HBKの観てきた!クチコミ一覧

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男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

ライオン・パーマ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/19 (月)公演終了

満足度★★★★

陽はまた昇る
適度な笑いとシリアスで語る敗者たちのワンスアゲインものは、好きな話でジャンル映画的には楽しめました。

が、しかし・・・・はネタバレで。

ネタバレBOX

登場人物が、幾らなんでも多すぎです。この役とこの役で一人の設定にすれば良いのにと言うのが何人かいましたし、負けている・負けたと言う状況は一緒だけど向かう方向は、ずれてないかなと首を捻る人もいました。
また、時間が長すぎです。人数が多く一人一人大切に描くとどうしてもそうなってしまうのでしょうがないですが、主要登場人物を少なくすれば削れたのではないかと思ってしまいました。
あと、無理が通れば道理が引っ込む話しは嫌いじゃないですし、筋道がしっかりしようがツマラナイ話は山ほどありますし、逆に物語的には破たんしていようが面白いものも山ほどあります。が、今回の話は、無理を通して道理も引っ込めない話になってしまっていて少し歪に感じました。これも主要登場人部が多すぎが原因と思われます。
と、ここまで苦言を書いてきましたが、終焉後のカーテンコールで役者陣の並んでの挨拶をみて、この人数を曲がりなりにも同じ方向を向かせ、粗削りではあるもののに完結させたのだから、まあ良いかとも少し思ってしまいましたね。
ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

テアトルBONBON(東京都)

2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

色々な意味で泣ける
成功とか失敗とか関係なく限界に挑戦し続ける者達、そんな彼らに愛を乞う者達等、とにかく何かを求め抗う人達に感情移入しまくり、それが全て大団円的に結末を迎えた時、主要な演者さんがラストと言う事も輪をかけて万感胸にせまりました。
これから、どうなるか分かりませんが前に進んで行って欲しい劇団だと自分の中で再認識しました。

ことぶきの唄(終演いたしました!ありがとうございます)

ことぶきの唄(終演いたしました!ありがとうございます)

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2014/10/03 (金) ~ 2014/10/16 (木)公演終了

満足度★★★

まさかの展開
一筋縄ではいかないんだろうなと構えて観ていましたが、予想外中の予想外でした。
中盤からの怒涛の展開、伏線回収も良かったですが、やっぱり観たかったものとは違ったかなあと言う感じです。
勿論、こちらの予想を裏切ってくれるのはとても嬉しいのですけど、自分にとってはそこじゃなかったかなと言う感じです。
途轍もない熱演していた役者さん素晴らしかったですが、自分の好みなんでしょうがないです。期待通りでは無ければ期待以上を期待すると言った感じです。

山笑う

山笑う

僕たちが好きだった川村紗也

新宿眼科画廊 スペース地下(東京都)

2014/12/19 (金) ~ 2014/12/24 (水)公演終了

満足度★★★★★

愛情溢れる
主人公の過去と現状だけなく、全ての登場人物の過去と現状が透けて見えてきて本当に面白かったです。それも、言葉でははっきり言わず、雰囲気と表情と態度だけで、昔はこんな感じだったんだろうなあ、今はこんな問題があるんだろうなと匂わす程度で、こちらに預けているのも想像力を掻き立てられて良かったです。
特に義理の姉が多くを語っていないのに、過去の主人公との関係や今の不安が見え隠れしていましたね。

ネタバレBOX

役者さん皆さん素晴らしかったですが、英二役を演じた山田百次さんにはやられました。登場は、下世話な父性とガサツなオス感爆発だったのに、話が進むにつれて寂しくて哀しいのに押さえつけて生きてる、顔で笑って背中で泣いての男の美学そのもので 胸が熱くなりました。
みえない雲

みえない雲

ミナモザ

シアタートラム(東京都)

2014/12/10 (水) ~ 2014/12/16 (火)公演終了

満足度★★★

作家性の好み
本編は架空の原発事故話を、怒りに任せて書いているに拘らず、否応なく被害者にされた少女の憤りを、これ見よがしに出すことなく静かにしかし確かに憂いと怒りと後悔を表していて品が良いなあと思いました。

ネタバレBOX

苦言になってしまいますが、フィクション作品の中で自分の考えを露骨に出すのは、申し訳ないけど鼻持ちならないかな。
共感できますし、自分もその通りだとも思います。大きな声を上げた所で伝わらない広がらない虚しい気持ちも分かる。
でも、やっぱりメタ的な視点で描いてほしかったかなあ。
包囲網

包囲網

チタキヨ

小杉湯(東京都)

2014/11/20 (木) ~ 2014/11/23 (日)公演終了

満足度★★★★

不定愁訴感
下町銭湯のホンワカ雰囲気の中でのリアリティあふれる女同士の男を巡る戦いと男女関係及び家族間のやだみをにはグラグラです。男の嫌な部分と女の嫌な部分が、露悪的に描かれていて苦笑しつつ鑑賞でした。

ネタバレBOX

作り事とは言え、あの旦那この先結構生き地獄じゃねえかと心配してしまいました。
別れても好きな人 2014

別れても好きな人 2014

劇団競泳水着

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/11/06 (木) ~ 2014/11/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

ある意味時代劇
登場人物の全員が、ほんの少し雑味が有りますが基本的には好人物で、ストーリーも全く摩擦力を感じさせない心地良さで上野さんは昔からアーバンでスタイリッシュな感じだったんだなあと感心しました。
相変わらず、女性陣は魅力的ですしね。
でも、今回の話、自分にとっては何より村上氏演じる主人公に感情移入しまくりでした。彼自身が醸し出す雰囲気を体現したような役で、男の愛すべきダメ部分に苦笑しつつ切なくなりました。笑い泣き?泣き笑い?の顔を本当に素晴らしい。

弄ばれて

弄ばれて

劇団競泳水着

スタジオ空洞(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/25 (木)公演終了

満足度★★★★

私小説ならぬ私演劇?私脚本?私的?
近々に作者の憤怒に駆られて書かれたであろう脚本の不恰好な作りだけど剥き出しの感情ダダ漏れの熱すぎる舞台を観ていたから、当作品はけっこう本人には酷いし惨めな話ではあるはずなのに、時間が経っている事も有るからかなのか(無論怒りも節々に有りますが)自分の中で昇華してるし、きちんとエンターテイナー劇に仕上げてるなあと言うのが一番強く思いました。
普通に楽しめましたし。

ネタバレBOX

上野さんの実話と考えると、あの子役はあの人なんじゃないかと自分の中で変なモヤモヤ感は有りましたね。ただ、女性を可愛く見せる事には定評のある上野作品、そんなモヤモヤに関係なく可愛かったです。
後、和知さんの端正な顔がノイズになるかとも思いましたが、変な言い方ですがきっちりだらしなく見えました。演技力と演出力の賜物でしょう。
怪人21面相

怪人21面相

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

悪漢もの傑作
最初は気心知れず、いまいちそりが合わない関係だった4人が、感情を吐露することで徐々に打ち解けていき、最終的にブロマンス的関係になっていくのが面白い。
テンポが良いのは、再々演という事もあるが、作家の野木さんも含めて劇団員のチームワークに他ならないだろう。
とにかく、役者さんたちの「顔」が良い。
当日パンフには早口と間だけで話を進められるようになったとあるが、自分には何よりも顔だけで話を持たせることが出来ていると感じました。これは間違いなく年齢によることが大きい。
4人の顔ストーリーテリング力が半端ない。

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

信頼と実績の劇団チョコレート真骨頂
以前に短編で演られた時は観に行けず、韓国公演で絶賛されたと言う事で余計に幻想が膨らみ、観たくて観たくて仕方が無かった舞台でしたが、その期待を超えてゆきました。
登場人物描写も通り一辺倒ではなく、ちゃんと内面も作りこんでますし、密室会話劇の緊張感と興味の持続力は半端なかったです。


ネタバレBOX

最後のあの人の一言は価値の反転をもたらし、私なりに彼の悔恨を浅はかにも分かった気、信じた気でなっていた所にドスンと一発喰らわされました。
目覚めた事で始まる悪夢と闘う事となった彼を見て、正しいと信じているものを疑う事は、いつの時代にも必要だと改めて考えさせられました。
そして、あの戦争の同じ敗戦国の話として「気付き」は今の我々にも重く伸し掛かりますね。
わが友ヒットラー【当日券ございます】

わが友ヒットラー【当日券ございます】

風琴工房

TRUMPROOM(東京都)

2014/09/09 (火) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★

雰囲気勝ち
会場に入った途端に、まず雰囲気、特に装飾品にやられてしまいました。ここで、男性キャスト4人芝居で三島原作を演るのか、これは背徳感バリバリで男咽返っちゃうなだなと思ってましたが、観終わった感想としては意外とさっぱりして、とても観やすかったです。
詩森女史が意図的にそう演出したのか、濃い所と軽めの所のメリハリが効いていて流石に巧いなと思いました。
また、これは原作もそうなのかも知れませんがナチス・ヒトラーの悪逆非道を殊更論うことしないのも良かったです。
特に、最後の夜描写は言葉で過剰に説明するわけでもなく、音とあの顔一発で表すのは、役者さんも含めて流石です。

私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。

私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。

月刊「根本宗子」

テアトルBONBON(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

胃にもたれる
面白かったかと聞かれたら面白かったと答えるけれども、好みかと聞かれたら苦手と答える、自分にとってはそんな芝居でした。
嫌げな女子会の上辺だけの会話とカップルの感情剥き出しの会話には、身に摘まされつつニヤニヤしながら聞いておりました。特にカップルの会話は、これ1時間続けても観れるなと思ってしまうぐらいイタ楽しかったです。

ネタバレBOX

が、しかし、独白と凶行がやっぱり胃にもたれる。スプラッター演出、切り株描写は大好物とは言え、演説してから人を殺すのならカッコ良くないといかんし、じゃなければ無言じゃないとカッコ悪い。ただヒステリックに殺すのは好みでは無い。
怒り等の自己感情を自分の作品で昇華するなり浄化するなり精算するのは良いんですか、そこにエンターテイメント性を求めて欲しかった。
それならそれで、男の男自身を切るとか、あの女性達の体なり顔なりの一部を切り取って繋ぎ合わせるとか、イキ過ぎたゴア描写とかあれば、好みに変わったかなと。
しかし、何よりもっと楽しくなりそうなのは、根本さんの方が殺される方になることかな、それもボスキャラ。
でも、それだと本人が気持ち良くないのかな・・・・
『クドい!』 メガネ男が、結婚できました!

『クドい!』 メガネ男が、結婚できました!

カンコンキンシアター

東京グローブ座(東京都)

2014/08/01 (金) ~ 2014/08/10 (日)公演終了

良くも悪くも相変わらず
毎回書いていますが楽しさは満点。内容は全く心に残りませんでしたが。

小玉久仁子一人芝居

小玉久仁子一人芝居

ホチキス

こった創作空間(東京都)

2014/07/24 (木) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

芸達者ならぬ芸術役者
どの短編も味わい深く、硬軟そして動と静の演技で楽しませてもらいました。幕間の短編雑記も相変わらず面白かったです。
しかして、何でこのタイトルなのかな考えてみましたが、観終わって確信しましたね。
彼女は、料理人(脚本家)の料理(演出)に対してほぼ100点の味(演技)をしている。そうか、役者小玉久仁子女史とは煮て良し、焼いて良し、新鮮なら刺身良し、練り込んでつみれになるも良し、缶詰も可等々、何にでもなるいわしその物ではないかと思ったり思わなかったりでした。

女子と算数

女子と算数

NICE STALKER

pit北/区域(東京都)

2014/07/02 (水) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

まさかの算数教室
NICE STALKER、久々の公演という事で、とんでもない仕掛けを用意しているのだろうなあと思っていたら、意外に普通で逆に新鮮でした。
まあ、随所に主宰の女性の服装に関してフェティッシュなこだわりを感じましたがね。
最終的なオチは飛び道具と言うより真空飛び膝蹴りみたいでしたが楽しかったです。

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★

『昭和十一年五月十八日の犯罪』狂っているのは奴らか、世の中か、それとも・・・・
始まりは取調室での息詰まる密室劇だったのですが、瀧川氏登場でまさかのシットコム展開に。
ここからがべらぼうに面白い。まさしく話が走り出しました。そこから手綱を緩めることなくスムーズに進み、落ちも綺麗で良かったです。
ただ、時代の閉塞感からなのか1人の女性、1つの事件から次第に世間の方が狂いだすと言う話は、今の時代でも少しうすら寒いものも感じましたね。

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

『定や、定』知らざあ言って聞かせやしょう
問わず語りで男が語っていくスタイルにぐいぐい引きつけられましたね。とにかくこの小汚い男(ごめんなさい褒めてます)が可愛く見えてしまうのです。
粗野で粗暴な言動振る舞いをしても、怒りとか嘲り等の不快な感情ではなく惚れ惚れしてしまうのは高木登氏の演出力と寺十吾氏の類まれなる人間力に他ならんでしょう。
タイトルにしましたが粋な見得もぴったりの人物造形でした。
では、相手側はどうかと言うと、これが小汚い男とは真逆で、超魅力的だからさらに素晴らしい。
あがさ嬢が妖艶にして愛らしい女性と言うか、三文の官能小説のような言い回しで申し訳ないが、処女の顔と娼婦の心を持った紛うことなき「雌」がそこにいました。無垢さと良い表現が見つかりませんが「手に負えない感」と「抑えられない性」。
そりゃあ、男は狂うだろうし、世の中も彼女に夢中になるだろうなと思いましたよ。この二人の造形を作り出しただけでこの芝居勝ちでしょう。
一点文句があるのは最後の最後の布に映し出される物が私の席からは見えなかったことですが些細な事です

妻らない極道たち

妻らない極道たち

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2014/06/05 (木) ~ 2014/06/10 (火)公演終了

満足度★★★★

泣いて笑って又笑い
やくざの任侠と純情、カラオケスナック夫婦の賑やかし等が、古き良き時代の東映任侠映画の「ドンガラガッシャン」感を感じさせてくれて非常に楽しめました。何かあと一押し有れば本当に泣いてしまいそうな感じも東映任侠映画でしたね。

ネタバレBOX

ただ一つ気になったのは、アバンタイトルが出る前のプロローグ的な所で旦那が死んで落ち込んでいた嫁が女親分として覚醒するのが唐突かつ説明不足かなと。旦那と出会った事で自分が変わったことを劇中で語っていたので、失った後どう立ち直ったのかをエピローグなりで語られるのかと思っていたら、それもなくちょっと白けてしまいました。
ルーシアの妹

ルーシアの妹

ライオン・パーマ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/05/15 (木) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★

いつもながら真面目に真摯に笑わせる
題には、いつもながらと書きましたが、作風は何時もとは異なっていたように思います。完璧なウェルメイドではない苦い感じのハッピーエンドと言った感じでちょいとビックリしました。
特に愁嘆場になるであろう終盤のある展開をばっさりと省略したのには驚きましたが、逆に自分はそれが良かったと思います。
しかしながら、しっかりと笑わせてくれるのは、相変わらず流石です。ふざけて笑わせるのではなく、真面目演じれば演じるほど面白くなる「良き笑劇」でした。

婆VS女子高生

婆VS女子高生

月刊「根本宗子」

BAR 夢(東京都)

2014/05/03 (土) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★

小ぢんまりした場所に合う秀逸な小品
婆役の二人は小憎たらしさと可愛らしさが混在して婆と言うよりおばはんって感じで良かったですし、小悪魔はちゃんと小悪魔っぽかったですし、空気男は見事に空気でしたしね。
でも、何より彼女役の顔面力と体技は稀有。

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