1
ゲマニョ幽霊〜試験公演〜
おぼんろ
今まで忘れられていた呪法劇を翻訳して上演というコンセプトだったが、世界の神秘思想、宗教とその異端の歴史をちょっとかじってる私が知らないものだったのであれこれ調べ、そんなもんない、作者の名前を含めて創作じゃないかという結論に達しながら観劇。観劇中は、私の予想の裏付けとなるような、セリフ中のアナクロな部分を発見(「ダーウィンが旧約聖書を…」----設定の時代にはダーウィンはまだ生まれてない)。終演後の種明かしで、私の予想は半分は当たってましたが、架空の作者(とてもイギリス人とは思えない名前)がスエハラタクマのアナグラムという点までは見抜けなかった(くやしい)。会場となった廃倉庫までの行き方を調べることを含め、観劇前、観劇中、そして終演後も楽しかった作品。
2
チョークで描く夢
TRASHMASTERS
開幕直前のタイミングで「時代背景に基づく不適切な表現…センシティブな表現や大きな声・音が出るシーン…観劇中にご気分が悪くなられたお客様は…キャンセル・払い戻しも承らせて…」といった内容のメールがチケット購入先から届き、恐る恐る見に行きましたが、気分が悪くなるどころか、心がいっぱいに、目頭が熱くなる作品でした。
24時間テレビで放送された『虹色のチョーク』が同じ会社を取り上げたドラマということで、良い予習になりました。第2部がこの劇団の真骨頂でしたかね。既に代替わりして、障害者雇用ではベテランの域になっていながらも、まだまだいろんな問題に直面し、新たな気づきや成長の多い波乱万丈の物語に、見ているこっちはハラハラドキドキ。怖い近未来予想が得意の劇団ですが、たまにはこういう心あたたまる系もいいですね。
3
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
ポップなチラシと、取り上げるのがテレビということで、いつもより軽めかと思いきや、ウルトラマンの中でも民族差別を取り上げた伝説的な回へのトリビュートという、いつもながらの重苦しい作品でした。
そういえば子供の頃に…という作家の回想のレベルではなく、差別された経験がありそうな女優、最後の最後に男と暮らしてることをカミングアウトする監督が直接的に体験した不自由や差別を踏まえての、彼らの心の中の怒りや葛藤を知りたかったなあ。
4
SHINE SHOW!
東宝
昨年、アガリスクエンターテイメントによるオリジナル・バージョンを見て、とても楽しかった作品が、規模が大きくなって帰ってきました。現にアガリスクのメンバーも出演してるので、アガリスクの応援として見に行ったようなもんです。インパクトは初演のほうが大きかったですが、有名な役者も参加してスケールアップし、完成度の高まったバージョンも見所はたくさん。
8/29の新聞のテレビ欄に「会社対抗でのど自慢?」とあったので、NHKの夕方のニュースを見てみたら、このお芝居のことではなくて、本当に新宿のビルでのど自慢大会をやってるという内容でした。
5
ステージ『エロイカより愛をこめて』
株式会社Lol
平成の頃はずっと忘れてた漫画です。こてこての昭和な漫画がリバイバルしたのには、何かきっかけでもあったのでしょうか? 怪盗エロイカがあの漫画から飛び出してきたようにそのまんま! ボーナムくんやどケチのジェイムズくん等、なつかしいキャラがたくさん登場。楽しかった。
6
#34「闇の将軍」四部作
JACROW
第3話『常闇、世を照らす』を見ました。小〜中〜高の頃にリアルタイムで見聞きしたニュースの総復習。少し前にNHKのドキュメンタリー番組の角栄特集を見ていたのが良い予習になりました。あの頃の自民党のタヌキジジイどもが大集合。金丸信が怪しさ120%でいい味出してました。
7
舞台「遙かなる時空の中で3 Ultimate」
High-position
何年も前にたぶん見たことのある作品だが、中村誠治郎をのぞいて役者は総取っ替え?
終演後のスピーチによると、中村は15年前、27歳の時に(←わたしの記憶が正しければ)この『遙かなる…』に出演したことで役者の仕事が安定するようになったそうですが、この作品は若手の登竜門的な役割を今でも失っていません。人と作品に歴史感じた瞬間でした。
27日には『十六夜編』のほうも観劇。
8
長い正月
20歳の国
約100年という時間を2家族の大晦日という「超」定点観測で表現。見事。数年前までは中途半端にヤンキーな高校生の熱い姿を描く群像劇が得意な劇団でしたが、主宰の竜司さん、いい具合にオジサンになってきたなあ。今後、どういう作品を作っていくのか、なおさら楽しみになりました。
大晦日の昼公演でやったステージ上ツアーも楽しかったです。照明って熱いんですね。初体験でした。
9
艦隊は動かず
LIB POSSE entertainment LLC
知られざる歴史の1ページ的な作品でした。原作も読んでみます。ベトナムの小さな漁村を舞台にしながらも、120年前の列強がぶつかり合うさまがビビッドに感じられました。
10
ナイゲン
明治大学演劇研究部
高校生の生徒会の会議という設定なので、たった数年前に高校生だった人たちがステージ登場した時の「これだよ!」感は半端ない! アガリスク・バージョンも含めて何度も見ている作品なのだが、全然飽きない。