
裸のリア王
MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)
アトリエS-pace(大阪府)
2013/11/29 (金) ~ 2013/11/30 (土)公演終了
満足度★★★★
予想を超えた脱ぎっぷり
やってることは完全にアウトライン。
なんせ、全裸でしたからね・・・。
裸、裸、とはいっても、舞台なんだし、せいぜいパンツ一丁くらいかと思っていましたよ!
でも、まったく嫌悪感はなく、むしろ清々しいくらいのやり切り感。
肉体美だけでなく、内面までも全てを曝け出したかのような、魂のこもった芝居には胸を打たれました・・・あんなことになってるのに(笑)
まさしく全身全霊を込めた芝居でした!
ぜひ、また観たいです!

イレカワ
中野劇団
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2013/08/11 (日) ~ 2013/08/13 (火)公演終了
満足度★★★
時を越えた入れ替わり
いつも用意された仕掛けによって、畳み掛けてくるのが上手い中野劇団さん。
人格の入れ替わりが、今回の仕掛けのメイン。
しかしながら、同じ場所の過去と現在で入れ替わるとは、虚をつかれました!
そうくるとは。
話を進めるにつれて、ひとつずつ、少しずつ、仕掛けを明らかにしていく。
まったく同じ場所に、まったく違うグループが集まっているので、場面転換は主人公が意識を失い人格が入れ替わると同時に暗転、暗転。
意識が途切れるのを表現するのに、暗転はさもありなんという感じではありますが。
観ていて、ぶつぶつ途切れる感じになってしまうのはいたしかたなく。
中野劇団さんらしい、ボケとツッコミの応酬に爆笑させられ、ネタバラシによる畳み掛けに夢中になって観てましたが。。。
過去と現在で入れ替わっている人間同士、そしてそこに集っているメンバーの関係性が、あまりにリンクさせすぎで。
いくらなんでも気づくやろう・・・無理あるやろう・・・と思ってしまった時点で、ふっとちょっと醒めてしまったのが、惜しい。
しかしながら、最終的にあったか~いラストにほっこり。
思いっきり笑えて、心もぬくもり、とても楽しい観劇でした♪

ショコメ!
演劇畑ハッピーナッツ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2013/08/16 (金) ~ 2013/08/18 (日)公演終了
満足度★★★
120分ぶっ通し!
ランタイム聞いて、思ったより長くて衝撃(笑)
それもそのはず、8本のコントは、1本1本そこそこの長さのあるものでした。
作品間は一瞬の暗転挟むだけで、明かりついた状態で粛々と場面転換が行われ、まったく隙間なく次々上演。
ちょっとした、耐久コントレースのごとし。
総勢10人、脚本担当3人、似たテーマのものもありつつ、それぞれキャラが立っていて。
真夏の盛りに、ホラーあり、恋愛あり、SFあり、バラエティ豊かにゆぅるく何にも考えず笑って楽しいコント集でした☆
付け加えるならば・・・8本中、サイテーな男が主役級で登場する頻度が高い(笑)

ヒーローズ
少年社中
劇場MOMO(東京都)
2013/08/08 (木) ~ 2013/08/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
熱かった!!
この日、少年社中を観るためだけに、大阪からやってまいりました☆
MOMO初めてだったのですが・・・中入ってびっくり!
衝撃の舞台の近さ!
あの濃ゆい人たちの演技を、こんな至近距離で観られるなんて!
あまりの贅沢さに、くらくらしました。。。
わたしが観た回は、二回とも本編より前にプロローグがある回。
本編の内容はいささかも変わらないのに、プロローグによって本編で受ける印象、視点も影響を受け。
これは、全プロローグ通し推奨です!
わたしも行けるものなら・・・(涙)
等身大のヒーロー、これはまさしくほんとに等身大でした。
なんせ、各ヒーローを創り上げたのは、各役者さんご自身なので。
その個性、カラーがびっしびしにキャラに反映されていて。
ぴたっと合う、活き活きとした、とても魅力的なキャラクターたちでした☆

Evergreen Online/EDIT
ALTERNAIT
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/08 (月)公演終了
満足度★★★★
最高のエンターテイメント!
関西小劇場界で、年間山ほどの公演の現場で音響をされておられる須川忠俊さんが。
満を持して、ご自身でプロデュース、演出をされた公演。
さすがのその人脈、この公演に関わっておられる方々の、キャストから裏方さんにいたるまで隅々余すところなくなんとも豪華なこと!
めんたま飛び出ますよ!
もうなんだかお祭りのような公演でした。
元から期待はしてましたが・・・いやぁ凄かったですねぇ。
エンターテイメント性の高さが、半端なかったです。
ファンタジー担当キャラの衣裳は豪奢にもほどがあり、バラエティに富んだ種類と色の照明はあまりに美しく。
さっすが須川さんプロデュース公演、お尻にずしんと響いてくる重みのある音響がたまらない。
内容的には、MMOプレイヤーの、ゲームサイドと、リアルサイド、同時進行のお話。
わたし、かつてはそこそこやり込んだMMOプレイヤーでした。
なので、むっちゃわかるのです、知っているのです、このお芝居の中で語られていることを。
なので、むっちゃ懐かしくもあり、むっちゃ共感でもあり、観ながらいろんなこと考えちゃいましたねぇ。
さすがに、そんな観方をしていた人は、そんなに数多くはなかったろうと思いますが(笑)
そのあたりを絡めた話をし始めると、そこにこのお芝居の真髄の核部分が存在するのではありますが・・・。
もはや観劇の感想というよりは、「MMOとわたし」というひとつの記事になりそうなので、思い切って省くとして。
まぁ、ひとつだけ言うと、MMOで出会って実際に結婚までいくひとは、いるのですよ、これまじで。
設定的に腑に落ちなかった点といえば、死の概念ですかね。
通常、ゲーム世界では死んでも、何回でも生き返るじゃないですか?
それなりにペナルティはあれども。
でもエバグリでは、まるで死んだらそれで終わりみたいな、ゲーム内で死ぬことに対する恐怖感に違和感が。
死んだら、終わりなのかな?エバグリ世界では。
他にはITに疎いわたしにはしっくりこなかった、全プレイヤーのパソコンが演算で使われるというシステムなども。
まぁ~でも・・・つくづくこの脚本が2006年上演なのだということが、すごすぎる。
あの当時の時代に、これを書いてたっていうのが、どこをどれくらいブラッシュアップしたのかはわからねど、それでも素直にすごいと思います。
なにはともあれ、あのビジュアルあのクオリティで、ファンタジーの世界を舞台上に具現化されてしまったのは、もうRPG大好きな人間にとってはたまんないです!
歌あり、ダンスあり、おおよそエンターテイメント的要素がこれでもかというくらい詰めに詰め込まれた珠玉のエンターテイメント!素晴らしかった!

筋肉少女【残すは7月in→dependent theatre 1st!】】
石原正一ショー
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/08 (月)公演終了
満足度★★★
ミラクルハイテンション☆
どんかぶっていたこの週、千秋楽に行ってまいりました。
なんか舞台がせり出している、という前情報は耳に入ってました。
実際見てみると・・・なんか最前列が、ハの字になってるっ。
微妙にすすす~っとそこは避けて、無難で安全そうな席へ。。。
ABC春の文化祭で、ぎゅぎゅっと見所を集約した短編を観ていました。
その時にも観た、綺麗に揃った力強い群唱からの始まり。かっこかわいい。
もう出だしから、いきなりのフルスロットル!
その勢いは最後まで衰えることはありませんでした。
石原正一ショーといえば、めちゃかわいい女優さんたちが、めっちゃおバカなことをミラクルハイテンションで繰り広げるのが売り。
今回も変わらず、ばかばかしくって、なぁんも考えず、げらげら笑える☆
いつも楽しみなセクシー入浴シーンも健在やったし(笑)
あぁ、今回は・・・スケバンとプロレスやったので・・・戦闘シーンがおそろしく白熱。
可憐な女優さんたちによる、ガチなプロレス技の掛け合いがえげつなく、舞台上が人体アトラクションでした。
毎日日替わりのゲストさんによる、ゲストコーナー。
千秋楽のこの日は、茶ばしらの溝端理恵子さんと、澤田誠さんでした。
金、銀のマスクが共鳴するネタが、懐かしすぎるしマニアックすぎるし、ツボでした。
夏といえば、石原正一ショー。
関西小劇場界の夏の風物詩のひとつ、また楽しみにしてます♪

日本語私辞典
オイスターズ
AI・HALL(兵庫県)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
脚本の技巧の高さが圧巻
さすが、コンクールで賞を獲っただけはある作品だなと。
舞台上に配置された巨大な障子のような、枠で仕切られた白紙に。
芝居開始と同時に、一文字一文字、五十音を書いてゆく。
その五十音の前で芝居が行われ、芝居が進むにつれて五十音は一文字一文字破り捨てられ。
破り捨てられると同時に、その一字は脚本内で使用不可になり、不自由で限られた言語でコトバが紡がれてゆく。
非常に淡々進む、コトバ遊びに終始した会話劇。
その一定の仕掛けに従って書かれた脚本に、さすが賞を獲っただけはある高い技量で、面白みも感じるものの。
技巧に走って、そこに留まってしまってるような。
正直、そんなに長くはない上演時間、最後まで観続けるのが、かなりしんどかったです。
個人的に注目だったのは、先日の名古屋一人芝居フェスでオイスターズさんとのタッグでご出場されていた川上珠来さん。
あの時も、きらきらした声と笑顔がとても印象的で惚れ惚れしたものですが、今回もやはり同じくきらきらされておられました♪

talk about her life
baghdad cafe’
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2013/07/04 (木) ~ 2013/07/09 (火)公演終了
満足度★★★★
土曜日
「生活のリズム」
見事!のひとことです。
夫婦というものが、夫婦の生活というものが、上演時間の一瞬一瞬全部に埋め込められてました。
夫、妻、それぞれがそれぞれの場所で日常生活を送りつつ、別の場所にいながらもお互いの生活の中には、お互いが常に存在していて。
毎日変わらない生活のように見えて、片方のリズムが崩れると、両方のリズムが崩れる。
時間足りない!書ききれない!書ききれない!あぁ!もう一回観たいなぁ!
とりあえず、途中からもう川添さんが泉さんに見えて仕方なかったです(笑)
「モノロ・テクノ」
『男子』の時のように、ひとりの人間の心情を複数の演者で表すお芝居。
今回は4人の女優さんで、ひとりの恋に生きる女性を表現されておられました。
とかく・・・このひと、恋に生き過ぎ!と(笑)
そうなのかな、世の女性というものはそういうもんなんだろうか?
4人の女優さんの表情が、とても輝いて見えて、魅力的で。
恋とは、年齢も逆境も苦しみも全部超越して、ひとひとりに輝きを与えるものなんやなぁと。
「talk about her life」
日常生活とは切り離された状況なのに、とてもナチュラルで、とてもリアル。
現実社会の中で、企業で役職付きで働いてる泉さんならではの、登場人物たち。
だから観てると、こんな人知ってるよ!って感じで。
だから、余計、腹が立つ。なんだ、こいつら。
目の前で繰り広げられているのはお芝居なんですけども、割って入って参戦したくなる。
もうものすんごく、感情を奥底から揺さぶられるお芝居でした。

この世とあの世は旅籠から
カン劇cockpit
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2012/12/08 (土) ~ 2012/12/10 (月)公演終了
満足度★★★
原作の原型はほぼないけども
初めてのカン劇cockpitさんでした。
なので、辻野加奈恵さん以外たぶん初めてだと思いますが。
役者さんみなさんスキルの高い方ばかりやな~と。
しかし、見せ場の長台詞の噛みかたが惜しすぎる。
特に旅館オーナーの噛み方は、ひと呼吸毎に噛むレベルで、残念至極。
幽霊トリオの掛け合いがおもしろかった。
死んでなお、こんな風に友人できたら死ぬのも怖くないな~なんて。
霊能者の辻野さんの魔女っ子衣装がラブリーすぎ。
あれ手作りですよね~、たくさん縫い付けられたプチぬいぐるみ、ステッキ、凝ってる凝ってる。
せっかくあれだけ衣装可愛いのだから…もうちょい、ぶりっ子キャラを強めに押し出してもよかった。
出だしだけで、後はふつーだったので。
幽霊が各自自身の話をする場面なのですが。
ここは涙を誘う感動の場面。
しかし音響が、あまりに無粋。
独白を始めると同時にピタッと音楽が流れ、終わると同時にブツっと途切れる。
これを繰り返されては…今からえぇこと言いますよ~、はい終わりましたよ~ってな感じで…。
音量操作で自然なフィードインアウトしたほうが、情緒がある。
キャストの衣装が白色で揃えられている時点で、ひっかかってはいたけども。
やはりやはりなタネ明かしで、腑に落ちる。
主に演出面で思うところは多々あれど、おもしろく観させていただきました。

いつだって~○×△~は
あみゅーず・とらいあんぐる
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
満足度★★★
平成作家リーディング
まだ暑い夏の日、ステージタイガー谷屋さんが客演されるご縁で観にいってまいりました。
あみゅーずさん、初めて。
この前後あたり、やたらリーディング公演を観る機会が多かったのですが、こちらもそのひとつ。
しかし、リーティングとはいっても、きっちりただ本を読むというだけのスタイルではなく、プラスお芝居が挟まれるスタイル。
題材は、割とわたし世代の本好き女性には馴染み深いのではなかろうかと思われる、三人の女性作家。
三浦しをんさん、唯川恵さん、川上弘美さん。
コバルト文庫とかで読んだ気がします。
そんな比較的新しい時代のライトな作家さんの作品なので、お話もライト。
三本とも恋愛がテーマだったように思います。
歴史のある劇団さんのリーディングなだけに、多少小難しいのではなかろうかと身構えてもいたのですが、決してそんなことはなく。
演出のしかたも三本ともに変化させてあるので、とても観て楽しめました。
なんといいますか・・・三本目の川上弘美先生作「天頂より少し下って」。
ここで主催の条あけみさんと、谷屋さんが恋人同士なのですが。
もうこんな谷屋さん観たことないよ!ってくらいセクシーで。
ちょっと観ていられないくらい、そわそわどきどきしてしまいました。
心臓に悪かった(笑)

ハイツ・カイゴパンク
特攻舞台Baku-団
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2009/08/27 (木) ~ 2009/08/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
ファイナル
こちらも、観劇に出会う前の公演だったので生舞台は観られず。
DVDで観させていただきました。
オープニングのダンスめっちゃかっこい!!
照明綺麗~。
確かに歌はともかく、めちゃんこかっこいいライブシーンからのオープニング。
随所に爆笑どころ、うっとりどころ、そして・・・感涙どころ満載。
介護、という取り組むにはいささか難しいテーマ。
それをこれだけの透明感、これだけの真摯さで描けるのが、素晴らしい。
憧れの存在であり救いの存在でもあり、追いつき追い越す存在であったはずだったひと。
その人の身に起こっている現実。
何回も何回も繰り返される言葉、でもそのニュアンスは同じ内容なのに繰り返される度に変化し。
別れのとき、見えない姿に向かってのかえってくるよ~の連呼、たまんなかったですね。泣いちゃいますよ、号泣です。
今と変わらず、人と人の深い見せかけじゃない関わり、繋がり。
芝居というものに対する姿勢もそこに現れているようで。
ちゃんと人間が描かれているその芝居、観客を楽しませるサービス心。
たとえ映像でも観られてよかった。ありがとうございました!

病的船団
特攻舞台Baku-団
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2008/08/27 (水) ~ 2008/08/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
すばらしい
わたしがまだ観劇に出会うよりも前の作品。
ようやくDVDで観ることができました。
映像なのだけども、作業をしながら観るつもりだったのに。
冒頭からずっと手が完全に止まり、釘付けになる吸引力。
前劇団時代と現劇団ではカラーがだいぶ違う、そういう印象を持っていたのですが。
そうじゃない、ただ手法が、表現する手段、手にする道具が変わっただけ。
描きたい作り出したいと願う核の部分は現劇団と同じ、と感じました。
イキル人間のココロ、ナマのむき出しのちゃんと生きているココロが描かれていた。
表現手法が現劇団とは異なる。
その違いこそが、ステージタイガーなのだなと。
ここからのシフトチェンジ、足を止めることなく手を休めることなく、歩んできたその二年間に、思いを馳せる。

公開リハーサル
sunday
ABCホール (大阪府)
2012/11/08 (木) ~ 2012/11/08 (木)公演終了
満足度★★★★★
わくわくしました☆
ゲネなんて観させていただくの初めての経験でした。
劇場入りしてまだ一回も組んだ状態で通してないとのことで、ほんとに通し一発目。
始まる前の、本番とは違う空気。
後方から聞こえてくる、内容までは聞き取れないものの、演出家さんの指示出し。
稽古場で練られていたものが、たった今目の前で完成品に仕上げられてゆく。
作品世界を楽しみたい気持ちと、本番一日前の通常なら観られない状態を観察したい気持ちと、半々。
とても貴重な体験、ありがとうございました!!

ナイゲン【本ページは2012年版です。ご注意下さい】
アガリスクエンターテイメント
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/09/22 (土) ~ 2012/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
予定に入れてよかった☆
各クラスの代表者と文化祭実行委員で会議を開き、文化祭の各クラス企画の内容を審査するとともに。
自分たちの企画を捨てて、学校から急遽言い渡された企画に変更しなくてはいけないクラスを1クラスだけ、多数決で決めるという内容。

クリスタル イヴ 東京公演
劇団PEOPLE PURPLE
SPACE107(東京都)
2012/09/06 (木) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★
きらきらしてました
聞き及ぶ評判がとってもよくって、とても楽しみにしていた初めてのピーパーさん観劇。
安定感のあるお芝居に、確立された個性を輝かせる役者さんたち。
なるほど~という印象。

ライ・トゥ・ミー【終演致しました。】
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2012/09/28 (金) ~ 2012/10/13 (土)公演終了
満足度★★★
素敵な時間
エビス駅前バーは、普段は通常営業しているリアルなバー。
なので、そんなに演技空間は広くはない。
その空間のど真ん中にさらに横長のカウンターテーブルを設置していたので・・・。
座席場所によってはいつもよりもさらに客席と役者さんとの距離が至近距離。
あんな距離で、あんなレベルのお芝居を観られるなんて、エビス駅前バーくらいなもんだ(笑)
毎回書いてますが、ほんとに空間そのものが贅沢な芝居世界で、雰囲気に酔えます。

アクアリウスの囀リ
劇団有馬九丁目
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2012/09/22 (土) ~ 2012/09/23 (日)公演終了
満足度★★★
解釈さまざま、どれもきっと正解
自分が演じる登場人物と、自分自身の存在。
あまりに演じる役に同化しすぎていくと、本当の自分自身が何者なのかわからなくなってゆく。
演じる登場人物の人生を背負えば背負うほどに。
観客として観ているわたしたちでも、上演されるお芝居の内容が自分自身の体験や想いに触れる時、共感しすぎて引きずられることがある。
ましてや演じている役者さんにとっては、それは尚のことだろう。
演じている役の体験、台詞、想いが、自身が内面に抱えているものとふっとリンクする瞬間がひとつひとつ重なっていくごとに、その境目はあいまいになっていき、溶け合い同化してゆく。
このお芝居は、お芝居の中でお芝居をするという劇中劇を題材に使われている。
役者が役を演じていく中で、架空と現実の境がわからなくなってゆくことに関する実験を、実際に劇中で演技をしながら行うという内容。
劇中劇が進んでいくにつれ、徐々に境がなくなっていく様がよく出ていたように感じました。
劇中の役者たちはきっと、それぞれ自分たちが演じている役と自身に共通項があるのだろうなとも思ったり。
最終的にあれは・・・役者たちが、演じている役さらには芝居と溶け合い交じり合った結果、芝居世界が現実に出現した、ということなのかな?
なかなか、意図せんとするところを理解するのが難しく・・・観終わった後、脳内ぐるぐるでした(笑)
その劇中劇自体もなかなかにおもしろく、ゲームというよりは・・・ゲームを題材にした漫画のようで、個人的にはハン○ー×ハ○ターを連想(笑)
物の怪を退治するハンターという職業な人々がいる。
そしてそのハンターたちを取りまとめるハンター協会があって、ハンターたちはその実績に応じたハンターレベルというものがある。
ハンターたちは、みなそれぞれ特殊な能力を使うことができて。
各自ハンターという職業に就くにあたって、それぞれのドラマがある。
しかし、その「ハンター」という職業を成り立たせるために、ハンター協会の人間は物の怪を悪者に仕立て上げて、さらにその影では物の怪が全滅してしまわないように養殖しているという。
それは漫画ちっくであり、かつありがちといえばありがちかもしれないけども。
逆にいうと、この劇中劇だけでも一公演成り立たせることができるだけのボリュームがあるということでもあり。
そこには人間心理の本質を突いていく台詞が散りばめられていたり、観ているものが何を意味しているのかと考え込まされるような背景設定もあったり。
さらには表現方法が前回公演ですごい!と思わされたザキさんらしいおもしろい形態で。
観た後、さらっと終わってしまわず残り続けるような、とても見応えのある公演でした。
次回作もとても楽しみです!

終わってないし ■チケット情報12時16時の回は当日券でます!■
りゃんめんにゅーろん
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2012/09/07 (金) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★
四畳半のひきこもごも
出てくる人物は、一人残らず心が弱い。
弱さを抱えながら、時に弱さに負けたり、流されたり、逃げたりもしながら。
それでもぎりぎりの崖っぷち、必死でもがいて生きるということにしがみついている。
生きるということをがんばっている、そんな人々。
でも。
がんばってはいるけど、生きるということを楽しんでいる人がいない。
それがたぶん、わたしが観ていてどうしようもなく鬱々としたところなんだと思う。
イーッ!ってなった(笑)
それでも腹が立つようなことはなかったのは。
やはりそれでも一生懸命に生きようとしているから、かも。
会場内の使い方全般的にみて、これはカフェ公演ということは意識されておらず、完全に劇場空間として使われているなという印象を受けました。
会場手配というのは、公演準備期間の中でも比較的早い段階で行われるはず。
どんな経緯であれせっかくのカフェ公演、劇場ではなくカフェで公演しているのだと いう意義をもう少し感じたかったかな。
話の中心に街作りゲームがあるのだから、四畳半の外側にミニチュアで街を再現する とか。
美術的にも、演出的にも、カフェ空間の使い方の工夫がちょっと欲しかった。
素朴な疑問なのですが。
割とふつーに、世間一般のオトナの人々は、二股かけてたりするものなのでしょー か。
ひとりと同棲していながら、そこ出てすぐまた同棲できる人が他にもいるとか。
ひとりと友達以上の関係になりつつ、同時進行で他の人とも友達以上とか。
そういやキープとか、そういうワードもちょいちょい聞くよな~なんて、そんななん だか中高生的なことをえぇオトナなわたしがいまさらながら思ったりしてました。
わたしもどちらかというとゲーム好きなほうで、よくゲームはしてます。
むしろ、今回劇中で中心にあったゲームのモデルも知って、というかやってたり。
ゲームは・・・課金したら負けなのですよ。
時間を使いすぎても負け、ゲーム=生活になってしまっても負け。
全体振り返ってみて。
ゲームと現実のリンクなど、ある部分部分では非現実的なのかもしれないけども。
そこに登場している人々は、なんの装飾も綺麗ごともない、とても現実的ないまここに生きている人々のお話でした。

エンカウントLOVE!
ともにょ企画
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2012/07/11 (水) ~ 2012/07/15 (日)公演終了
満足度★★
腹が立つ!
この男は、とかく自分のことしか考えてない。
レイナを愛しているといいながら、この男が愛しているのは自分だけだ。
甘えるな!逃げるな!生身の人間と繋がれ!
「ジブン」ではない人間、「ジブン」とは違う別の人間と関わり。
人を知り、人のことを考え、想い、それにより「ジブン」を知るのだ。
こうやって、とかく「ジブン」のことしか考えず、ツライツライと逃げて闘おうとしない変わろうとしない向上していこうとしないで、うずくまっている人間は、ダイキライだ。
というわけで、とかく怒りをかきたてられる芝居でした(笑)

協走組曲第3楽章
ステージタイガー
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/18 (水)公演終了
満足度★★★★★
Aチーム初日!
良かった!!とても良かった!!
無駄をこそぎ落としたというコトバどおり、精錬されつくした、あまりにもフルスロットル全開の60分間。
60分という時間が、あんなに短く感じることがあるなんて。
今回、裸も、筋肉アピールも、下ネタも封印して。
ステージタイガー役者の腕っ節を見せつけられた。
みんなみんな、この芝居を見続けていたいと思うような演技ばかりで。
動きのキレ、表現力やテクニック、ひとりひとり目が離せなさすぎで、ひとりひとりに専用の目が欲しかったです。
とかく身体能力がめちゃんこ高いので、ステージングがこれまたかっこよすぎ!
ふわぁっと魂持っていかれました。
もう芝居中思わず、声に出さず何度も、「うまい・・・」「かっこいい・・・」とつぶやいてしまったでした。
演じる役者さんにより、まったく違う顔を見せる同一の役。
しかし表裏一体、どちらも同じひとりの人間なのだと。
通常ならひとりでひとつの顔しか見せられないけども、二人でひとりを演じることによって、ひとりの人間を違う角度から、違う視点から見せることができている。
そう思うと、AとB、両方観て、ようやくひとりの人間を観ることができるような気がして。
まだBを観てないので、待ち遠しい気持ちでいっぱいです!