永村閏の観てきた!クチコミ一覧

81-100件 / 143件中
ゲニウスロキ-GeniusLoci-

ゲニウスロキ-GeniusLoci-

innocentsphere

シアタートラム(東京都)

2009/04/19 (日) ~ 2009/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

予想と違った
チラシの女の子やタイトルから、勝手にロシアをイメージしてました。
(それはゲニウロスキーと読んでいたからだね)
とんだ勘違いでした。
どっちかと言えば和ファンタジー。

観る前の期待が高すぎたため若干拍子抜けな部分あり。
でも楽しめる。

ネタバレBOX

とにかく舞台が凄ぇ!
曲線を描いた巨大な道が2つ交差しています。
1つは上手奥から下手面へ。せり上がるトンネルのような感じ。
もう1つは下手奥から上手面へ。というか客席上へ。さながら高速道路を下から見上げたかのよう。
OP超カッコイカッタ。
席がC-5番だったんだけど、前の方すぎて見切れました。
後ろの席のほうが見やすいぞこれは。

最初は主人公がわけわからん世界に迷い込んでしまった系。
かと思いきやそこは弟の夢の世界。主人公の意思で出入り自由ということが後々わかってくる。
徐々にストーリーの軸が夢の中の世界から、現実世界で起こっている通り魔事件の話に。
ファンタジーだしね、センスいい衣装だしね、舞台セットはカッチョよすぎだしね。
好物ばかりが詰まってるんだけど、ここまでいったら100%私好みであってほしい。こう…微妙なズレがね。
ストーリーの構成とか、言葉の選び方とか、たまに「ん?なぜ?」「え?どういうこと?」と思うことがあって。
根の部分がぴったり合致しないことに対する違和感が後半に行くにつれ大きくなっていきました。

夢の中の登場人物の動機や存在理由がもっと明確だったらなぁ。
感情移入しかけたところで不可解な行動に出たりするからふっと引いてしまう。
その辺にもっとこう、なるほど!と思わせる動機付けがあればもっとよかったなぁ。

目玉はセットと衣装。
なんつってもビジュアルに拘ってますね。
ギリシア神話~神々の誕生編~

ギリシア神話~神々の誕生編~

劇団のらいぬサンバ

atelier SENTIO(東京都)

2009/04/17 (金) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

満足度

えーっと…;
シュール?
ベタ?
ゆるい?
ぐだぐだ?
形容する言葉が見つかりません。

ネタバレBOX

ギリシア神話の神様の誕生の話。
初めに混沌の中から大地の神ガイアが生まれ、冥界の神タルタロスが生まれ…(中略)ガイアから天空の神ウラノスと海の神ポントスが生まれ…(中略)ガイアとウラノスが結婚しいろいろ生まれ…(中略)美の神アフロディテが生まれて皆メロメロになる話。
…をゆるーくだるーくシュールにやる。
ただストーリーを追うだけで、テーマとかそういうのは一切ない。と思う。
面白いか面白くないか聞かれたら、…困惑。
真剣なアフターライブがネタにしか思えず、拍手もできませんでした。

否定するわけではないです。
そういうジャンルも全然有りだと思います。
が、私はもう関わらないだろうと思えます。
エスカルゴ

エスカルゴ

こゆび侍

王子小劇場(東京都)

2009/03/25 (水) ~ 2009/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ぬめっとした透明度
機材トラブルかなぁ。下手のスピーカーの音がたまに飛んでました。

チラシの文面からすると、代わる代わる女を食いちらかしていくような印象を受け、青髭みたいな肉欲にまみれた感じを想像していたのだけど、意外にピュア。
男ってダメな生き物だなぁと愛おしく思えます。



ネタバレBOX

高校生らが張り倒したくなるくらいに憎らしく思いましたった。
すごい嫌悪感。
しかしあまりにもリアルでちょっと浮いてた気が。

交錯していく欲望の中で下手したら客が嫌悪を抱きそうになるところを、女優2人が見事に支えている。

まず佐藤みゆきさん。
ちょくちょくお名前は見かけていたけど納得。超可愛い。
結果的に悪女だったけど身体をはった演技には拍手を送りたい。

そしてヨシノさんが素敵。
狂っているのに、どこか透明感があって、包容力があって。
阿部定のごとく捥ぎ取った時にはもうどうしようかと思ったけど(笑)
ずっと湯船の中にいたわけで、こんなに移動しない芝居はなかなかないんじゃないかなぁ。
壁に水面が揺れる影が映っていたんだけど、衣装が濡れてなかったので水は入っていなかったのかな?
新選組

新選組

劇団め組

SPACE107(東京都)

2009/03/25 (水) ~ 2009/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

知識がなくとも
私、新撰組についてはさっぱりです。
そんな私でも楽しめました。

殺陣はさすがの迫力で、下手に効果音が入ってなかったのでいい感じでした。
勤皇志士との戦いよりも、粛清で仲間を手にかけるシーンの方が多く、その心の葛藤を中心に描かれていきます。
苦悩しながら人を殺し続けて、結局何を成し得たかと言われたら「何も」って感じなんですけど。
桜吹雪に誠の文字を掲げられて威風堂々といった感じで立たれたら、格好良いとしか言えないです。

ネタバレBOX

ストーリーは、宿の手配が出来ずに芹沢鴨と仲違いするところから始まります。
京都到着のその日に島原の芸子さんの団体に出会い、その後も彼女らを交えたストーリー展開になるのですが、この芸妓さんたちが超綺麗。
綺麗なだけでなく、勝気だわ、健気だわ、いじらしいわでもう京女万歳。ああ嫁にしたい。
ファウスト第一部

ファウスト第一部

劇団地上3mm

アレイホール(東京都)

2009/03/20 (金) ~ 2009/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

雰囲気◎
wikiでストーリーをなぞってからの観劇。
ファウストと言えば悪魔メフィストーフェレスと契約しこの世のすべての知識を授かる代わりに四肢を裂かれて死んだというどこまでもイッちゃった人で、狂気に満ちたおどろおどろしいお話かと思いきや、
意外に純愛ストーリーだった…。

第一部ではファウストの悲劇性が薄く、むしろグレートヒェンに感情移入してしまう構成なので、第二部が観てみたい。
あの有名な台詞も是非。

ネタバレBOX

舞台美術の雰囲気がよいです。

ファウストが結構軽いノリで、メフィストも上品な老紳士風味で描かれてるので、ダークな部分が少なく、逢瀬の方が重点的に描かれてる感じ。
母親を毒殺したとか嬰児を水に沈めたとかは台詞で説明されちゃう。
あぁちょっと肩すかし。

しかしとにかくきっちり真摯に戯曲に向き合ったんだろうなぁという印象。

ただワルプルギスの夜のマイクパフォーマンスだけは理解不能でした…。
グレートヒェン役の佐山花織さんが素敵でした。
なんといっても歌がお上手。狂った時に歌うマザーグースの歌の薄ら寒さといったら。

乙女、ロレーヌより来る。(追加公演決定!)

乙女、ロレーヌより来る。(追加公演決定!)

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2009/03/19 (木) ~ 2009/03/25 (水)公演終了

満足度★★★

今後に期待
たぶんここの作・演さんは私と趣向が近い。
シリアスとギャグのバランスが。
それだけに何か既視感を感じてしまってちょっと恥ずかしい。
大衆向けにはできているけど…。
役者が相当うまくないと目の肥えてる演劇人の興味を引けないんだろうなぁ。
(そういうどっちをターゲットにするかの葛藤が対談パンフに書かれてました)

ネタバレBOX

旗を用いての戦闘シーンは、動きが簡単なのに派手に見えるナイスな演出。

ちょっと感情の移り変わりが見えなかったかも。
「ジャンヌは俺の世界を変えた俺の英雄だ」という言葉にもイマイチ納得がいかず。
ジャンヌ…なんかしましたっけ?

歴史ものはどれだけ時間の経過を感じさせるかが鍵ですよね。

ストラップ・オン・ザ・サードクライシス

ストラップ・オン・ザ・サードクライシス

舞台芸術集団 地下空港

ギャラリーSite(東京都)

2009/03/21 (土) ~ 2009/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

素敵でした
床には四角く紐が張ってあり、その四隅から天井へ紐が伸びています。
透明な立方体があるイメージ。

まず登場したのは柴やお(サイヤオ)さん。
(あれだけ連呼されればさすがに覚えますね)
自己紹介から始まり、最近あった不思議なことを話し始めます。
前説?と思っていたらそれがストーリーの始まりで、彼がだんだんと別人になっていくという不可思議な事件に巻き込まれていきます。
別人になる過程で絵のパーツも組み替えられていきます。
柴さんのプロフィールは本物なので、現実との絶妙なリンク具合が不思議なリアル感を醸し出しますね。

個性的なキャラクターとその風貌。
主人公が展開にどんどん流されていく様は不思議の国のアリスみたい。

何と言ってもアコーディオンの生演奏が素敵でした!
臨場感が素晴らしい。
普段あまり触れない楽器なので新鮮味もあってよかったです。
アコーディオンユニットmomo椿 さん。要チェックです。

独走

独走

ガレキの太鼓

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2009/03/20 (金) ~ 2009/03/23 (月)公演終了

満足度★★★

季節はずれ…?
病院の地下室(元霊安室)に集まる入院患者たち。
毎日コンパのような会をこっそり催していた。

というそれだけのお話が1時間50分続きます。
有体に言ってしまえばそれだけ。
人間の人生もそれだけ。そんなもん。っていう風に表現したくなるストーリーでした。

長い…かも。
何気ないシーンを切り取って見せる。
それはもちろん何気ない=特に意味のないシーンもあるわけで、取捨選択してもう少し洗練されたストーリー展開になっていたら見る側に親切かも。
あ、でも本当に1日の中の1時間50分を切り取ったような感じだったので、それがやりたいことだったらそれはそれでいいのかなぁという気もする。

旗揚だけあって、劇団名とタイトルの意味するところが量れず。
もっと団体としての色味がでてきたらよい劇団になるやも。

ネタバレBOX

何故今この季節に豆まき?
芝居が回を重ねるごとに大量の豆を消費するんですよね…
なんだか勿体無い気も。
っていうと節分っていう行事自体を否定することになりますね(笑)
向こう岸

向こう岸

演劇集団 神のみそ汁

銀座みゆき館劇場(東京都)

2009/03/18 (水) ~ 2009/03/24 (火)公演終了

満足度★★★

こういうのを取り上げる団体がいることはとても重要
このテーマを選んだことは凄い。←私も詳しくないので調べました。

この芝居の本当のところはこうやって世間に知ってもらうこと・興味を持ってもらうことだと思うので、その点で言えば大成功ですね。

ネタバレBOX

みゆき館は前に一度来ているはずなのに劇場の作りが全然違う気がするのはどうして?
開幕したら謎が解けました。
客席と舞台を逆転したセットだったのです。なるほどね!

結果、感染者だとわかる前は芝居=嘘であったわけで。
芝居は本来嘘であることを承知して見ているもので、嘘だけれどそれを本物と認識して見るのが観客の役目。
というか本物なんだと信じ込んで見る癖ができています。
でもその本物だと思っていた嘘が本当に嘘でした…となると物凄い戸惑うというか拍子抜けというか。
人物たちの芝居に合点がいかなくなってくる。
貴方はそんな重い暗い枷を背負っていたのにどうしてあんな顔で笑えたの?と思う。矛盾。

だったら嘘を演じているシーンに嘘かもしれない…ということを匂わせるべきだと思うんですよね。
伏線はって「ん?なんかおかしいぞ?」って客に思わせてくれないと不親切。
「いい意味で裏切られた」感じにしたかったのでしょうが、これは凄く後味の悪い裏切りです。

伏線入れてて私がそれに気付いてなかっただけだとしたら申し訳ない…

途中すごく時計の秒針の音が耳についたのは、患者の命の刻限を暗に示していたのかなぁ?
アタシだけ楽しいの

アタシだけ楽しいの

バナナ学園純情乙女組

王子小劇場(東京都)

2009/03/11 (水) ~ 2009/03/15 (日)公演終了

満足度★★

バナナ<柿?
脚本は中屋敷色が濃厚で、洗練されればさぞかし面白いものになるだろうなとは思うけども。
とにかく「時間が足りなかったんです」ということが目に見えてしまって残念。
本編より完成度の高そうなおはぎライブは見ずに帰ってきてしまいました。
バナナに2300円かけるのであれば、その金を使って柿を観に行きたい。

ネタバレBOX

脚本アップがめっちゃくちゃ遅れたというお話だったから、その話を聞いていればここまで頑張ったのは凄いなぁとは思うけど。
それでもお金をとる作品と考えた場合、他所の濃密に稽古を重ねた2300円には劣る印象。

というのもどうしても柿と比べてしまう自分がいる。
どんなに呼吸を合わせても柿の統率力には劣るっていうか。
個々がキャラ負けしてるというか。
演出が気になるというか。
別の団体なので仕方ないとは思うんですが、だったら中屋敷氏がやればいいじゃん!とも思う。
個人的に暴力と下ネタが受け入れられなかった。

しかし各所に盛り込まれたネタはにやりくすりとさせられます。
特に台詞飛ばしてダメ出しされて舞台裏から「ドンマイ!」とか言う声が聞こえるところ。
こういう悪ふざけ的なのは面白いんだよね~。
饒舌な秘密

饒舌な秘密

WANDERING PARTY

「劇」小劇場(東京都)

2009/03/13 (金) ~ 2009/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

え?え?何?
今までの「劇」小劇場のイメージとは全然違う舞台づくり!
さすが、2007年度若手演出家コンクール最優秀賞のあごうさとし氏の演出。
やることが変。(←褒めてる)

群読が非常に多用されていたんだけど、この一糸乱れぬ呼吸の合いっぷりは素晴らしい。
ただストーリーにきっちり起承転結がないので若干意図不明な演出がある。
けどそれを「何だろう」から「何だかよく判らないけどすげー」って思わせられるって凄い。

ネタバレBOX

まず靴を脱がさせられる座布団席。
席はゆったりめにつくってあり、三方向客に囲まれた舞台。
その舞台にはモニターがあって客席の映像を映し出してる。
私の隣には役者と思われる黒装束の謎の紙仮面の女性。
どうやら客にまぎれてあちこちに役者が座ってるようです。
天井にも役者が控えててぶら下げた足が見えてるよ!
どうやらこれは異様なお祭り。
そして客にもこの異様さを強いる模様。
まず受付で自分を表す漢字一文字を書かせられる。
そして目の部分だけくり抜いた紙の仮面(衆と書かれています)を被らせられる。
強制ではないんだけど、被れば2倍楽しめるって言うんだもの!
これはもう被るしかないでしょう!
私は芝居を観るときはメガネっこなので仮面の上からさらにメガネ(笑)

真っ黒い日の丸(白い部分も赤い部分も黒)にお客さんから集めた漢字一文字を読経しながら書き連ねていくのですよ。
わけわからんです(笑)。しかしうまい。
強制的に客も芝居に参加させられています。うまいなぁ。
東京ノーヴイ・レパートリーシアター

東京ノーヴイ・レパートリーシアター

TOKYO NOVYI・ART

東京ノーヴイ・レパートリーシアター(東京都)

2008/12/18 (木) ~ 2009/05/30 (土)公演終了

満足度★★★

濃密。
横に長~い舞台。席は2列しかない。全部で26席しかない。
これってとんでもなく贅沢なんじゃなかろうか!

開幕すると笛や鐘や太鼓の音。コロスがずっと舞台奥に控えていての生演奏。
対峙して台詞を言い合うことはほとんどなく、椅子に座って客の方を見ながらの芝居とはなんとも不思議な演出です。
リアル芝居を追求しているだけあって大仰な身ぶり手振りはなく移動も極めて静か。
台詞も聞こえるか聞こえないかくらいの音量だったりして、こんなに足を組み替えるのを躊躇う芝居は初めてかも…。
やはり向かい合って会話をしないからか、それぞれが単体で上手という印象。
ちょいちょい噛んでたしね。
しかし芝居と観客に対する真摯な姿勢がとてもとても好印象。
他の作品も見たい。

倫敦妖精物語 Unseelie Court

倫敦妖精物語 Unseelie Court

劇団三年物語

SPACE107(東京都)

2009/03/08 (日) ~ 2009/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

チラシとタイトルが弱い
中身は濃厚なのに。勿体無いなぁ。

あのテンポ、早口な台詞、絶妙な間の潰し方。
相手の台詞なんか絶対聞いてない。私は好きです。
このテンポは一言一句完璧に台本を暗記しているからこそ。
かつ流暢な滑舌がなきゃ実現できない。
その上で身体の動きや表情もくるくる変わっていくんだもん。
そりゃ惹き付けられますよ。

ホネノウツワ

ホネノウツワ

zupa

小劇場 楽園(東京都)

2009/03/12 (木) ~ 2009/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

靴下かぁ…
オムニバスのように抽象的なシーンの連続。

ネタバレBOX

芸術を「骨から肉をつくる行為」と捉えて、骨から肉のついている女体を想像し描き出すという指名を受けた男2人がまずは理想の骨を探し出そうとする話。
最終的に理想の骨は愛する女の中にあるため、じゃあ女を焼こうという結論に至る。

狂気は「叫ぶ」か「笑う」かでしか表現できないのかなぁ。
ちょっと前に出すぎた印象を受けたので、それ以外の手法を探してみたいと思った。

誰も寝てはならぬ 

誰も寝てはならぬ 

国道五十八号戦線

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2009/03/05 (木) ~ 2009/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

終演5分前
面白かった。
パンフレットの「終演5分前までお楽しみください」の文字に期待しながらの観劇。

役者さんの安定感がよい。
最初の反響具合と足音が若干気になったけど。

ネタバレBOX

素に戻ったときのそれぞれのキャラの変わりようがとても素くさくて面白い。

見られ慣れていない客としてはこの居心地の悪さは初体験。
知らぬ間に観客参加型に移行させられている…。うまい。
『誰も寝てはならぬ』というのは実は客にむけてのメッセージなのかも。
余裕ぶっこいて観てんじゃねぇよと。
…ぞくっときた!

アプローチの仕方が面白い。次回も観たいな~。
double face

double face

ノアノオモチャバコ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/02/27 (金) ~ 2009/03/03 (火)公演終了

満足度★★

脚本が…
2時間長い…。

導入と結部分のシンクロニシティ。
シーンの連続と場転の多様。
現実的な面での芝居と、抽象的な奥での芝居の使い分け。
好きな手法がこんなに散りばめられているのに飽きたのは何故…。
もうちょっとコンパクトにまとめてほしかったかも。
話が繋がらず途中で考えることを放棄してしまった自分がいた。


あと脚本の荒が。
結局瞬きした瞬間に人が消えるのは物理的に無理でしょ?
その現象によって事件が始まるのに、そのからくりの説明を省かれたので消化不良。
各登場人物の目的が不明なままで、イマイチ感情移入できず…。

初っ端とラストに使われた言葉の運び方はとても好み。
演出面では「お」と思わせる場面が結構ありました。
場転の仕方というかシーンの入れ替わりが実に巧妙。
リズムを意識した役者の出捌けが素敵。
それに上手くのれる役者さんも相当鍛えているのでしょう。


なのでやっぱり脚本がなぁという印象。

誰

掘出者

サンモールスタジオ(東京都)

2009/02/14 (土) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

興味深い
話の節々に高崎線が出てきて、地元民としてはにやり。
背景が近未来な感じで、社会情勢の悪化等で他人を信頼できないような時代になっている。
でもこの時代は下手するとすぐに来そうな気がする。

リアルな演技で、笑いどころもあって(おっぱいとか)でもダークで、
ぐるぐるどろどろしたものを薄皮で表面的に覆っているような芝居。
針を刺したら全部こぼれちゃう。そんな印象。
観客としては非常に興味深く面白かった。
しかしこれを役者としてやったらテンションがん下がると思う(笑)

女の平和

女の平和

JAM SESSION

「劇」小劇場(東京都)

2009/02/13 (金) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

すっきり♪
馬鹿馬鹿しくも三大欲求には人間勝てないのかも。
背景に流れる戦争の映像、後半の子供達の笑顔、BGMにより強制的に鰻上る爽快感。
下ネタ満載なのに観終わった後のこの爽やかさは何なのでしょう。
凄いすっきりな60分。

やっぱりJAM SESSIONは面白いなぁ。
2回観て面白かったのだから今後も面白いでしょう。

ネタバレBOX

太い大根?
長いかぼちゃ?
テトラポッドの先端?
あの太さを形容できるものを私は知らない(笑)
年をとった鰐の話

年をとった鰐の話

PORT+PORTAIL

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/02/07 (土) ~ 2009/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

絵本のなかに入ったような
ダンスと朗読と影絵のコラボレーション。
朗読と影絵で表す親子の会話から鰐の話になり、途中にコンテンポラリー的なダンスが入ってまた朗読+影絵に戻る。
体の関節を駆使して、鰐のごつごつした感じ、蛸のうねうねした感じ、その他の動物や無機質なものなど、同じ人間の身体とは思えないくらいに違う印象を与えてくれます。
人間の身体って無限大だなぁ。

今まで味わったことの無い世界でした。


ネタバレBOX

鰐が陸に這い上がる時、人間の身体の上を器用に上っていくところで、人が人の上に乗るということがああも簡単にできるものなのか?と思いました。
いや、簡単に見えるだけで実際ものすごく努力と練習と減量が必要なんでしょうが。


鰐のキャラクターが不可解でで不条理でとてもよかった。
怖いなぁ。悪気が無いところがまた怖い。
愛情や優しさもちゃんとあるのに欲望(食欲)の方が優先されてしまう。
食べているその瞬間には何を思っていたんだろう。
見終わったあとでも思いを馳せることができ大変楽しませていただきました。
原作も気になるところです。

『a day』

『a day』

劇団チョコレートケーキ

ザ・ポケット(東京都)

2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

満足度★★★

考えさせられる…
テーマでした。

登場人物の相関図をつくったらすべてに線が繋がってるはず。
無関係な人が一人もいない。
そこはそういう関係だったのか!?と良い意味で裏切られ気持ちよかった。

ネタバレBOX

しかし会話のテンポが遅く、間を執拗にあけるためやや中弛み。
すべての話が繋がり始めたのは1時間半が経過してからだったので、もっと詰めたらもっと集中できたんじゃないかな?
耐えきれずに帰る人が2、3人いました。

生まれてくる子供が病気であったときどうするのか。
半身不随の子供に殺してくれと頼まれたら?
出産によって自分が死ぬかもしれないという恐怖。
逆に愛する人を失うかもしれないのに出産に踏み込むかどうか。

そういうことを考えると芝居の内容に関係なくなんか泣きたくなりました。
難しいテーマに挑んだことには拍手。

だがしかし2時間はやっぱり長い…。

このページのQRコードです。

拡大