満足度★★★★
SFっぽい
雰囲気の漂う良品でした。
ネタバレBOX
『坂の上のエーリアン』 江戸川乱歩の作品をモチーフに、骨董屋で見つけた人形の魅力に惹かれた青年が、主人からこの人形に恋した男たちの顛末を聞かされる話。(約30分)
人形を所有していた男のやさ男振りは雰囲気が出ていました。会社や町に馴染めない等の苦悩を抱いた青年が主人公かと思っていましたが、拭っても消えない首筋の血の話を聞いて慌てて逃げ出したのはちょっと拍子抜けでした。
『flow flow』 人魚の肉を食べたことにより成長が遅くなり、所謂不老不死になった女性を巡る話。(約60分)
その時々の政府の秘密事項として引き継がれ、彼女の生活を保護しながら医学の発達に役立てていたというのが面白かったです。
腕まくりをするシーンがあったのでそのためかとは思いましたが、冬場であるにも拘らず女子高生のカーディガンの下が半袖セーラー服というのは如何なものかと思いました。同じように、昔話風群舞のときに工員がズボンのままというのも、無理してでも強引にもんぺのようなものをズボンの上からはけばいいのにと思いました。
満足度★★★★
『あることよりあるべきを見ろ』観劇
こちらの川添美和さんの方が可愛かったです。
ネタバレBOX
占領コーディネーターが存在する占領慣れした南の島の処世訓と言った不思議な話かと思っていたら日本兵の妄想で、占領コーディネーターが勧める占領軍の本分、戦争することと住民を虐待することを真に受けていた日本兵が死体を損傷させた罪で戦犯に問われ、ちょっとした軍規の緩みから馴染みの売春婦を戦場に連れて行ったことから慰安婦問題で世界中から批判に晒されることになるといった話。
劣化したのかと思ったもう一本と違って占領コーディネーター役の川添美和さんは娘らしく可愛かったです。ホッとしました。今回の二本のうちどちらか一本観るとしたら断然こちらですね。
今回は両方とも、ベトナム戦争に従軍した後帰国後に残虐な大量殺人事件を犯したアーサー・シャウクロスをモチーフにしたものでしたが、こちらは残虐面に注目した作品でした。
こちらの不思議な世界観に最初嬉しくなりましたが、どちらにも国益を最優先させるための秘密警察のような組織が登場したりすると、結局はどちらも同じように思えてきて、無理に二本観ることもないような気もしました。
二本立て営業にも疑問を感じました。
満足度★★★★
『あしきからこそより純粋を知れ』観劇
起承転結がはっきりしているように感じました。
ネタバレBOX
南洋の島で精神を病み、終戦後多くの売春婦を殺したものの、島で日系米国人のアナーキストを殺したのを日本人と思い込んでいたと証言することで罪一等減じられた男の話。
今回の2作品は両方とも、ベトナム戦争に従軍した後帰国後に残虐な大量殺人事件を犯したアーサー・シャウクロスをモチーフにしたものでした。
狂気に満ちた人間やその集団にとっては狂気が日常です。その特殊な日常を普通に描くのがハイジャックの特徴で、普通の人からすると異常な光景を目の当たりにして理解に苦しみ、理解に苦しむのが快感になるというのが特徴だと思うのですが、本作品は大量殺人という狂気を扱ってはいるものの、殺人者になった男の背景が説明されていて、起承転結がはっきりしているような、こちら側の普通の人の立場で描いているような気がしました。
最初に出てきた女性はおばさんっぽくて川添美和とはなかなか思えませんでした。劣化したかなと心配になりました。
満足度★★★★
今のこと
当日パンフレットに目を通すと今のことが主眼だということが分かりましたが、ちょっとネタバレに近い踏み込み過ぎだと思いました。
ネタバレBOX
死刑を執行する東西、過去現在の人たちを描きながら、彼らの苦悩などを通して死刑廃止を訴える話。
昔が世襲だったというのは分かりますが、今も他人にやらせるのは忍びないという理由で刑務官が自分の子に刑務官への就職を勧めるというのが印象的でした。また、若い刑務官が先輩刑務官の娘と結婚していましたが、もしそうなら今も世襲が行われているのと同じじゃないか、そんなに狭い特殊な世界なのかと驚きました。本当にそういう傾向が強いのか、パーセントなどが気になりました。
死刑廃止には賛成ですが、刑務官の苦痛を通して論ずるのは少し強引ではないかと思いました。
それにしても、死刑囚が執行時に暴れて刑務員が怪我をすることがあるなどとは思ってもみませんでした。てっきり飲み屋で喧嘩して怪我したのだとばかり思っていたのでショックでした。でも考えてみれば死を目前にしたら暴れるのも当然ですね。バタンコがばたんとなった後、ロープの揺れが長く続くのも目に焼き付きました。
満足度★★★★
チャンバラはお見事
客いじりもありました。
ネタバレBOX
「天保水滸伝」の「大利根河原の決闘」が終わった後からの話。
ヤクザ者の喧嘩や任侠の世界に興味がなく、そもそも天保水滸伝自体良く知りませんが、ワイシャツの上に裃を着て議員バッジを付けた人物が印象的で、地元の水運業者と網元に争いをさせ、最後は国会議員が甘い汁を吸うという感じでした。
チャンバラは迫力があり、アングラとは何ぞやの答が、アングラを斬るというのも痛快でした。偽坊主たちによる客いじりに遭い、お賽銭を寄付させて頂きました。
満足度★★★★
滑ることなく
上出来でした。
ネタバレBOX
人気の凋落した役者たちがもう一度活躍、復帰しようとする話。言い換えれば、ラストの台詞の通り、男は二度咲くということでした。
ストーリー全体も、部分部分も分かり易かったように思います。いつものように宝塚もあり、コントも滑らず上出来でした。
活劇系ではなく、基本棒立ち系のぼそっとコントですから二時間超えはやはり長く感じるのですが、ゆっくり歩いてストーリーや一つ一つのコントをこなすことに徹している劇団であるため、今更何を言っても詮無きこととようやく理解しました。
満足度★★★★
【Bチーム】観劇
やっちまえ。姉妹イジリなど、藤吉さんの独壇場のところが好きでした。
ネタバレBOX
一人のイケメンに四人姉妹が四股を掛けられて、憤ったらやっちまえという話。
お母さんの娘だもの、やっちまえって。でも、お母さんは押さえるところは押さえますよといういい家族でした。
今回の藤吉さんは四人姉妹の内の次女を好演。地味目ですが憤ると何をしでかすか分からないような性格で、心からの叫びや、感情が高ぶったときの姉妹イジリは素晴らしかったです。
若い劇団ですが、お母さんや隣の金井さんなどにちょっと年上の役者さんを配する心遣いが憎いところです。
最初のお父さんの愛人宅に駆け出すシーンで実演から映像に切り替わるところなど、少し間が悪いように感じられた部分もありました。
満足度★★★
ダンスは良い
ギリシャ悲劇をやり通したのだとは思いますが、現代人の生き方へアプローチする云々については全く感じませんでした。
ネタバレBOX
父親の復讐を果たしたのに自殺してしまうエレクトラ。そして、革命と叫ぶ王族ではない市民。何のための復讐だか、人間関係も複雑で分かりづらく、良く分かりませんでした。
主宰と思しき男の人と、もう一人の女性ダンサーのダンスは良かったと思いました。
満足度★★★★
贅沢
王子小劇場代表玉山悟を主演に、六人の劇場職員でもある作家による恐るべき贅沢な企画でした。
ネタバレBOX
『バス停』(作・演出 池亀三太) 引きこもりの娘に代わって高校に通う父親の話。
最初玉山さんは女子高生役もやらされるのかとそのいじられ振りに驚きましたが、実は父親なんだということが分かると、なんてけなげで切ない、そして少しは疑っているものの友人たちが父親だと気付かない不思議ワールドに池亀さんらしさを感じ恐れ入りました。
『遺体よ、僕とキスをしてくれないか』(作・演出 裕本恭) 病院で亡くなった人を運ぶ葬儀社の人間が、この日はいつもと違うあまりに若い女性だったため、つい見てしまった白日夢。
いかがわしい感情の発露を理屈をこねてファンタジーと称しているような感じでした。玉山さんにキスシーンをプレゼントしようとしたのでしょうか。
『まねっこどうぶつ』(作・演出 つくにうらら) 美容師が好きになって、交際したくて思い切って美容院に飛び込んだものの、丸坊主だったのであごひげを三つ編みしてもらう話。
思いは通じず、美容師に陰で笑われ可哀想でしたが、一種のストーカーみたいなものですから正直仕方ありませんね。田中渚さんは食事シーンが無くてもどうしても箸の持ち方が気になってしまいます。
『白紙』(作・演出 佐々木琢) 父親が亡くなり、父親の部屋から卒業アルバムを見つけた息子が、結婚相手とは出会えたものの友達のいなかった父親の高校時代に思いを馳せる話。
父親に当てた言葉の冒頭部分一言でもあれば良かったのにと思いました。尻切れトンボ感が強かったです。
『楽園の二人』(作・演出 モラル) 人気作家ではあるものの、童貞の官能小説家に我が身を呈して肉体の真実を教えようとする新人出版社社員の話。
どこまでどうやればギリギリ見えないかを熟知している犬と串ならではの全裸芸でした。
『じんましん』(作・演出 北川大輔) こっぱずかしいことを聞くとじんましんが出てしまう男の話。
いい父親、いい夫とちょっと仄めかされるだけで反応するのは娘や妻を愛しているからで、いい家族の証拠です。心が温まります。
満足度★★★★
おかえり
2009年の『ベルゼブブ兄弟』のときはもう少し分かりづらかったという漠然とした記憶がありますが、今回は意外と分かり易かったと思いました。
ネタバレBOX
死体がころがる陰惨な殺人現場からスタート。兄弟と従兄弟が一つ屋根の下で兄弟として暮らし、工務店を営む乱暴な父親に育てられたことで皆も凶暴になり、父親の通夜の夜に殺し合いにでも発展したのかと思っていたらそうではなかったという話。
屋根から落ちて死んだ父親については、長男が殺したのではないかと疑われましたが、借金返済のために労災保険目当てに事故を装って自殺したことが判明。兄弟たちが殺されたのも、兄弟喧嘩の成れの果てではなく、工務店の従業員が長男の嫁と結婚して後継社長になろうと勘違いして起こった暴走だったことが判明。丁寧に説明してくれたなという印象でした。
別の役者が兄弟それぞれの心の自分というか妖精のような存在へ早替えするのは結構大変なのではないかと思いました。四男の思い出の犬のような存在から次男への変化はお見事でした。
帰国したチョビさんは演出に徹しのだとは思いますが、舞台挨拶に出てきてくれたら良かったのにと思いました。
満足度★★★★
女優陣
彼女たちを活かすためのお芝居という感じでした。
ネタバレBOX
父母の離婚で離れて暮らしていたお姉さんが急に妹の私のところに近付いてきた理由が明らかになる話。
癌の手術費用を手に入れるために来て、ちょっと手癖の悪いこともしようとしたお姉さんでしたが、妹の友人たちがそれならばとお金を貸してくれるなんて、なんて愛された人なんだろうと思うとともに、バイトで生計を立てているのが実情の主演女優に対して、なんてお金持ちなのだろうと思いました。
顔の大きめな女優さんが多かったですが、魅力的な女優陣が多くて嬉しかったです。
満足度★★★
【きつねチーム】観劇
シュール、普通の人々は幸不幸を経験しながら生きています。
ネタバレBOX
再開発話に巻き込まれた商店街のうどん屋の主人の話。
長男の鬱等家族に色々あったものの再開発に反対し頑固を貫いていた主人でしたが、結局は本人が脳梗塞で倒れ、もし売らなければ商店街全体が再開発計画から外れ、他のお店の人たちから恨まれたかもしれず、期限までに土地建物の売却が決断できて、まあ良かったかなという感じでした。
ラストで主人は、良い時も悪い時も含めて人それぞれの人生だなどと長男に向けて素晴らしい言葉を発していましたが、余りにも鬱に理解を示さず、ただ働け働けとしか言っていなかったのにいつ心変わりしたのでしょうか。自分が病気になって初めて気付いたのでしょうが、それにしても自分勝手な男だと思いました。
再開発に伴う有利な金額で売却資金を手に入れましたが、長男の鬱などはまだ解決していません。特段ハッピーエンドでもなく、これが普通の人々の生活だと思わせるシュールな内容でした。
役者さんたちはあまり表情に表さず丁寧に台詞をしゃべる、どちらかと言うと棒読み系でした。
ところで、長男が初めてスーツを着て初出社というときにセーラー服を着た妹は新しい年度が受験という関係の設定になっていました。大学4年と高校2年、高校3年と中学2年と考えると年齢差は最低でも4歳ほどありますが、子供の頃の作文の出来具合から判断するとそこまでの年齢差は感じられませんでした。
また、インターネット放送がある一方で、週休一日だったり、半ドンがあったりする会社員がいる状況に、いったいいつの話かと不自然さを覚えました。
満足度★★★★
さすが
自信溢れる佇まいの出演陣はさすが太田プロの芸人さんと役者さんだと思わせてくれました。
ネタバレBOX
ちょっとした何かが失くなることによってちょっとした騒動が起きるコントがいくつかあって、最後のコーナーで、騒動をきっかけにしてみんなが夢を実現させて幸せになったりしていて、実は×(かける)という秘密組織が人々の人生に調味料的刺激を与えるためにちょっとしたものを盗んでいたいたことが明かされるオムニバス構成のコメディ。
ショートストーリーロングコントと大々的に謳っていましたが、単なるオムニバス作品という感じでした。
満足度★★★
『本日昔噺』観劇
かぶいてました。
ネタバレBOX
竜宮とさる猿の国の戦いにかぶき者や桐島が絡んだ話。
ストーリーは意味不明でしたが、マリー・インタアネットやかぶき者の前田前次郎に華があって良かったです。
満足度★★
『だいなし』観劇
この後もう一本、演出家が同じで別の作家による『本日昔噺』を観たので、憤りのテンションは少し下がりましたが、本当に『だいなし』は最低でした。
ネタバレBOX
書けない作家が思い悩み、嘆く話。
劇団の練習風景やエチュードを扱ったお芝居や、書けない作家についてのお芝居はたくさんあるので全く新鮮味がなく、つまらない、中身のないものを100分見せつけられるのは本当に辛かったです。
中身がないのなら止めるか、短くして料金を安くするとか考えれば良いと思うのですが、自己嫌悪で泣くシーンなども、同時上演の『本日昔噺』に尺を近づけるためなのか泣き始めるまでが無駄に長く嫌になりました。
魅力ある役者さんがいたので我慢しましたが、久し振りに途中退席したくなりました。
満足度★★★★★
世代間戦争
若者よ、選挙に行きなさい!
ネタバレBOX
身寄りのない子供に生活の場を与え教育を施す寄宿舎が実は少年兵を育てる施設だったという話。大人たちによってマインドコントロールされた少年少女は兵隊要員か、それとも自爆テロ要員にさせられて命を落とすことになるのでしょう。
敵国に空爆され施設は破壊されました。懲りない大人たちは施設を再建てまた儲けようとしましたが、施設にいた少女が爆弾を作って彼らを殺しました。少女は怒りました。
臓器提供させられるためにクローン人間の子供たちが育てられる寄宿舎を描いた多部ちゃん主演の『わたしを離さないで』(2014年4月~5月)を思い出しました。
キヨという大人の言うことを聞かずに追放された奔放な少女が結局は自立した人間だったということでもありましたが、戦争に行かされるかもしれず、将来年金額が減らされるかもしれない20代、30代たちが団塊の世代前後の戦争にも行かず年金を享受している世代との世代間戦争に爆弾を使わずに勝つためには選挙に行って自己主張するしかありません。
満足度★★★★
そうだったのね
女性は女性がいいです。
ネタバレBOX
自立していたはずなのにいつしか男性の都合に合わせてしまっていた女性が、人の振り見て我が振り直せとばかりに男の身勝手さに気付き自立することを決意するエピソードなど、ホテルのロビーで繰り広げられる様々な人間模様を描いた話。
女装マニアの人が堂々と仕事している社会の話かと思いました。次に、ゲイ専門ホテルの話かと思いました。そしてようやく、男優が女性を演じるスタジオライフ形式の芝居なのだと気付きました。女性客には受けるのでしょうが、私にはがっかりでした。
キングコング梶原雄太さんによるアドリブは役者さんたちにとってボケ突っ込みの勉強になるのだとは思いました。
満足度★★★★★
素晴らしい!
ダンサーがソロをおおっぴらに誇示できる演目でした。
ネタバレBOX
難破した海賊を助けたギリシャ娘たちは奴隷商人に捕まってトルコの総督に売られたりしたものの、今度は海賊が助け幸せになりましたという話。
娘たちが奴隷市場や買われたばかりの総督の屋敷で楽しそうに踊るのは如何なものかとは思いましたが、洞窟での踊りも含めてソロを演じるシーンがふんだんにあり、『海賊』はダンサーが自らのパフォーマンスをおおっぴらに誇示できる演目だと思いました。そして、ダンサーたちは自信を持って楽しそうに演じていて素晴らしかったです。
トルコ軍が登場しましたが、奴隷商人が軍を利用することはあっても軍が主導して娘たちを捕まえたとは思えませんでした。慰安婦問題然りです。
満足度★★★★★
職場の人間関係
濃縮
ネタバレBOX
デパ地下で働くマネキンたちとデパート従業員たちの間における職場の人間関係を描いた話。
デパ地下なのでもっとお店があるはずで、ここまでみんなが絡み合うのは出来過ぎですが、独特の口調でいらっしゃいませーを言いながらまあ本音が顔に出ていたりして面白かったです。
本当に性悪は誰かが分かり、ラストにド派手な襲撃作戦があり、良くできていました。
満足度★★★
赤
お正月公演らしいと言えばらしいかなと。
ネタバレBOX
中華街の人に見初められた女性の話みたいな、結婚とはパートナーの背景にある社会とも一緒になる覚悟が必要といった話みたいな。
この女性は天涯孤独で、心が闇に閉ざされていると説明されて、いきなり説明台詞かよって思いました。
華僑の社会や北関東のブラジル人社会に嫁ぐ心構えを言っているようでもありますが、いずれ子供の代になる頃には肝っ玉母さんになって居座るのですから心配はありません。
この大家族というかこの集団は孤児の集まりで、変な超能力者みたいな人たちばかりで訳が分かりませんでしたが、中国風のお祝いらしき赤い飾りがあってお正月公演らしいと無理矢理納得して観ました。