満足度★★★★
Oh!ミュージカル
楽曲はノリが良く、全員で歌うシーンなどは爽快でした。
ネタバレBOX
惚れ込んだ娘にだけ歌を歌わせ長年に亘って歌声を独占していた村の神様に反抗して立ち上がった娘の子や妖怪、村人たちの話。
ラストの小林幸子ばりの大がかり衣装、あるいは美空ひばりの不死鳥のような衣装を見て、全ては小玉久仁子にこの赤い衣装を着せたいがための構想だったのではないかと思いました。
神様もわがまま過ぎると更迭されるのですね。
満足度★★★★
ぎりぎりセーフ
でも、やっぱりアウト。
ネタバレBOX
義眼には使っていた人の魂が宿ると考えがちな人が見た妄想の話。
オカルト研究会というクラブは登場しましたが、その義眼を使っていた人が憑依するというのではなく、その義眼を装着することでその人が存在するように思えて関係性を構築するという妄想の範囲内に止まっていたことはぎりぎりセーフ、良かったと思いました。
生き物にとって目は大切で特別なものなのでしょう、義眼でも。爪は切ってごみ箱に捨てるのにね。
意外にも美男美女が多く、特に主役の女優さんは緒川たまき似の美人でした。ただし、中性的過ぎましたが。
ところで、現在の大学生もたばこ吸いまくりなのでしょうか。薬物中毒と同じ習慣性をもたらすものです。全く進歩のない人間にがっかりするとともに、副流煙の被害をこうむりさんざんな目に遭いました。やっぱりアウトでした。
満足度★★★★
ポリアモリー
次の段階が気になりました。
ネタバレBOX
それぞれが三組の恋人同士である女一人と男二人が一緒に暮らしていたところに、女の友人で独占欲の強い女性がこの中の一人の男に惚れて一緒に暮らすことになり、その男は出ていきましたがそれでも三人の愛情は変わらないとのことでした。ラストシーンで、女がもう一人新しい恋人ができたと二人の男に告白しましたが、彼らは女との個別の関係には影響がないとの自信があるのかお祝いを述べていました。
嫉妬心がない人間がいるんですね。
ポリアモリーという特異な関係性を正確に伝えるためにはそれを取材した人の監修が必要なのかもしれませんが、監修の影響を受け過ぎたのか、表面的でドラマ性に欠けていたように感じられました。
子供を三人で育てるとのセリフもありましたが、本当に子供ができたときに血の繋がっていない方は心穏やかでいられるのか、財産管理や相続についてはどう思っているのかなど気になりました。
満足度★★★★
デジャブ感
ありつつ
ネタバレBOX
奈良の旅館で行われた文学部系ゼミ合宿に参加した学生、先生、先生の息子たちを描いた話。
勉学に対する外国人留学生の生真面目さと日本人学生のちゃらんぽらんさの対比、なのにくっついてしまう不思議さなど面白かったです。
合宿系コメディの集大系なのでしょうか、いくつかの箇所にデジャブ感はありました。
満足度★★★★
幕が上がる
楽しかったです。
ネタバレBOX
熊本の片田舎、一学年10人にも満たない小学校の同級生たちが、引きこもりになったり、ワルぶったり少しワルになったりしながらも、全員で演劇「鶴の恩返し」をやりきり、中学校を無事卒業するまでを描いた連続ショートコント風群像劇。
身の丈の範囲内外のエピソードを綴ったような感じで、またそれでいいのでしょう。先日の深夜ガタンゴトン『つきまとう教室』を観てから強くそう思うようになりました。
もう一つの『幕が上がる』のようでした。
満足度★★★★
マリーさん
メリーさん
ネタバレBOX
元AV女優が開いたスナックに出入りする同級生たちや娼婦の話。
平均的な人間の話でしたが、人生における喜びと悲しみの、悲しみの部分を強調したような感じで少し切なくなりました。
事故、自殺、殺人、災害のときにどさくさに紛れて何が起こっても不思議はないと思いました。
私はメリーさんを2回程見掛けたことがあり懐かしく思いました。
満足度★★★
老
平幹二朗さんを見ておきたかったら観ました。
ネタバレBOX
82歳であの声量、すごいと思いますが見どころはそれだけでした。
子供は人形でした。殺されるときは、陰で、いかにも声優のような女性の甲高い声で、怖いよーほどつまらないものはありませんでした。
基本年寄りばっかり、やはり若い人たちのお芝居がいいです。
満足度★★★
【Wキャスト:三代川、高山、中川、小堺の回】観劇
全体に大げさ、ちぐはぐでした。
ネタバレBOX
以前に兄を、そして今度は父親を殺した少年の動機を弁護士たちが探り出す話。
母親を巡る兄と父の確執の結果、とばっちりが弟に来たことが要因でした。
弁護士と検察官は似ていて、しかも遠目では同じようなバッジをしていて最初の頃はどちらがどちらか戸惑いました。
弁護士が兄の存在に気付くのが遅過ぎ、というか、捜査の段階で分かり切っているはずで、何となくちぐはぐでした。
満足度★★★★★
隣の芝生
とかげさん素敵でした。
ネタバレBOX
高校時代のクラスメートの今も描きながら、およそ30歳、まだ芽が出ず悩み、嫉妬心を抱く作家志望の男が、恋人の助言によって立ち直る話。
大抵の人は突出した個性を持つものではなく、自分の個性や経験を生かして作品を作ってそして評価されていることを知り立ち直りました。
そして、この作品自体が作者の身の丈の範囲内外の作品でした。
30歳の頃は、サラリーマンはほとんどが平社員で差がついておらず、同級生に対してやり手の振りが通用する時代です。作家や演劇を目指す人たちにとって同級生がまぶしく見えるこの頃が一番つらいのだと思います。その後、サラリーマンは差がつき始め、将来社長になる人はほとんどいません。もちろん作家や演劇を目指す人たちも大成するかどうかは分からないので何とも言えませんが、少なくともそういう時期だということだけは認識してほしいと思います。
男はとかげさんの陰になり、とかげさんも背中しか見えませんでしたが、とかげさんの告白、心の吐露の長台詞は素晴らしかったです。ラストのプロポーズめかした言葉を聞いた後の表情も素敵でした。
満足度★★★★
親離れ
目新しいところはありませんでした。
ネタバレBOX
イケメンだけどちょっと頼りないマー君が、美味しいメロンパンに出会い、パン作りという目標を持ったことで自立した結果、母親や母性本能的愛情で支えてくれていた恋人雛子から所謂親離れする話。を、マー君を登場させずに描いたもの。
恋愛と母性を勘違いしていたのかもしれません。
振られた雛子が心境を叫び独白する長台詞はいつもの通りでしたが、振ったことを後悔させるぞは陳腐で、結局のところは延々と愚痴をこぼすだけでした。残念ながら目からウロコ的な新しい女性心理の発見はありませんでした。
満足度★★★
概念
三姉妹が日本人に及ぼした影響は大きかったのですね。
ネタバレBOX
空き家だった一軒家でのたれ死んだ三女のことを、後になって一軒家の取り壊しを前に長女と次女、それに一軒家の所有者であった三兄弟が集まって偲んだというような話。
確かに三姉妹らしき台詞が入っていたとは思いますが、人は働かなくては食っていけないし、人は地元に住む者と地元に住まない者の二種類しかないし、三姉妹の要素があったのか無かったのかは判然としませんでした。三姉妹概念に縛られること自体無意味だと思いました。
長女、次女というような呼び方で相手のことを呼んでいましたが、ラスト近くで三女の名がちぐさだということが分かりました。不思議な生死観で印象的でした。
満足度★★★★
熱量
若さの発露に感服しました。
ネタバレBOX
女子二人による電話を待ちながらといった感じの熱血パフォーマンス。
登場人物は百舌と蜂鳥でした。今は調べてどちらが百舌で、どちらが蜂鳥か分かりましたが、観劇中は分かりませんでした。百舌が蜂鳥を襲い、舞台上の一本の木に串刺しにするのではないかと思っていたので、どっちがどっちか非常に気になりました。
耳が悪いわけでもないのに電話の声が百舌には聞こえ、蜂鳥には聞こえないように見受けられるシーンもありましたが、不条理劇だとは思いませんでした。
それにしても、70分間大声を出し、走り回るのは大変なことです。特に終盤の百舌はものすごい熱量でした。若い女性の声が聞こえる風景は生を感じさせてくれます。
満足度★★★★
数学
得意だったのに、すぐにすっかり忘れてしまいました。
ネタバレBOX
不細工で引きこもりな私YとYを関数を使って理想的に変換したY'が、彼Xや友人Z、先生、母親と絡み合う関係を数式を使って表現したパフォーマンス。
散文的数式をよくぞ覚えられるものと感心しきりでした。
先生が壊れたのはYが授業中に寝ていたからですが、私にも一因があったのかなと少し心が痛みました。
授業中に球体の表面積に関する問題がありました。後に先生がたこ焼き屋になったのは、壊れたとはいえ潜在的に数学から離れられなかったからなのでしょうが、たこ焼きの表面積にはあまり関心がなく、体積の方に関心がある私としては、球体の体積に関する問題を授業で扱ってほしかったと思いました。
満足度★★★
『背信』観劇
なんだかなー
ネタバレBOX
夫の親友と過去に不倫をしていた女性と当該男たちのエピソードを、過去に遡りながら示すことで一連の流れが次第に明らかになっていくというもの。
エピソードがいくつもあり、演劇のテキストとしては向いているのかもしれませんが、やや半音高い言い回しがl気になり、内容も結局は結婚式のときから浮気心が芽生え、やっていることはみんなにバレバレでしたといった身も蓋もないものでした。
満足度★★★★★
題名に引っ張られ
2013年の初演、覚えてないものですね。
ネタバレBOX
1800年頃、ロシアの南下に危機感を抱いた幕府に命じられて蝦夷地斜里に派遣された津軽藩の武士たちの話。
得体の知れないものを無理に飲んでいるシーンぐらいしか覚えていませんでした。
100人のうち、72人が死亡、1人が逃亡、帰還できたのは17人という惨状でした。死亡の原因は寒さと脚気かと思いましたが、以前から恨みを持っていたアイヌの人たちによる和人殺しの側面もあり、そんな話だったんだと改めて新鮮に感じました。
こんな寒いところでは冬を過ごさないというアイヌの娘の発言は目からウロコでした。そんな彼女が和人の拡張主義について問うていました。今回はロシアの南下防止が目的であり、一部の武士が樺太にまで足を延ばしたということでしたが、むしろもっと北部まで行って地固めをしてくれていたらなどとも思いました。
満足度★★★★
ぼそぼそと
写真の賢治に似てましたね。
ネタバレBOX
宮沢賢治の話。
先日観た正岡子規の妹は子規亡き後正岡家を守りましたが、賢治の妹は賢治より先に、銀河鉄道よりも先に死んでいました。
カンパネルラは私の兄さんだと賢治の妹が言っていました。そう考えると、カンパネルラの死を短時間で受け入れ、ジョバンニに気配りまでしてくれたカンパネルラのお父さんは異端に走った息子に苦労した賢治の父親だったのかと思い至りました。
100年後の未来の子供たちに童話を託すというと、その子供たちは明るい未来の子供たちを思い浮かべますが、その子供たちは東日本大震災に遭った子供たちでした。これから100年後の子供たちも、老朽化による金属疲労で壊れた原発の被害者なのかもしれません。鬱々とします。
満足度★★★
浅い感じ
楽しめました。
ネタバレBOX
育ての母の写本を焚書から守ろうとする少女と町の少年たちを巡るミュージカル。
声量のある人、若干ない人、テノールの人など様々でした。女性が若い男性役を演じるお約束もありました。背景の街並みは素敵でした。
当日パンフレットに修正箇所が多く、まあこれは仕方ないとしても、それでも誤字が残っていたのはどういうことかと残念でした。
満足度★★★★
もっと
ゴリゴリが観たかったです。
ネタバレBOX
8月15日に終戦を迎えられなかったことによって日本国と日本人民共和国に分断された日本の国境を跨いだ二つの親戚家族の話。
ソ連が北海道に上陸する前に終わらせて本当に良かったと思います。人のいない知床辺りに上陸でもしていたらと思うとぞっとします。
赤いたすきなど、赤が目立っていた北の娘の野良仕事の衣装から終盤は履物だけが赤いという状況になり、心情が窺えました。南も民主的ではあるものの軍国色がそのまま残った国家だということは肝に銘じておかなければなりません。
戸田恵子さんという大物女優との共演は大切なことですが、バンダ・ラ・コンチャンと組んだせいか極限が描かれておらず、軍隊は国民を守らないという台詞や、農民を挟んで軍人が機関銃を向け合うそれらしきシーンはありましたが、対峙が解かれハッピーエンドで終わりました。それぞれの軍人の保身のため、全員を殺戮するくらいの残忍さがあっても良かったと思いました。
満足度★★★★★
みんな可愛い
帯金さんも含めてみんな可愛い。
ネタバレBOX
ロリコンの小学校教諭の自伝的著作を後世の人が演劇にしたという話。
ロリコンの心情を描く話で、ロリータを描くものではなく、過度な期待はおやめくださいと冒頭ものすごく可愛い小学生から丁寧に釘を刺されました。
本当に可愛く、素敵な女優さんたちでした。がははぁーっと口を開ける女優さんも別の意味で素晴らしい女優さんでした。男優さんも良かっです。
前作は分岐型のため気が削がれましたが、今回は終始集中できました。
7歳から14歳までが好きなのがロリコンですが、対象者が成長してしまうと対象から外れるのは悲しい性ですね。そのロリコン先生に若干若めではあるものの普通の恋人ができた経緯は分かりませんでした。
満足度★★★★
シュール
澤穂希と村上ファンドのような夫婦でした。
ネタバレBOX
育ちのいいお嬢様風奥さんが実は殺人鬼だったという話。
ひげ面の男に家庭を壊されるのかと思っていたらすんなり受け入れ、次に自我に目覚める「人形の家」風な話になるのかなと思いましたがそうでもなく、森博嗣「奥様はネットワーカ」風な意外な展開になりました。シュールでストーリー的には良かったと思います。
老人病の子供という設定も悪くはありませんが、そして病院に行っていないので分かりませんがが、セックスしないと死んでしまう病気にもつながっていき理解できますが、九十九一さんの出演ありきから出発したとすれば残念です。子供ができる役者に子供らしい子供を演じてもらった方がもっと面白くなったと思います。