雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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ゾンビ沼袋

ゾンビ沼袋

lovepunk

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

興行なんだね
あじのさん良かったです。

ネタバレBOX

50歳記念興行を前にテレビの密着取材が入り喜んだゾンビ沼袋でしたが、次第に彼女の人生が盛られたり、若手が自身の人気取りに利用しようとしたりして、生き様を通して女子プロレス人気の復活を願う本来の趣旨から外れてしまい、取材を断ってでももう一度プロレスが好きという原点に戻って興行を成功させようと頑張る新宿女子プロレス(SLW)のレスラーたちを描いた話。

ゾンビが嫌いなミルキー、取材をちゃっかり利用しようとしたミルキー、そして、ゾンビの嘘の癌告白に涙したミルキー、30歳、心はいつも16歳のあじの純さん頑張ってました。

過去のDVDの説明で、男だったを男役だったと訂正しなければならないほど、本橋由香さんにはホント疑念がつきまといますね。
こうして二人は幸せになりました、とさ

こうして二人は幸せになりました、とさ

MacGuffins

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

【水越バージョン】観劇
仲間内的限界を感じました。

ネタバレBOX

余命わずかな彼氏の現況を受け入れられず、妄想の中で一緒に生きることで気力を保持し引きこもっていた彼女が、現実を受け入れて再出発しようと決意する話。

妄想の中で、彼氏が魔王、彼女が勇者のゲームを何度も繰り返し、常に魔王を倒すことに躊躇していた彼女が、最後魔王を倒すことで決着をつけました。

一応前向きな話ですが、結局は大声がなりたて系、ちょっとした所作が大受けするなど仲間内だけで通用する素人っぽいお芝居でした。役者との面会を考えているのか終演後誰も席を立たず、全員がお仲間さんかと思ってしまいました。
青ひげ公の城

青ひげ公の城

非シス人-Narcissist-

サンモールスタジオ(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/09 (月)公演終了

満足度★★★★

【Bキャスト】観劇
六番目が良かったですね。

ネタバレBOX

七番目の妻役として稽古場に潜り込んだ女優志願の女性が、この劇場で失踪した兄の真相を探り出すファンタジー。

兄のやまもとじょうじが山本譲二由来ということを知りました。

前回は過去懐古型であったような記憶がありますが、脈を取るどっくんどっくんで客参加型でもあったこともあり、今回は現在進行形という感じがしました。
ワンダーランド

ワンダーランド

Straw&Berry

王子小劇場(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

分岐式より
こちらの方が良いと思いました。

ネタバレBOX

甲田茂と香田繁という小説家志望のフリーターの男を交互に描きながら、恋人との顛末を描いた話。

最初、雑誌に載った小説を書いたのはどちらかのこうだしげるで、もう一方は自分の小説が雑誌に載ったと周りに嘘を付いているのかと思いましたが、次第に雑誌に載ったのは両方で、ワンダーランドとはパラレルワールドのことだと理解しました。結果的には、作家の頭の中の理想の女性きょうこちゃんに関する妄想の内二つを描いたということでした。

この2時間前に分岐方式の舞台を観たばかりだったので、分岐式をやるくらいならこちら方がどれほど良いかと思いました。ただし、パラレルワールド物は何でもありにならないようにすることが重要です。

終盤、恋人を殺して警察に捕まったのはどちらのこうだしげるかと物凄く気になりました。ここが最高の見せ場でしたが、直後にデリヘルの運転手がこうだしげると電話したのであっさり分かってしまいました。もう少し引っ張っても良かったのかなと思いました。

もし、当日パンフレットに酒鬼薔薇聖斗に捧ぐと書いてなかったら、こうだしげるが過去に殺人を犯していたことが分かったかどうかは自信がありません。

残虐シーンはありませんでしたが、エロっぽいシーンはありました。役者陣も素晴らしかったです。小西耕一さんは自身の作品でもそうであったように、挫折する青年がお似合いです。

ところで、劇団員の女子が自分のファン、追っ掛けのことを「どうせ演劇おじさん」と称していたのは、私が演劇おじさんなだけに、少々察知はしていましたが、役者からそんな風に思われているのだろうと思うとショックを受け、メゲました。鮎川桃果さんの追っ掛けの人もショックだったと思います。
神様の言うとおり2 βテスト

神様の言うとおり2 βテスト

NICE STALKER

王子スタジオ1(東京都)

2015/02/07 (土) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★

一つの遊びですが
ストーリー分岐方式は自信のなさの表れだと思います。

ネタバレBOX

6月の修学旅行で、帰りの新幹線の中で雪に閉じ込められた女子高生を中心に、選択肢に従って恋愛の成就を妨げるような決定をすると人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ的な結末を迎える話。

演劇自体はβ版ということで45分程、時空を超えた部分は本番で加筆されるのでしょう。

電子投票によって選択肢のパーセンテージが変化したりするのは楽しく、今回は少人数だったので逆転はありませんでしたが、大人数の場合は後出しジャンケンで逆転を狙う投票者が出たりすることも考えられ面白い面もありますが、ストーリー分岐方式は作者の自信のなさの表れだと思います。一番面白いストーリーをビシッと見せてほしいと思いました。
雲の脂

雲の脂

ホエイ

アトリエ春風舎(東京都)

2015/02/07 (土) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★★

あくどい商売
人の弱みに付け込んで。

ネタバレBOX

本人たちは全く信じていないにも拘らず、バチが当たるとか、もっと大袈裟に言えば祟られるとか人の恐怖心を利用して、不要となった道具、石像、宗教的偶像、災害の記念品等の産業廃棄物を引き受けて経営難を乗り越えようとした神社の話。

ゴミ置き場と言った神主の言葉が印象的でした。

防波堤の建設を県が途中で止めたため潮流が変わって海岸浸食が起きて神社の存続自体がままならなくなりました。あくどい商売のバチが当たったと思わないところは神主たちが真っ当な神経の持ち主であることの証明ですが、被害者はいい迷惑です。バチなんて当たらない、逆に言えば何かしたからといって宝くじは当たらないと正直に言ってほしいです。

仙台の戦災記念品が地震の記念品に押されて展示場所がなくなり産業廃棄物と化す現状には、真偽の程は分かりませんが驚きでした。

偶像は偶像、物に変に感情移入しないことが重要です。広島に寄せられる千羽鶴については順繰りに適正に廃棄すれば良いと思います。
稚拙で猥雑な戦争劇場

稚拙で猥雑な戦争劇場

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高に面白い!!
縦糸に織り込んだ横糸の方が幅広い、やりたい放題の素晴らしい話でした。

ネタバレBOX

集団的自衛権を行使するようになった日本。国際協力隊に入った首相の娘が中東のルバル国に拘束されたため首相自ら出掛けて行き、世界に報じられていなかった過去のルバル国に対する無差別空爆事件を報じること条件に娘を救出するとともに、戦争の悲惨さや家族の素直な気持ちを知るにつけ、集団的自衛権を放棄する方針に首相の考え方が変わる話。だったかなと思い出すのが難しいくらいドタバタや裸芸がとことん面白かったコメディ。

神田川首相の娘百合子とフセイン閣下の主役二人は可愛らしく、脇役は面白過ぎだったり、色っぽかったり、お母さんはポッチャリだったり、局所だけ隠すスッポンポンだったりとメリハリがついていて、素晴らしかったです。

めちゃくちゃエンターテイメントでした。
夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

しっとり、しんみり
明治の雰囲気を感じました。

ネタバレBOX

猫の目から見た夏目漱石の話。

明治時代は男はDVだらけだったのか、あるいはDVは連鎖するのかと思わせるような内容を含んでいました。歌舞伎で首を切るシーンが多かったり、「ヴェニスの商人」で唾を吐くシーンが多かったりと同じで、過去の因習とも言える事実を教えてもらったような気がしました。

スタートからしばらくの、影絵のような演出は新鮮でした。猫たちが人形だったのも新鮮でした。みゃあみゃあ鳴いているときに笑ったお客さんがいたのには、ネコ語が分かる人がいるのかと少々驚きました。また、三代目が黒猫だったため全体に暗い舞台環境の中では良く見えなかったのは残念でした。

松本潤と小栗旬を彷彿させる若手陣は人気が出ても不思議ではないと思いました。

漱石が芥川龍之介に早く来るなよと、長生きしろよという趣旨のことを言っていたのがしんみりして印象的でした。
ゲンジツパビリオン

ゲンジツパビリオン

ゲンパビとこゆび侍

ギャラリーがらん西荻(東京都)

2015/02/03 (火) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

【Bバージョン】観劇
上質な小品、面白かったです。

ネタバレBOX

『薄膜を往く』  一線を越えられなかった男女が最後本音をぶつけ合い、恐らく一線を越えたであろう話。(60分)

おどおどしたところやもやもやっとしたところ、周りがイライラするところなど、それぞれの人たちの気持ちが素直に表れていて好感が持てました。

『飴をあげる』  ゴミ置き場をあさる光り物の好きなカラスが飴玉を見つけて喜んだり、イケメンに恋したりしているうちは良かったのですが、イケメンの指輪を飲み込んでからは一転、蹴飛ばされ散々な目に遭う話。(40分)

死ぬ前にイケメンの頭に落とした糞に指輪が混じっていたとは、幸福の王子のツバメのような印象。ゴミ置き場のネットにまで配役があるのも面白し。

どちらにも出演した背乃じゅんさんが大活躍。一線を越えられない女役の岸野聡子さんやネット役の三澤さきさんもいい味出てました。
メフィストフェレスにさえそっぽを向かれた男たちのハナシ

メフィストフェレスにさえそっぽを向かれた男たちのハナシ

スケアクロウズ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/01/28 (水) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ほほうって
大人の雰囲気を堪能しました。

ネタバレBOX

原発事故による放射能汚染を極端に嫌い、東京に住みながら大豪邸の地下室からほとんど出られなくなって暮らしている男と、そこに出入りする友人や女たちの話。

彼らは団塊の世代の男たちでした。男優も年相応で大人の雰囲気に溢れていて素晴らしかったです。ラストで流れたブルームーンも素敵でした。

学生運動で燃えた経験を持つ彼らのうちの一人は人生はこれからだと熱く言っていましたが、発達障害の粗暴な性格が災いして家庭が築けず自殺しました。賢いはずの男は未来を描くことができず、心の悪魔と会話していましたが自殺はできませんでした。

少女役の岩永ゆいさんが良かったです。パンフレットの写真よりも遥かに。
明日へ行く

明日へ行く

LiveUpCapsules

王子小劇場(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

人間の想像力
限界はありますが、それでも想像しなければいけません。

ネタバレBOX

戦時中、原爆開発をしていた理研仁科研究室の話。

仁科は部下たちが原子爆弾の成功を疑問視する発言をしたときには激怒していました。一方、終戦後は部下たちが徴兵されずに生き延びることができたと喜んでいました。

軍部から資金は豊富に出るもののプレッシャーがあり、やるからには成功させなければならないという気持ちはあったようですが、部下たちが研究を続ける環境を守ることが本音だったのでしょうか。

そして、広島の惨状を目にして、自分たちのやっていたことに恐れ慄いてました。TNT爆弾の何万倍とか分かっていても想像しきれないとすればどうすればいいのでしょう。
6人の法則

6人の法則

劇団平成商品

タイニイアリス(東京都)

2015/01/30 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

途中から
擬態擬音が無くなってから良くなりました。

ネタバレBOX

不倫がバレて地元にいられなくなった妹がおじいちゃんの病気をきっかけに戻ってきましたがギクシャクし、別の若夫婦は夫が浮気をしているような感じで、色々問題は抱えているものの、二つの家族がそれぞれに生と死を見つめる話。

2時間20分ぐらいだったでしょうか、長めでしたが、妹の問題点が何だったかに時間を要したため何とか持ち堪えました。

最初俳優たちが身体で自動車を表現したり擬音を出したりで、こういう傾向の劇団かと、どこか限界が見えたような気がしましたが、舞台上にベッドとソファーが出てきてからそうした身体表現がなくなり良くなりました。変なパフォーマンスは途中にもありましたが。姉妹が車に乗るラストシーンは椅子を並べて済ませました。最初もそんな感じで十分です。

ラストで猫のキャリーバッグが出てきたときには、若夫婦の夫宏一の同級生だったはずの姉が宏一のお母さんかと思ってしまい、時空を超えた話が同時進行していたのかと思ってしまいました。で、良く考えてみると、お母さんに猫を預けるのを嫌がった妻に気を遣い、同級生に預けたのだと理解しましたが、相当頭が混乱しました。

当パンを見たときに登場人物が8人だったのでつい役者も8人だと勘違いしていたこともあり、姉妹のお母さんが若夫婦の妻と同じ役者だったのも状況把握までに少し時間が掛かりました。6人の法則とは6人で演じるとこういう配役になるということと理解しました。
つくづくな人間

つくづくな人間

マニンゲンプロジェクト

小劇場 楽園(東京都)

2015/01/28 (水) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

冗長
皆様々な事情はありましたが、分かってしまうとあとは長く感じました。

ネタバレBOX

デリヘル嬢の待機室兼事務所のようなマンションの一室に出入りする訳ありな人たちの諸事情が渦巻く群像劇。

デリヘル嬢の管理をしたり送迎をしたりする男の舞台慣れしていなさそうな少々おどおどした説明っぽい長台詞でスタートし、いきなり辛気臭くなりました。上演時間は100分程度で、交通事故加害者が被害者遺族に謝罪する様がストーカー的という異常な状況に目を見張る場面もありましたが、ひとしきり各人の事情が分かってしまうとあとは長く感じるだけでした。

ラストの一人ずつ舞台を去って行く手法とか、今度は舞台挨拶のために一人ずつ出て来るとかも、冗長さに拍車をかけていました。

ギターを買っただけのミュージシャン志望男の楽曲を聞いてみたかったですね。大倉孝二を意識して役作りしていたように感じられましたが、単なるクズ男と思わせておいて、実は凄い曲を作曲していたんだなと驚かせてくれるものと楽しみにしていたのですが、結局曲は流れず、やっぱりクズ男に過ぎなかったのかとがっかりしました。

当初馬鹿にされていたラーメン屋の出前持ちが終盤急にみんなに人生訓を垂れ始めましたが、昭和の人情コメディのようで古臭さを感じました。

ラスト近くの銃声は何だったのでしょう。デリヘルのオーナーが自殺でもしたのでしょうか。そんな殊勝な男には見えませんでしたが。
お暇をこじらせてⅡ

お暇をこじらせてⅡ

aji 2021年活動終了

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

着想はユニーク
私の嫌いな要素が二つもあり、嫌で嫌で仕方ありませんでした。

ネタバレBOX

オスカー・ワイルド『幸福の王子』と、アルベール・カミュ『正義の人びと』をモチーフに、人を幸せにしていい町にしようと願い行動した幸福の王子とテロリストたちの話。

一方は上から。しかし、私財が尽きておしまい。一方は下から。圧政の元を絶とうとしたものの後継者は残る、ユニークな着想でした。

しかし、私は如何にも西洋風のお芝居でござい、道化役でございというクラウンの赤い鼻が嫌いで、赤い鼻を見ただけでお芝居を観たくなくなります。

もう一つ、最近のCMでも気になっていることですが、「日本生命」を「にほんせ・い・め・い」と、「い」を強調する一部業界の風潮が嫌いです。平仮名には横棒が無いため「い」で表記するだけで、「せーめー」に近い発音が本来の発音です。本作品でもことさら「い」を強調する発音が多く見受けられ辟易しました。

夫であるセルゲイ大公を殺された妃がテロリストたちに特赦が与えられるよう願い出ようとは、何と信仰心の厚い人だろうと感心しました。革命家なら生きて革命を起こそうとするでしょう。生きるに越したことはありませんが、暗殺が目的であとの目標がないテロリスト本人にとっては苦痛かもしれません。
プロモーターズ!‐セカンドチャンス‐

プロモーターズ!‐セカンドチャンス‐

劇団メイカーズ

スタジオアルタ(東京都)

2015/01/28 (水) ~ 2015/02/02 (月)公演終了

満足度★★★

【Bチーム】観劇
劇団の存在感が全くありませんでした。

ネタバレBOX

大手プロダクションからダンス系ユニットパールの移籍を引き受けたものの、実はファンクラブの名簿がインチキでシークレットイベントに失敗し弱小プロダクションは倒産してしまいますが、元社員たちがもう一度パールを売り出そうと奮闘する話。

軒先を貸しただけなのに母屋を乗っ取られたのか、今回の企画に便乗させてもらっただけなのか、劇団メイカーズ旗揚げ公演と言いながら主宰を始め劇団員は皆チョイ役でした。終演後の舞台挨拶は全員で行うだけで済ませておけば良かったものを、意地を張ったばかりに劇団員だけが残ると虚しさが際立っていました。

そもそも最初のイベントにお金使い過ぎだし、倒産したら債権者に対する対応が大変なはずなのに社長は平気な顔をしているし、後にパールが人気者になってイベントが成功したと言って元社員に報酬を配っていましたが、いくらコメディとはいえ債権者無視振りに大丈夫かいなと心配になりました。

いくらダンス系ユニットと言ってもインタビューにも答えられないのは変、しゃべらない役者さんがいるのも変、唐突に始まった漫才にも驚きましたが、半ズボンの相方に寒いならズボンはけよみたいなのは受けました。
アルマ

アルマ

THE TRICKTOPS

ザ・ポケット(東京都)

2015/01/28 (水) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ツートン
もっとヒヤヒヤドキドキ感を期待していたのですが、少し拍子抜けでした。

ネタバレBOX

中学時代に同級生だったガリ勉型天才少年と天然型天才少女がコンピュータウイルスを巡る攻防の中で、ウイルスの中に忍ばせたモールス信号によってお互いの存在を知り、再会する話。

親世代に年配の役者さんを配するなど厚みがあって良かったと思いましたが、全体に重いのか軽いのかどっちつかずのようでした。

例えば、爆発の被害についてあまり語られていないので、最初の機動隊員が受けた爆弾の被害は甚大だったのか、ラスト近くで液体チョコレートが散らばる程度の爆発がありましたがその程度だったのか、実際に起きている事態そのものをどう判断していいのか分かりませんでした。

最初のモールス信号クイズで野口英世が野口英雄になっていたのはご愛嬌でした。
This is 30

This is 30

シンクロ少女

スタジオ空洞(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

計画性
あってもなくても楽しい人生です。まだ30代だもの。

ネタバレBOX

行きあたりばったりで脚本作りをする次男は生き方も行きあたりばったりで、それに嫌気を差して去った彼女は数年後に彼の弟と知り合い、その三男は計画性のある生活を送っていたものの酔った勢いで計画性のないことになってしまい、30歳になったこともあってこれが幸せなのだと自分に言い聞かせ結婚を決めました。そして、弟たちから無心するようなだらし無い性格の一番上の38歳の兄貴と35歳になった次男を誘い、兄貴の亡くなった奥さんの墓参りにかこつけてそのことを報告しようとする話。

三者三様、計画性がなくても何とかなる人もいれば、計画性がなくて振られる人がいて、計画性があっても計画通りに行かない人もいる、楽しいおバカ三兄弟でした。

長男役の泉政宏さんの歌うトゥモローが素晴らしく、下手なミュージカルよりも素敵でした。
こわれゆく部屋

こわれゆく部屋

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

モラハラ
高橋三船夫婦の離婚訴訟が話題になっている中、タイムリーでした。

ネタバレBOX

両親ともに亡くなって姉と二人暮らしをしていた妹が、姉のモラハラに嫌気が差して飛び出してから十数年、ホストクラブに作ったツケを家賃を節約して払うように馴染みのホストから促され、ホストとともに実家に戻ってきてからの話。

妹の彼氏であるホストが居座り続けて家を乗っ取ろうとするなど困ったことになり、イライラさせられるストーリーになるのかと期待していましたが、単に妹を監視していただけで、数ヶ月後取立てに成功したらさっさと出て行ってしまいました。まさに金の切れ目が縁の切れ目でした。

どちらかと言うと、姉や姉の同居人たちの職業である看護師の患者の死に際しての意識のあり方等を考えてみようとすることが主眼のようでした。

姉は社会規範や職業倫理に関して理想的な考え方を持っていて、同居人も最初は彼女のプロらしさに憧れて同棲を始めたわけですが、結局はあまりにも切り替えが早いことに、理屈では分かっているものの人間味が感じられず心が離れていきました。妹が正論を押し付けてくる姉のモラハラ振りに嫌気が差して出て行ったのと同じことになりそうです。

患者が死ぬ度に風俗に行って変態プレーをしなければ気持ちが切り替わらないというのは極端過ぎて、少し看護師に不向きなのかとも思いますが、患者に感情移入し過ぎないことが如何に難しいことなのかということは理解しました。

ラスト、姉が妹に共依存の状態のようで驚きました。同居人の心が離れたためか、モラハラの相手としてもう一度妹を対象にしようとしたのかもしれません。しかし、もしそうならば妹が家出したときにもっと積極的に探すはずだったのではないかとも思いました。
Father with No Name  続 夕陽の父子たち

Father with No Name 続 夕陽の父子たち

ピストンズ

王子小劇場(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/01/26 (月)公演終了

満足度★★★★

くるくるっ
西部劇が好きなんだねと思いました。

ネタバレBOX

重篤なお父さんを見舞いに行く道すがら、お父さんのノートに書かれていて彼が憧れていた西部劇の世界を読み解きながら、息子たちがあまり好きでなかったお父さんの様々な面を認識する話。

けん銃をくるくる回したりするのを見ると、そして上手く回せない人もいたりすると、素直に西部劇が好きなんだなと思いました。

名無しのガンマンだけでなく、保安官も悪役も、酒場の隅で何もできずにしゃがみこんでいる男もみんな父親の一面ということでした。不思議なノートで、西部劇の世界に入り込んでしまうというシーンもありましたが、結局は夢オチだったみたいで、全体としてありがちと言えばありがちでした。
義務ナジウム

義務ナジウム

公益社団法人日本劇団協議会

劇場MOMO(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

因習と言えば
iaku『目頭を押さえた』やオペラ『フィガロの結婚』を思い浮かべました。

ネタバレBOX

14歳になった男女に性の手ほどきをする古い因習を守り通している村の話。

すぐに、iaku『目頭を押さえた』を思い出しました。どちらも、本当かどうかはともかくとして、因習のある日常生活を真摯に演じ切っていたところは素晴らしかったと思います。

『目頭…』が最後の最後に葬儀にまつわる山村の因習が明らかにされショックを受けたのに対し、本作品では最初から性にまつわる因習のこと、途中からはヘコ親と呼ばれるその年選ばれた大人が14歳の中学生に対してセックスするということが分かってしまったため衝撃度は低くなりました。

生きたカエルを串刺しにして捧げる風習が動物虐待ということで反対運動が起きているとのニュースがありました。また、『フィガロの結婚』に出てくる初夜権も今はないと思います。風習とはいえ、子供に対する虐待に当たり、淫行条例に引っ掛かるような行為や動物虐待に当たる行為は即刻取り止めるべきだと思いました。

ところで、九州の劇団ゼロソーにとって今回の演出家はヘコ親なのでしょうか。スローモーション&ストップダンスまで手ほどきしなくても良いのではないか、少々見飽きています。ゼロソーさんもこれが東京のスタンダードではないですから、そこんとこ宜しくです。

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