満足度★★★★★
しずかちゃんの佇まいが本当にしずかちゃんらしく素敵でした。
ネタバレBOX
22世紀に地球で開発されたどこでももやで人間と動物が移住した二連惑星に、偶然繋がった21世紀のドラえもんたちが出掛けて行き、実質的に人間と同じニムゲに侵略された動物の進化系であるアニマルたちを助ける話。
宇宙の連邦軍の出動で事態が収拾されたのはあっけなく拍子抜けでしたが、しずかちゃんを始め登場人物が本物らしく、ドラえもんも片足でトントンしたり、それなりに本物っぽく見えました。
ゴリラ親子のベタなコントなども楽しかったです。
ただ、全体の舞台の中でドラえもんの目だけが光を反射していたのは不自然で、反射性の少ない素材を使ってほしいと思いました。
満足度★★★
『夏の夜の夢』は嫌いなのに今月二本も観るなんて、なんてこったって思いです。
ネタバレBOX
シェイクスピアの『夏の夜の夢』。
同じ俳優が何役かやりましたが、スカートはいたりズボンはいたりだけでは分かりづらい面がありました。
ロバの首ごと外れたのはお見事でした。
ドラムの演奏付きは、劇団演奏舞台のお芝居を観ているようで古臭く感じました。
満足度★★★★★
キレッキレのパフォーマンスが素敵でした。
ネタバレBOX
軍靴の足音が聞こえる頃のヨーロッパ、国境付近に住む双子の少年の生々しい生き様を描いた話。
机を利用したダンスパフォーマンスにセリフを織り交ぜることで少年たちの経験したいくつかのエピソードが表現されました。地雷原を越える賢い手法については、父親も自分のためとはいえ息子のためであることも良く理解した上での実践行動だったと思いました。
満足度★★★★
若手俳優陣にとって一人二役と上演時間2時間40分は素晴らしい経験だったと思います。
ネタバレBOX
活動家グループから分派した若者四人による爆破テログループ「怒りの旅団」と、彼らを追い詰めるロンドン警視庁の若手捜査官四人の話。
四人対四人ということで、一人二役という興味深い設定ではありましたが、対称性が示される程でもなく特段面白味は感じませんでした。
封建的な家族構成や、階層的社会に反発した首謀者でしたが、個を強調するあまり、ポットでお茶を淹れることにすら反発するお子ちゃま振りには、狭い組織内で社会性を無視して暴走した日本の過激派にも通じるものを感じました。
テログループ内に社会とのつながりを求める者がいて、警察に手紙を出したり、電話を掛けたりしたことから居場所が見つかり逮捕されるという過程と結末は、あっけなくつまらないものでした。
満足度★★★
メルヘン、ファンタジー、
ネタバレBOX
人間と、人間の遺伝子から作られたブリキというものが混在する社会におけるブリキ容認派と反ブリキ派の争いを描いた話。
ブリキがあくまでも表面が人間状のアンドロイドなのか、それとも成長する生物なのかブリキの本質が判然とせず、どちらを応援すべきか分かりませんでした。
しゃべりの途中で本音のような言葉を挟む女性も、せわしなく、何を言っているのか分からず疲れました。
飴の水鉄砲で身体が溶けるというのも訳分からず、全体に若者らしいというよりも子供っぽいという感じでした。
満足度★★★★
難しい言葉を挟むのは流行りなのかな。
ネタバレBOX
若い女性の引きこもりと中年男性の引きこもりの妄想と現実が交錯する話に、時々難しい言葉を交えた話。
自立できなければ引きこもりもできません。因みに、よく言われる「老後資金1億円」とは夫婦が60歳から84歳までゆとりをもって生活するのに必要とされる額のことのようです。
満足度★★★★
こういうジャンルもあるんだなとは思いました。
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裏でお散歩ビジネスをしたり、やくざとも繋がっている歌舞伎町の反社会的探偵事務所に、若い女性が父を殺した男を探してほしいと依頼に来てから巻き起こるハートフルな騒動劇。
警察も歌舞伎町を仕切る組の一つという刑事の発言はインパクトがありました。す巻きにすることが、殺すための準備ではなく相互理解を深めるための手段にしようとするモンゴル娘のアイデアは少し良かったです。
綺麗な娘さんでした。セーラー服姿も可愛かったです。ただ、そもそもですが、娘さんには裁判の傍聴を通じて殺人と傷害致死の違いについてきちんと理解してほしかったと思います。
満足度★★★★
多分、原作に忠実なんでしょうね。
ネタバレBOX
妖精の親分が花から抽出した惚れ薬を振りまくことを子分に指図したことから巻き起こる騒動を描いた話。
たわいもない内容で私が一番嫌いなシェイクスピア作品。ただ、2時間30分もやればさすが本格的で、今まで大団円だと思われたシーンの後に、公爵夫妻とさらに二組のカップルが加わった祝祭で素人芝居が演じられたことを初めて知りました。
満足度★★★
vol.3『すれちがう、渡り廊下の距離って』観劇
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第一作でグラウンドを走っていたあの太郎が、友人とその喧嘩中の彼女との間を取り持って渡り廊下を往復していて、グラウンドの太郎を窓際から見ていた白子が太郎を追い掛けていて、第二作でも動画を撮っていた楽は音声を使って高校生活を映像化しようとしていることが明かされたりする話。
シリーズを通してシウマイ弁当がチラチラしていたのが好きでした。
高校演劇のルールで、公演時間が60分を1分でも超えたら採点の対象外となるとのことでしたが、私が観た回は60分を超えたと思われます。本番だったらダメですね。
このシリーズは高校演劇仕様で、それぞれくすぐられる部分はありますが、一本だけでは完結しない以上、どこの高校も演じないと思いました。
満足度★★★★★
初演も観ましたが、やっぱり面白いですね!
ネタバレBOX
卓球が今程人気がなかった時代の、夏合宿で来た高校卓球部の宿の様子にめんどくさいを振り掛けたような話。
鮎川桃果さんの微妙な表情の変化が素敵でした。相楽さんが超メジャーになった今、次は鮎川さんの番です。頑張ってほしいと思います。
満足度★★★★
ハートフルコメディ
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開幕直前に突然降板した主役の代役になった男が、必死の練習の中で10年振りに会った祖母にゲイであることをカミングアウトするとともに、主役の属性変更によって離れ離れになったお内裏様が10年振りにお雛様と再会するという演目「隣人」のラストシーンも、お雛様が夫の本質を受け入れる内容に急遽変更した上で何とか開幕できたというストーリー。
LGBT家族の問題を取り扱った話が主ではありましたが、元子役女優の成長を扱ったものでもありました。アニメオタクの乱入もあったりして、色々テンコ盛りでした。
前説の相関図説明は不要のように思えました。
満足度★★★★
殺伐とした人間関係でした。
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エロゲー同好会内のゲーム開発方針を巡ったりしての人間関係を描いた話。
自閉症の青年を中心にして描いたこともあってか分かりづらい人間関係でした。極めて珍しい性癖を描いたゲームは特定の層にそこそこ人気があったようですが、根性焼きもその性癖の一つとなると、なるほど特殊なものだと恐れ入りました。
ラストの会話、なぜエロゲーを作っているのかに対して、セックスが苦手だからを言いたいがためのお芝居でした。
満足度★★★★
vol.4『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』観劇
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vol.1で傷心の余り樹海まで行った海荷が戻り、復活した仲良し三人組が中庭で海荷の新しい彼氏をどのようにして見付けようかと思案する話。
それにしても、海荷の実像にはびっくりしました。
vol.3は後日観る予定で、話がつながらなかったらどうしようかと思っていましたが杞憂でした。それと、妄想と現実が結びつく不思議な話からオカルト話に進み心配しましたが、こちらも杞憂に終わりホッとしました。
海荷と群青をくっつけようとした二人なのに、瑠璃色も関心があったようで、切ない乙女心が良く表現されていました。
満足度★★★★
vol.2『校舎、ナイトクルージング』
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第三高等学校シリーズの第二弾。夜の6組に忍び込む話。
オールナイトニッポンやJUNKの話題が出てきて、なぜ6組なのかピーンと来ました。JUNKファンだと確信しました。
『いつだって窓際であたしたち』のときに出てきた不思議な人物が写っていた写真は、本当の女子高生の幽霊を写した心霊写真でした。シウマイは登場しませんでしたが、シウマイの話が出てきたりしたこともあって、これは完璧なシリーズ物で、作品順に観なければ理解できないのではないかと不安に感じました。
満足度★★★★★
vol.1『いつだって窓際であたしたち』観劇
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第三高校の6組の教室を舞台に、高校生らしい会話や交友関係を描きながら、SF的要素を織り交ぜた高校演劇仕様のお芝居。
高校生たちが生き生きしていました。シウマイ弁当好きのシウマイが面白かったです。
男子高校生と別れて富士の樹海辺りまで行った同級生を、その男子生徒がグラウンドを走る様子を窓際から見てその距離分だけ西に向かって走った気になって、樹海まで到達した女子生徒が助けたとような不思議体験がありました。
満足度★★★★★
奥菜恵さん、最高でした。文句なく面白かったです。
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結婚式前夜、結婚式で読むお父さん、お母さんへの手紙を書こうとしたところ、愛情が感じられる思い出が浮かんで来ず、徹夜で四苦八苦する新婦でしたが、本番では両親や新郎までもが手紙を披露し、銘々の本音がぶつかり合うことで修羅場となりました。しかし、その本音の中に普通の家庭ならではの愛情や絆が確認でき、新婚夫婦も新しい家庭を作ることへの確信が持てたというようなことを描いたドタバタコメディ。
愛情を斜めから眺めたところが素晴らしかったです。
皆さん個性的でしたが、特にちょっと汚い言葉を使う奥菜恵さんのはっちゃけ振りは凄まじく新鮮で素敵でした。倍くらいの歳ですが、元気いっぱいさは広瀬すずさんのような雰囲気で、以前からこんな感じで使われていたらもっと人気が出ていたかもしれません。本当にはまり役でした。
誰にも主人公になるほどの際立ったエピソードがあるわけでもありませんが、どこの家庭にも愛情があるというメッセージ性も控えめで素敵でした。
娘の頭の中に急に呼び出されたのでこんな格好で、と言って出てきた母親の登場の仕方も面白かったです。ただ、結婚式コーディネーターが案内役となって進行する手法は予定調和的というか、これから始まる騒動はコーディネーターが今現在も現職でいられる程度のことですからと暗示しており、観る側の期待値が下がってしまいます。
満足度★★★★
演劇と映像の融合が素敵でした。
ネタバレBOX
過積載による荷崩れで海難事故を起こした船に乗り合わせ心に傷を負った患者を、再現映像を撮らせることで治療しようとした話。
映像を後追いするように、同じセリフが数秒後に語られるのは心地良かったです。
アフタートークで分かったことですが、12人いた映画美学校の受講生のうち卒業直前に辞めた一人を、セウォル号を脱出した船長に例えていたのも面白かったです。
ただ、白い女性が患者だというのは何となく最初から分かりました。再現するのも辛いですが、それをファインダーを覗いて撮るのはもっと辛い作業だと思ったからです。
これもアフタートークで、長期間漂流していたイメージも持たせたとのことでしたが、90度傾いて浸水し始めた船が長期間漂流できるとは思えず、10人の黒い男女は事故で死んだ乗客かもしれないとずっと思っていました。ラストで白い服を着たのでほれやっぱり死者かと思ったのですが医師の白衣でした。
満足度★★★★★
社会派
素晴らしい!!チラシに惑わされてはいけません。
ネタバレBOX
生き物の命を奪ってみたくなる人がいること、実際に少年のときに重大犯罪を犯した者の今、そして、その少年の犯罪者家族の生き様が絡んだ秀作。
ちょっと名大女子大生を想起させすぎる点は引っ掛かりましたが、久し振りで、考えさせられる、しかもファンタジーでない現実社会を描いた緻密な筋立てのあるお芝居を観た感じでした。
年配の人を年配のプロの役者が演じることによる現実味を感じたのも先月の『ダークマスター』以来で、ここも小劇場ですが、小劇場に通い過ぎる弊害も若干感じました。
恨みによる殺人願望は昇華できても、生き物の死ぬところを見たいという願望はなかなか消すことができないというのが怖いところでした。
満足度★★★★
【Aキャスト】観劇
ネタバレBOX
『木馬は廻る』の間に『幽霊』と音楽劇『押絵と旅する男』を挟み込んだ形で江戸川乱歩の作品が連続的に演じられました。
『木馬は廻る』 夢の中に出てきた中年男に惹かれ、モルグが親友アッシャーと探しに出る話。で、女子二人は好き合っていたという話。アッシャーの衣装がおぼんろ風でした。残り二つの演目に本演目をまぶすことで、全体のファンタジー性をより高めていました。
『幽霊』 長い間女の幽霊に怯え続ける男は、実は女を殺すための事前準備で、この間に女を殺し、時系列的なかく乱を図ったものでした。
『押絵と旅する男』 旅する弟が持っていた押し絵に入り込んだ兄は、実は普通の人には見えていなかったというのが新鮮でした。
満足度★★★
火星に行ってほしかったです。
ネタバレBOX
2070年、火星に移住できるために特別に育てられたモモ太郎を巡る話。
人類は火星で住めるものと、思い付きと感覚だけで研究していた科学者の生き方が面白く、モモ太郎には火星に行ってほしかったのですが、すぐに頓挫して、それからは特にウダウダでした。自分で頭をポコポコ叩く仕種などもすぐに慣れてしまい、出オチ的面白さの感動も薄れてしまいます。
血が繋がらないとはいえ、桃太郎で言うところの青鬼がわざわざ桃太郎で言うところの妹の赤鬼と結婚しようとするなど、随分と近親との関係が好きなようです。以前の作品では鬼気迫る近親関係がありましたが、今回はこれもウダウダでした。