タロウの観てきた!クチコミ一覧

61-80件 / 304件中
スケッチ・オブ・ザ・ピザ・ナイト ~香ばしい、春の一夜~

スケッチ・オブ・ザ・ピザ・ナイト ~香ばしい、春の一夜~

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2008/04/01 (火) ~ 2008/04/07 (月)公演終了

満足度★★★

トレンディードラマは劇場で。
トレンディードラマシリーズと銘打ち、照れと恥ずかしさをさわやかに乗りこなす劇団競泳水着。一つ一つのシーンに用意された、決め台詞的なひと言へ持っていく流れの徹底的なベタさ加減はわかっているからこそ、くすぐられるものがあります。ただ、この構成で空間を確保しようとすると王子では厳しい気も。そのせいもあり、客席の動線は改善しないときついところかと。
終演後にピザを食べたいなと思わせたら勝ちな気がしますが(?)、ピザを食べたいというよりは、夜風の中歩いて帰りたくなるようなさわやかさでした。

ネタバレBOX

演技に見える若さは、方向性がしっかりと示されてることもあり、作品の中でまだプラスになっていますが、終演直後多くの観客が残る客席で、知り合いに駆け寄るその種の若さは学外の劇場ではマイナスだと思います。今はまだ微笑ましさもありますが、新しい観客を生み出す可能性の大きい劇団であるだけにもったいなさを感じてしまいました。

名前が書いてあるペットボトルに「らしさ」と、こだわりを感じたり。
ピンク祭

ピンク祭

ピンク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/03/25 (火) ~ 2008/04/01 (火)公演終了

満足度★★★

アイドる。
『COSMIC LIVE 2008』を。真っ正面なチラシのイメージに違わず、見え方・魅せ方をわかっててやってるのが素敵です。きちんとパッケージされたキャラクターと、時折(というか頻繁に)見せるダルさ。中盤、長さを感じる場面もありましたが、バカバカしく進み、なんだか感動の千秋楽(笑)
しばらく日本での公演はないとのことですが、次回も観れたらなと。

「代打、俺」

「代打、俺」

騒動舎

アトリエヘリコプター(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

無星です。
客席手前に設置された照明。ちぎった紙切れが落ちたのか、わずかですが煙が。他、ぶつかって倒したり。
ハプニングとして楽しめるほど作品が完成されてるわけではないので、ただの事故に見えました。

ネタバレBOX

お茶を吹き出す場面で、観客に微妙にかかったり。脚立から飛び降りる場面で衣装がひっかかりそうになったり。
いろいろと考えられてなく、ひとまず無事に終わって良かったです。
「公演」を行うなら、観客のためにも安心して観られる環境を準備してほしいと思います。
想い出の日本一萬年

想い出の日本一萬年

さいたまゴールド・シアター

彩の国さいたま芸術劇場・NINAGAWA STUDIO(大稽古場)(埼玉県)

2008/03/27 (木) ~ 2008/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

状態として面白い。
開演すると卒塔婆の山。その山を上り、走り、転げ回る高齢者演劇集団。演劇というか、状態として凄い(笑) 毎度おなじみな感じで音楽が流れる演出も、ここまで来るとありかもなぁと。
演技が上手くなってくるほど、圧倒的なエネルギーみたいなものが失われてるような気もして、少し寂しさも。

静かなる演劇

静かなる演劇

Hula-Hooper

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/03/26 (水) ~ 2008/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★

3回観ろってか。
マチネ5階、ソワレ4階。上下の物語がお互いに作用するあたりは、着いていってリアルタイムで観たいような。一回しか観れない人はきっともどかしいような。
開演前流れてる『静かなラップ』もそうですが、役者のポテンシャルはもちろんあるとして、このそれぞれのキャラクターを魅せるプロデュース能力はかなり高いものが。きらっきらしてます。
演劇しながら、誘導する瞬間がツボ。

離陸

離陸

劇26.25団

OFF OFFシアター(東京都)

2008/03/22 (土) ~ 2008/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

しっかり演劇しているなぁと。
久しぶりに芝居らしい芝居を観たような感覚がありました。「いろんな芝居の端から2番目にいる、色・空気の違うあいつ」を集めたような、観ただけでお腹いっぱいな演技が、魅力になっているのはすごいなと。
想像していたものと違った気もしますが、それでいてチラシのビジュアルと合ってもいて。

humming2

humming2

ポかリン記憶舎

cafe MURIWUI(東京都)

2008/03/18 (火) ~ 2008/03/24 (月)公演終了

満足度★★★★

その瞬間を生きる。
階段を上り、一度外に出る。開放感とゲートをくぐるようなドキドキのある、この空にぽつんと浮かぶ空間は、入り口として最高だと思います。
台詞の一つ一つがしっかりと身体に付いていて、その日・その時間を生きている登場人物たちに触れることができました。彼らを通して感じる温度が心地よかったです。
夕方に観てみたかった気もしますが、夜のゆっくりとした時間の中で、小さく劇的に動く彼らのものがたりを堪能しました。

新・こころ

新・こころ

劇団フライングステージ

駅前劇場(東京都)

2008/03/19 (水) ~ 2008/03/26 (水)公演終了

満足度★★

削れるシーンなどないと思いますが、
もう少し短ければお薦めもしやすいかなと。その丁寧な描き方に、この作品への思いが感じられます。
最初は若干面食らうとこもありますが、ありのままで真っ直ぐなその演技に悪い気はせず。シンプルで鮮やかな舞台美術も気持ちよく。

葦ノ籠~アシノカゴ~

葦ノ籠~アシノカゴ~

黒色綺譚カナリア派

青山円形劇場(東京都)

2008/03/19 (水) ~ 2008/03/23 (日)公演終了

満足度★★

初の円形、初日ということもあってか。
受付が混乱し、開演が10分ほど押しました。初日以降は改善されただろうと思います。
物語を魅せるのであれば、正気と狂気の境がきちんと描かれないと苦しいところ。どちらかというとそこを描かず、フェティッシュな感覚でアングラな世界観を美しく駆け抜ける方かなと感じたのですが、であるならば全体がもっとメロディのように流れていってほしいなぁと。

シナトラと猫(改訂版)

シナトラと猫(改訂版)

MCR

駅前劇場(東京都)

2008/03/11 (火) ~ 2008/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

「猫」「虎雄」「椎名」の順で観劇。
口語ではない、魅せる演劇の中でも役者一人一人のポテンシャルは高いMCR。それぞれの主役を演じる、あひるなんちゃらから客演の3名も持ち味全開の役どころで印象的でした。
短編の連続とも言える構成もあり、決め・締めのひと言など、随所で光る台詞。ただ、場所の変わらない「猫」などで多少流れが単調に感じられる場面も。
ドタバタシーンで、倒れた役者が見えにくいのは駅前劇場の苦しいところでしょうか。少しもったいない。

ネタバレBOX

伝記モノということもあってか、それぞれの死が描かれますが、3人ともそこに持っていかなくてもと思ったり。

「猫」:猫野球のくだりをああいう風に持って来るところは、ズルさと巧さ。わかってても、ぐっと来ます。
「虎雄」:兄弟の、言葉に出さない思いのやり取りが印象的。
「椎名」:お子様ランチのやり取りの「だから今日食べるの」のひと言がなんだか個人的にヒット。
ムネモパーク

ムネモパーク

NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2008/03/14 (金) ~ 2008/03/17 (月)公演終了

満足度★★★

あと、字幕はやっぱり苦手です。
期待しすぎたこともあり、開場の遅れや、映像の乱れはちょっと残念。トラブルシーンはそれ自体が見せ場にもなってますが、回数が多いかなと。慌てるでもなく、急ぐでもない出演者たちはすごく魅力的でした。
1/87と1/1。二次元と三次元。スイスとインド。それぞれの間をミニチュア電車が自由自在に行ったり来たり。

チビルダ ミチルダ

チビルダ ミチルダ

康本雅子

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2008/03/13 (木) ~ 2008/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

彼女しか見えない
のは、作品としては問題なのかもと。
一つ一つの仕草の引力、存在感が圧倒的。

世界観、物語というよりは一瞬一瞬。目が離せません。

三人姉妹

三人姉妹

時間堂

王子小劇場(東京都)

2008/03/13 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了

満足度★★

個人的に長さは問題ではなく。
プレビュー観劇。
言葉が身体についている役者と、そうでない役者との差が大きいため、対話になってないのが観てて苦しく。その他の表現も、そこを追求するなら、一番大事なところを磨いてほしかったです。
WIPと比べると確実に良くなってるので、後半回に観れればとも思いますが、難しいかなぁと。

ネタバレBOX

この規模で行なわれる3時間の芝居を、二度観る観客はそう多くないと思われるので、ダブルキャストはリピートを目的にしたものではない。ような気がします。ということは、脇役とメインのダブルキャストという役者側の都合なのかしら。と思わず、勘ぐったりも。
古典。普段の倍の出演者。倍の上演時間。それでさらにダブルキャストというのは、どうなのでしょうか。


あまり成功してるのを観たことがないため個人的に苦手な、囲み舞台の待機演技。演技・意識の切り方が揃ってないことや、木霊ですら台詞より音量の大きい背景音はどうしても気になってしまいます。表現としては面白い部分もあったのですが、対話劇が呼吸を始めてこその表現なんじゃないかなぁと。
屋上庭園/動員挿話

屋上庭園/動員挿話

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2008/02/26 (火) ~ 2008/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★

ひと言目から美しく。
岸田戯曲を満喫。一つ一つの台詞を堪能しました。
個人的には、男のプライドが揺れ動く繊細なやり取りなど、『屋上庭園』が好み。

終焉ヶ原で逢いませう

終焉ヶ原で逢いませう

アマネク

中野スタジオあくとれ(東京都)

2008/03/04 (火) ~ 2008/03/09 (日)公演終了

満足度★★

やわらかい新しさ。
作家というよりは、演出家な印象。
やりたいことのための脚本。の、やりたいことがストイックなようで、欲張ったりもしてて。現代口語を劇的に壊すか、ズラして遊ぶか。次回に期待。

偉大なる生活の冒険

偉大なる生活の冒険

五反田団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/03/06 (木) ~ 2008/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

小さくとも、偉大な一歩。
二度観たかったのですが、観れず。
「ふたりいる景色」の空間に近いのですが、ゲームの世界に溶け込まず。時間の行き来は「いやむしろわすれて草」の構造にも似てますが、過去で終わらず。果てしなくはない未来へと向かうその一歩の、とぼけっぷりに爆笑しながら、じんわり感動。

フリータイム

フリータイム

チェルフィッチュ

SuperDeluxe(東京都)

2008/03/05 (水) ~ 2008/03/18 (火)公演終了

満足度★★

解釈することは、おもしろなのか。
自分の中でも整理がつかず。

新しい局面ということでは『ゴーストユース』の方が好み。
役者は、その「居方」というか、空間に立つ力も明らかに一歩抜けたものがある。美術は具象でもあり抽象でもあり、イメージを膨らます。そして、その試みも頭では面白そうだなと思えるのだけど、目の前で起きていることがあまり魅力的に感じられず。

安藤真理の佇まいというか、存在というか、仕草というか、が良い。

ネタバレBOX

あの長いモノローグは、ぐるぐると円を描き続けるペンの軌跡と同じように、空間・時間に自分の何かを蓄積させているのかなと。同じ運動(テキスト)を繰り返すのだけど、同じものはなく、その蓄積によって意味が生まれる。ペンを変えるように、モノローグの人物もまた入れ替わる。

開演前、沈んでいるように見えた舞台美術。開演後は、逆に人物が浮いているのだなと。それは幽体離脱のようにも見え、自分自身を見て語る三人称が新鮮だったりも。

モノローグが長いこともあり、会話が生まれた一瞬は素直に感動。それは「やっと」ってことではなく、会話ってものの発見。2幕頭で全体が動き出す瞬間は、次元を超える感じがあったけど、『ゴーストユース』の方がびゅんびゅん次元を飛んでた気も。
はなとゆめとお菓子

はなとゆめとお菓子

はなとゆめ

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2008/02/29 (金) ~ 2008/03/02 (日)公演終了

満足度★★★

日曜の午後に偽メルヘン
基本「先生、男子が〜」的なテンションで語られ演じられる、はなとゆめとお菓子な世界。某団体を思い出したりはしますが、女子なこちらの方が世界と演技の向かう方向がしっくりくるような気も。

この世界すらぶち壊しそうな吉田麻生の飛び具合が凄い。

静物たちの遊泳

静物たちの遊泳

NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2008/02/29 (金) ~ 2008/03/01 (土)公演終了

満足度★★

リーディングの難しさ
前半、台詞で全部を説明しようとする演技になかなか入っていけず。
脚本に設定された空間が見事。ゆらぐような中でざらっとした肌触りの会話も好み。実際の公演が観たいです。ぜひ。

ブレヒトだよ!

ブレヒトだよ!

劇団衛星

京都市東山青少年活動センター(京都府)

2008/02/23 (土) ~ 2008/03/02 (日)公演終了

満足度★★★

京都ではなく、衛星独自の。
前半は突き抜けていないエンタメ寄りの演技体に多少不安もあったのですが、物語が進むうち役者一人一人の魅力がふっと浮かぶ瞬間があり、アクションにでもなく笑いにでもなく、劇団と一緒に何か別の方向に一歩進んだ演技のあり方を感じました。これは様々な公演形態を、継続して行なってきた劇団衛星独自のものだと思います。強度が増してくれば、もっとおもしろくなる予感も。
完全に不意をつかれたラストシーン。その策士っぷりは今後も注目したいと思います。

このページのQRコードです。

拡大