満足度★★★★
受けているのかいないのか
テンポはいい。
ネタバレBOX
宮沢賢治の「注文の多い料理店」。
前説のときのしりとりに子供が熱心に参加していました。
本番では、変な擬音は受けていましたが、それにしても子供の笑い声はあまり聞こえてきませんでした。以前観たときは子供の笑い声が聞こえてこないということは子供に受けていないことと解釈しましたが、今回は子供が見入っているからかもしれないと思うようにはなりました。
満足度★★★★
一人による芝居
女性向けですね。
ネタバレBOX
先輩に恋するそこそこ勉強ができる陸上部の女子が、陸上大会に熱心だった割にはさぼってしまい、仲間から暴行を受けるという一人によるお芝居。
玉置玲央さん一人によるお芝居、パンチラ元気いっぱい、女性ファン向け。
グイグイの「ぐ」が、両方とも鼻濁音、ガードレールの「が」も鼻濁音、その前に、学校長だか学校という言葉の「が」も鼻濁音、非常に気になりました。
満足度★★★★
男だらけ
メリハリのついたフェスティバルでした。
ネタバレBOX
19歳の中屋敷法仁が、恐らくパトラッシュが死に、その後ネロも死ぬフランダースの犬のラストシーンのようなシーンがやりたくて、第一次世界大戦下のドイツ軍を舞台に、若い兵士たちの友情、信頼、嫉妬などを描きつつ、能力過信の結果西部戦線で敗退し、二人の兵士が死んでいく様を描いた話。
人間の性格や、関係性が上手く表現されていて恐るべし19歳、現在も各地の高校演劇部が上演するというのもうなずけます。
満足度★★★★★
【第三部】観劇
そんなこともあるんだと、むしろ貴重な日に遭遇したと思いました。
ネタバレBOX
義経千本桜 狐忠信(きつねただのぶ) 道行初音旅 川連法眼館
コミカルな逸見藤太は面白いです。
狐忠信が登場するところを見逃すまいと階段を凝視していたのですが、花道奥の幕が開くシャーっという音がしたためつい後ろを振り返ってしまい、前を向いたときには狐忠信は既に構えていました。悔しかったです。
「市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候」のはずでしたが、空中1mぐらいでしばらく留まり、そういう演出だと思っていたら、結局ワイヤを外して花道を引き上げて行きました。
そんなこともあるんだと思うとともに、いつもの狐六法かもしれませんが、猿之助さんの臨機応変さに感服しました。
満足度★★★★
劇団らしい題材
やはり長い
ネタバレBOX
防犯活動や広報活動をしている市営戦隊ファイブカラーズのメンバーに、市の方針でマイノリティを採用することになり、外国人やLGBTを始めとするマイノリティたちによって巻き起こる大騒動の話。
80の性愛パターンがあれば性差別している暇はありませんね。
死んでも蝶にならないのが人間ですが、死んだら蝶になることが決まっている人は幸せです。洗脳によって戦闘要員にさせられるのは別にして、死への恐怖が無いことが一人ひとりが安寧に生きる上で重要、民族間の過剰な対立を避ける要因になるのかもしれません。作家さんの一つの見識だと思いました。
戦隊メンバーが一人ずつ戦えば時間も掛かります。いつもながら長過ぎです。
満足度★★★★★
店員哀史
日本のコンビニは役者やお笑い芸人の卵で成り立っているのかなと思いました。
ネタバレBOX
憲法改正の国民投票の前日、2021年7月10日(土)の、コンビニファミリーサンクスバックヤードの話。
役者さんたち、あなた方は搾取されていたのだなと思いました。
店長候補という名ばかりのバイト、時給の個別差問題、サービス残業がある一方での休憩中の権利主張、時間切れ食品の私物化、こんなことで社会と初めて接する人がいることが悲しいです。
そこに、ちょこっと憲法改正問題が絡み奥深くなりました。国家権力を縛るのが憲法の趣旨であり、個人と人の違いという台詞は心に響きました。
満足度★★★★
素晴らしい曲
曲が生まれる過程にジーンと来ました。
ネタバレBOX
作曲を依頼され米国を訪れたドヴォルザークが、ネイティブアメリカンと交流し新世界よりと呼ばれる交響曲の構想が生まれ、完成に至るまでを描いた話。
太陽がこんなに大きかったのかと感動するシーン、そしてそのことから曲が生まれていく過程には感動しました。
コメディにこだわり過ぎなのか、馬に象徴されるような低俗な笑いを誘おうとする過剰な行為は少し逆効果のように思えました。分かり易くするためではあるのでしょうが、ネイティブアメリカンが自らのことをインディアンと呼んだのには違和感がありました。ハーブという言葉も何か少し違うような、薬草ぐらいがピッタリ来るような気がしました。
そのハーブですが、なだぎさんから舞台挨拶のコメントで、女優さんが持って出るのを忘れたということが明かされ笑わせてもらいました。
満足度★★★★
基本
元気いっぱい
ネタバレBOX
四天王と呼ばれた女子高生を中心に、女子高サッカー部が同人誌的手法を駆使するなどして全国大会を目指す部活動の様子を描いた話。
バカバカしい話を基本大声、元気いっぱいでやるということでした。
チーム強化のため、仲間意識を高めるため、四人による集団乱交レズ行為をしていましたが、舞台上ではふにゃふにゃした行為のみで露出という程までには至りませんでした。
誰がゴールキーパーやったのでしょうね。
ライティングの関係で七味まゆ味さんの表情が素晴らしく面白いシーンが一ヶ所ありました。新人の福井夏さんのくねくね振りは良かったですね。
満足度★★★
ハッピーエンドだけど
底が浅い
ネタバレBOX
ホテルを守るいい人を演じながら借金返済のためにホテルを売却しようと画策するオーナーと、世間になじめずホテルに居場所を見つけた従業員や宿泊客が織りなすストーリー。
レアアースはなかったけれど、恐竜の化石がわんさか出てきて島は繁栄、めでたしめでたしでしたが底が浅い感じがしました。
ライティングの関係で、スクリーンの向こう側でテーブルを並べているのが見えるなどしたのは失敗、いただけませんでした。
満足度★★★★★
【第二部】観劇
何回か観ると気づくこともあります。
ネタバレBOX
義経千本桜 いがみの権太(いがみのごんた) 木の実 小金吾討死 すし屋
木の実で権太がわざと荷物を取り違えて小金吾をゆすったことが、権太がすし屋でお金の入ったすし桶と小金吾の首の入ったすし桶を取り違えたことに繋がりました。
権太の心変わりとそれを知らなかった父親弥左衛門との悲話が強調されますが、維盛を出家させてでも生かしたいと思い、何でもいいから首を差し出してくれれば自身の描いたシナリオ通りに運ぼうとした梶原景時の思いが本質でした。
満足度★★★★
【第一部】観劇
碇知盛から始まっても一日掛かりです。
ネタバレBOX
義経千本桜 碇知盛(いかりとももり) 渡海屋 大物浦 時鳥花有里
今回は通し狂言と謳っていませんが、通し狂言には弱いです。
満足度★★★★★
【新作】観劇
三作三様、面白かったです。
ネタバレBOX
『果実』 携帯ショップの女性店員たちの地位が、前職で、具体的にはキャバクラなど水商売で働いていたときの立地や時給によるカースト制で決まるみたいな話。
『軋むほど君を抱きしめて』 浮気の理由を複数の人を同時に愛するポリアモリーとしたものの、結局はバレて一応本命の女性の軍門に下る話。
『美の生産者たち』 派遣で働いている低学歴低賃金清掃員が派遣先の女子社員と意気投合したものの、結局は彼女には婚約者がいたという話。
発想が面白く、つくづく作家さんは頭がいいなと思いました。
ポリアモリーについてのお芝居は今年に入って3作品目でした。トレンド的な注目事象ですね。
満足度★★★
和解
現実もそうなのでしょう。
ネタバレBOX
写真家の卵の娘が、母を巡ってかつて確執があった今は陶芸家をしている父を訪ね、次第に和解していくメルヘンチックな話。
訪ねること自体が既に和解ですけどね。
パンチラで天然な女子もいましたが、人々は穏やかでした。よしお君でしたか、海外から陶芸の勉強に来たのではなく、普通の日本人のようでしたが、配役には少し戸惑いました。
そして今、検索してみると、出演している那須凜さんと大村未童さんは父子、シアター風姿花伝オーナーの那須佐代子さんは凛さんの母親で大村さんとは元夫婦、現実の方は凄いことになっているけれど内容は穏やか、当初予定の演目を変更してこれをやっているようにも見えますが内容は穏やか、よしお君のことも演目変更と関係あるのか、今になって色々考えました。
満足度★★★
ピンクと黒
小さい椅子にぎゅうぎゅう詰め、満員でした。
ネタバレBOX
援交女子高生が総理の秘書に殺されたことで、レズの女性総理および秘書たち、援交グループ、警察、総理暗殺を依頼されたやくざなどが入り乱れ、殺し合う話。
中屋敷法仁さんが2004年に自信満々上演させた作品とのことでしたが、登場人物の構成など当時でもデジャブ感があったのではないかとふと思いました。
満足度★★
中途半端
肝心なところがほったらかしでした。
ネタバレBOX
休みの度に釣りに行く夫に寂しさを覚えていた妻が、職場の同僚に誘われ始めたら、人並み外れて上手く、好きになり、最後は夫と一緒に船釣りに行くまでになりましたとさ、と言う話。
子供ができなかったりして妻と向き合えなかったことが、夫が釣りに出掛けていた理由だったのですが、一緒に船釣りに行けるようになったという行動面での問題は解決されたものの、心理面での解決が全くなされないまま終わってしまいました。中途半波でした。
釣れた釣れない、ああ楽しいで終わってはコント程度の小芝居に過ぎません。
本編が1時間ほどで終わったため、得意の東京ポエマーズという男優による詩の発表会のような短編で繋ぎましたが、一発芸的なものは一度見れば満足です。
満足度★★★★★
相関図
びっくりしたなーもう
ネタバレBOX
再婚しようと、出会い系で知り合った女性とその娘を住まわせている中年男と、男の家族の話。
男の女子高生の娘は不登校、新しいお母さん候補にも意地悪で、この子が悪いという雰囲気が、男の言動から男の無責任さが明らかになるにつれ何か変だなという雰囲気に変わり、そして新しいお母さん候補が高校の担任の前妻という想像を絶する展開に、どっかーんと打ちのめされました。持っていき方が素晴らしかったです。
最後は男のだらしなさ故に破断になりましたが、結局はリバウンドきいちゃんのような娘が一番まともだったような、高校にも再び通いそうだし、さらに家族思いのいい子になりそうな感じだしでとっても嬉しくなりました。
ただ一か所、前妻を登場させるためだったとはいえ、離婚してから何年も経って前夫の実印が必要なことなどあるでしょうか。しかも、いかにだらしない男だったとしても、他人に実印を預けることなど社会通念上あり得ないと思いました。実印を預けたとしたら、何か別の騒動が必要ですね。
舞台の両脇に役者が待機する方式でした。舞台の狭さから仕方ないとは思いましたが、椅子に座ったままスカートをはいたり脱いだりするのは少しかわいそうでした。
満足度★★★★★
寓話的
外国人の話であり、日本人の話でした。
ネタバレBOX
移民導入政策が進み、日本語が不自由で風習が異なる移民が勤務するようになった工場の付属研究室における人間関係やトラブルなどをコミカルに描いた話。
旧態依然の日本人は、外見的には白塗り、特徴的な言動を取り入れた役者たちが演じていました。実際の研究室とは細部で異なるのではないかと思いつつ、こうした形式ばった演技のため全体が寓話的になり、そのような気持ちは払拭されました。立派な台本を持ってのリーディング公演でしたが、台本をヘルメットに使うなどリーディング公演を逆手に取った演出も良かったと思いました。
日本人と移民との間で指示が正確に伝わらないことから事故が起きました。結果、本当にやりたいことが見つかるまでは派遣がいいと言っていた日本人研究員は首になりました。笑えない現実であり、将来像です。
上司と新たに就業した移民女性の二役は個性が全く異なっていて素晴らしかったのですが、派遣研究員と隣の研究室の研究員の二役は最初は二役だと気付きませんでした。そして、この男性の二役は無意味だと思いました。
ただし、女性の二役の方も、舞台上で白衣を脱いだのは種明かしをしているようで奥ゆかしさがありませんでした。
満足度★★★★
70分×3本の長丁場
波乱万丈で面白い。
ネタバレBOX
父王の死に伴い幼いうちに王となったヘンリー六世の生涯を、カクシンハンメンバーが一人何役をもこなしながら70分×3本に凝縮して描いた話。
頼りない王で、終盤はヨーク公と争い、捕まったり助けられたり、王位を失ったり復帰したり、波乱万丈な活劇人生。
ヨーク公の息子の一人が将来のリチャード三世であり、同時上演されている『リチャード三世』に続くとても面白い大河ドラマでした。
満足度★★★★★
やはり
佐瀬恭代さんは凄い!
ネタバレBOX
題名に短編集とあり、五つの短編を基に作られたようですが、100分の一つの長編でした。
自信を持てるようにするための医薬品デコラジックを使ってはっきり物が言えるようになったものの、うじうじしていたときの方が好きな人もいて、社会の成り立ちが良く分かる秀作や、調子に乗り過ぎると痛手を食らう喪黒福造的話が中心でした。
エピソードとしては若干脇役かもしれませんが、佐瀬恭代さんはいつもながら最高でした。筋トレのし過ぎで腕が上がらなくなった婚期を逃しかけの女子が、腰をひねって腕をブラブラさせ、遠心力を利用してペットボトルをバッグに入れる所作には大笑いしました。
満足度★★★★
強烈
個性的
ネタバレBOX
広大な土地をせしめるなど策略に富んでいたものの独裁者だった夫を殺して埋めたことで、退去命令に応じない肝っ玉母ちゃんと心を病んだ生活力のない三人の息子を中心とした話。
畳敷きの舞台と背景の障子を見ると日本のようですが、『カラマーゾフの兄弟』を参考にしているとの前情報と長男が戦争から帰ってきたこと、さらに次男の名前がドスということで、どうしてもロシアに引っ張られました。
ドスを始め全員の名前は愛称だったと思います。その家に住んでいる者はそれでいいと思いますが、記者は登場時点では全くの部外者ですから、当日パンフレットにある愛称めいた名前は不自然だと思い至りました。
母親の暴君振りも強烈でしたが、酒をおごられ殺人の噂まで何でもしゃべってしまう家政婦とらのハチャメチャ振りも強烈でした。新興宗教にはまった三男役の末原拓馬さんは、おぼんろの芸風のせいか少々臭い芝居でした。
イケメン三兄弟を従えた白石加代子さんは上機嫌、千秋楽の公演終了後再演を約束していました。