満足度★★★★★
いつも通り面白かったです。
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森の中のコテージで、翌日結婚式に出席する新郎新婦、新郎の弟とその恋人、新郎が社長を務める会社の社員たち、結婚プランナーたちのいくつかの恋愛事情に、新郎の息子である発達障害の中学生のややこしさを交えた話。
あるあるだけどちょっと不思議な男女の妙、玉田企画らしい面白さに溢れていました。
散歩用の靴として固執する中学生を、死んだ母親との思い出の靴でもあったかもしれないのにそんなことには全く触れず、発達障害とばっさり切り捨てたところはタブーを恐れない生きの良さを感じました。
満足度★★★★
朝出た夫が帰ってこないかもしれない暗い時代の話、そしてまさにこれからの話でした。
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太平洋戦争に行ったきり戻ってこない男、関東大震災で流言によって殺された男、反乱で処刑された男と家で待つ女の話。
男には待つ人のいる家のある男の他に待つ人のいない行商などをしている家のない男もいました。
今後は共謀罪で帰ってこない人が出てくるかもしれません。
色々な立場の女たちの話だと思っていました。原作を基にに忠実に演出したという須川弥香さんもそう思っていたとのことでしたが、理生さんを偲ぶ会代表の宗方駿さんが一人の女と考えてもよい、むしろ岸田理生さんは一人の女を表現したという感じの発言があり驚きました。
満足度★★★★★
自虐的ブラックコメディでした。
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ノヴィ・ベオグラード(ベオグラードの新市街地)のマンションを舞台にしたブラックコメディ三編。
屋上 せっかく戦火が収まってベオグラードに戻ってきたのに、投資話に騙されお金を失い失望した男が屋上から飛び降りようとするも死にきれずぐずぐずしていたところ、屋上までやってきた妻を襲った別の男をつい殺してしまい、とっさのことと罪悪感から即座に飛び降りてしまうという話。
屋上階(16階) 湾岸戦争から帰還した居候の友人と妻との関係を疑った警視副総監が、友人を追い出したくて売春婦を呼んでいい関係になって出て行ってくれるといいなと思ったところ、察しのいい戦争鬱の友人はその女性と楽しく語らいつつも窓から飛び降りてしまいましたという話。
1階のバー 屋上で襲われた妻の妹が店主を務めるバーで、高級車をレッカー移動されたことに怒った親分が警視副総監に文句の電話をしたり、戦火が収まり帰国したばかりの不慣れな警官を虐めたりしていたところ、窮鼠猫を噛むで逆に撃ち殺されてしまいましたという話。そして、二度に亘り高級車の上に人が降ってきてその度車の警告音が鳴り響きましたとさ。
いくらブラックと言ってもこうも死が溢れかえっているとは、かつてのユーゴスラビア、現セルビアの状況が推し量れます。
字幕付き日本語上演、セルビアの人も来ていていました。
満足度★★★★★
十七戦地柳井祥緒さんのドラマ化能力はさすがだと思いました。
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昭和天皇が大量吐血して以来、崩御、改元、大喪の礼までを見据えての宮内庁の会議室内で行われた関係者による秘密会の様子を描いた話。
毎日血圧の報道があったこと、1月7日が絶妙だなと思ったことなど思い出しました。
即日改元ではなく翌日改元だったこと、葬儀を天皇家の部分と国葬部分に分けて憲法問題をクリアしたことなど勉強になりました。
ただ、Xデイを考えて集まったにも関わらず、崩御を前提にすることを不謹慎と考える関係者がいたのは不思議でした。初めから大声で怒鳴りあうのも不自然でした。ライターや右翼のおばさんは実際には会議室に入れるはずもなく、比喩的な表現なのだろうと理解しました。
満足度★★★★
【深沢邦之の回】観劇
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痴漢の容疑で捕まったミュージシャンの冤罪を晴らす話に、ミュージシャンの相方の美人歌手が付き合っている大物弁護士の遺産を相続することになるのかといった話が絡んだコメディ。
オチの余韻を楽しむ前と言うか、オチの途中でと言うか、あと二秒あってもいいかなというところで暗転させるスピード感溢れるコントの連続でした。コントも上質でした。
販促宣伝のときにはリーダーの物を渡すふりの客いじりもあり、千秋楽ということもあって、春風亭昇太さんの小噺、結婚相手をことごとく親にけなされる男の話と赤ちゃんが口にした人が死ぬ話、二題もありました。
満足度★★★★
未来か過去か、このような閉塞感は味わいたくありません。
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五人組みたいな感じで地域住民を監視する閉塞感溢れる社会を描いた不条理劇風作品。
共謀罪ができることを予知していたのか、治安維持法時代を描いたものなのかと思いながら観ていましたが、ラスト近くでリリー・マルレーンが聞こえ得心しました。
人間とはわがままなもので、ドアとは隠れ家のドアのこと、見えない少女たちは強制収容所に送られ死んだユダヤ人少女と分かると、その後の数分が不必要に思えて仕方ありませんでした。
満足度★★★
もう飽きました。
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縄文時代の遺跡が発見されたことで、工事がストップした現場の飯場に出入りする人々の話。
発見されたばかりの話。と言うことは、発掘調査に何ヶ月も要するので工事関係者と発掘の先生とが揉めているといった事態になっているわけでもなく、むしろややこしい事態を避けたわけで、アフタートークで平田さんがおっしゃった通り、一番内容のない作品そのものでした。
さらに、この作品が今の青年団の原点ということで、時系列的には私が観た平田作品の中で一番古いのでしょうが、順番など関係なく、みんなおんなじやないか、何やっとんのや、おんなじものばっか作ってという感想でした。
日常の中の非日常という意味で、飯場の床の裂け目は本当に地面のひび割れの影響でできたもので、ブラジルにまで届くようになるのだと思いました。それだけに工事関係者の娘の婚約者が腕を挟まれたことに面白味を感じましたが、あっさり抜けて拍子抜けでした。ひび割れは非日常じゃないんだと思ったとたん、お面が出てきて、ああこれかと思いました。日常の中の非日常、非日常の中の日常の定点観測にお面をプラスした構造はもう飽きました。
再演ですが設定は現在、お笑い等の時代考証はしたとのことでした。小学生の時に藤崎マーケットの真似をして骨折したと回想する大学生はいるかもしれないとして、その話題を返すのに、残念!!!のギター侍はないでしょう。このハゲー!は早過ぎるとしても今流行っているフレーズで返すのが普通でしょう。
同じように、酒を飲むと山本リンダの振りをする女性っていったいいくつの設定なのでしょう。上司がいるわけですからある程度は若いはずですが、そんな人見たこともありません。しかも、男の人からやってくださいと頼まれていました。今時宴会でそんなのやられても迷惑なだけで、頼む人がいること自体不自然でした。
満足度★★★★
いくつもあるけどもう一つの『まほろば』でした。
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縄プラス月曜は媚薬、火曜は楽器、水曜は女体盛、木曜は蝋燭、金曜は虫責め、土曜は漠然としていて何だろうと思っていたら人形、そして、日曜候補には月曜の娘をと考えている男の夜な夜な何人かの女性を責め続ける男を描いたSM官能小説かと思いきや、女たちが快楽のために男を使っていたという話で、初潮を迎えた娘は男の不能を見抜き、新しい男を探して命を繋げていこうと決意する、女のしたたかさを描いた時系列的にはこちらが先かもしれませんが、もう一つの『まほろば』でした。
満足度★★★★★
迫力ありました。
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精神病院と思しき施設の集会所を舞台に、入所者や出入りする人たちの様子を描いた話。
施設側の人もいましたが、正常でない人たちが真面目に自分を主張したりしているので内容はよく分かりません。ただ、とにかくまっすぐな視線や声の出し方、殴り方など役者の狂気じみた演技に迫力があり、素晴らしかったです。
昔気違いに刃物、今は気違いにスマホだとつくづく感じさせてくれました。
キャッチコピーに、「おとこ1人、おんな15人、笑って、呻いて、人の群れ。」とありましたが、当日パンフレットに女優1名が降板した旨の表示があった上で総勢14名でした。久し振りに女性が胸を見せるシーンを見ましたが、そんなところも降板理由なのかなと思ってしまいました。
満足度★★★
この日は結構暑く、熱中症には十分気を付けてほしいと思いました。
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コンテンポラリーダンス。
ユニットの二人以外の、タンスにゴンゴン的な双子のような二人がレオタードに大きめのワイシャツ姿で、ちょっと色っぽいところが目を引きましたが、全体としてはそれ以上でもそれ以下でもないコンテンポラリーダンスでした。
満足度★★★★
《月組》観劇
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恋人の作った楽曲を売り込むために枕営業したことで精神を病んで多重人格になってしまったボーカルの女性を見守り、もう一度歌声を聞きたい気持ちはあるものの、歌うことを捨てた彼女を受け入れることにした男の話を描いたミュージカル。
歌は上手いのですが、やはり半音ずれた平板な楽曲があり、そんな箇所は無理に歌う必要もないと考えます。
基本、多重人格物は好きではありません。
満足度★★★★★
量子力学的演劇でもありました。
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会社に行っている間に隣人夫婦が死体を運び入れたために、彼女を招いていた男にとっては突然のことで相当に取り乱すという安部公房の短編。
ミステリアスな行動をとる男は魅力的だったのかもしれません。ベッドの下を覗かない彼女は量子力学的演劇の実践者でした。
死体は男に話し掛けていました。困惑した当事者のみが聞こえるという設定は、男が警察に知らせに行っている間に隣人夫婦が死体を運び出してしまったために、それ以降は観客のみが聞こえることになり、家に帰ったら死体があるかもねと客がいじられるメタフィクションと相成りました。
満足度★★★★★
さすが
新しい概念には驚きました。
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振り込め詐欺グループの話。
一昔前のアマヤドリの作品と比べて最近は内容が分かり易くなってきたように思います。
老人から若者への資金移動の観点からの経済効果を評価する考え方は斬新で感心しました。しかしながら、出世払い的に応援してもいいと思わせるだけの夢を語ってお金を集めるならまだしも、やっぱり騙しはいけません。私は先日ある劇団の生涯無料パスポートを購入しました。
税の再配分を行うのは国の役目です。国の怠慢が招いたもので、ふるさと納税と全く同じです。ふるさと納税では、お礼の景品を作る業者には経済効果があるとは思いますが、宣伝や事務手続きなど、地方公共団体に余計な仕事や費用が増えるだけです。
酒税も馬鹿げていて、わざわざ第三のビールを作る必要もないのに、税制のせいで優秀な研究者が錬金術師のような仕事をさせられています。
満足度★★★
良く分かりませんでした。
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地球に逃げてきて、山姥として竹藪に身を隠していた宇宙犯罪人を追う宇宙警察の話みたいな。
竹藪に紛れ込んだ人々などの話も絡みましたが、深くも浅くもなく良く分かりませんでした。と言うか、どうでもいい気がしました。
満足度★★★★★
『無休電車』観劇
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『電車は血で走る』から5年後、上京する劇団員たちの話。
2008年に初めて『電車は血で走る』を観たときに、演劇を続けたいという気持ちがビンビン伝わり感激しましたが、その後30前後の役者によるその種のお芝居を数多く観るにつけ、その年頃の役者が必ず通る通過儀礼だと理解し食傷気味になっていました。
そして、途中までやはりそのような思いが強かったのですが、鉄子が100%孫を応援するお祖母さんだと分かり、ウルっと来ました。『電車は血で走る』よりもむしろこちらの方が良いのではないかと思いました。
お芝居にあったようなゲリラパフォーマンスとは異なると思いますが、2009年7月に新宿駅南東口広場で偶然見掛けたミニライブでチョビさんに、『電車は血で走る』が私の2008年最優秀作品賞だったことを告げたことを懐かしく思いました。
『無休電車』は2013年の再演でしたが、東京に移転した時点が2017年4月頃であるとのセリフがありました。とすると、冒頭の多くのサラリーマンが駅のホームで新聞を広げているシーンが古臭い、今時あり得ないシーンのように思えてきました。たった数年でホームの風景は一変しているのだと思います。
満足度★★★★★
男気のある社長でした。
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買収を防止するため、わざと期限切れの原材料を使って軽微な健康被害を出して企業価値を下げようと考えた健康食品会社の専務の行動が引き起こしたワンシチュエーション騒動劇。
スピード感があってアップダウンの激しいジェットコースター的展開は素敵でした。ただ、掃除婦が賢者というやや古臭い設定、本物の犯罪が絡んでいたことはマイナス要因でした。
満足度★★★★
長かったです。
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善と悪の戦いか、神側と悪魔側の戦いか、650年前の壮絶な戦いを不死の男が回想し若者に語り聞かせる話。
そして、今夜の語りが1万回目、男は呪いが解け、不死の束縛から解放され、生まれ変わったジャンヌダルクと出会い普通の人としての恋愛ができるようになりました。
2時間30分強、長くて辛くて筋も良く分かりませんでしたが、殺陣の連続をこなす若い力には感服します。そして、最後のオチで何か全て分かったかのようなスッキリ感が得られました。
満足度★★★★
小玉さんも活躍し、明るく、楽しい作品でした。
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小玉久仁子さん演じる歌麿が活躍する時代、大プロデューサー蔦谷重三郎が二つのやんちゃグループを丸く収める話。
沙羅が後の写楽になるというのがオチでした。
満足度★★★
ぬる過ぎです。
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一人の少女あゆみの成長記録。
男優だけの出演だったこともあり、途中、LGBTの告白かと思ってしまいました。そういう構成もありだなとは思いました。
30歳になろうとする俳優さんたち、昨日は劇団ヒロシ軍『愛を喰らえっ!!!(東京編)』で女子にもてたい、メジャーになりたいという29歳の俳優さんの切実な思いを見ました。5月末には下手くそだけど一生懸命のチャンバラ物を観ました。そんなのに比べると、作家の柴幸男さんもおっしゃっていましたが、高校演劇でも取り上げられる演目です。何、生ぬるいのやってるんですか。もっとやるべき演目があるのではないかと思いました。
終始お父さん役の俳優さんの頭頂部が気になって仕方がありませんでした。ラストの名前の話題は、それじゃあ新興宗教丸出しじゃないかとぞっとしました。
満足度★★★★★
『雨と猫といくつかの嘘』(A いぶし銀の味、雨組ver)観劇
ネタバレBOX
AバージョンもBバージョンもさほど違いは感じられませんでした。
紅茶の缶として扱っていた缶が、あっという間に移行した次のシーンであられの缶になっていたり、インスタントラーメンを食べているので自分のアパートシーンの続きかと思ったら息子のアパートだったり、小道具の使い方、場面転換が秀逸でした。改めて完成度の高さを認識しました。