酔いどれシューベルト
劇団東京イボンヌ
ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)
2016/11/15 (火) ~ 2016/11/18 (金)公演終了
満足度★★★★★
AとB
カーテンコールで高田正人が言っていたように世界的にも稀有な劇団、というのは、正鵠を射ている。昨今のオペラ界でも活躍華々しい、脂の乗りきった高田正人の言葉だけに重みがある。
Aを見たとき「全く面白くない」と思ったが、Bを見たときに「この劇団がやりたいのはこれだろう」と確信。
それにしてもAとBでこんなに差がつくことがあるのだろうか。正直、驚いた。
Aの違和感はコメディセンスの無い俳優にコメディをやらせているところだ。
Bの優れている点は、適材適所である。
芳賀順子が素晴らしい。
また、Bの中西勝之の歌には驚いた。日本にこんな優秀なバリトンがいるとは。Aの高田は普段テノールが歌わない魔王を見事に歌い上げたが、やはりこの曲はバリトンだろう。高田の持ち味は冬の旅に出ていた。これも素晴らしい。中西の冬の旅も心を打たれた。
しかし、女性の声楽家のレベルの低さに少々驚いた。
あれが劇団員ならこの劇団は団員として声楽家を抱える必要がないと思う。
物語は初演を超えたと思う。(Bのみ)
天使が二人というのは名案だと思った。
初演の天使は一人だったこともあり長すぎると思ったが、今回は二人がかりでキレのあるテンポにしたことで飽きさせなかった。
悪魔の植本潤は花組芝居の看板だけあって、一味違う。
役へのアプローチが読めない俳優だと思う。演技プランも存在感も素晴らしい。
いしだ壱成は東京イボンヌ2度目。前回の「俺の兄貴はブラームス」の時は、いしだ開眼と思ったが今回も良かった。劇団と相性が良いのだろう。ただ、映像のいしだと、舞台のいしだを観ていつも思うのが、映像のほうが上手だといこと。舞台になると繊細な演技が出来ないのか。もしくは演出家がコントロールできていない気がする。しかし、ラストにつれ、彼の持ち味が十二分に出ていた。序盤をしっかりと押さえればもっと良くなるはずだ。
それにしても芳賀淳子という女優を知れてよかった。
笑いを知っている女優だ。
東京イボンヌの弱点は笑いの得意な俳優と縁がないことだと思っていたが、こんな女優がいるなら、是非、使い続けて欲しい。
いずれ東京イボンヌの中核女優になるだろう。
しかし、高田が言うように稀有な劇団である。
このスタイルは、ありそうで実は他に類を見ない。
今回の演出家はクラシック音楽をそこまで愛していないのではないだろうか?ふとそんな気がした。
音楽をゆっくり聴きにいった客の一人としては、芝居部分を短くして、音楽を1曲につき5分は欲しい。
今後、この劇団は、芸術監督の福島だけが演出をするのがベストではないか。もしくは、オペラの演出家にやらせてみるのも良いかもしれない。
とにかく音に興味のある演出家と、笑いに興味のある演出家では、出来上がるものに天地の差がある。
Bキャストは、思い切り笑わせて頂いた分、特に勿体ない気がする。音楽をもっとふんだんに使えるはずだ。
シューベルトの即興曲のピアノ、せめて5分は聞かせないと勿体ない。
グレート交響曲もだ。今後の参考にしてほしい。
しかし、何はともあれ、この劇団に興味が尽きない。
次回はいしだ主演のまま大阪公演?あのカーテンコールが本当なら楽しみだ。
大阪公演も行くことになりそうだ。
出来ればBキャストで行って欲しい。
なだぎ武・山田菜々主演「ドヴォルザークの新世界」
劇団東京イボンヌ
スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)
2016/06/07 (火) ~ 2016/06/10 (金)公演終了
満足度★★★★★
転換だけ謎
大好きな劇団で毎回この劇団を観たらこりっちを思い出し、レビューを書くが、今回の公演は異色だった。過去公演をほとんど見ているだけに、驚いたが、恋愛が無い。これは社会的なメッセージである。現代アメリカ批判とも読み取れる。俳優のレベル、脚本のレベルは相変わらず非常に高い。
一つだけ。あの転換はいったい・・・。もたつき過ぎでは?
オケはところどころに音程を外すが、あの状況ではある程度許容範囲。
声楽家、前作よりグルーブ感がある。声楽の量はあれくらいが良い。
やはり惜しむらくは転換だ。あの半端な美術は全て無くても良かった。
しかし劇団イボンヌの新境地を見たのは確かだ。この劇団のファンはこりっちを全く観ていないのが良くわかる。客層があからさまに違う。それも面白い。
あと、俳優に若干一部レベルの差が・・・・気になる。
良い人は良い。
アンナ役の彼女は見事。
またダンスは一級品。振付師が優秀なのだろう。
今後もダンスを磨いて欲しい。
モーツァルトとマリー・アントワネットは哲学的な問いがあり、深いと思った。
今作は直球だった。
どちらも好きだが、今作は分かりやすい。
久々に無伴奏が観たいと思った。
改めて無伴奏の素晴らしさを思う。
劇団イボンヌのさらなる成長と発展を願う。
宮地真緒主演 「モーツアルトとマリー・アントワネット」
劇団東京イボンヌ
スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)
2015/12/08 (火) ~ 2015/12/10 (木)公演終了
満足度★★★★★
可能性
まあ、彼らは新しいことをやってるわけなのでね、まずはそこに敬意を表します。同時にキャパがでかくなりましたね。これは問題点が分かりやすい。
良い点
・世界観
・着想
・やはりどう考えてもこの演劇スタイルはこの劇団にしか出来ない。そこに今後の無限の可能性を見る。
・石井康太、与座よしあき、狩野和馬が良かった。
悪い点
・アンサンブルの身体能力、発声能力、演技能力の低さ。
・マリー・アントワネットはギロチン前だけは衣装替えをするべきでは?ボロボロの服1枚になれない理由はあったのか?
・声楽家、男女ともに技術に差があり過ぎる。ゲストくらいのレベルを団員の声楽家も保持すべきでは?
・演奏家、指揮者がいない為、演奏の冒頭が必ず揃わない。指揮者は必須では?
・キャパが中途半端。倍にするか、半分にするかじゃない?
以上
福島さん、痛風お大事に。
自称、応援団長として(ワーサル以来でしたが)、今後とも期待しています。
ただ、劇場に戻ったほうが良くないですか?
キャパ600くらいの劇場のほうが良い気がするなぁ。色々遊べますよ。
追記:
「俺の兄貴はブラームス」DVDで拝見しました。こっちのほうが断然良い。
福島真也の世界観が一色に統一されており、揺るぎがない。
今回は、色んな人間のアイデアが入ったんじゃないかな。
少々カオス感があった。
また、声楽家のレベルも前回公演のほうが圧倒的に上。団員を鍛えるか、外部から補強するしか思いつかない。
と長々と書きましたが、次回あたりから、化けるんじゃないかな、という期待を込めて★5!
ショパンの馬鹿!!!~別れの夜~
劇団東京イボンヌ
ワーサルシアター(東京都)
2014/03/18 (火) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】
劇団東京イボンヌ
ワーサルシアター(東京都)
2013/10/01 (火) ~ 2013/10/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
芸術の領域
復活公演で何をするのか期待していていたが、想像を遥かに超えてきた。
これは芸術の領域であると感じる。
戦慄が走った。
世界観とその着想が見事。
ただし、これだけの世界観と、完売、当日券停止を出すのであれば劇場を大きくするべき。
開場時間前の長蛇の列に驚愕。
砂漠の町のレイルボーイズ
とくお組
座・高円寺1(東京都)
2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
傭兵ども!砂漠を走れ! -サバンナ&オアシス-
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
秘を以て成立とす
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2013/03/01 (金) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
みせられて
はぶ談戯
劇場HOPE(東京都)
2012/12/06 (木) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
無伴奏
劇団東京イボンヌ
サンモールスタジオ(東京都)
2011/01/12 (水) ~ 2011/01/19 (水)公演終了
満足度★★★★★
ジャクリーヌ・デュプレ
チェリストの天才といえば映画「ほんとうのジャクリーヌ・ディプレ」が有名。
冒頭のBGMでいきなりデュプレの演奏でもしやと思ったが・・・・
スイングバイ
ままごと
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
遅くなりましたがアップします。
鮮烈な舞台空間。
あの使い方を思いつく演出家が何人いるだろうか。
舞台片隅で固唾をのんで見守りつつ参加して座っている柴さん。
舞台芸術自体が新しく感じられる素晴らしい舞台だった。
途中から台詞にキレがなくなったことが残念といえば残念。
物語をもう少し分かりやすくすることで、より多くの人を引き込めたのでは。
柴さんという方はそこを望んでいないのかもしれないけど。
総合的に、とてもよかった。
奇跡のメロディー
東宝
シアタークリエ(東京都)
2010/09/06 (月) ~ 2010/09/23 (木)公演終了
シューマンに関すること
劇団東京イボンヌ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
虚構と現実の交差の中で
劇団2度目。
悲しいお話。
しかし観劇後の余韻がとても良い。
一遍の詩のような作品。
シューマンは詩人だったらしいが、作品自体も詩のようだった。
最後の交響曲で作品が昇華していくのを感じた。
甲賀の七忍
劇団三年物語
ザ・ポケット(東京都)
2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
『新熱海殺人事件』『ロマンス』『鬼~贋大江山奇譚』
北区つかこうへい劇団
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2009/11/19 (木) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
甘い丘
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2009/10/30 (金) ~ 2009/11/08 (日)公演終了
生きてるものか【新作】
五反田団
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/10/17 (土) ~ 2009/11/01 (日)公演終了
『ROMEO & JULIET』
東京デスロック
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2009/10/24 (土) ~ 2009/10/28 (水)公演終了
グッバイ・マイ・ダーリン
世田谷シルク
小劇場 楽園(東京都)
2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
リチャード・イーター
劇団銀石
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了