満足度★★★★★
選りすぐり
とても面白かったのですが、選りすぐりの6本だったからなのかは気になるところです。
ネタバレBOX
『列島均衡』、『ゴニンシバイヤシ』、『矛盾』、『肉猿、』『交換日記』、『全国女子校生選手権』のショートコントが6本。
2VS2は男性四人のグループと思っていたので、登場した男性が三人だったことに何か事情があるのかと気になり、終演後の舞台挨拶でさらに一人は客演と聞き、益々気になりましたが、メンバーの内二人は総合演出と制作・広報ということを豪華なパンフレットで知り、ひとまず安心しました。
良く練られた作品群でした。『列島均衡』では沖縄を本土に近づけるための仕切り線が何とも気が利いていました。『ゴニンシバイヤシ』の場面転換における横になったり起き上がったりするところは体力的にも大変で見ものでした。『矛盾』では、お尻を触る男と触らせたくなる尻を持つ女、そこに絶対捕まえる刑事が加わったところが絶妙でした。根深いストーカーの恐怖を表した『交換日記』や、『全国女子校生選手権』の一歩引いたように見せかけて最後に涙で勝負する女子高生の心理作戦も良かったです。
今回は東京初進出ということで選りすぐりを投入して、結果的には大成功だったと思います。下ネタの作品に数多くの自信作があるようなことをおっしゃっていましたが、そっち系ではない他の作品や新作がどうなのか気になりました。
560万円くらいの借金になったようですが、2016年に再び東京へ来られることを願っています。
満足度★★★
難解
凝り過ぎ感はありました。
ネタバレBOX
『葉桜』 お見合いした娘の進捗具合を肉食系母親が詮索するような話。
男性の家に行って家族に会っているのですから、間違いなく男性は気に入っているということですね。
ゆっくり歩くのは尺稼ぎとしか思えませんでした。
『ぶらんこ』 朝餉の支度で忙しいときに夫が夢の話をする話とのことでしたが、女性三人による演技で、途中から両脇の二人が夫役かなとは思いましたが難解で良く分かりませんでした。
紐でぶらんこを作るということが、自殺用に紐を枝にかけたのをごまかす所作だったことは驚きでしたが、潜在意識にそういうことがあるのかもしれませんが、何せ夢の話ですから良く分かりません。
両演目ともに、四角い橋状の板で囲み、その上を歩いたりしてちょっと凝っていましたが、乗るのに苦心するのと中央が見づらいのは事実でした。
満足度★★★★
そりゃあ驚きました
が、そこまでの感はありました。
ネタバレBOX
モールの天井崩落事故にしては重苦しさがなく、妙に軽めで進行しているなと感じていました。
痩せた中年の浮浪者風おっさんと女子高生の組み合わせとか、三分違いで姉だったりとか不思議でした。そういうことでしたか。ワンダフルにゃん。輪になって死んでいた謎も、食べ物を食っていただけというのがやはり正解なのかもしれませんね。
最近子猫になつかれ辛い思いをしたこともあり、動物保護に対するメッセージには耳に痛い面もありましたが、意外性を強調するのがメインで、里親探しなどの話も伏線回収の補足説明のように感じました。
満足度★★★★
成長
子どもは成長するものです。
ネタバレBOX
育児ノイローゼの母親とその子どもの話。
外出を禁止された女の子はペットと同じです。その子の寝床は犬小屋で表現されていました。
出入りし始めた男は作家か何かで、無垢なアイデアを得ようとしていたのでしょうか。女の子は自由奔放な夢を見て報告してくれていました。
大人になるとシワが出る。シワを隠すために化粧をする。隠すということは嘘を付くこと。結論として、大人は嘘を付く、あるいは嘘を付くのが大人ということを知った子どもは夢をでっち上げ男を失望させました。子どもは大人になりました。
満足度★★★★★
隣人
愛したくない人もいます。
ネタバレBOX
日系トメニア人が多く居住する萩島町の町起こしの一環として萩島フェスタを開催するに当たり、商店街の若手が集まって打ち合わせをする様子を描いた話。
何でもかんでも全員一致が必要と考える、同じく、同席した以上は、一緒な町に暮らす以上は、一緒な国に住む以上は、地球上で生きる以上は、全員が仲良くしなくてはいけないと考える理想論的教条主義にもうんざりします。
最初トメニアはブラジル等南米の国のことと思っていましたが、過去に暴行事件があったという歴史認識問題や、町の公園を不法占拠していることなどを考えると、実際にはトメニアはどこの国を表現しているのだろうとも思いましたがどこでも良く、万引き被害の甚大さなども加えてトメニア人を嫌いな人も多くいるわけで、仲良くしたくなくても存在は認める程度の許容性は最低限必要だという主張が最終的に感じられ、そして、それでいいと思いました。
登場人物が13人で、ネットに暴言を書き込んだのが湯田さんというのはミエミエでした。一方で、出演者欄には載っていない作演の北川さんがトメニア人の会議室の鍵番役で14人目の登場人物として登場したのはちょっとしたアクセントになっていました。
トメニア語の字幕も遊び心満載でした。Dankonって何でしょう。
JAに研修に来ていて、JAに勤めている銭湯の夫が入れ込んでいるトメニア人女性の本性についてスナックのママがどんなことを言ったのか気になりました。
満足度★★★★
【月組】観劇
メイドさんが可愛かったです。
ネタバレBOX
指名手配中の犯人がメイド喫茶聖女に立てこもるも、変なおぼっちゃま君の毒にでも当たったのか、自分が好きだったメイドと同じ名前の婦警さんも加わってのメイドたちの歌に癒されたのか、改心するという話。
ゼウスにかまってもらえず拗ねて放浪している息子のヘラクレスが変なおぼっちゃま君で、見た者を石にするというメドゥーサの首を持っていましたが、伝家の宝刀は抜くことはありませんでした。
変な話でしたが、ゆうこりんみたいなメイドさんが可愛くて、そして、歌の上手いメイドさんもいてそこそこ満足しました。
変なおぼっちゃま君もギリギリ浮いてしまわず持ちこたえていたのは立派でした。
満足度★★★★★
ヒューマン
殺伐とした世界をヒューマンな心持ちで満たしてくれました。
ネタバレBOX
原発事故で発生した高レベル廃棄物最終処分場では入口をヒューマノイドが守っていて、近くの事故現場ではヒューマノイドを使うより安上がりということで、研究所で女性が産む機械となって大量生産されたクローン人間によって未だに核燃料撤去作業が続けられているような近未来の話。
ロボット三原則よりも秘密保護法が優先される社会制度が印象的でした。
事故現場方面で爆発があり、危険区域内では放射線の影響を受け人間は死に、ヒューマノイドも一体だけがかろうじて壊れずに済んだようです。
ラストシーンでカラスが鳴いていました。カラスは自由に飛び回りますから何とも言えませんが、もしウランの半減期10万年が経ったことを表現しているのであれば、放射線を表現した赤と白の伸縮性のある背景のゴムバンドの数を減らしてくれたら分かりやすかったかなと思いました。
役者さんは皆さん好演で、人間とクローン、ヒューマノイドのそれぞれの立場をしっかりした演技で表現されていました。
満足度★★★★★
【Cプロ】観劇
さすが大トリ、東京ELECTROCK STAIRSのパフォーマンスが抜きん出ていました。
ネタバレBOX
野鳩『成島と泉』 ナルシシストの成島が泉に映った自分の顔に見とれて身動きできなくなった横で、一人の男と三人の女が痴話喧嘩を起こしたりするバカバカしい話。
菅尾なぎさ ダンスパフォーマンス。『成島と泉』に出演した男優さんを有無も言わさず巻き込むあたりは、逆らうと何をするか分からないストーカー的狂気に溢れていました。
都市レコード 普段は5人組のグループとのことですが、アコギを弾く二人で参加。おぎやはぎの小木の方がモテるような感じの二人組。
東京ELECTROCK STAIRS 最高に素晴らしいヒップホップダンス。四人の息の合った動きは本当に素敵です。
満足度★★★
【Bプロ】観劇
ちょっと低調。
ネタバレBOX
激弾F本 富山出身の男を巡る四人の女たちの戦いみたいな話をダンスをメインにして表現。
高橋萌登 東京ELECTROCK STAIRSメンバーの一人によるダンス。
工藤響子 おにぎりを食うだけかと思い、それもまた良しと思いましたが、ダンスがありました。
横山彰乃 東京ELECTROCK STAIRSメンバーの一人によるヒップホップダンス。何か理屈っぽくなって、普通のダンスに近づいているような気もしましたが、やはり彼女のソロだけがかっこいいヒップホップダンスだと思えました。
ここまで約一時間、10分間の休憩があって
タカユキカトー 30分弱の歌。
バストリオ 反核の意図があるのかないのか、E=mC^2 の話。
満足度★★★★
一瞬デジャブ感
帰って調べたら2012年10月にル・デコで観ていました。
そして、あの時と同じような感想でした。
ネタバレBOX
瓜生の次の仕事がねずみ講と聞いて、あれっ、何か観たことあるって思いました。デジャブ感、悪く言えばパクリかと思ってしまいましたがこれは間違い、本当に失礼いたしました。
瓜生が熱い人から実はウザったい人だったこと、そして陰口を叩く人だったことなどが分かっていく過程の描き方は良くできていると思います。
ただやっぱり終わり方が唐突で、前回はその唐突感が逆に魅力とも思われたのですが、今回は物足りなさだけが感じられました。瓜生が自らの送別会費用で十数万円の損失を被ったであろうことに対する悔しさや、絆を活かしてねずみ講に誘い込む目論見が外れたことへの悔しさの表情が見られなかったのが残念でした。
満足度★★★★
智恵子さん
彼女のナイーブな心が、ああこうして壊れていったのかと思わせるところは素敵でした。
ネタバレBOX
智恵子に精神を病む兆候が垣間見られる頃、智恵子が精神を病んでいる頃、智恵子の法事の日の様子などを通して、戦中戦後の高村光太郎と高村邸に出入りした人々を描いた話。
光太郎といえば彫刻家で詩人、妻智恵子とのことを描いた智恵子抄ということぐらいしか知らず、戦争に協力する詩を量産したことなどは全く知らず、具体的な詩が紹介されないので、いきなり戦犯に問われるかどうかと心配する発言をされても困ってしまいます。
のらりくらりと戦争に協力することを回避した永井荷風と、開戦前に死んだもののもし生きていたら戦争賛美の詩を書いたであろうとアフタートークでも話題になった宮沢賢治が登場しました。三人の対比が面白いのでしょうが、それぞれの立ち位置をアフタートークで知るようではいけません。1984年初演、書き換えられた1991年から年数が経っているからなのか、いやその当時でも私は知らなかったことを考えると、南洋の笛や銛でうつつを抜かす暇があったら本編中に何かのエピソードなりを入れてほしかったと思いました。
その笛と銛は、執筆直前にたまたまもらったものを取り入れたとのことでしたが、『この生は受け入れがたし』のときの狐の面を取り入れた状況と全く同じで、無理に日常に非日常を持ち込まなくてもよいのではないかと思いました。
アフタートークにおける空飛ぶ新戦艦高千穂の話は面白かったですね。
満足度★★★★
【Aプロ】観劇
みんな本気で、それぞれがきっちり30分はやらせてもらいますよと言った感じで、10分の休憩を入れて2時間半の長丁場となりました。
ネタバレBOX
その他の短編ズ 可愛い女子二人組のギター弾き語りデュオ。白い衣装が印象的で、お面などの小物を使ったりしていました。
きたまり 自分なりのダンスを模索している澤穂希似の女性。100円ショップで買った壁と壁の間に張るバネ式固定竿をバトン代わりにして新体操風ダンスを演じようとして失敗したり、縄跳びを失敗したりして挫折していましたが、フラフープはさすがでした。
Q 可愛い人と超可愛い人と個性的な人の女優三人による赤裸々女子トーク満載のお芝居。あんな可愛い人たちが魚肉ソーセージ食って、オナニーの話をしたり、バーコードの彼氏の話をしたりしてこちらが赤面してしまいます。
白井剛 カフカ作「ある学会報告」の朗読劇で、人間の言葉がしゃべれる猿が学会で報告する話。2年前にキャサリン・ハンターさんのを観たことがありますが、あの時の彼女は本当にチンパンジーのようでした。善し悪しを言うわけではありませんが、白井さんのは動きはありましたが特段猿の真似をすることはありませんでした。
満足度★★★
老い
慣れてしまえばこっちのものです。
ネタバレBOX
1964年の東京オリンピックの年、外国人相手に一儲けしようとしたキャバレー業界の中で出遅れて潰れそうになったものの、ショーを見せるのではなく客に歌わせることでおもてなしする方法を見付けて再起したキャバレースワンの話。
死んだと思っていた妹さきがバレエ好きだったということもあって、キャバレースワンという名前になったようですが、冒頭の白鳥の湖によるダンスは、後ろ向きでしたがある程度の年齢と推察され、王子小劇場の入口に盛塩があったことに対する違和感や階段を下りるときに感じた客層の年齢の高さと実際の客席の年齢の高さの理由が一気に明らかになるとともに、ダンスではあってもバレエではないと感じました。であるならば、ダンス好きということでキャバレージュピターのままでも良かったのではないかと思いました。
冒頭のダンスシーンに続き、ソファーには老婦人が座っておられ、年齢層高めの劇団だと徹底的に気付かされました。
人生、老いに気付き、老いを受け入れることが肝要です。老いに慣れてしまえばこっちのものです。あとは素直に拝見しました。
老婦人の何と歌の上手なことでしょう。感心しました。
らい病患者が完治するということは1964年当時は知らされておらず、実は妹さきであった春子を一般客相手のキャバレーから追い出したのは已むを得なかったと思いました。
満足度★★★★
あるあるとないない
可もなく不可もなし
ネタバレBOX
とりあえずオファーをかけたら大物俳優と大物演出家が応じてくれた、応じてくれてしまった劇団エキサイトがフェスティバル参加に向けて練習する稽古場風景を描いた話。
すったもんだがあって、最後は一つにまとまって、優勝して注目され、多くの劇団員がメジャーになりましたというハッピーエンドなストーリーは可もなく不可もなしでした。
伊藤麻実子さんの手をおろおろさせる仕種や、主役の代役を申し出ても無視されるところなどは好演でした。
劇団内恋愛禁止の不文律があること、そして守られていないこと、客演さんと劇団員との間にはギャラやチケットノルマのこととかで違いがあること等の話は楽しく興味深く聞かせてもらいました。
ところで、小劇場、小劇団の話を扱っている割には、赤坂レッドシアターの座席裏のチラシ入れのところに本公演の当日パンフレットがなかったのは残念でした。
満足度★★★★★
【お父さんが堀川炎さんの回】観劇
デング熱とかエボラとか、来年はもっと猛威を振るうのでしょうか。
ネタバレBOX
盲の姉は引きこもり気味の弟をおだてて甘やかせて働かせて、自殺した父母が残した借金を返済しようとしましたが、弟はせっかく紹介された会社に行けなくなり、窃盗がらみで人を殺してしまいます。町では減刑運動が盛り上がっている中、姉は今度は弟に厳しく当たり、刑務所から脱走させて自立させようとしましたが、弟は塀を乗り越えようとしたところで職員に撃たれて死にましたという話。
そんな黒い衣装の役者さんたちが演じるメインの話に9人のオドリコのダンスが絡み、そして上手前方には異質なスペースがあり、葬式帰りの一人暮らしの現代の女の今年か来年ぐらいの日常が描かれているというちょっと不思議なストーリー。
高い塀の上で撃たれたことを赤い鳥に例えたのでしょうか。
本当に誰でも良かったのか、ストーカー殺人事件なのか、入間市で大学生が別の大学の女子大生を刺し殺した事件が起きたその日に観ました。理不尽な人の死に涙するのは今も昔も同じです。
コップと水と皿を使った食卓でのパフォーマンスは見ものでした。
それにしても、ダンスで舞台全体を使うとは言え、上手前方の現代の女の部屋は客席側にはみ出していました。あれだけ大きな舞台です。もう少し工夫があっても良かったのではないかと思いました。下手側の人は見づらかっただろうと思いますし、お客さんが出入りの際に部屋のカーペットを踏んで歩くのを見るのは何よりも悲しかったです。
満足度★★★★★
観て良かった
各団体の特徴が出ていました。ただ、それぞれ20分では個性を出し切るのは難しく、ナカゴーとMrs.fictionsが一点集中でインパクトがありました。
ネタバレBOX
近藤芳正さんに誘われて近藤さんを使うということは主役として使うということ、けだし当然の帰結でしたね。
上演順は書き込みNGということで順不同ですが、ぬいぐるみハンターは好きな人に告白する練習をする中学生の話にUFOが絡む話。盛り上がりに少々欠け、せっかく出ることになった小川菜摘さんの使い方も中途半端で、お祭りだからこんなものかなとも思いましたが、神戸アキコさんがなにげに弾いたピアノが素晴らしく驚いてしまいました。
青✩組は母親よりも先に死ぬ男が彼の人生を走馬灯のように思い出す話でしっとり系でしたが、全体のお祭りとしての賑やかしの中では埋没した感がありました。
ナカゴーは、森に売春婦を買いに来た男がひたすら口裂け女軍団と戦い続ける話。ナカゴーは二回目でしたが、ゴリラみたいな顔の人はすぐに思い出し、松竹新喜劇でしゃししゅしぇしょと言う滑舌の悪い人みたいな人は作演の鎌田順也でした。金づちでひたすら殴り続けるシーンは強烈で、これぞお祭りにふさわしい大バカ騒ぎという感じでした。
半海一晃さんと寺十吾さんが楽屋を訪ねてきた風の箸休め的な時間は、とてもしっとり趣がありました。
Mrs.fictionsは若年性健忘症の話で、健忘症故に夫婦が出会った頃のドキドキ感で告白される妻は、この時だけは嬉しいでしょうね。しんみり、しっとり、いい話でした。相楽樹さんを見るのが目的の本公演。もうすぐ大学に入り家を出ていくことになる娘の、この年代のちょっと汚い言葉遣いも素敵でした。
アフタートークは近藤さんと鈴木浩介さんと半海さん。あの話は全く出ませんでしたが楽しい時間でした。
最初、舞台はぬいぐるみっぽい美術に囲まれフェスティバルといった雰囲気で、始まってもお祭りだからこの程度かなという感じもしましたが、次第に盛り上がり、最終的には観て良かったと思いました。
満足度★★★★★
人間とは何か
様々なことを考えさせられました。
ネタバレBOX
地中海辺りでの戦争が長く続き、不況も蔓延している今から25年ぐらい未来のフランスで、朝目覚めたらアンドロイドになっていたという「変身」の話。
日常と非日常、アンドロイドを長男として受け入れた家族としては、戦争という非日常がじわりじわりと身辺に迫って来ることになり、また戦争かと思いましたが、人間とは何か、戦争はなくならないのか、移民と国民の関係、働き手としての移民とロボットの有用性等々、幅広い問題について考えさせられることになり、充実した時間が過ごせました。
今回のロボットは、顔と両手だけがシリコン状の物質で覆われたスケルトン型のアンドロイド「リプリーS1」で、上半身の関節が動き、顔の部分ではまぶた辺りの筋肉や目や口が動きました。遠目だったことや、台詞による誘導もあり、表情の変化が心の変化のように概ね感じられもしました。
身体があれば人間かというとそうでもなく、心があれば人間かというとそうでもなく、身体と心があれば人間かというとそうでもないという台詞は考えさせられました。
戦争をロボットがやっている限り戦争は終わらず、人間が死ぬことで戦争が終わるかというと必ずしもそうではなく、戦争を始めた人間に戦争による死が迫ったときに初めて戦争終結が意識されるという話も印象的でした。
最後、アンドロイドが電源コードを抜いてくれと頼むシーンがありましたが、そこは自分では手が届かない背中のスイッチなどにしてほしかったと思いました。変身したとき、じゃあ誰が電源コードをコンセントに差し込んだんだということになります。半永久的蓄電池装備でいいと思います。
それと、電源を切ることが必ずしも死を意味するものでもありません。ホーキング博士の言うように、アンドロイドのコンピュータが壊れた上で電源が落とされなければ死とは呼べません。
ところで、下宿人は何系のフランス人だったのか、母親と妹がシーツをめくったときの驚きは何を見ての驚きだったのか気になりました。
満足度★★★★★
楽しかった!!
多分、脚本も良かったのだと思いますが、演出が格別に良かったのだと思います。客席も物凄く盛り上がっていました。
ネタバレBOX
音楽とお芝居が乖離することなく、声楽とお芝居も乖離することなく、ぶっ飛んだところはぶっ飛んで、オペレッタのように肩の力を抜いて楽しむことができました。
全てがこなれていて本当にいい感じでした。ブラジリィー・アン・山田さんの演出が素晴らしかったのだと思います。
当日パンフレットの中にバレエダンサーの募集用紙が入っていました。今後はバレエの要素も加わるような予感もしますが、広げ過ぎについては少し心配です。
シューベルトは悪魔に魂を売って600曲も作曲したのではないことが、永遠の憧れの女性クラウディアから天使も悪魔も自分の心の中に存在するのだという言葉によって明らかにされ、死の直前の彼も心穏やかになり本当に良かったと思いました。
満足度★★★★
いつも新鮮
そういうことがありましたか。
ネタバレBOX
ダイアナ元英国皇太子妃の事故死をモチーフにして、ダナエ元英国皇太子妃が交通事故死に至るまでのフィクション話。
ダナエに接近した富豪の子息ラシードを暗殺しようとしたことと、ダナエが息子たちと面会する際に、そのまま連れ去り一緒に暮らす画策が重なったことが悲劇に繋がった背景の一つでした。
事件の背景を教えてもらえるのが楽しみです。
満足度★★★
#と'14の違いどころじゃない
全然ちゃうやんって思いました。
ネタバレBOX
8月の『距離感を見誤る#』では狭い舞台で如何にも物理的に距離感を見誤ってぶつかるという感じでしかありませんでしたが、今回の『距離感を見誤る'14』は一応生徒と先生、クラスメート間、友人間等の距離感に関する話で、筋らしきものもありました。
恐らく同じクラスの友達のはずなのに、特に男子二人の制服がなぜ異なっているのかちょっととまどいましたが、女子も含めて各自が高校時代に使っていた制服を着用して演じた風にしたかったのかと理解しました。