雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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阿呆浪士

阿呆浪士

パルコ・プロデュース

新国立劇場 中劇場(東京都)

2020/01/08 (水) ~ 2020/01/24 (金)公演終了

満足度★★★★★

目頭が熱くなりました。

ネタバレBOX

ひょんなことから赤穂の浪士を騙った魚売りの八が、血気盛んな大石の娘すずの脅迫的言動や武士道の理想を求める元禄時代の庶民感情の大きなうねりの影響を受け、流れに逆らえず討入り決断に至るとともに、友人としての浅野内匠頭を想う当初討入りに消極的だった大石をも巻き込み、赤穂浪士と寄せ集め集団が一致団結して本懐を果たすという話。

身分階級制度が存続するには、上位階級の人たちは高潔であって尊敬される存在でなければなりません。本事件によって怖いだけの武士階級が一目置かれたわけですが、町人のノリのおかげでした。

落ちぶれた女郎が浅野内匠頭の人間性を語るシーンや、花魁との駆け落ちで討入りに参加しなかった貞四郎が自害するシーンなど、殊の外感動しました。

凛とした大石すず役の伊藤純奈さんが素敵でした。大石内蔵助役の小倉久寛さんも良かったです。
おとぎ裁判 第2審

おとぎ裁判 第2審

CLIE

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

ほとんどが女子。場違いなところに来てしまったかなと思いましたが、それでも30分過ぎ頃から面白くなっていきました。

ネタバレBOX

原告側二人、被告側二人、裁判官側二人に道化役一人による構成。「ハーメルンの笛吹き男」の真相を暴く裁判劇。

所謂イケメン俳優たちによる女子向けの顔見世興行なのですが、30分が過ぎた頃から真相解明に向けて本格的に動き出すと次第に引き込まれていきました。

おとぎ話の中で一人残った足の悪い少年の美しい歌声が、動物たちや子供たちを引き寄せていたのでした。障害児として大事にされていなかった少年が子供たちを道ずれに集団自殺しようとしたところを笛吹き男が止め、子供たちを子供たちの意志のもと時空の異なる世界へ送ったとのことでした。

裁判官アケチは縞々の服を着た囚人で、検事や弁護人も含めて彼らは何者なのかという謎が残り、このシリーズはいい具合に続いていきそうです。
阿弥陀羅一族の末裔 眠れるシティボーイ

阿弥陀羅一族の末裔 眠れるシティボーイ

とがったぴーなつ

王子小劇場(東京都)

2020/01/10 (金) ~ 2020/01/13 (月)公演終了

満足度★★★★

若さがあって良かったです。

ネタバレBOX

蜘蛛に呪われた一族の末裔でテレビ局でADをやっている青年が、覇権を狙う別の末裔一派と闘う話。

虫メガネか鏡か、あれは何に効くのでしょうか。
雉はじめて鳴く

雉はじめて鳴く

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

爽快にやられました。

ネタバレBOX

雉はケーンと鳴きますが、雉が初めて鳴く、即ちケンは主張できるくらい大人になったってわけで、雉も鳴かずば撃たれまいなのですが、鳴いたことによって周囲が反応して助けてくれて無事高校生活を続けることができましたという話。

そして、後ろに出てくる男女は父親とその母(ケンの祖母)だとばかり思っていたら、30年後のケンと避難所として守ってくれた担任の女先生だったということが分かってやられたなと思いました。

ただ、内容の割には舞台が広すぎて横スクロールが目立ち、立体感がありませんでした。また、若い人のお芝居に慣れたせいか、全く若さが感じられませんでした。
それは秘密です。

それは秘密です。

劇団チャリT企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
怖いなと思いました。

ネタバレBOX

前半コミカル、後半シリアス、最高でした。

最初は、売れないお笑いトリオTKFの一人圭が逮捕されてからの様子を、TKFの関係者が時系列的に説明しながら進行し、淡々とし過ぎるかなと心配になるくらいの展開でしたが、それでもお笑い的には劇団ひとりが泣き出すコントのようなものが散りばめられていて、只々笑って見ていました。

外堀は埋められていました。秘密保護法です。政府に都合の悪いことは何でも秘密にして国民には知らされません。国民は秘密情報に近づくことも許されません。後方支援のPKOとして中東に出掛けた自衛隊がゲリラに襲われ、圭の弟健はパニクって敵も殺しましたが味方も殺してしまいました。そして帰国後自殺しました。国民は中東で日本人が死んだことを誰も知りません。

マッチョのゲイが自衛隊員というのもその業界ならあり得ることだとさほど深く考えもしないで見ていましたが、まさか、PKO関連の大事件にまで繋がっていたとは、上手いなあとよもいました(思いました)。

健が保存していた情報について妹の敦子が圭のパスワードを使って新聞記者に接近したことが圭が逮捕された原因でした。敦子が出頭し、圭は釈放されました。

そして、売れないお笑い芸人のコンテストO-1が始まろうとした瞬間、中東で米軍の船が襲われたとのニュースが流れO-1は中止となり、売れない芸人は売れないまま、日本国民は何も知らないまま集団的自衛権の名のもとに戦争への道に進むこととなりました。本当に怖いです。
つかの間の道

つかの間の道

青年団若手自主企画 宮﨑企画

アトリエ春風舎(東京都)

2020/01/08 (水) ~ 2020/01/13 (月)公演終了

満足度★★★★

ああなってこうなってと確信します。

ネタバレBOX

これから変化が起こりそうな複数の人間関係の、今現在を徒然に描いた話。

退屈な日常、ルーティーンをこなしているだけと思っていても、いつか大きく変化したことを実感するのだと思います。

ボーっとしていると、昼まで寝てしまうのが普通だと知って安心しました。
ポポリンピック

ポポリンピック

ゴジゲン

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/01/03 (金) ~ 2020/01/21 (火)公演終了

満足度★★★★

ポポが濃過ぎでした。

ネタバレBOX

ボーリング界の天才選手ポポらが、オリンピックに選ばれなかった種目や新種目を創設して東京オリンピックの日程に合わせてポポリンピックを開催しようとしただけなのに、次第に過激化する話。

スタート時のダラダラした尺稼ぎが気になって乗り切れませんでした。

どうせ過激化するのだったら行き着くところまで行って撃沈してほしかったです。
(本公演)土木座

(本公演)土木座

guizillen

王子小劇場(東京都)

2020/01/03 (金) ~ 2020/01/06 (月)公演終了

満足度★★★★

一ヶ月間お疲れ様でした。

ネタバレBOX

祖父の死をきっかけにそれぞれ自立した三姉妹が、穴を掘るだけ掘って投身することに美意識を持つ集団と出会ったことで心身ともに逞しくなったという話。

『ギジレン島最後の7日間』と言い、滅びが好きなんですね。

女優さんが二人の男に対して横っ飛びで飛びかかるプロレス技はズバリ決まって凄かったです。
佐藤辰海演劇祭

佐藤辰海演劇祭

guizillen

王子小劇場(東京都)

2019/12/27 (金) ~ 2019/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

【劇団YAX直線/EgofiLter/ムシラセの回】観劇

ネタバレBOX

劇団YAX直線 『斉藤和巳演劇祭』  とある演劇祭で優勝するために審査員の個性などを研究し傾向と対策を練る話。

佐藤辰海をもじって斉藤和巳にしたのでしょうが、斉藤和巳にピンと来た若い人が何人いたことかと思いました。

EgofiLter 『ホノホシ海岸』  亡くなったと思っていた父親になりすまし奄美大島の実家に居座った男と息子たちが対峙するミステリー。

なるほどねってところはありました。

ムシラセ 『つやつやのやつ』  若手お笑い芸人の通夜の喫煙所を舞台に、参列者の芸人らと絡み語らうことで売れない漫才師がボケとツッコミを入れ替えて再起を図る決意をする話。

登場人物が個性的で面白く、いい話で、傾向と対策が行き届きダントツでした。
トウキョウノート

トウキョウノート

青年団若手自主企画 堀企画

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/24 (火) ~ 2019/12/29 (日)公演終了

満足度★★★

秘密の抜け穴を知りました。

ネタバレBOX

ヨーロッパで勃発した戦争を避けて有名な美術品が疎開している東京の美術館に集まっためったに会わないきょうだいたちの話。

『東京ノート』ありきの話でした。

薄暗くて、静かな舞台とのことでしたが、椅子のきしむ音が度々聞こえ台詞が聞きづらかったです。私なら、体重をかけて音がすることに気付いた場合、その方向への体重移動は避けますが、このような良心的観客ばかりではないので、事前にスタッフによる椅子のきしみをきちんとチェックすることが必要だと思います。
だから、せめてもの、愛。

だから、せめてもの、愛。

TAAC

「劇」小劇場(東京都)

2019/12/25 (水) ~ 2019/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

男というものは、ですね。

ネタバレBOX

余命半年と診断された男が生き続けたことにより起きた悲喜劇。

長男が特別養子縁組だったことは、もっと病状が悪化してから知らせた方が良かったのでしょうか。それとも、「血のつながりがない、出ていけ」からの「お帰り」で、かえってわだかまりが消えて良かったのでしょうか。
須貝さんの淡々とした、そして時に熱い演技は素敵でした。

それにしても、男というものは言い訳も含めて介護したがらないものですね。

ただ、脳梗塞なら要介護認定を受けて介護保険のサービスが利用できるはずです。ホームヘルパーをどうするとかの話題がなかったのは不自然でした。
libido:青い鳥

libido:青い鳥

libido:

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/12/19 (木) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

知らないことばかりでした。

ネタバレBOX

チルチルとミチルが青い鳥を探しに行く話。

漠然としか知らず、死んだ祖父母やきょうだいのいる死後の世界や、未来の世界へ行ったことなど知りませんでした。ましてや、覚醒剤の世界でロレロレになって幸せになっているチルチルをミチルが救うことなどまるで知りませんでした。
義経千本桜

義経千本桜

花組芝居

あうるすぽっと(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです。

ネタバレBOX

義経千本桜。

小金吾の首を切り落とすところや、ラストに首が飛びかうところなどは初めて観たと思います。2時間45分で全てをやってくれるのが本当に嬉しいです。
私たちは何も知らない

私たちは何も知らない

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/11/29 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

女優陣が素敵でした。

ネタバレBOX

女性誌「青鞜」に関わった人たちの編集風景や私的な生活を生き生きと描きながら、ふと、戦争との関わり、戦後の生き方を瞬間垣間見せてくれた話。

明治大正期の話ですが、ポップな衣装、軽やかな衣装、普段着、かっちりした服装、おばちゃん風、ややロリータ風派手めな衣装と、今現在の服装で演じられ、MeToo運動にも通じる現代の問題として捉えようとする意図がひしひしと伝わってきました。

女流作家の育成と銘打っての創刊から、家庭や社会の中における女性の地位向上を目指すことを鮮明化した平塚らいてうを中心とする女性誌青鞜は、経営権が依藤野枝に引き継がれた後は無方針となりました。

青鞜を通じて家制度、堕胎、公娼制度等に関する女性の立場からの考え方が提示されましたが、当然色々な考え方があるわけで、大きなギロチンが下りるような、大きな堰が閉じるような舞台上の演出もあり、青鞜関係者の中にも国策に協力することになった人もいました。

平塚も学徒出陣に際して寄稿文を寄せたというシーンがあり、太鼓たたいて笛ふいた黒歴史があったことを知りましたが、単純に論ずることはできないなと思います。
正しいオトナたち

正しいオトナたち

テレビ朝日/インプレッション

東京グローブ座(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/24 (火)公演終了

満足度★★★

如何にも洋物風って感じでした。

ネタバレBOX

子供同士の喧嘩でけがを負わされた子供側の家に集まった二組の夫婦の会話劇。

結局、子供の喧嘩の原因は良く分かりませんでした。薬害についても、ミシェルの母親を含めもっと社会問題化する方向に進むのかなと思いましたが企業の体裁の問題に終始させただけでした。会話によって真相が明らかになるのを期待していましたが酔っ払ってグダグダでは全く以って面白くありませんでした。

皆さんが洋物風を演じている中で真矢ミキさんだけがこんな洋物で申し訳ない、テレビもなくなったし、これから舞台で頑張るから楽しんでいってねと一人気を吐いていました。
(本公演)ギジレン島最後の7日間

(本公演)ギジレン島最後の7日間

guizillen

王子小劇場(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

熱演でした。

ネタバレBOX

太陽に飲み込まれて地球が滅亡する最後の7日間を、通り魔が出現する治安の乱れもあったものの、合唱や野球に情熱を傾け、家族愛を確かめながら過ごしたギジレン島島民の話。

本当は何年何月何日何時何分に熱風、爆風に襲われるというものではないのですが、予報通り地球は滅びました。

10分の休憩を入れての3時間10分、お疲れ様でした。クッションがあって助かりました。
死に際を見極めろ!Final

死に際を見極めろ!Final

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★

小ネタは面白かったですがややダレました。

ネタバレBOX

ベテラン俳優に刑事ドラマの死に際を極めさせようと、局側が橋田先生とか倉本先生とか大御所先生多数にシナリオを書いてもらって準備したものの、美味しいシーンは若手に持っていかれたり、死に際ではセリフが被ってしまったりと上手く行かなかったという話。

石毛セブンさん、渋くて良かったです。

場末から北海道、はたまた宇宙へとストーリーはダイナミックに展開しましたが、そこが良いところかもしれませんが、横スクロール的な動きのようでした。
セミの空の空

セミの空の空

コトリ会議

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/12/11 (水) ~ 2019/12/16 (月)公演終了

満足度★★★

ファンタジー

ネタバレBOX

人工の月を打ち上げ、その光で人を癒し、死者まで見えるようになった世界の話。

SF、ホラー云々の要素があると前説でおっしゃっていましたが、薄暗い中で行われた意味不明のファンタジーでした。
Butterflies in my stomach

Butterflies in my stomach

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

満足度★★★

【特別上演回】観劇

ネタバレBOX

7歳から67歳まで、10歳刻みのななこを7人の女優で演じ分け、77歳で死んだななこの生涯を77分で描いた話。

市井の女性の話には大して興味は惹かれませんでしたが、それはさて置き、各女優が出生時の自己紹介をするシーンで、親が画数で名前を決めたというエピソードを聞いて、けっ、オカルトかよ、けったくそ悪くなりました。

新作短編『藤川修二ひとり芝居 -越冬蝶々-』(作・演出 吉田小夏)
77歳の老人が、少年の頃の日記と当時一緒に暮らしていた祖母の日記を突き合わせてみる話。書いたことと書かなかったこと、面白いですね。
ズボン船長

ズボン船長

アークス・シアターカンパニー

新国立劇場 中劇場(東京都)

2019/12/06 (金) ~ 2019/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

スギちゃん、「ダンスはうまく踊れない」けど良かったぜぇ。感動しました。

ネタバレBOX

病気が原因で引きこもりがちな少年が、夏休み中に過ごした海辺の街で、坂の上に住む老船長と知り合い、船長から七つの海を巡る冒険談を聞き、また冒険の中に入り込んだりした結果、新学期には元気な積極的な少年になっていたというお話。

坂道を毎日上り下りしたのが良かったのではないかと思います。サーカス団に教えられたということで、鉄棒が上手くなっていたのが驚きでした。

スギちゃんは、歌も決して上手いとは思わなかったけれど、スギちゃんがいたからこそ観に行ったわけで、もしスギちゃんがいなかったらもう七年もやっているという素晴らしい作品にも出会えなかったことになります。本当に貢献大だと思います。

人生は選択の連続ですが、どんな選択も前向きに捉えることの大切さを教えてもらいました。

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