満足度★★★
『ひとりでシェイクスピア』観劇
乗れませんでした。
ネタバレBOX
シェイクスピアの台詞等を用いてのコント集。
そもそも、70分~80分と告知していたのを、午前の部で疲れたので60分~70分になりますみたいな初っ端のやる気のなさアピールでゲンナリしてしまいました。結果は75分、全く言う必要のないフレーズでした。
小林顕作という役者を恐らく初見の私は、知っていることを前提のような感じでズケズケ来られると引いてしまい、全く楽しむことができませんでした。
シェイクスピアの全作品38の作品名を暗記する必要がどこにあるやらと思います。
オープニングの暗転中の音楽の長さを自慢されても困ります。落語「時そば」を使ってのブルータスお前もかほどつまらないものもありませんでした。落語をやるなら、歌舞伎版「十二夜」もやってよって思いました。
満足度★★★
ドンキか?!
ファンタジーでした。
ネタバレBOX
東京ファントムランドというテーマパークでキャラクターのトニーペンギンとして働きたい少女と、そこから逃げ出したトニーペンギンが絡むファンタジー。
あまり良く分かりませんでした。
トニーペンギンはドンキのペンギンのようでした。
満足度★★★★★
あは、あはは
面白くて、軽くて、テンポ良くて、可愛くて、キャラが立っていて本当に素晴らしい作品でした。
ネタバレBOX
白黒はっきりさせる悪の組織シロックロウと戦ううやむや王国の戦士あいまい☆モコに選ばれた小学5年生の合間妹子の話。
お互い相思相愛なのに、言葉ではっきり言ってほしい女とうやむやな返事を繰り返す男が喧嘩別れしたのが正義の味方と悪の組織に分かれた原因で、ほどほどが肝要ということでした。
めちゃくちゃ面白かったです。作者さんの狙い通りに笑わせてもらいました。
その作者さんが初っ端のシーンと舞台挨拶に登場しましたが、ド派手な衣装の前作と違って小学生役だったので邪魔には感じませんでした。こういうやり方が必要だとは思いませんが、やめそうもないのであえて言いますと、少なくとも最後の舞台挨拶のときは、役者より目立つ衣装だけは避けた方が宜しかろうと思いました。
満足度★★★★★
おうおう
思いも寄らぬ展開に度肝を抜かれました。
ネタバレBOX
失業して家賃が払えなくなり切羽詰まった兄妹、借金取りに急かされている大家とそのヤクザな借金取り、それに一見幸せそうな若夫婦が絡んだ不条理な、不道理な展開を経て行き着くところまで行ってしまう物語。
初音映莉子さんのファンで、彼女や深浦加奈子さんが出演していた頃以来の城山羊の会でした。
救急車を呼ばない言い訳じみた緩慢な行動に、凄い世界があるものだと感心しました。不道理の度合いがさらに深く進んだようでした。
満足度★★★★
同じような宇宙観
観ておかないといけない作品だと思っていたので観ることができて良かったです。
ネタバレBOX
太陽の水素の核融合が終わり、次のステージに移るとき太陽が膨張するので地球上の生物は滅亡しますが、その直前まで家族は存在するし、近所には死に掛けの年寄りもいるし、普通の生活がありますという話。
家族は、冷蔵庫のドアが外れかけている頃の家族から、最後は6000度にも達するような冷蔵庫を持つ家族など時代時代で多少の変化はありますが同じような家族が存在しています。そして、近所には死に掛けの年寄りがいつもいますが、いつの世もしぶとく生きています。しかし、最後の家族は死に掛けの年寄りの死ぬ日が明日だと断言できました。なぜなら、明日全員が死ぬわけですから。
太陽の進化、月が地球から少しずつ離れている現実など科学的根拠に基づいていました。太陽の膨張によって地球上の人類が全滅することを考えると憂鬱になる私と世界観は同じようでした。ただ、全員ではないにしろ、その何億年も前から別の恒星に属する惑星に移住しているはずです。また、一斉に全員が死ぬというのも変でした。
丸い舞台をラップ的な口調を伴ったダンスでぐるぐる回るのが特徴的でした。一部出演者に変更はありましたが、初演から6年、若いときの彼らを見てみたかったです。
いずれにせよ有名な作品、一度観ておかなければと思っていたので、夢が叶って幸せでした。
満足度★★★★
一律
ハイスピード
ネタバレBOX
地元に戻って働く評判のいい刑事は、実は隠した死体を見守るために戻ってきたことが判明するハイスピードな刑事物サスペンス。
拳銃を失くしたりする悪デカよりも評判のいいデカが悪者だったという展開は面白味があるのだとは思いますが、一律なハイスピードにはメリハリがなく、ひたすら展開を追いかけるだけで驚きを感じる暇もありませんでした。
満足度★★★★★
赤裸々
各人の気持ちが赤裸々に表現されていました。
ネタバレBOX
Uターンした泉の一泊歓迎会で気持ちをぶつけ合った同級生や周囲の人たちの話。
Uターンを始め、行ってしまった人、東京からお嫁に来た人などのIターン、故郷が無くなってJターンした人の気持ちも上手く表現されていましたが、何といっても、高校時代からライバル視していた同級生が東京に出て成功していそうなことに対する劣等感や嫉妬、そして今度は戻ってくることで優越感を覚えたり、戻ってくる方は戻ってくる方で親の介護を言い訳にしているものの、実際は自分の能力に限界を感じていたからでもあり、本音と建前、強気と弱気が赤裸々に表現されていて素晴らしかったと思いました。
満足度★★★★★
「日暮家」観劇
ドカンと来る面白さとジワーと来る面白さがあります。
ネタバレBOX
勢いで退職したものの再就職がままならず妻の実家に住むことになった男が義父や幽霊たちに苦労するドタバタコメディ。
幽霊物は嫌いですが、一応幽霊の存在を信じないという科学的立場に立った作者によって作られていると感じられるところに好感が持てました。
実父の幽霊も含めて幽霊がこの世に残した思いを果たさせほぼ解決でめでたし。
0.5秒遅れのツッコミは今回ありませんでしたが、エビ料理に絡んだワンシーン遅れのようなボケは素敵でした。
日暮家のお父さんが、バージョンの冠なのに何となく素人っぽいところがマグズサムズなのかなと思いました。いつもワオーと叫ぶだけの女優さんは少し飽きました。
満足度★★★★
ほのぼの
内容はほのぼの、舞台上は比較的ゆったりでしたが、舞台裏は相当壮絶だったものとイマジンします。
ネタバレBOX
ブライダルホールに結婚式の打ち合わせに来て、婚約者がウエディングドレス選びに夢中になっている間、手持ち無沙汰で待合室でたむろしている男たちがふとしたことから父母の恋愛について考えてみる話。
男4人、女2人の劇団員だけによる公演のため、4組の父母カップルを演じるだけでも女優がダブらなければならないのは明白ですが、男も本人と父親、ストーカーなどその他の役をこなすとなると、早着替えだけでは間に合わず、同じ衣装のまま強引に役が変わるところがあって面白く、アドリブか仕込みかは分かりませんが、こんがらがった故のトラブルも発生したりして笑わせてもらいました。
満足度★★★★
真摯
真面目に問題に取り組んでいました。
ネタバレBOX
腹を痛めて産んだ赤ちゃんに執着してトラブった代理母の話。
施設の世話係の女性が、当該代理母の気持ちも理解できるようになったと心の変化を訴えていましたが、そんな初歩的なことについてはケーススタディで研究して納得しているはずなので、ちょっと安直過ぎるかなと思いました。そして、お腹の子に声を掛けないなどの指導は仲間同士ではなく、施設の職員が行うべきだと思いました。
裁判の結果は、精子提供者の父に親権が認められ、卵子提供の母、即ち妻には親権がなく、産みの母に親権が認められたとのことで、なるほどよく知っている例も養子で処理したんだっけかと思い出しました。
四季口調が少し気になりました。
満足度★★★★
新鮮味なし
またまた自画自賛の構図が鼻に付きました。
ネタバレBOX
三途の川にたむろしている江戸時代の山東京伝を始めとする戯作者たちと版元の蔦屋重三郎が、彼らの作品や時の権力との関わりを説明したり、今もうろうろしている理由を語る話。
結局、江戸時代の戯作者たちは表現の自由が保証されるまでうろうろしているということでした。井上ひさしがやって来た今日になっても彼らはまだこの場を離れそうもなく、いつになっても出口のない鬱々とした気持ちにさせられました。
井上ひさしの『戯作者銘々伝』と『京伝店の烟草入れ』を原案に新たに作られた作品でしたが、初演は観ていませんが再演を観ているようで新鮮味がなく、そして、こまつ座の前回公演『小林一茶』でも感じた通り、戯作者は偉いという自画自賛の押し付け構図が鼻に付きました。
満足度★★★★
まあ凄い
またまた、自分は役者はできないなと思わされました。
ネタバレBOX
SMの世界にはまった男たちの話。
プレイ中に女王様に首を絞められたりして死んだのかと思いましたが、死んだ男は切り裂きジャックに切り裂かれた被害者の死に方に常々憧れていて、女王様に腹を切り裂いてもらって死んだのでした。究極のマゾヒズムとも言えるのかもしれませんが、事件は自殺志願者による嘱託殺人で、SMクラブの話としては唐突感がありました。
恐らく、最初の想定とは異なって行ったのでしょう。事件そのものもそうですが、弁護士の存在も事件とはあまり関係なく、夫婦関係のことが主眼となっていました。常識的で理性的な弁護士の性格から欲求不満になって精神を病んだような状態に陥った妻が、SMの世界を見て吹っ切れた弁護士の愛を受け入れて正常に戻ったような感じでした。
それにしても、男たちは小さな下着を着けただけのスッポンポンになったり、局所を指ではじかれたりして、『業に向かって唾を吐く』を最初に観たときのような、俺にはできないなと、役者の凄さに恐れ入りました。
ところで、女王様がラバースーツを着るときは下着の上から身に付けるものなのでしょうか。下着の線が見えるのも変だし、下着を付けていたらそんなプレイは無理なのではないかと思われるシーンがあり、リアルなSMの世界を描いていただけに少し残念でした。
満足度★★★
ファンタジー冒険譚
そういう発想をするんだなと思いました。
ネタバレBOX
地殻変動で沈み行く地を冒険した若者たちの物語。
全くの素舞台。人の列がぐるぐる回ることで水中の泡とか水流を表現したりして、一応それらしく見えました。
ファンタジー冒険譚には必要なのかもしれませんが、幽霊も占い師も出てくる展開に辟易しました。占い師は判断を依頼者に委ねるなどと、占い師と宗教家の違いみたいなことをもっともらしく理屈づけて強調していましたが本当に嫌でした。
満足度★★★★★
上質な
とても素敵な時間でした。
ネタバレBOX
歌が好きで、恋に生きて、薬物中毒になって、なんとか結婚にこぎつけてすぐに死んだエディット・ピアフの生涯について彼女の母親の異る妹が書いた本を松坂慶子が朗読し、ピアフの歌を流し、最後に松坂慶子がラビアンローズを歌いました。
言葉がはっきりしていて、朗読劇に意外に多い噛むということもなく、素晴らしいパフォーマンスでした。
満足度★★★★★
素晴らしい!!
いい役者がいい本で演じると素晴らしい舞台になることを改めて認識しました。
ネタバレBOX
三人の子供を暴力夫から守るために夫を轢き殺したタクシー会社の女社長が約束通り15年後に帰ってきてからの家族やそれぞれが問題を抱えている周囲の人たちの話。
どんなことが起きたのか真っ先に気になったところですが、まさか殺人とは、ど真ん中の豪速球に一気に心を掴まれました。
皆さんキャラが立っていて、どの場面を切り取っても各人が存在感を強調していて見応えがあり、それでいて全体を邪魔しない進行に、内容もさることながら総合的なパフォーマンスに感動しました。
夫を轢き殺してから晩飯を食べたのがいけませんでした。過失致死で済まそうとしたら即電話しないとね。
かまってちゃんのめんどくさい長男の奥さんが面白く、客席から十数センチの目の前でギリギリ止まる酔っぱらいの喧嘩、大暴れも迫力がありました。
満足度★★★★
私たちも
そうでした。
ネタバレBOX
わー、私も失踪した作家の脳内の構成員の一人でした。
失踪した原因を探るために文学好きの読者4人が集まって、作家の思考や嗜好について話し合いを始めました。途中、多重人格者を治療する精神科医の話かなと思いましたがそうではなく、次に精神科医自身が病んでいるのかなとも思いましたが決してそうでもなく、4人は怪奇好きとかSF好き、分析好きとかいった作家の脳内の構成要因の一部でした。
真ん中に小さい舞台があり、黒い膜で仕切られた客席が二段、三段となって周囲を囲んでいました。
話し合いをした彼らが普段は脳内の仕切りの中に存在しているように、私たち観客もそれぞれの仕切りの中に収まっていたわけで、観客も彼らと同列でした。ですから、役者が退出したとき、一緒に退出しようかなと思いましたが、主宰らしき人が入ってきて挨拶を始めたので果たせませんでした。
その主宰らしき人がスタート時にテーマは恐怖だとおっしゃっていましたが、全く恐怖は感じませんでした。
満足度★★★★
堀北真希初見
キャサリン、キリっとしてました。
ネタバレBOX
イングランド北部ヨークシャー地方における三代記を描いた実質2時間20分の物語。
荒涼とした丘ですが、美しい絵画のように見えました。歌舞伎の技術も使うと言っていた通り、二階部分が上下したりしていました。
恋愛を巡る恨みつらみも屋敷を奪った奪わないを巡る恨みつらみも、三代目には伝わらず、と言うか伝えなかったことで、結局はキャサリンの子とヒースクリフの子が結婚して財産を引き継ぐことになり、めでたしめでたしでした。
冷たい感じのヒースクリフの山本耕史さんも良かったですが、エドガー役の伊礼彼方さんの自信無さげな照れ笑いも良く、そしてなにより戸田恵子さん演じるネリーがとても美味しい役柄だったと思います。
満足度★★★★
【理系】観劇
どれもショートショートらしく裏があって、真相が判明するときに心地良さを感じました。
ネタバレBOX
三つの短編で1時間強。
HR 新任教師が着任前日に慣れるために友人と一緒に母校に忍び込んだのかと思っていましたが、友人は高校時代に亡くなっていて、友人との約束を果たすべく教師を目指してきたといった話。初めと終わりに分割して上演。後半があって納得しましたが、後半があるとは知りませんでしたので最初はなんかぼーっとした話だと思うだけでした。掴みとしてはどうなんでしょう。
数学 マルチ商法で高カロリーのビスケットを大量に抱え込んだものの、謎のウイルスが蔓延して外出禁止になったこともあってとりあえずしばらく生き延びることができましたという話。
理科 娘が父の浮気相手に詰問してるのかなと思ったら、薬物にはまった娘を救うべく父親が占い師に相談しに行っていたという話。なにもインチキ占い師に相談しなくてもと思います。
全体にちょっと大声系でした。
満足度★★★★
口八丁
手八丁
ネタバレBOX
確かにカラーとババアをダンスで表現したところがあったように感じたダンスパフォーマンス。
最初は右手の表裏に赤と青、左手の表裏に黄色と茶色の手袋をはめて、ダンスをしながら色々な色の組み合わせを見せてくれました。もちろん、人間のすることですからスピードには限界があって紫色に見えるようなことはありませんでした。
カラーについてはすぐ分かったのですが、ババアについては後半ちょっと猫背っぽくてそれらしく感じた程度でした。
床に飛び込むようなパフォーマンスがあったり、六人が寝転んで輪になって、六人の足で一人を支えながら回転させるパフォーマンスがあったりしてなかなかのものでしたが、喋りを無視してダンスを始めたり、怪我がなかったことを喜ぶコメントをしたりと、口の方もかなり達者でした。
満足度★★★★
強引
メインテーマはロマンチックでした。
ネタバレBOX
思考力などは普通なのに、喋ることだけが5分以内に見た文字しか口にできない青年が恋を成就することができるかというメインテーマを軸として、一つ一つは癖のあるオムニバス形式のストーリーが最後に強引に繋がるといった感じの話。
蹴りを入れまくる女兵士がいたり、独特の口調で話す女将さんがいたり、スレンダーな美人がいたり、子役が似合ったりと、皆さん個性豊かでした。
脱走する兵士の話では、軍国主義的国旗のあのVの字に蛇をあしらったようなマークが最初っから気になっていましたが、幽霊が血を塗ったのも意味のないことをしていると思っていましたが、まさかここでになるとは、旗を持ち上げたときにハタと気づき大笑いしました。
しかし、2時間半は長過ぎです。本当にお尻が痛くなりました。意味不明な省略してもいいような一編があったのではないかと思います。
段差のところにアルミの油よけを何十枚も貼り付けたような舞台とアルミ箔を巻きつけた役者の出入り口のゲートは、そしてゲートは少し歪んでいたりしてあまりにも安っぽさを感じさせました。