があるのでは、と思う方もいたが、まったく気にならなかった。
音楽、演出も丁寧に作りこまれている感じ。
俳優座劇場は定員が300人に程度の劇場だが、それだけのお客さんしか観られないなんてもったいない、もっと大きな劇場で公演してもよいと思うほど贅沢なステージだった。

ダーウィンの城

ダーウィンの城

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2010/10/25 (月) ~ 2010/11/07 (日)公演終了

満足度★★★★

熱演
衝撃的との前評判に割に、想定内の展開で驚きはなかった。いつもの鐘下作品に比べ、登場人物が多く場面転換も頻繁で、少し集中力に欠けた。一連のエピソードも類型的。ただ俳優の熱演と斬新な演出はさすが文学座。新劇の範疇ではないが、病んだ人々を的確に演じて見事。新しいレパートリーに果敢に挑戦する姿勢も評価したい。

悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度

がっかり
戦後日本を売春宿を軸に描くというなら、井上ひさしのように、とまではいかないにしても、もう少し歴史をしっかり「勉強」することが必要なのではないでしょうか。おとぎばなしにも、しっかりした背景がないと、単なる空想、妄想のレベル。ストーリーもありきたりで、すっかりしらけてしまいました。役者の方は頑張っておられたと思います。

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