満足度★★★★★
面白かったです!!
ネタバレBOX
似非超能力者たちが非科学的なことが嫌いな男に拉致監禁され、チンコを万力で絞められながら非を認めさせられようとする話。
私はインチキ占いやインチキ宗教が大嫌いです。それだけに、そいつらは認めないという基本スタンスで進行していたことに好感を持ちました。
出オチで盛り上がり、その後尻すぼみになるというようなこともなく、終始面白く、火事場の糞力的なことが起こったかもしれないと思わせるラストシーンもあれで良かったと思いました。
はやしさんの教祖めいた役作りは必見ものです。ネタ探しに都合の良い面があるかもしれませんが、”元”シリーズに縛られ過ぎないでほしいとも思います。
満足度★★★★★
意外に分かり易いストーリーと高をくくっていると、置いてきぼりにさせられられます。
ネタバレBOX
アイルランドの片田舎で母親の世話をしながら暮らす40女に訪れた恋愛機会がどうなるかという話。
イングランド人とアイルランド人の関係性も垣間見られました。
連れ込んだ親戚筋の男との激しいシーンや翌朝のどぎついセリフがあったので当然最後まで行ったのだろうと思いましたが、結局最後まで至らなかった趣旨の女のセリフが一瞬あり、おやっと思ったところでもう一度その事実を確認させてくれるなど描き方は丁寧でした。様々な伏線も丁寧でした。そして、男の求愛がすれ違いになるだろう的なことは、裏切らずベタに進行していきました。
意外と分かり易いストーリーだなと高をくくって観ていただけに、終盤の展開はどう解釈したら良いのだろうかと思うくらい一人置いてきぼりにさせられた気分になりました。駅で会えたということ自体が女の妄想だったのがショックでした。なるほど、検視官にというか警察官に疑われなかったのも当然です。結局は、女は母親と同じように安楽椅子で一日を過ごすことになるのでしょう。娘は成長すると母親に似るの典型でした。
ただ、埋葬が終わった日の、71歳を迎えたはずのない母親に対して姉たちのリクエスト曲が流れたシーンは、姉たちの性格が今一つ分からないだけに未だにもやもやしています。
満足度★★★★
女は強し
ネタバレBOX
若い男に入れ込んだ40女の話。
男の少年から大人への成長や、女の没入度合いの変化によって支配関係が逆転するのかと思っていましたが、支配関係の逆転についてはさほど感じられませんでした。
生々しさに欠けていたからかもしれません。
若い女との女遊びをする男、自分が女として全く相手にされていない現実を知り、子種を得て男を殺し、理想の男を一から育て直そうとする姿に女性一般の強みを感じました。女は強し、これもまたもう一つの『まほろば』でした。
満足度★★★★
自然の摂理が何とも物悲しいです。
ネタバレBOX
動物園を舞台に、人間になったサバンナモンキーが睾丸の色を気にして女性と交尾できないと悩んでいましたが、ほどなくサバンナモンキーに戻ったという話。
自由なストーリー展開でしたが、始めがあれば終わりがある、即ち、何かを得たとしてもまた失うこともあれば、生きとし生きるものは必ず死ぬという自然の摂理を表していました。
満足度★★★★
忖度っていったい
ネタバレBOX
進化の過程における化石に残っていない中間形などを意味するミッシングリンクを創作ダンスで演じたもの。
金属の板を担いだときは頭部に硬い骨を持った魚に進化したのかな、うなり声を上げたときは声を獲得したのかなとか、背中の方でくねくねと腕を動かすので、鳥に進化するのかなとか忖度しながら観ていました。
と思ったら、「もっと、もっと」と日本語をしゃべるので、ああまだ人間だったんだって思いました。
そもそも観客が忖度しながら見なければいけないなんて何なのだと思います。
満足度★★★★
『ゴールデンバット』観劇
ネタバレBOX
60女から夢を託された30過ぎの地下アイドルが、60女から受け取ったデモカセットテープの曲の間に吹き込まれた肉声をもとに調べ上げた半生を、昭和歌謡に織り交ぜながら紹介するライブの様子を描いた一人による芝居。
デモに吹き込まれた言葉の端々からそこまで分かるものかと思いつつ、演技も歌も上手でした。
満足度★★★
ファンタジー
ネタバレBOX
少年が森の中を歩いて愛を知る話なんだとか。
争っている人を見ての対応は、つまらないからやめろ的な宮沢賢治風心境かと思い、茶碗を持っているのは一日四合の米を食べる証かと思いきや、一日二杯の酒を飲む河島英五のようでした。
少年の人形を三人で動かしていましたが、物を投げるとき右手と右足が同時に前に出ていました。別にかまいませんが、遠くにまでは投げられないと思います。
満足度★★★★★
優しい気持ちになれました。
ネタバレBOX
昭和44年7月、目標が定まらない受験生の女子高生が、新盆のためかつて一緒に住んでいてもうすぐ取り壊される祖父母の家を訪れた際に、東京タワーが立った頃の大所帯の様子を回想し、英語が好きで国際ジャーナリストになりたかった夢を思い出し、前向きになる話。
明治の人だからというわけでもないでしょうが、経営者とその妻には覚悟がありました。昭和33年頃は陰に陽に原爆の影響が色濃く残っていました。戦時中急いで見合い結婚した夫婦に愛情があったのか無かったのか、あって良かったです。歳を取ると親に似るって本当ですね。上手い演出でした。そして何より、女子高生と小学生を演じた今泉さん、可愛くて素敵でした。
特段事件が起こるわけでもなく、日常を描いて優しい気持ちにさせてくれる素晴らしい作品でした。
天体望遠鏡を見るととある作品を思い出しますが、それはさておき、時空が広がる素敵な小道具です。
満足度★★★★★
『崩れる』観劇
ネタバレBOX
自分に知らされなかったことで人間関係が崩壊する話。と言うか、ストーカー的思考でそう思い込んでる男と、知らされなかったことを利用して信頼関係を壊し、リストラに利用しようとした男の話。そして、「崩れる」とは、人間関係の崩壊だけでなく、大雨で山奥の宿屋が崩れるということでもありました。
こんな嫌な思いが最後の思い出として記憶しながら死んでいくのはなんて不幸なことだろうと思います。
全員死んだと思いました。アフタートークで作家の広田さんは、全員が死ぬこと、あるいは誰かが死ぬことまでは考えていなかったとおっしゃり、大変驚きました。ラスト、大きな雨音が流れて終わりました。確かに土石流や裏山が崩れる音ではありませんでしたが、宿屋の主人が、「もうもたない」と言ったことで、こういったことが起こり、宿屋が流され全員死ぬんだと思いました。
満足度★★★★★
<Cチーム>観劇
ネタバレBOX
the pillow talk『ほってもほっても、穴』
マンガ喫茶で暮らす同級生に惚れて、部活を変え、自らもマンガ喫茶で暮らすことになった元マンガクラブの高校生の顛末を描いた話。
漫喫で親子で暮らし、高校に通うという発想が素晴らしかったです。
スズキプロジェクトバージョンファイブ『たとえ話サークル殺人事件』
たとえ話を入れながら会話し、そのたとえ話をお互いに評価し合うことを楽しむサークルの部長が殺された事件を探偵が解決しようとする話。
とにかく楽しく受けました。面白かったです。
最初の殺人シーンで黒子として演じた人がそのまま真犯人で良かったです。本当に殺人事件が起こるのは王道に反しますが、今回の6作品の中ではコメディとしてピカイチでした。
満足度★★★★
<Fチーム>観劇
ネタバレBOX
MU『やっぱり猫が行方不明』
夫にかまってもらいために妻が猫を隠したことによって引き起こされたドタバタ風コメディ。
猫のトイレのごまかし方などはとても面白かったのですが、猫砂は座間市の殺人事件にも使われていたことから笑えませんでした。
ピヨピヨレボリューション『ボーイ・ミート・ガール!!~凝り性のサンタ、苦労する~』
子供が見たり触ったりした物から話を聞くなどして、その子供がほしいプレゼントを調べ上げ、父母に伝えるお仕事をしているサンタクロースが、一人の男の子のほしいものが幼稚園の先生と好きな子のどちらとも決められないながら、その幸せを願うことだと分かったものの、具体的にはどんなプレゼントが良いのかで悩み苦労するミュージカル。
そうそうこのサンタ。可愛くてものおじしない東理紗さんは、小さいけれど大物感があります。
王子小劇場で一度観たことがありましたが細かいところは覚えておらず、どうだったけかなあと思っていましたが、今回のはスピンオフとのことでした。
みんな可愛く、明るく、華があり、才能を感じさせてくれました。別格です。
満足度★★★
膨らませました。
ネタバレBOX
原因不明の山火事で焼失した山小屋跡を舞台に、かつて利用させてもらっていた夫婦と親族が訪れ、この山小屋がお気に入りでちょうど一年前に交通事故で亡くなった幼子のことを偲ぶ話。
思い出の品に対する男と女の感覚の違いのようなものが描かれていました。
夫、山の所有者、妻の三人は、自宅の庭から見た山火事の様子を述べていましたが全く同じ文言、妻の妹は山を下りた駐車場から見たと言っていました。山の所有者が妻の妹を疑ったりしてサスペンス風な展開も期待しましたが、この件に関しては特に根拠もなく、三人が同じ文言だった理由も明かされず、どうでもよかっただけのことかもしれません。
幼子が小屋の先に何かを埋めたという話も、わざわざ現地に来てスコップを持ち出してヒステリックに行動してから真相を明かさなくても、そんなものこれまでにいつでも妹に聞けば済んだだけのことで、お芝居を膨らまそうと見え見えの”為にする”話としか思えませんでした。
劇団の流儀かもしれませんが、裸足の意味が分かりませんでした。特に、山火事の後で黒い煤や燃え残りの危険物があるという設定、そもそも山なので小石などもあるはず、演劇とはこういうものだとしたら時代錯誤の裸の王様です。
満足度★★★★
<Gチーム>観劇
ネタバレBOX
映像・舞台企画集団ハルベリー『オトナモドキ』
川で男の乳首を噛んだために殺された亀の供養にと、飼い主のカップ麺会社の女性専務が男とその妻を呼んですっぽん料理屋で調理してもらうことになり、その会食の席で次第に様々な事実が明らかになっていく様子を描いたシュールで下ネタ満載のコメディ。
鳩男を始め役者のインパクトが強烈で、ストーリー的にも色々なことが絡み合ってシュールで面白かったのですが、少し下ネタがきつ過ぎてコアなファンにはいいのかもしれませんが、家族団欒で楽しむというような雰囲気ではありませんでした。
OLヴィーナスはちみつシアター『りんごの答え』
スマホのAIがその所有者の自殺を思い留めさせる話。
コメディと言うよりはちょっといい話という感じでした。
満足度★★★★★
感動しました。
ネタバレBOX
津波による塩害被害を受けた教え子の畑を救うため釜石に向かうその途中で病に倒れた宮沢賢治が、駅舎兼宿屋で熱にうなされながら妹や友人のことを思い出す様子や、大雨のため数日間居合わせることになった人たちとの絡みを描いた話。
人間が本能に従いつつ、それでも他人のことを考えながら生きていて、どうして地獄に落ちるのでしょうか。初めに地獄ありきの考え方は、誰かに強迫観念を植え付けられたに違いありません。劇中、妹も、あなたは既に救われていると言っていました。この考え方は賢治のお父さんの考え方そのものではないでしょうか。妹と一緒になって新興宗教にはまらなければどんなに良かったことでしょう。
自己犠牲を実践する賢治が具現化した物語「グスコーブドリの伝記」の朗読の件は感動的でした。
満足度★★★★★
【青いポスト】観劇
ネタバレBOX
年に一度の選挙で、一番嫌いな者に選ばれた者は消されるという仕組みのある町で、選ばれそうになった姉と、不正行為をした者は無条件で選ばれるという規則を使って姉を庇って消された妹、そして、こうした事情を窺い知ったときにどのように判断すべきか悩む選挙管理の人たちの話。
小さいときから性格の悪い姉妹でした。姉を庇うなら、黙ってそれに従ってあげればいいだけの話のように思えました。今年まで選ばれなかったのが不思議でもあり、来年は姉化も知れません。
とても分かり易いストーリーらしいストーリーがあって安心しました。
ダンスを挟むことは否定しませんが、歩く途中でストップモーションを入れるようなパフォーマンスは、ワンツーワークスのお芝居を観ているようで、ワンツーワークスもいいお芝居をするのですがその部分が飽き飽きして大嫌いで食指が動きません、ということで、ストップモーションのシーンだけはうんざりしました。
満足度★★★★
だるい感じがいいのかも
ネタバレBOX
最近できた高速道路のサービスエリアだけが産業の何もない町で、手抜き工事から高速道路が崩壊し、サービスエリアの飲食店、ひいては町自体が崩壊していく様と、その飲食店で働いていたさせ子と元させ子の交わりを描いたような話。
イライラさせる女性や金を持って逃げた過去のあるダメな女性、適当な男たちに、非日常的な日常が絡む、全くひたむきでないクズな話でした。
満足度★★★★
収穫もありました。
ネタバレBOX
三人の女優が何役もこなしながら進行していくハムレット。ただし、ハムレットを演ずる者はいないというお芝居。
周囲の人たちがイベント毎にハムレットの様子などを語ることによってハムレットの行動や心境を窺い知るということかと期待しましたが、姿がないだけでハムレットが登場するシーンもありました。一人芝居と一人による芝居の違いのようなものを感じてしまいました。
惨状を嘆くノルウェーの王子が突然登場する理由が今までよく分かっていませんでしたが、デンマークの了承の下にデンマークを経由して自国の領地の紛争を収めに行ったその帰りだったということが分かったのは大収穫でした。
そして今、色々調べてみると、ノルウェーとデンマークの関係の悩ましさも知ることができました。
満足度★★★
ファンタジー
ネタバレBOX
妻を亡くした夫が、妻と出会った思い出の大きな栗の木の下まで車で旅するロードムービー。
途中で出会った人たちも思い出の人たちだったのか、ファンタジーでした。ファンタジーの意味ですが、わけわかんないから、最近ではどうでもいいやという意味に変化しつつあります。
満足度★★★★★
やはり、本気と書いてマジ
ネタバレBOX
麗子と丸子が大衆演劇の即興性とその技量を活かして、一発屋だった演歌歌手の心のわだかまりを解かし、麗子が惚れた男が詐欺まがいの兄に付きまとわれていたのを助ける話。
丸子の付き人をどうにかしようとするのかと思いきや付き人をえげつないくらいにいじって演歌歌手を助け、弟がどうしようもないのかなと思いきや兄の方に問題があったり、瞼の母のような展開が即興芝居だったりと、意表を突かれ大いに裏切られ緻密なストーリー展開に感服しました。
中村まゆみさん、少しまあるくなられたように感じました。
満足度★★★
観ることが育てることの実践です。
ネタバレBOX
ジェスチャー風寸劇コント。
この程度のことで笑えるお客さんが羨ましいです。