
白貝
やみ・あがりシアター
浅草九劇(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
やみ・あがりシアターさんらしい、でも毎回毎回大きく違う、よくこんな発想が生まれるものだなと思う世界設定。
お芝居の構成としては複線回収ってことなんだけど、最初は何のつながりもない点と次々道ですれ違うだけの連続に見せかけておいて、実はそれら全てがまとまってきて…という体験が、このある障害を持つ人物の視点から見た世界…覚えられない他人達の正体とつながりが段々分かってきて…と同じような感覚を疑似体験出来るようになっている、と考えると新しい観劇体験をしたように思った。

ライバルは自分自身ANNEX
宝石のエメラルド座
ザ・スズナリ(東京都)
2025/08/22 (金) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
次々繰り出されるナンセンスなやり取りが集まって次第につながっていく感じのお話でした。
フライヤーも結局謎で中身と関係なさそうですが、なので、前情報は一切なしで観るもののようですね。
ナンセンスコメディってどんなもんだと体感したい人にはザ・ナンセンスな感じだと思います。
会場は最初から最後まで常に笑いが起こっているのですが、こちらのコメントにもあるように、人を選ぶところはある感じがしました。
やり取りのズレが直接面白くてなるほどと思うものもあれば、勢いで笑わされるもの、周りは笑っているけど、えっ今のはなに?なものも。
はまる人にははまるんだと思います。
下ネタとか他のネタも人によって何が笑えるのかという許容度が違うので、大らかに受け入れる姿勢を持って観に行くと良いかと思いました。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)
風雷紡
座・高円寺1(東京都)
2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
小池勇助軍医については、ドキュメンタリー映像や別の舞台を観たことがあり、地元の偉人でもあることから、私自身本を書いて上演したことがあります。
沖縄戦について、ひめゆりなどとは異なる結末のお話である一方、犠牲者も少なかったからか、あまり扱われることもないですが、多くの人に知ってほしいお話であり、今回舞台にしていただき胸が熱くなる思いです。
風雷紡さんの観劇は三度目ですが(前回の舞台も長野…)、風雷紡さんらしく史実に対して誠実に真っ直ぐ描いた、教育演劇のような、教科書のような作品だなぁと思いました。
現代のおばあちゃんが、亡くなった学徒隊の娘という設定で、語り継ぐ学徒隊本人が亡くなりつつある現実が現れていて、戦争の現実を後世に伝えていくタイムリミットを感じました。
色々な人に観ていただき、特に学生さんや若い人に知って欲しいです。

女性映画監督第一号
劇団印象-indian elephant-
吉祥寺シアター(東京都)
2025/02/08 (土) ~ 2025/02/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても良い観劇体験でした。
大正~昭和に実在した人物が逆境を乗り越えて時代の先駆者になる類の話はとても好き。
その人について、時代背景やどんな困難、苦悩や葛藤が待ち受けているのかある程度知っていたり、比較できそうな同じ時代の別人物を扱った舞台やドラマ等を観た上で、単なる事実を並べたドキュメンタリーを観たいわけではなく、どう切り取ってどう描くのかが楽しみ。
今回は初の女性映画監督の話とあり、男中心の業界で認められなかったり苦労する話までは予想出来る。
でもその先がどうなるのか分かっていて、そこはどう描かれるのだろう、と思っていたら、ああそうなるんだと。
あと一週間公演があれば、知り合いにもお勧めしてたのですが、今日終わりで残念。

隧道
劇団ZERO-ICH
駅前劇場(東京都)
2024/12/25 (水) ~ 2024/12/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
遅くなりました。面白かったです。
三面舞台だったので踊りや演奏やも沖縄に行ってみんなで祭りを囲んでみているような感覚だった。
出だしリアルな話かと思ったら、展開が大きく変わって、驚かされた。
扱っている内容はかなり深刻で、沖縄だし、最初から予想は出来てしまったけど、ああ、やっぱりかと、
そこからは笑っていいのか、こんな軽くていいのかとは思った。
でもそういうのを抱えながら沖縄の人たちは前向きに生きようとしているんだということかと解釈した。
演劇なので、目の前にいるリアルな人に感情移入してその人の身に何かがあったら、
映像よりも身近に感じる効果はあると思う。
ニュースで出る他県の人にもその人を大切に思っていた周りの人達がいるわけで、
もしこの人が同じ県の自分の知っている誰かだと考えたら沖縄の人の気持ちも想像できそう。

ゴーギャンおやじ2
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
グワイニャオンさんは二回目、とても面白く最後はスカッとしました!
横田基地は昔近くに住んでいて、飛行機の騒音とかも懐かしく、時代も私よりちょっと前ですが、過去の時代の色々が思い出され、必死に生きる人たちの姿が胸に染みました。

not only you but also me
ヒラタオフィス+TAAC
劇場MOMO(東京都)
2024/10/18 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

8hのメビウス
ウンゲツィーファ
スタジオ空洞(東京都)
2024/10/18 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/26 (土) 14:00
とても面白かったです。
確かに140分には感じなかったです。
特に後半で前半撒いた諸々が加速するように噛み合って展開して楽しませ考えさせするので、終わったときに長さとか忘れて見入っていました。
明日予定が空いてる方、チケットがまだ取れるようならオススメします。

憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても良かったです。
内容は書きませんが、演劇初めてという方でも観やすいと思います。
初見の劇団でしたが、他作品も観てみたくなり、
終演後過去DVDを久々に購入。
取り急ぎ、今日の千秋楽、迷っている方は是非観てください。
感想は後ほど書きます。

カンキの歌
演劇企画アクタージュ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了
実演鑑賞
役者の皆さんは、この作品を大切にして楽しんで熱心に稽古をしてきたんだろうなというのが伝わってきました。
舞台上での一生懸命さとか、ミスもほぼなくそれぞれ役者さん視点では完璧に仕上げたのだと思います。
今回初舞台であったり、普段役者ではない方も含めて、同じ一つの舞台を作ろうとするのは素晴らしいと思います。
それだけに、あれだけコメディ路線でありながら、少なくとも自分が観た回は、ほとんど客席から笑いが起きてなかったというのが残念で、そうなると、ちょっと悩んだのですが、コメディ作品としての今回の評価は控えさせて頂こうかと。
色々要因はあるかと思うんですが、また研究して頑張って頂き、良い舞台を作って頂きたいと思います。
お疲れ様でした。

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー
劇団演奏舞台
演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)
2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最初から最後まで目を離せない濃密な時間と空間でした。
ペットボトル用意してたけど、結局飲めなかった…
まず劇場に入って、劇場のサイズ感と歴史を感じる舞台装置、
劇場に関わっている人、関わってきた人たちそれぞれの小道具など、
舞台に掛ける思いが取り付いている雰囲気を感じました。
演奏舞台ということで、舞台上で演奏されることもあり、
最初と最後は強い存在感を感じるのですが、
本編が進むと役者さんたちの熱演が印象的で、
音楽がシンクロして引き立て役になっていました。
モンペとかそれぞれの時代を感じる衣装や演技も良かったです。
病院の患者着とは違う感じですが、絵的には白が良いですね。
皆さん良かったのですが、最初のプロンプターお二人の掛け合いがコミカルな分、
お若い方が出てからの狂気だったホラーな感じがゾクゾクしました。
最初に演奏していたた受付の人だって途中まで忘れてて、
同じ人だと気づかないくらいでした。
初めて伺った劇場でしたが、休日にとても良い時間を過ごせました。

ゴシック
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
諏訪生まれなので色々想像しながら観ました。のでそういう観点から。
姨捨は県北部のイメージも山梨なイメージもありますが、神社は諏訪だし、今も命懸けの祭りを続ける地域でもあり、酒蔵もありますね。
台本、美術、照明、演出など本当にこんな風習や葛藤があったのかと思うようなリアルさが出ていたと思います。頭にあの辺りの山や崖の地図が浮かびました。
どの劇場もだけど、この劇場は特に特徴を上手く使ってる団体があって、今回も奥まで続く洞穴と、光が見える入口の途中を使った感じから、その場にいるような臨場感がありました。
夏の暑い日に涼しい洞窟でなかなかホラーな話でした。

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる
劇団うつり座
上野ストアハウス(東京都)
2024/08/07 (水) ~ 2024/08/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
お話もですが、老婆役の方々の迫力が凄かったです。
私が生まれる前の時代の戯曲で、学生運動については話でしか聞かないのですが、
国家権力に抵抗してバリケードを張って火炎瓶を投げて機動隊が突入して、というイメージで、
そんな時代に生まれたらしい舞台を時間を超えて体験できるのは演劇ならではだなと思いました。
テロやリンチを思わせる部分も、同時代の人は元はあれだな、とか思いつくわけですよね。
解釈についてはなかなか難しかったですが。
個人的には、大正生まれで戦時に夫や娘を亡くした厳しい祖母が、
私が幼い時分、戦争のことを指して「国のやることは信用できない」と常々言っていたり、
叔父の時代にあたる学生運動についても、内容はよく覚えていないのだけど、色々言っていたなあ、
今生きていたらどう思うのだろうなあ、などと思い出しながら観ました。