jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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十二夜

十二夜

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2011/01/04 (火) ~ 2011/01/26 (水)公演終了

満足度★★★★

祝祭的演出が楽しい
シェイクスピアの有名な喜劇を串田和美が松たか子をメインに料理する。物語自体はシェイクスピアのオリジナルを踏襲しているが、元自由劇場系の役者を多く使い、ミュージシャンも加えて、全体を祝祭的イメージの音楽劇に構成したあたりが串田らしく、休憩込み3時間弱が一気に終わってしまう感じが楽しい。2役を演じる松たか子は勿論ステキだが、オリヴィア役のりょうの美しさが光り、そして、その侍女を演じる荻野目慶子の年齢不詳(二十歳と言っても通じるぞ!)の怪演が素晴らしい。全体に、ファンタジーを楽しめた3時間だった。

時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ

ホリプロ

赤坂ACTシアター(東京都)

2011/01/02 (日) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しいことは確かに楽しい
アンソニー・バージェスの作品をキューブリックが映画化して有名な作品だが、今回はそれをパンク・オペラにするという。で、小栗旬が主演ということで大人気の公演で、実際、劇場内はそういった雰囲気の客が多い気がする(^_^;)。原作のストーリーを原則として追いながらも、「原作ではこうでした」「映画化作品ではこうでした」的なセリフもあり、ちょっとブレヒト的なファクターもこめつつ、深遠なテーマを含みながらもエンターテインメントとしても充分にでき上がっていて面白い作品だった。

ネタバレBOX

暴力が横行する一方、全体主義的管理社会となっている近未来のロンドンで、不良グループのリーダーであるアレックス(小栗)は逮捕され投獄される。そこでルドヴィコ療法なるものを受けることを長期の投獄の代わりに提案される。それは、薬物で暴力や性行為に嫌悪感を発生させるという療法で、その結果アレックスは暴力などに嘔吐感を催すようになる…。
愉快犯

愉快犯

柿喰う客

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2011/01/21 (金) ~ 2011/01/25 (火)公演終了

満足度★★★★

荒唐無稽(^_^)v
ある意味で他愛ないストーリー。劇団員のフィジカルの強さを信頼してか、私が初めて柿を観た『傷は浅いぞ』同様の斜面の舞台で、柿らしい荒唐無稽な物語が展開される。マンガを読んでるような面白さ、と言ったら失礼なんだろうか(^_^;)。

もう一度、この手に

もう一度、この手に

シベリア少女鉄道

王子小劇場(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★

思いの外…
ここは、話は以前から聞いていて興味もあったのだけれど、キチンと観るのは初めて。あまり面白くなかった。今回は8編からなる短編オムニバスという意味で、通常の公演とは違うらしいのだが、一種のメタ演劇を目指している感じで、周囲で大笑いしている人もいたので、こういうのが面白い人もいるんだろうな、とは思った。

大人は、かく戦えり

大人は、かく戦えり

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮絶(^_^)v
ものすごく面白いコメディだった\(^_^)/~~。11歳の息子たちが喧嘩した2組の夫妻4人での話し合いが始まるが、話は思わぬ方向にそれまくって……、という、当事者にとっては悲劇的な出来事が、観客はとてつもなく面白いコメディになってしまう。大竹しのぶ・段田安則・高橋克実・秋山菜津子という役者陣の力量も見事で、超早口のセリフもしばしばあったり、とにかく笑わせてもらえる80分だった。

葬送の教室

葬送の教室

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了

満足度★★★★★

観るべし!
実話ベースの話だが、定型化せず、奇も衒わず、丁寧に起承転結を積み上げて作られた作品という印象だった。エンターテインメントではないので、非常に重く緊張感に押しつぶされそうにもなるが、良し悪しは別にして、こういう作品を観ないのでは、芝居を観る意味はないんじゃなか、とまで思う。観て良かった。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/07 (火) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

ちょっと上級編かもね
脚本に基づいて役者が演じている、という意味では演劇なんだけど、他の劇団ではやらないようなことを、一貫してやっているのはスゴイ。今回は、一連のジェノルマ・シリーズなんだけど、少しルールが加わって(変わって)上級編という雰囲気があるような気がする。しかし、12人の役者陣が細かい部分を丁寧に演じてて、何回観ても見落とすだろうなぁ、というような動きがいっぱい。それを見つけたときが楽しい。この劇団のロジカル・コメディの見方が分かっていれば、とんでもなく面白い作品だと言える。

忘却曲線

忘却曲線

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

力作だった
タイトな構成に緻密なテキストを重ねた脚本を、役者陣が丁寧に演じた力作だった。人間を根本では信じていることが感じられ、希望を見せるエンディングも印象的だった。

ネタバレBOX

高校生の井上みなみを、3姉妹+弟の記憶の中の母を演じる、という配役にはやられた。それが意味を持つ脚本が見事。
GOOD DESIGN GIRL LOVES ART!

GOOD DESIGN GIRL LOVES ART!

NICE STALKER

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/30 (火) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★

ウーム
3つの短編を上演しての75分だけど、結局は全部観ないと分からない、みたいな感じがあって、ちょっとシンドイ。やりたいことは分かるのだが、1回観ただけだと成功していない気がする。

眠るために目醒める

眠るために目醒める

reset-N

王子小劇場(東京都)

2009/06/25 (木) ~ 2009/06/30 (火)公演終了

満足度★★★

試されている感じ
昨年の『閃光』の続編を観ているようだった。演劇を作る過程での役者達と演出家(作家?)の2つの思惑が並行して作品は進行するが、全体にこちらが試されているような居心地の悪さを感じた。

不完全版「幸福論」

不完全版「幸福論」

tea for two

「劇」小劇場(東京都)

2009/06/25 (木) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつもながら巧い
3話構成で、2人ずつ4組の物語が巧みに交錯する。トリッキーな仕掛けが終盤で収束する劇作に特徴がある大根の脚本だが、今回は、一つ一つの物語は正統な会話劇として作ろうとしているように見える。それでいて、3話の絡み合いが巧みな全体の物語を構成しているのは、いつものながらの巧さを感じる。西尾早智子vs倉田知美の3話の迫力が凄い。

ネタバレBOX

1話「青い焼き鳥」は離婚寸前の夫婦(大岡伸次・塚原美穂)の物語。娘の前で喧嘩はできないと、居酒屋で別れ話をした後らしいのだが、両方とも金がなく払えないのをどうしようかと悪戦苦闘する。居酒屋の店長(大森健彰)と新人店員(松木詩織・ダブルキャスト)の物語が巧みに混じるが、ありそうな話、ではある。2話「幸福の王子の野球挙」は、人と話すのが上手でない男(島本和人)が話し方教室の先生(風間美珠希)の教えで、通りすがりの人に話しかける練習をする。たまたま通るのが、先の居酒屋の店長と店員。こちらは、設定そのものがありえない印象を与えるファンタジー的作品。3話「私よりもほの少しだけあなたが幸せであるということ」は、実に不思議な作品。女2人(西尾早智子・倉田知美)がとりとめもない話をしていて、話題そのものはありそうなものだが、この2人の関係が全く見えない。それが分かったときに、前2話との関係も分かって、物語の妙に接することができる。
 1話・2話とも役者陣は丁寧な芝居を作っているのを堪能できるのだが、3話の西尾・倉田対決の迫力が凄い。2人ともテーブルを挟んで椅子に座っているだけなのに、芝居に深みが出ているあたりに感心させられる。
無気力宇宙船メロディライナー55号

無気力宇宙船メロディライナー55号

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/06/23 (火) ~ 2009/06/24 (水)公演終了

満足度★★★★

ショーもない、けど、いい話
23世紀の宇宙船で起こる、ショーもないコメディだが、話の骨格はどこにでもありそうなものながら、細かい部分を楽しく作ってあって、かなり楽しめる。
基本的に悪い人が出てこないので、安心して観ていられるのはアリガタイ。細かいギャグを楽しめるかどうかがカギだが、私は楽しめた。よく考えると、男優2人・女優4人という構成での上演だが、女優がいっぱい、という印象がないあたりは、巧く作っていると言える。

海と雨とフェスティバル

海と雨とフェスティバル

乱雑天国

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/23 (火)公演終了

満足度★★★★

意外に真面目
動物電気の松下幸史のユニットだが初めて観た。動物電気っぽいコメディなのかと思っていたら、笑いのファクターはあるものの予想外に真面目。
短編4話で一つのストーリーを展開する70分程度の舞台だが、適度に笑わせて少し泣かせる。いい話だった。

ありふれた惑星

ありふれた惑星

てがみ座

王子小劇場(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

観る価値大いにあり。
2話の内、期待した『カシオペア』は丁寧な「いい話」だけれども、実は個人的な違和感がちょっとある。もう一つの『鉄屑の空』はフィクションっぽいけれど、かなり面白い。で、それらを繋げたアイデアはステキだった。

ユニゾニア-鏡の国のコロス-

ユニゾニア-鏡の国のコロス-

双数姉妹

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

アイデアがいい
トリッキーなアイデアを消化して、面白い舞台を作っている。全てが納得できるかは別だけれども…。役者陣は頑張っています。

炭酸の空

炭酸の空

津田記念日

王子小劇場(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

人物は描けてる
イライラする(これは必ずしも悪い意味ではない)芝居だった。理解はできるものの、登場人物に共感できないのがイライラ感の原因。それは、とりあえず人物像は描けているということなのだけれど、エンディングに向けての展開が納得できるかは、ちょっと別物の気もする。タイトルは象徴的な意味を持つのだけれど、それも充分に活きているとは思えなかったのは惜しい。

ネタバレBOX

近未来、「終末」が予告され地上が放射能で破壊されつくした状況下での地下シェルターでの物語。車椅子の少女・繭(牛水)と管理者然とした大石(成田浬)・ちょっとダメな感じの数野(宇賀神明広)、そして、最近このシェルターに逃げ込んで来た副島(山本亜希)・押切(高橋裕太)がいる。繭は以前は兄(内山清人)と一緒にいたらしく、回想か幻影か、兄と会話することがある。放射能はいずれシェルターにも届いてしまうらしく、いずれは終末を迎えるらしい中で、他の住人に何かの薬の服用を指示する大石だが、薬の正体などは語らず、数野や押切は怪しむ。副島や押切が体の不調を訴える中、数野が別のシェルターに逃げる計画を立てていたり、副島と大石が関係を持ったらしかったり、数野が繭を襲ったり、というエピソードの後、繭と兄、そして大石の過去が見えて来て…、というわけだが、極限状態での行動ということで理解はできる。
ロング・ミニッツ

ロング・ミニッツ

feblaboプロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2009/05/30 (土) ~ 2009/06/02 (火)公演終了

満足度★★★★

よくできたSF(?)サスペンス(?)
巧い、と思った。最初は普通のバーでの物語かと思っていると、途中からSF要素が2つ入って、エピソードの積み重ね方も巧く、1時間強をワクワクして観ることができた。

ネタバレBOX

自分だけが7分間タイムスリップしてしまう男の物語。最初は普通の話かと思わせておいて、カノジョが別れを切り出した瞬間にタイムスリップしてしまい、7分間を何回も繰り返す。もう一つ、男はデビューできなかった小説家という設定なのだけれど、その未発表小説が現実化する、というSFファクターも入っている。全く無関係に思われた別席のカップルが途中から重要な役割を果たすなど、エピソードの積み上げ方は非常に巧い。正直、似た場面を9回(10回?、途中から分からなくなった(^_^;))も繰り返されると冗長に感じなくもないし、謎解きもすっきりしない部分があったり、最後はちょっと納得できない面もあるけれど、全体にワクワクして観ていられる1時間強だった。役者陣も、面倒そうな脚本を丁寧に演じているが、川田希はやっぱり華があっていいなぁ(^_^;)。
SURROUNDED ALWAYS

SURROUNDED ALWAYS

年年有魚

新宿眼科画廊(東京都)

2009/05/27 (水) ~ 2009/06/09 (火)公演終了

満足度★★★

初めての劇団
初めて観た。どういう芝居を作りたいのかは良く分かるのだけれど、登場人物の性格設定に初め違和感があり、物語にスンナリ入れなかったのが惜しい。

ネタバレBOX

壊れかけた夫婦が、妻がモデルをする絵画教室の会場に家で使ったことで、妻の人間関係が少し明らかにされて、夫婦の関係が少し別な段階に移る、という物語。分かると言えば分かるのだけれども、妻以外の3人の女性の性格がやや奇抜で、そちらに目を奪われてしまって、夫婦の物語というようにスンナリ入って来なかった。特に、自分として、隠しカメラをセットしたりする夫の行動に共感できなかったのが大きい。もっと普通のドラマでよかったように思うのだけれど…。
邪宗門

邪宗門

月蝕歌劇団

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/08/27 (水) ~ 2008/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白い!
 寺山らしい構造の作品を、月蝕風に解釈して好演。あまりにも面白いので9月1日にも観に行ってしまった。若い役者陣が力を伸ばしてきていると思った。

I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

観るべし!
 余分なものを削ぎ落した、必要かつ十分な1時間20分。笑いもありながら、切なさも怖さも含んだ素敵な舞台だった。

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