谷賢一・田中沙織 結婚式
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/17 (水)公演終了
満足度★★★★★
お幸せに!
結婚式というのは紛れもなく人生最大のイベントであり、誰もが一度は主役になれる最高のステージである。
そういった意味では、見事な公演だった。
こういう企画を考えつくだけで、谷賢一の才能を確信する。
演劇の女神に愛された二人、末永くお幸せに!
TangPeng30
TangPeng30【シアターグリーン学生芸術祭】
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/02 (火) ~ 2011/08/23 (火)公演終了
満足度★★★★
Bグループ、それぞれが全く違う方向で光っていた。
いやすごい、Bグループはあらゆる意味で全く方向性の違う三団体だ。これだけばらばらの三団体の組み合わせは珍しい。それでいてそれぞれが光っているところも驚きだ。学生芸術祭は才能の宝庫だ!とあらためて感動。
慶應大学お菓子な家は、コメディ風味をまぶせながらとてもナイーブな作品。たった4人しか登場しないのにそれぞれが魅力的。特に田中ありすの初々しさと久光裕也の個性が輝いていた。
明治大学コント集団神と仏は、新しいスタイルの笑いを見せてくれた。作演出の中村優作が目指す笑いは世界に通用する笑い。独特の感性が冴え渡った。二本立てだったが、二本目の作品で新境地を開拓した。
日芸白昼夢は強烈なインパクトを残した。この衝撃はバナナ学園を初めて観て以来だ。魔界のヤクザの物語が壮大なスケールで繰り広げられる。とても短編とは思えない。不思議なかっこよさがあった。本公演が観てみたい。
さよなら また逢う日まで
ブラジル
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/08/14 (日) ~ 2011/08/16 (火)公演終了
満足度★★★★
祝、紀伊國屋進出!
ブラジルの新宿紀伊國屋公演。タッパの高さを見事に使った舞台美術がまず秀逸。音楽に乗せた動きがかっこよく、始まった瞬間から引き込まれる。悪い男達のドラマだが、その中で奧田ワレタがしびれるほどかっこいい。
中川智明、奧田ワレタ、高山奈央子、櫻井智也等、登場するのは僕の好きな役者だらけ。このメンバーが紀伊國屋ホールの舞台に立っているというだけで感無量。みんな堂々として立派になったもんだ。
シアタープロット学生演劇祭vol.1
劇団留級座
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2011/08/12 (金) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
熱い気持ちが伝わってきた。
さて、今回の留級座の公演、タイトルからしてシアターグリーン学生芸術祭に対抗意識丸出しである。しかし、そういう前向きなライバル意識は私は嫌いではない。
作品は「Hotel:Fotune」 と「映画好き男の驚愕」の二本立て。私は前者の方が好きだったが、どちらもまだまだ荒削り。ただ、全てにおいて演劇に対する情熱のようなものが感じられ、熱い気持ちが伝わってきたことは事実。
まだまだ発展途上の劇団ではあるが、このような熱い気持ちを持っている限り、いつか、出てくる劇団になるだろう。期待したい。
バッド・アフタヌーン
アミューズ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/08/13 (土) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
爆笑のシチュエーションコメディ
赤坂レッドシアターにてアミューズ主催、「ヒロシです」のヒロシ主演のバッドアフタヌーンを観た。
小峯裕之の脚本が面白く、場内は爆笑に次ぐ爆笑。役者は皆魅力的だったが、特に土屋裕一と菅原永二が特に魅力的だった。
ヒロシは「ヒロシです」のヒロシとはイメージがひと味違い、役者としてもいい味を出していた。
まだあの頃の話
劇想からまわりえっちゃん
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/12 (金) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
大阪から凄い学生劇団がやってきた!
シアターグリーンにて学生芸術祭参加、大阪芸術大学劇想からまわりえっちゃんを観た。関西から最終兵器が東京に殴りこんできたような衝撃を受けた。
二時間を越す大作ながら長いとは少しも感じさせない。しっかりした演技に裏打ちされた笑いと感動で観せきった。
危うし東京勢!
遊眠社時代の野田秀樹のように宇宙から茶の間まで瞬時に入れ替わる縦横無尽の場面転換。演出がみずみずしい。
大阪風の笑いの味付けがありながら、情感あふれる物語はとてもロマンティックでとてもナイーブ。
劇想からまわりえっちゃん、もう一度観たいという気にさせる劇団だ。
マッチ・アップ・ポンプ
キリンバズウカ
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2011/08/06 (土) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
見逃さなくてよかった。
心のひだを丁寧に描き、その中に情愛あふれる人間ドラマを描き出す登米裕一の演出力は見事。登場する役者はすべて魅力的。その中でも田中こなつの初々しい演技と、渡邊とかげの一見おとなしい女の子がスイッチが入ると・・・・という演技が見事だった。
見逃さなくてよかった。
キリンバズウカ、1年1作品はもったいない。もっと観たいぞ。
青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう
コーヒーカップオーケストラ
シアター711(東京都)
2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
新感覚、くせになりそうな楽しさ。
初見の劇団。
不思議な感覚の芝居。最初はこの劇団特有の笑いの質についていけず置き去りにされた感じ。途中からようやくそのゆるい笑いが身体になじんできた。これは意外と癖になるかもしれない。
次回公演を観るとはまるかもしれない!
ヒロインの細井里佳が相変わらず素敵だった。この物語は細井里佳版不思議な国のアリスだ!
TangPeng30
TangPeng30【シアターグリーン学生芸術祭】
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/02 (火) ~ 2011/08/23 (火)公演終了
満足度★★★
Aグループ、テンポ良く、三団体三様の魅力。
池袋シアターグリーンにて学生芸術祭TangPeng30のAグループを観た。三団体三様の面白さにそれぞれのセンスを感じた。
多摩美低気圧ボーイ(ズ)はテンポがよく、息のあったたたみかける演技が気持ちよかった。ただ、五十音ネタは途中で少しだれたのが残念。普段の公演は美術大学らしく舞台美術に凝った作品が多いとのこと。過去写真を見るとどれも刺激的な舞台美術だった。是非本公演を見てみたい。
木皮成には衝撃を受けた。あの独特のダンスはあれだけで劇的だ。ただダンスとダンスの間の芝居は狙いは面白いもののまだまだ未完成。その落差は大きい。しかしあれだけのダンスを踊れる彼のポテンシャルは凄い。きちんとした演出家に使われれば芝居に革命を起こせる俳優になれるだろう。木皮成という名前は覚えておかなければならないと思った。
上智大学大林十姉妹はコメディながら意外と深い。ひとりの女性の生涯を順にさかのぼり、まあまあこそ素晴らしいというテーマは明るく力強かった。個性的な男たちとアイドル的谷菜々子の並べ方が見事で見ていて引き込まれる。ラストシーンは音楽と遊びが融合しながら感動的なシーンとなった。
君の為にシジョウの円卓
劇団総合藝術会議
小劇場 楽園(東京都)
2011/08/04 (木) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
小圷快がすごくいい。ヒロインも魅力的だ。
私が観たのは「宴の終わり」の方。
江古田のガールズの三件茶屋ミワと江古田のガールズによく出る小圷快の二人が圧倒的存在感。もう一人の演出家とピエロもなかなかよかった。ただ、ピエロは僕が観た回よく噛んでいたのでそれが少し残念だったが。
ヒロインの女優はまだまだ発展途上だが、不思議な魅力を持っていると思っていたら、唐十郎の娘だそうだ。血は争えない。
降りそそぐ百万粒の雨さえも
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2011/08/06 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
立川迅助物語の完結編!
『風を継ぐ者』『裏切り御免!』に続く、新選組隊士・立川迅助の物語、完結編だそうだ。今から15年前『風を継ぐ者』で架空の新撰組隊員立川迅助というキャラが誕生した。剣も駄目、頭もよくないが、足の速さだけは新撰組一というユニークな設定が、素敵なキャラクターを生み出した。これで終わりと言われるととてもさびしい気がする。。
若手が新国立で「ナツヤスミ語辞典」をやっている。同時期にこれだけの豪華メンバーで本公演が打てるというところにキャラメルボックスの凄さを感じる。
今回の作品は特に殺陣が華麗だった。キャラメルの時代劇好きにはたまらない作品だ。
パール食堂のマリア
青☆組
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/07/29 (金) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
さらに格調高く!
アトリエ春風舎を中心に細部の細部までこだわったていねいな作りが売りの青☆組。その青☆組が三鷹市芸術文化センター星のホールという広い舞台を吉田小夏がどう料理するのかが注目された。
結論から先に言えば、見事に使い切っていた。特に舞台美術が見事で、街の街灯のようであり、燈籠のようでもある照明が舞台をさらに幻想空間にしている。
うまい役者、磨き上げられた台詞、さほど劇的なことが起こるわけでもないのに、人生の機微に触れ観ている人の心に染みいる情感あふれるシナリオ、すべてが相まって格調高い作品に仕上がっている。
今回、この劇の象徴的存在である娼婦を演じた木下佑子と次女を演じた高橋智子がとても姿勢がいいことに感動。立っているだけで絵になる。魅力的な女優だ。
これから青☆組は劇団制になるとのこと。これからがますます楽しみだ。
ケージ
ミームの心臓
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/04 (木) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
将来が楽しみ!
この作品は17歳の時に書いた作品とのこと。その早熟ぶりにただただ驚く。初日というのに、劇場前には長蛇の列。思わず、隣で公演している虚構の劇団の観客かと思っていたら、全員ミームの心臓の観客だった。早くも人気劇団である。
劇場に入ったらまず舞台美術と照明に参った。舞台が始まる前から世界をしっかりと作り上げている。作品は全共闘世代と現代をからませてメッセージ性の強い骨太の作品に仕上がった。
早熟の才を見事に発揮している部分と年相応の部分が入り交じり、まだまだ荒削りだが、そこから垣間見れるものは生半可ではない。
若さと、才能と、実力と、人気を兼ね備えている。末恐ろしい新人が登場したものだ。
『ナツヤスミ語辞典』
演劇集団キャラメルボックス
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2011/08/03 (水) ~ 2011/08/11 (木)公演終了
満足度★★★★★
生まれ変わった名作「ナツヤスミ語辞典」
新国立劇場でキャラメルボックス×柿喰う客の「ナツヤスミ語辞典」初日を観劇。キャラメルボックスの初期の代表作を売り出し中の若手演出家中屋敷法仁がどう料理するかに注目が集まったが、結論から言えばさすがだった。
スタートはこれがあのナツヤスミ語辞典?と観客の度肝を抜き、観ているうちに、これもありだと観客を納得させるところはさすが。最後はキャラメル同様の感動を観客に与え、カーテンコールはいつまでも続いた。
役者がまた魅力的で、生きのいい若手俳優のショーケースのような作品。上手い役者が揃っているなかで、熊川ふみのみずみずしい演技が光った。
27歳のときに成井豊が書いた作品を27歳の演出家が演出することにより名作ナツヤスミ語辞典が見事に現代に蘇った。
天使は瞳を閉じて
虚構の劇団
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/08/02 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
名作が生まれ変わって蘇る。
若手劇団、虚構の劇団にたったひとり大高洋夫が加わっただけで、ぐっと芝居が落ち着いてくるから不思議だ。安心して観ていられる。第三舞台の名作を弟劇団の若手が現代の作品に蘇らせた。古くささがないどころか、どこよりも新しい。
女性陣のファッションにも感動。いったい何着衣装替えするんだ!そういった楽しみも味わいつつ、鴻上尚史の骨太の物語を堪能。
黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】
声を出すと気持ちいいの会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/07/29 (金) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
圧倒的な様式美。
初日にも関わらず完成度が高く、役者もスタッフも鍛えあげられている。いかに練習を積み重ねて本番を迎えたかがよくわかる。
音楽、照明、動き、そして台詞、この調和が見事。特に場面転換の見事さは特筆もの。主宰山本タカの確かな才能を感じた。
また主演後藤祐哉の命を削るような熱演ぶりにも心を揺さぶられた。
スタートからこの学生芸術祭一気に盛り上がってきた。
過去最高の芸術祭になりそうな予感がする。
岸家の夏【全日程終了!次回公演は2012年1月東京・2月大阪にて!】
劇団鹿殺し
青山円形劇場(東京都)
2011/07/28 (木) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
夏の最強女優祭り
どこかノスタルジックで胸がキュンとなる鹿殺しテイストを残しながら三姉妹のそれぞれの魅力が舞台にあふれる。パワーアップした鹿殺しを堪能した。
猫のホテル千葉雅子、ナイロン100℃峯村リエがさすがの存在感、われらが葉月チョビとトリオを組んで最強のエンターテイメントが出来上がった。
次回は紀伊國屋ホールだそうだ。鹿殺しの勢いが加速度を付けだしたようだ。
愛・王子博
INUTOKUSHI
王子小劇場(東京都)
2011/07/27 (水) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
犬と串恐るべし!
初進出の王子小劇場で犬と串魂を感じさせてくれる圧倒的な公演だった。照明、舞台美術、音響、衣装、そして鍛えられた役者の演技とどれをとっても素晴らしかった。そしてなにより作演出のモラル氏の奔放な才能に恐れ入った。
ここまでやるかというのが正直な感想。一般人の常識を超えるものを用意してくれている。賛否両論かもしれないが、そのチャレンジ精神も含めて感動した。
犬と串恐るべしだ。
MARBLE!
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2011/07/22 (金) ~ 2011/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★
夏の想い出がきらめく作品。
七夕を題材に繰り広げられるたすいち得意のSFファンタジー。学園を舞台に楽しくそして心温まる物語が展開される。
しかし、この劇団は若手俳優の登竜門だ。次から次へと魅力的な若手俳優を探してくることには驚く。またその役者に魅力的な役を作っているのも目崎剛の手腕。今回は永渕沙弥演ずる江崎先生がとても魅力的だった。
【公演終了!次回公演は12月!!ザムザ阿佐谷!!】鋼鉄の処女
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/07/22 (金) ~ 2011/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
スケールの大きなエンターテイメント作品
鋼鉄村松初期作品の大幅改訂版だそうだ。ジャンヌダルクと青髭公を下敷きに繰り広げられる壮大な歴史ロマンエンターテインメント。
スケールが大きく、作演出のバブル松村の物語創作能力の高さを感じる。客席は満席。初日から完成度は高く、見応えがあった。
ムラマツベス、村松かずお、ボス村松など個性的で魅力的な私好みの役者が揃っている。不思議な魅力にしびれた。