
だいたいみんな躍ってる2024
ユトサトリ。
小劇場 楽園(東京都)
2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/12 (木) 19:30
観るの2度目のユニット。女子あるある、な展開かと思ったら、意外に凄い方向に進むのが面白い。(3分押し)105分。
2021年に初演された作品の再演だが、初演は観てない。中堅女子社員2人が新人女子にリードされて、先輩の結婚式のサプライズで披露するダンスを練習しているが、当の先輩が来たり、主任と会計士が戻って来たりで、女子6人が展開するコメディ。最初は女子あるあるな話っぽく苦笑しているが、終盤でそれぞれが抱えるシビアな状況が展開され、それでも笑えるんだけど、どう収集するんだろう、と思っていたら力技で終了。やられました。

夫婦パラダイス〜 街の灯はそこに 〜
シス・カンパニー
紀伊國屋ホール(東京都)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/19 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/10 (火) 18:30
日本文学を題材に北村想が好き勝手書いたホンを寺十吾が演出するシリーズの第10弾だが、かなり面白い。(2分押し)105分。
題材は「夫婦善哉」だが、舞台の雰囲気は昭和ながら、IRやら万博やらの話題も出てきて時代もよくわからない。カッパの話や陰陽師などおどろおどろしい要素も加わるが、とにかく細かく笑える。尾上松也・瀧内公美の夫婦に段田安則・高田聖子・鈴木浩介らのベテランが加わり、若手の福地桃子も大活躍で、何だかわからないけど、楽しんだ。

共闘者
月刊「根本宗子」
TOKYO FM HALL(東京都)
2024/08/31 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/05 (木) 18:30
久々の根本宗子、久々の TOKYO FM ホール、だが、根本らしいファンタジーコメディ。(2分押し)135分。
高校演劇部だった女子5人が大学の演劇科に入って劇団を作ろうとしたけどメインの京子(前田淳子)が突然去って行って…、の物語。ありそうな展開だが、途中からアリエナイ展開になって、その辺が根本らしいファンタジー。細かい「技」も使って、楽しい舞台になっているが、何故、が最後まで分からないあたりはちょっと…、な感じも残る。ライブな会場でセリフが発散するきらいはある。

朝日に願え 夏公演
朝劇三軒茶屋1年ロングラン公演
三軒茶屋orbit(東京都)
2024/08/21 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/01 (日) 11:30
続いてオールシーズンチームを観た。4月に観たのと、また違う感触。(3分押し)58分。
4月にも観ているキャストだが、また違った味わいを見せてくれた。やはり良く出来た戯曲で、役者陣の力量が見せ場。

朝日に願え 夏公演
朝劇三軒茶屋1年ロングラン公演
三軒茶屋orbit(東京都)
2024/08/21 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
9時開演の夏チームを観た。全員が女優になり、また雰囲気が変わる。56分。
4月に、春チーム、オールシーズンチームを観たので、流れは分かっているが、役者が変わることで大きく雰囲気が変わるところが面白い。本作では島崎役が女優(堤千穂)になったことで、ちょっと攻撃的になってる。

三ノ輪の三姉妹
かるがも団地
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2024/08/31 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/31 (土) 13:00
好きな劇団が三鷹で上演だが、いい話だけれど、いつもとちょっと雰囲気が違う気もする。(1分押し、前説2分)119分。
初見から5作品続けて評価星5つの劇団。本作もいい話だが、家族の葛藤を描いて、ちょっと新しい気もする。三ノ輪にすむ箕輪三姉妹の次女・苑子(冨岡英香)は母の癌が分かって、いろいろと大変だが、同居する3女・茜(瀧口さくら)はそれほど気にしてない様子で、10年前に出て行った長女・葉月(中島梓織)と偶然出会うが素っ気ない様子で…、の物語。取り巻く人々との様々を描いて、しっかりとした「ホームドラマ」になっていた。母役のはぎわら水雨子と看護婦役の村上弦のやり取りがとてもいいが、3女のカレシ役の岡本セキユの存在感が素晴らしくいい。

ねえ、あのさ、
イマにヒとコへ(え)
インディペンデントシアターOji(東京都)
2024/08/29 (木) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/08/30 (金) 19:30
初見のユニット。クオリティが高く哲学的な展開と思う。(5分押し)110分。
言葉で正確に伝えるための3種類の辞書がある世界、という設定が哲学っぽい。結婚まもなく1年と言う夫婦が、庭を巡って言葉をやりとりするが…、の物語。徐々に現われる登場人物の造型もしっかりしてて、質の高い芝居を見せてくれるが、そもそもの世界観と言うか問題設定が私にフィットしていなくて、充分に楽しめなかった。ゆでちぃ子。を本拠地で観られると思ったのだが、体調不良で降板だと言う。残念。

『海月』「〜いつも編・いつか編〜」
海ねこ症候群
王子スタジオ1(東京都)
2024/08/27 (火) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/30 (金) 17:00
「いつか編」を観た。「いつも編」→「いつか編」の順序が良い。シリアスなファンタジーの続き的作品。(2分押し)55分。
「いつも編」の13年後、なぜか4人で女子会をしているのだが、途中から深刻な展開に戻され…、の物語。「いつか編」を観た後だと、すごく腑に落ちる展開で、キーになるセリフも巧く使われている。「いつも編」と同じく、内容は深刻だがファンタジーなので落ち着いて観ていられる。セリフの確認をしたいのだが、上演台本を売っていないと言う。残念。

『海月』「〜いつも編・いつか編〜」
海ねこ症候群
王子スタジオ1(東京都)
2024/08/27 (火) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/30 (金) 14:00
「いつも編」を観た。観るの2度目のユニット。シリアスなファンタジー。50分。
4人の女子高生の日常を描いているようだが、その1人ノリは他の3人の記憶がない。いろいろあって山に上る4人だが…、の物語。王子の「見本市」で上演された作品のブラッシュアップということだが、元は観てない。途中から深刻な状況を描いているんじゃないか、という気がして、それは当たるんだけれど、ファンタジー仕立てなので、それほど深刻な感じはない。前作もファンタジーだったので、そんな作風の劇団なんだろうと思う。それはそれで悪くはないし、今後に期待できる。

ゴシック
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/14 (水) 19:00
おどろおどろしい物語だが、興味深く観た。104分。
明治期、長野の山村の旧家での「姥捨て」を描いて、面白い物語になっていた。オープニングから重々しく始まり、若い世代のさまざまを描き、親の世代の葛藤へと展開して、「御山入り」のクライマックス、と、ある意味分かりやすく展開され、非常に面白く観た。鵺的『バロック』へのオマージュと謳っているが、そう思わなくても理解できる。近年は、実際の事件を扱って好評だった同劇団だが、以前はこの種の伝奇的物語もやっていたなぁ、と思い出した。役者陣も好演だが、「妖し」の気分をしっかり背負った祥野が目立つ。前半と後半で違った演技を見せる吉水雪乃も凄くて、長い髪が美しく印象的なシーンがあるので、見逃す勿れ。

ミセスフィクションズのファッションウィーク
Mrs.fictions
駅前劇場(東京都)
2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/12 (月) 16:00
3団体が中編をそれぞれ上演するショーケース。それぞれの味をしっかり感じる楽しい舞台だった。48分,42分,44分。
なかないで毒きのこちゃん『ハオちゃんはデートです。』は、西くんと初めてのデートに行くのに洋服を選ぶハオちゃんだが、さまざまな心が沸き起こって、…という物語。同団体らしい味と愛のある舞台だった。
日本のラジオ『浴室にて改』も、彼ららしいブラックなストーリー。旅する男女2人が、たまたま知り合った女性に家に誘われるが…、の物語。前半は男女2人の個性がブラックなのだけれど、後半は女性の存在感がブラックで、リアルにやったら気持悪くなるレベルなんだけど、無機質なセリフの言い回しが、それを回避してる。
Mrs.fictions『およそ一兆度の恋人たちへ』も、愛にあふれた作品が多い同劇団らしいウルトラマン愛にあふれた作品。ウルトラマン・ヲタクの彼と半同棲する女子大生・U子が、ウルトラマンを復活させようとするが…、の物語。神は細部に宿る、と言うか、細かい差異にこだわる面白さがあって、脚本と演技者の双方の巧さを感じる。
3劇団の組合せがサイコーで、こんなに作り方が違う劇団を一気に観られるというのも豪華。

ガチゲキ!!復活前年祭
『ガチゲキ!!』実行委員会
アトリエ春風舎(東京都)
2024/08/08 (木) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/12 (月) 12:00
「くによし組」を観劇。いや本当にシュールだが、何となく「愛」を感じる78分。
生まれてから急速に大きく(重く)なってしまう赤ちゃんの母と父と取り巻く人々の物語。愛されることでドンドン大きくなってしまう赤ちゃん、という設定そのものがシュールな展開で、ありえねー、のだが、何だか説得力を持つ。ナレーションで物語を進める手法を取る國吉だが、本作ではナレーターがさまざま変わり、ちょっと雰囲気はいつもと違う。

はやくぜんぶおわってしまえ
果てとチーク
アトリエ春風舎(東京都)
2024/08/01 (木) ~ 2024/08/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/03 (土) 18:00
2023年初演の作品を再演。女子高の教室の風景が描く重い問題の行方。63分(4分休んでアフタートーク22分)。
昨年初演され劇作家協会の新人戯曲賞の最終候補に残った作品の再演で、初演も観ているが、今回も「重い軽さ」と呼べる芝居だったように思う。
女子高の教室に集まる5年の女子校生と若い女教師の描く学園生活と、その中から見えて来る重たい問題…。女子校生らしい軽くポップな会話で展開される物語だが、徐々に隠されていた重さが緊張感を呼ぶ。展開される芝居のクオリティが高いのは言うまでもないが、観客も内容に意識があるせいか、笑って良いと思えるシーンでも笑いが起こらないのは何だかなぁ、の気分にはなってしまう。

エンドゲーム
ルサンチカ
アトリエ春風舎(東京都)
2024/07/19 (金) ~ 2024/07/27 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/07/26 (金) 19:00
初見のユニット。ベケットの2作目だそうだが、『ゴドー…』と同じく分からない。分からなくて分からん。108分。
不条理劇だから良く分からないのは覚悟していたが、全然分からん。壊滅した近未来世界でシェルター的なところで、足の悪い盲目の男が子どもらしい足の不自由な男に命令を出す…、な展開。タイトルはチェスの終盤戦を意味するらしいが、人生の終盤戦か、世界の終盤戦か、言いたいことは感触でしか残らないけど、春風舎のサイズで大声を出されると、それだけで引いてしまう人間もいることは理解してほしい。

楽屋
劇団ロオル
蓮根駅前劇場Sunny32(東京都)
2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/26 (金) 14:00
初見のユニット。💋チームを観た。定番の戯曲だが、とても面白い舞台だった。80分。
ユニットとしては初見だが、傳田圭菜は10年くらい観てるし、寺田・本山もProjectNyxやPSYCHOSISで観てる。戯曲も何度も観てるのだが、観る度に印象が違い、演者や演出で変わるものだとは思っていたが、数多く観た中でも1・2を争う面白さだったと思う。多くは女優A(寺田)・B(本山)のやり取りに重点を置くことが多いと思うが、本作ではC(傳田)・D(天宮)のやり取りが力が入る。こんなに攻撃的なDは初めて。事件後のCの独白の迫力も凄い。全体にテンポよく演じられ、早く過ぎる印象が心地好い。初めて来た劇場で、本当にここでいいのか、と思って階段を上っていくとある、そんな劇場だった。近接感が強い。

涼月の記
日穏-bion-
テアトルBONBON(東京都)
2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/24 (水) 19:00
ベテランユニットの「いい話」で、帰り道がほっこりする芝居。(5分押し)104分。
栃木の田舎町で営業してた居酒屋が閉店するために店主の俊彦(剣持直明)が片付けをしているところに、古い常連の涼子(岩瀬晶子)がやってくる。開店時からの回想シーンに入り、1983年のスタートから何年かおきの様子が描かれる…。涼子の恋人の博己(綱島卿太郎)との顛末や、開店時に小学生(?)だった朱美(なかじま愛子)の変化、店に酒を入れてる酒屋の米田「一族」(←意味は見ると分かる。猪内けんじ)を交えた5人が展開する物語は、いつもの日穏よりちょっと分かりやすく作られているが、「いい話」であるのは間違いない。映画ファンが集まる店ということで、年代の変化を壁に貼ったポスターで表すあたりはちょっと洒落ている。5人とも熱演だが、笑わせて泣かせてくれる剣持の味がいい。
![神[GOTT]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/295/stage_295326.jpg?989240)
神[GOTT]
ワンツーワークス
駅前劇場(東京都)
2024/07/19 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/19 (金) 19:00
タイトで緊張感ある興味深い舞台。108分(投票・休憩15分)15分。
ドイツの「倫理委員会」の公開討論会、という形で、自死を望む老人に医師は安楽死の薬を渡すべきか、を討論し、観客が是非を投票する。8人の登場人物が徐々に集まる形で、委員長が来て芝居が始まり、ほとんどが是非を簡単に言えない議論で、終盤に投票と集計のため休憩し、結果を発表する。議論の内容が本質だが、観客に意見を問う形が面白い。キリスト教をベースにした議論だけに違和感を感じるところもあるのだが、理解はできると思う。緊張感ある舞台だが、セリフ量も半端なく、役者の負担は大きいと思う。

或る街
はちみつ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2024/07/18 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/18 (木) 19:30
初見のユニット。別役実風味いっぱいの不条理劇。分からないけど何かいい。(3分押し)65分。
とある町のバス停でバスを待つ男が、町の人々のお茶会に巻き込まれるが、…って別役の物語のようだが、後半の展開はちょっと独特。訳が分からないけど、何か惹かれるものがある。

流れんな
iaku
ザ・スズナリ(東京都)
2024/07/11 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/07/17 (水) 19:00
iaku初期の傑作の再演だが、登場人物の激しい葛藤が緊張感ある舞台を作る。(3分押し)98分。
2013年に書かれた作品で、iaku東京初進出の作品の再演だが、初演は観てない。寂れた漁港にある食堂が舞台。月日貝(ガッピギ)が名物だが、貝毒が発見され漁が止められている状況の中で、年の離れた姉妹・睦美・皐月と睦美の幼馴染み・司,皐月の夫・翔,町を支える企業のエリート社員・駒田の5人が、それぞれの立場からそれぞれの意見を闘わす。5人の誰の言うこともそれぞれに納得できるところとそうでないところがあり、正解のない問いが次々に出てきて、深刻な緊張感のある舞台になっていた。どうしようもないエンディングがスゴイ。5人とも熱演だが、上手席だったので、終盤の異儀田の表情が見えないのはちょっと残念。

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/16 (火) 18:30
徹頭徹尾徹底したおバカなナイロン。面白い。(3分押し)99分(16分休み)78分。
下手に茶店がある時代劇っぽい舞台で、時代劇の人物と現代的な人物が展開する、ひたすらおバカな物語。それ以上言う必要はない気がする。役者陣も生き生きやってるが、奥菜恵がはっちゃけてたのが楽しい。