満足度★★★
【疾風の回】観劇
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切らずの総司と呼ばれた沖田総司の生き様を中心に、松平容保の命により芹沢派を殺害する頃の新撰組を描いた話。
男も女も、多くのチャンバラ好きが集まった集団という感じでした。
満足度★★★★
『青色文庫 -其参、アンコール選集-』C観劇
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『時計屋の恋』 妻を亡くし、時計屋を廃業したばかりの初老の男と息子の嫁が暮らす家に、男の弟、妹、近所の若夫婦、中華料理屋で働いていた中国人などが出入りする様を描いた動きのある朗読劇。
息子は単身赴任先で不倫してしまったのか、元々父と自分の妻の関係を疑って出て行ってしまったのか分かりませんが、一線を越えないというか、むしろ超えるつもりはないと感じさせる男と息子の嫁の関係、いずれ土地売却ともなれば分け前がほしい弟や妹の思惑等々が小津風に描かれていました。
満足度★★★
あまり爽やかなものではありませんでした。
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ナースステーション前のロビーを舞台に、希望を失った体操選手、癌で余命わずかな元刑事、子宮摘出手術前夜の女性、痔の手術を終えた女性等の患者と、医師、ナース等の病院関係者が織りなすヒューマンコメディ。
などと書くとそこそこの話のようですが、結局は、リハビリ担当者のセクハラ、結婚詐欺まがいのナンパ、そして実際の浮気によって何人もの人が迷惑を被ったという話が中心で、爽やかなものではありませんでした。
ナースのお尻を触るリハビリ担当者の姿は、挨拶代わりにOLのお尻を触る上司といった半世紀前の光景を思い起こしましたが、今は即退場の行為で、あり得ないと思いました。集団的自衛権によってか、日本も国外の紛争に関わり中露のボイコットなどもあり東京オリンピックが中止されたという近未来を描いている割には世相は古臭いものでした。
体操選手の腕力芸はお見事でした。
満足度★★★★
『青色文庫 -其参、アンコール選集-』D観劇
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『野ばら』『幸福の王子』 まさに青色文庫アンコール選集2題。
『あおぐみのうた LIVE♪』 上が黒、スカートが赤の女性合唱団によるコーラス。小夏さんも参加しての楽しいひと時。
満足度★★★★★
緊張感があり楽しかったです。
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超高度な閉鎖空間で人間関係の構築ができるか、カップルが誕生するのか、治験目的など様々な名目で集められた男女八人が乗った乗り物が故障して地上に落下するまでの人間模様を描いた話。
絶妙のツッコミ、社会問題を扱った地下アイドルの歌があり、ちゃんと聞いてよというめんどくさいネタが最初と最後にあり、楽しかったです。
死を目前に、と言っても最初は7日間のゆとりがあると勘違いし、あと十数秒と知ってからもレモンキャンディという薬を使って2時間に感じるというのがミソでした。星新一のショートショートに、エイトマンのように素早く動ける男が道路を横断する際に油断して車に引っ掛かり、轢かれて死ぬまでの間1ミリ1ミリ迫ってくる死の恐怖を意識するという話があり、それを思い出していました。
まだ3日もあると思うとだらけますが、4日目で終わらせたところが素晴らしかったと思います。全員が白い衣装というのは逆に意味を狭めるように思えてなりませんでした。
満足度★★★★★
『雨と猫といくつかの嘘』(B 華やぎの香り、猫組ver.)観劇
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熟年離婚して侘しい一人暮らしを送っている還暦を迎えた日の風太郎の許に長女が婚約者とともに訪ねて来た現実と、風太郎の誕生日にまつわるいくつかの家族との思い出が交錯する話。
2008年12月と2011年2月に続き3度目の観劇。2008年のとき還暦だった藤川修二さんは今も変わりませんね。
薄い黄土色のズボンをはいてカップラーメンをすする姿は侘しそうに見えますが、泣いていいのは生まれたとき、大切な人が亡くなったとき、それに生まれてよかったと思えたときという母の言葉を考えると、風太郎は結構幸せなのだと思います。
エースで四番は柄の大きさや顔つきでいうと、2011年の髙橋智子さんが最適だったと思いました。
風太郎のお母さんが浮気されていたのではないかと思っていましたが、実は風太郎のお母さんの方がお妾さんだったこと、風太郎の浮気が離婚の原因だったのではないかと思わせるちょっとした驚きが心をくすぐられ素敵でした。
結局、私の頭の中の消しゴムのお陰で新鮮に楽しめる訳です。
満足度★★★★
とにかく凄まじかったです。
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不法投棄のごみに覆われた島に捨てられ、生き残るために何でも捕まえ何でも食べ、途中からは同じく捨てられた盲目の少女のためにも壮絶なサバイバル生活を送った男の回想を別の男が録音し、その凄まじい生き様の美味しいところだけを公表したもの。
自分の手足を切り落としたり、鳥はまだしも、死体を食ったり猫を捕まえ殺し食したりの描写は、客席内の暑さとも相まって大人しく座っているのが辛くなり、心をかき乱すものでした。
満足度★★★★★
小さな巨大サスペンス
素晴らしかったです!!
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学校の教育方針に悩み、実家の印刷屋の地上げに悩んでいだ小学校教師の死の真相を暴いた印刷屋社長の義兄が知った思いがけない真実とは。
小さな劇場、お茶の間サイズの本格的推理サスペンス劇。
役者がカッコよかったです。少しくだけたときとシリアスな場面の切り替え方が絶妙だった義兄、いつものような裸にならず渋い役がピッタリはまった刑事、そして、お姉さん役として今回は、あるいはそろそろ脇役かと思われた棚橋さんがあっと驚く驚きの存在でした。
素晴らしかったです。
満足度★★★★★
博多華丸さんじゃないですが、九州人はうどん好きなんだなと思いました。
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うどんの自動販売機コーナーで知り合った破天荒な4人が、何か月か色々なことを経験するうちにいつの間にか普通の大人になっていたというような話。
父親の跡を継いで漁師になるために田舎に帰った40代の男は、みんなには隠していましたがやはり病気かもしれません。死を意識させる側面もあり、軽い中に重たさも感じさせてくれました。
うどんをすする音が上手でした。
満足度★★★★★
人間は身勝手なものです。
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見た目も中身も人間とそっくりなのに死ぬと溶けて消えてしまう宇宙人が存在し、増えているという世界を描いたミュージカル。
私も宇宙人のように死んで6分で溶けてなくなりたいと思いました。
最後、施設に入居していた多くの障がい者が男に殺されました。人間は身勝手なもので、自分にとって役に立つ者以外は存在しないも同じで、特に死ねばさっさと記憶から消し去られるということを例えた話だったことが分かりました。舞台上の殺された人々は溶けませんでした。結局、宇宙人はいなかったようです。
自分にとって無関係な人も、その人の関係者にとっては大切な人で、そのような人々が集まって社会が存在するということです。生きていることが生きている人間の条件で、生きたということが死んだ人の人間の条件です。
それにしても、ミュージカルのときにありがちなことですが、半音ずれたような歌い方が今回も気になりました。特に男性ソロのときに感じました。
そして、さすが女子会。ドキッとする歌もあれば、普通のお芝居では女子高生役の役者はスカートの下に短いスパッツのようなものをはいていますが、本作では見せパンだとは思いますがパンツで押し通していました。
満足度★★★★★
見応えあり
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2^n-1(2のn乗マイナス1)、親の親、そのまた上の親の親、……から一人引くと自分が存在しないというような考え方を掲げたりして、世界を動かすことを目的にしたアート活動をしたグループの顛末を描いた話。
残念ながらアートは見えてきませんでした。無断で先生の名前を使ったり、チェーンメールで喜んだり、意識の低さにはあきれ果てました。芸術家を名乗る資格はありません。そもそも一人ひとりの名前の漢字を使ったグループ名を付けるということはメンバーの脱退、変更を考えないということで、それ自体が甘ちゃんんでした。
メンバーは6人で、一つのシーンで過去と現在が混在したりすると、誰が誰だか分かりづらい側面もありました。自殺未遂騒ぎで世間を騒がせたリーダーの父親役の大谷亮介さんは、実生活が重ね合わされて見えてくるだけにどんな心境で演じているのか下世話ながら興味津々でした。
彼らのアートに創造性はありませんでしたが、全体として真剣さと真実味が感じられ、脚本に創造性があり見応えありました。
満足度★★★
【Aキャスト】観劇
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動画作りを口実に呼び出して告白したり、失恋したり、そもそも恋愛が成立してなかったり、料理の腕を上げて異性にもてようとしたり、思っていた人に出会ったのに思いを伝えられなかったり、同性には思いを伝えられなかったり、様々な人たちの恋愛模様を歌謡ポップを交えながら描いたユーミンミュージカルのようなスタイルの小編集。
おやっ、全てのエピソードが絡むのかなと一瞬思いましたが、一部がちょっと絡むような絡まないような感じで終わりました。
満足度★★★★
大人の寓話のようなお話でした。
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女三人で家族の愚痴をこぼしたり、歳が行った割に男女の夢みたいなことを話しているうちに、酔っぱらった勢いもあってか、足が悪いために便所の詰まり直しを生業としている最下層の若い女が老女二人に対して自分は天使だとか、老女たちのことを茶化して調子こいたために殺されてしまう話。
汚物を扱うような商売をしている人が実は天使だったという話かなと思いきや、調子こいちゃあいけないよっていう話。
老女役お二人とも元気でした。凄い量の血液で迫力ありました。「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」や「桜の樹の下には」よりも、ヨーロッパの片田舎の地下室には死体が埋まっているの方が雰囲気があります。山姥のような暮らし方かと思いましたが、殺人は初めてのようでした。
満足度★★★★★
大事なことだけどめんどくさいことですね。
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掲示板を使って友達作りをしようとする20代主婦たちと、喧嘩してもいつの間にか仲直りする中学以来の女友達の話。
孤独な人たちは予定を立てて集合するめんどくさい友達作りでした。覚醒剤の売り先を探すために参加する輩もいてネット社会の怖いところも見せてくれました。中学以来の親友の方も大人になるにつれ、大事なところは自分で決めていました。彼女たちもいずれは孤独になっていくのでしょうか。
終演後の主宰の「まだまだやりたいことがある」が一番響きました。反則です!
満足度★★★★
ほろ苦話
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資本主義体制に疑問を持った大学生のお坊ちゃんが、1971年実家近くの下宿で独立するも、過激派の爆弾事件に巻き込まれた結果限界を知り頓挫、卒業後は父親のコネで一流企業に就職しましたというほろ苦想い出話。
母は強しでした。主役は母親ですね。
他人にことづてを頼まれたら守らないといけないとお坊ちゃんのような真面目な人は思うものです。大切なことは自分でやれと言ってやれば一番いいのですが、言えなくても気にすることはありません。というくらい図太くなければストレス社会は生きていけません。
因みに、別の劇団で観た『僕の東京日記』では、スナックで働きながら女優を目指す住人は綺麗な人でした。そうでなければ絵にならないと思いました。
満足度★★★★★
恐ろしい話でもありました。
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おっぱいのある男、極端に長いおちんちんを持つ男、妊娠し、おちんちんから出産する男、足の指が六本ある人、こんな普通ではない人たちが存在する世界で、おちんちんから生まれた娘をおっぱいのある男とおちんちんの長い男が育てたという話。
当日パンフレットにおっぱいのある男と書いてあり、同性愛の夫婦が子育てした話かと思いましたがそうではありませんでした。何の影響で異常が起きたのかを考えると、環境汚染などと漠然とした言葉で言っているうちはいいですが、一歩間違えると差別にもつながりかねない危険で挑戦的な状況設定でした。
小瀧万梨子さんの男役、スッとして素敵な男前でした。5歳のときの娘役もツンデレ風で素敵でした。改めて素晴らしい女優さんだと認識しました。
満足度★★★★★
いい先生になれるはず。
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勉強重視の進学校で、先生の言いなりに従来通りに文化祭の準備を進めていた生徒会のメンバーが文化祭の最後にライブを強行しぶっちゃける話。
とにかく少しでもいい大学に進学させることが生徒のためになると考える先生と、生徒の才能を重視しようとする先生、バランスが大切です。
音楽を目指し中退した同級生の気持ちも考え、ライブに参加した教育実習の女子大生は教育実習を全うできなかったようです。同級生が東京へ行ったため、わざわざ大阪の大学に進学して先生を目指していたのに熱狂に乗っかっちゃって。生徒たちは反省文で済んだのに、彼女は棒に振っちゃって何とも可哀そう。それはそれ、これはこれで、実習を全うさせてあげても良かったのではと思いましたが、あの主導権を握っている先生たちでは無理ですね。可能かどうか知りませんが、もう一度別の学校ででも実習できたらいいねと思いました。
満足度★★★★★
1960年代のエレジーだったのですね。本当に素晴らしかったです。
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1960年代の町工場。高度経済成長に乗っかり、現在不況に苦しむ中小企業の話かとつい勘違いしていました。蚊帳を製造する町工場。時代の流れに乗れず、没落していく産業に従事していた人々の話でした。
昭和40年頃が私の蚊帳体験の最後のような気がします。東京で言えばアパートに網戸ということでしたが、電子ベープも出回り始めましたね。
地主の立場からすると、蚊帳工場、アパート、そして今度はマンションという流れになります。親の心子知らず、かつての金の卵の少年が安藤さんのアパートに住んでいたことで、工場のおかみさんはずっと見守っていたいたというラストシーンは感動物でした。空襲の影響も描くところなど、作品作りの素晴らしさが光りました。
土地を地主に返すに当たり、借地権割合のことが全く話題になっていなかったことは見落としだったのではないかと思いました。
満足度★★★★
作家の嗜好が知れると理解も進みます。
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TTTTTの意味が今一分かりませんが、『人柱が炎上』、『景観の邪魔』、『非公式な恋人』の短編三本連続上演構成の作品。
『人柱が炎上』 デモに参加する人、警備する人たちの話で、爆破事件が起きた模様。背中を床につけてスリスリしながら出てくる登場の仕方がユニークでした。
『景観の邪魔』 景観を台無しにしているのは人間で、人間が邪魔ということ。
『非公式な恋人』 性器がギザギザで、二人がギザギザを合わせることで快感が得られたらいいなみたいな。男性というものは乱暴者ということで、東京は女性専用都市になっていました。男の名はギザギザハートの子守歌の藤井フミヤ。
満足度★★★★
ローカルルールが愉快でした。
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突然立候補してその場で選ばれた若い女性村長が、旧村長派の妨害を乗り越えてみんなで音楽フェスを企画するなどして限界集落河童村を活性化させようとする話。
左手を上に挙げ、右手を横に、河童っぽくして発言するというローカルルールに笑い、その場で選挙してしまう直接民主制に驚き、ラストの未来予想図では歌の上手さに感動しました。
前村長が呼んだのは村出身者のちょっとぐれた男で、趣旨は許せないことですが、吉本新喜劇に出てくるような反社とまでは言えず少しだけホッとしました。