jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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the rat 13-11

the rat 13-11

キコ qui-co.

駅前劇場(東京都)

2018/09/13 (木) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/17 (月) 17:00

 「13」の続編で新作の「11」を観た。壮大な研究の跡地の周辺にどんどんアパートメントが建ち、「13」は大分前のこと、などと語られる未来の物語。AIやsingurarityなどが普通に語られる芝居は、「13」で感じた、そんなことができるのか、という疑問が一層大きくなるような内容で、やや不満を感じつつ観たが、エンディングは悪くない。小栗が本当にそう思っているのかが良く分からないのだが、人間を信じた終わり方は、そうあってほしい未来になっている。

Curtain Up!

Curtain Up!

Stargazy

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2018/09/14 (金) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/16 (日) 18:00

 イギリスの翻訳コメディを女性5人でやるというので観に行った。不足感はあるものの、面白かった。荒廃した劇場を相続した男が亡くなり、その関係者の女性5人が相続して再建しようとする物語。娘が最も頑張るが、母と義母が対立するなど、さまざまな困難を乗り越えようとする辺りはイギリス・コメディらしいストーリーで、それ自体は面白い。残念ながら演出が一本調子で、大声を張り上げるシーンが多く、やや飽きる。男の母の老女が、再建する内に元気になっていくのは、実際にありそうで面白い。
 全体に冗長感があるのは、元の戯曲に忠実なのだろうけれど、思い切って短くすることで、より緊張感がある舞台になったのではないか。

星の王子さま

星の王子さま

Project Nyx

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/09/16 (日) ~ 2018/09/21 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/16 (日) 14:00

 本ユニットを初めて観たのが09年のザムザでの本作初演だった。その後、10年の吉祥寺での再演を経て、今回、再々演だが、徐々にグレードアップしていく印象である。寺山修司の作品をアレンジして、美女劇として上演するスタイルを固めた作品だが、会場が大きくなるのに合わせて、アングラテイストをも残しつつ、丁寧に計算された舞台作りになっている。楽しい135分だった。

the rat 13-11

the rat 13-11

キコ qui-co.

駅前劇場(東京都)

2018/09/13 (木) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/15 (土) 19:30

 再演の「13」を観た。死刑囚と人ならぬ物を使った、壮大な研究に関するSFストーリー。アパートメントの平凡そうな生活の場面から始まって、その研究の全貌が徐々に明らかになるストーリーは面白いが、分かりやすくはない。本当にそんなことができるのか、という疑問もあるけど、エンターテインメントとして許容できる範囲かと思う。
 6つのchapterに分かれていて、それぞれに有名なSF作品をもじったタイトルが付いているが、1だけ"memories for Algernon"(本当は"flowers …")となっているのは、何か意味があるのだろうか。

ふくしゅうげき <東京>

ふくしゅうげき <東京>

ブルーエゴナク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/09/13 (木) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/13 (木) 19:30

 北九州の劇団の代表作だそうだが、不思議な感触の芝居だった。長く続く中華料理店「半月」で働く人や客の群像劇。抽象舞台上で展開される物語は、それぞれが、それぞれに、こじれた思いを抱きつつ進むが、時間軸が前後したり、場所が特定できなかったりする。マイクを使って、各登場人物の独白を入れるなどして、それぞれの思いの絡み合いを展開するが、途中から始まる奇妙な動きとか、何が言いたいのか、とか、不思議な思いに捕われる90分だった。

死旗

死旗

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2018/09/12 (水) ~ 2018/09/18 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/12 (水) 19:30

 丁寧に作り込まれたB級ホラー演劇というような趣きの芝居だった。いつ、どことも分からん世界で、人とは思えぬ男たちと犯され翻弄される女たち、という基本形から、さまざまな男と女が現れ、新たな生命が誕生する…、という物語。いろいろなホラー系ストーリーが絡まって、奇妙な世界観が出現する。生々しいシーンが出てくるので、演出と役者への負担は大変だったろうな、とは後で思った。照明が秀逸である。一方で、笑いも取ったり、エンターテインメントも忘れていないなど、豪華で緻密なB級作品という印象を繰り返しておこう。

贋作 桜の森の満開の下

贋作 桜の森の満開の下

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/09/01 (土) ~ 2018/09/12 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/07 (金) 19:00

 久々に芝居を観て泣いた。それほどの出来だった。遊眠社時代の89年の初演、92年の再演、2001年の新国立劇場プロデュース、そして昨年の歌舞伎座公演と全て観ているのだが、野田地図での再演を心待ちにしていたせいもあり、最後の妻夫木の「まいった、まいった」で、本当に「まいった」になって涙がこぼれてきた。初演の感動と比べるというのは適切ではないと思うが、初演が若さの勢いの芝居だとすれば、本作は計算された円熟の舞台だと思う。もちろん、野田の年齢も立場も全く違うわけだが、現状で最高と言える座組での公演は大満足だった。

ロマン

ロマン

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/09/06 (木) ~ 2018/09/10 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/06 (木) 19:30

 チラシ等に書かれたように、結婚、というより、誰と一緒に暮らしていくか、という話題を、さまざまに展開しているようだが、誰の視点で観ていけばよいのか、ぼやけているのが惜しい。セリフや演技は、それなりに工夫されていると思うが、兵藤久美が母親役というのは、先日の『日本文学盛衰史』との落差に驚いた。

「Dの再審」

「Dの再審」

かはづ書屋

小劇場 楽園(東京都)

2018/09/04 (火) ~ 2018/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/04 (火) 19:30

 一昨年の旗揚げ公演の再演で、初演も観ている。相変わらず面白い。明智小五郎が初めて出てくる「D坂の殺人事件」を題材に、法廷劇の形で改めて検証するというもので、江戸川乱歩の小説が、推理小説というより娯楽小説として書かれていることを確認するような芝居になってる。登場はしないが明智小五郎が実在の人物として描かれているなど、乱歩の世界観を活かしつつも、新たな視点を出すなどフィクションとしてエンターテインメントとして、良質な芝居を提供してくれている。
 会場の構造から、見切れるシーンが出てくるのが惜しい。

「LOVE」Chapter4

「LOVE」Chapter4

シンクロ少女

OFF OFFシアター(東京都)

2018/08/31 (金) ~ 2018/09/04 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/01 (土) 19:30

 シンクロ少女の「LOVE」シリーズもchapter4に入って、すっかり安定の作風になっている。今回は、武田・ユミ,たんちゃん・ヨシノ,大岡・陳さんの3組のカップルに、武田の姉とその息子が入り、いつものドタバタを演じる。4部まで観て、これは愛と執着を扱った作品なのだなぁ、と、今更ながら思った。単独で観ても面白いとは思うが、やはり1~3を観ていた方がいいなと思う。ただ、これはそろそろ終局させてくれないと、観ている方もシンドクなってきたように思う。

白い花を隱す

白い花を隱す

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/08/31 (金) ~ 2018/09/04 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/01 (土) 14:00

 昨年の初演が好評での再演だが、初演は観てない。2001年のNHK番組改変問題を、下請けのプロダクションの立場から描く、主張の明確な芝居である。「慰安婦」問題を扱う女性国際戦犯法廷の取材を通して、NHK(劇中はMHK)と交渉しつつ、主張ある番組を作ろうとしたプロダクションが、後に政治家の圧力と分かる事情で、番組を変えねばならない状況を、そのプロダクションにいた女性が経営する喫茶店のみを舞台に展開するという脚本の設定は見事で、「正義」の多様性も視座に入れた劇作は巧みだ。ただし、タイトルの意味はやや弱いと思った。

ペストと交霊術

ペストと交霊術

Ne`yanka

APOCシアター(東京都)

2018/08/30 (木) ~ 2018/09/03 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/31 (金) 19:30

 不思議な感触の芝居だった。いつ、どことも分からない(後で聞いたら1950年代のフランスをイメージしているとのこと)館に住む姉妹(しゅはまはるみ・馬場史子)と、彼女たちを取り巻く人々の、妙にリアルだったり幻想的だったりの会話が、奇妙な世界観に観客を取り込んで行く。面白い、というのと違って、とにかく不思議な感触だけが残る、実は、愛の物語なのだろうと思った。

吐く

吐く

aibook

駅前劇場(東京都)

2018/08/29 (水) ~ 2018/09/04 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/29 (水) 19:30

 いつも同様、少し問題を抱えた人達の群像劇だが、今回は少しビターかもしれない。故郷から出て行けない若いアーティスト3人と、一旦は評価を得て東京に出たが戻ってきたアーティストの関わり、そして、その周辺の人々の存在の意味など、よくあることかも、と思わせてくれる。KAKUTAの若狭が、実は嫌な男なのに、それに気づいていないという、ある意味で適役を好演してる。

それを認めちゃ「9条」じゃなくなる-平和憲法サバイバル大作戦!-

それを認めちゃ「9条」じゃなくなる-平和憲法サバイバル大作戦!-

非戦を選ぶ演劇人の会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2018/08/28 (火) ~ 2018/08/29 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/28 (火) 19:00

 例年行なわれているピース・リーディングに久々に来た。立場が明らかなので、観ていて分かりやすく、エンディングも希望を持たせるものだが、本当にそうなるか、不安はある。リーディング後のトークは現実的で具体的な戦略が提示され、勉強させてもらった。

出口なし

出口なし

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/08/25 (土) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/08/25 (土) 19:00

 サルトル、と聞いただけで哲学的な芝居を予想するが、哲学的ながら何となく分かるという緊張感ある芝居だった。ホテルらしき1室に集められたガルサン(段田安則)・イネス(大竹しのぶ)・エステル(多部未華子)の3人だが、それぞれが自分のことなどを話す内、3人の状態とか、ここがどこかとかが分かってくる所がかえって怖い。「地獄」とはどんな所か、考えさせられ、「永遠」の意味なども分かる、ある意味で恐ろしい芝居を瓢々と演じる3人の演技力に改めて感心させられた。

同情するなら金を積め

同情するなら金を積め

怪奇月蝕キヲテラエ

新宿眼科画廊(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/08/28 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/25 (土) 14:30

 初見の劇団だが、「キヲテラエ」という劇団名に反して真っ正直な芝居だった。物語はチラシや本サイトに書かれているとおりで、そのままの物語を丁寧に実現する。特に笑いを取るわけでもなく、自然な流れで物語は進み、タイトル通りのエンディングと、そのための明るい展望を見せる。妙に人を惹き付ける芝居だった。主人公を演じる藤真廉は、不思議な魅力があり、ちょっと追っかけてみようかと思わせる存在感だった。

 なお、山手線の事故で開演が押したのだが、理由を示して「3分押します」というのと、「そのことで後の都合が悪くなる方はいらっしゃいますか?」と聞く姿勢は、他の劇団も見習ってほしい態度である。

星の砂

星の砂

日穏-bion-

「劇」小劇場(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/24 (金) 19:00

 7月の「月の海」の主人公である静・豊の両親が結婚するまでを描いた、いつも通りの心温まる作品。しかし、その制約があるせいか、脚本に若干の甘さを感じる。人物像の描き方や、役者陣の好演は確かなものだが、たとえば、千穂が怪我したエピソードが拾われていないのは惜しい。真が辰也に「酒、呑むか?」と聞かれて「大丈夫です」と答えるのは、時代を考えると用語法として確立していないと思う。
 日替わりゲストは面白い試みだが、1969年の話なのに、ゲストのTシャツに「established in 2005」とあるのは興ざめである。

二代目なっちゃんの愛人。

二代目なっちゃんの愛人。

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/08/21 (火) ~ 2018/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/21 (火) 20:00

内容を書けないことになっているが、観るべし!

罪の滴り

罪の滴り

白狐舎

東京おかっぱちゃんハウス(東京都)

2018/08/18 (土) ~ 2018/08/21 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/20 (月) 16:00

 観る側にとっても、シビアな芝居だった。紅王国と白狐舎とのコラボ公演だが、白狐舎は菊池直子が一緒に逃げていて死刑にされた男(の亡霊?幻影?)と語る芝居。紅王国は、実際に起きた殺人事件を題材にして書くミステリー作家と担当の女性編集者の会話。それらを、紅王国の『赤と白』という芝居で最初・間・終わり、と繋ぐ。生と死を真っ向から扱っているが、ある意味で軽い印象なのは、戯曲の力と言えるだろうか。

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2018/08/17 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/17 (金) 19:30

 突然の上演中止だが、こういった形で振替上映/上演するというスタンスは見事である。中編『花柄八景』は初演も見たが、上映されてみると懐かしい。出演者が語る落語(特に「シド&ナンシー」)が最後まで聞きたくなった、という記憶が蘇る。短篇4本も、どれも初演を見ているのだが、短い時間でも巧妙に伏線を張って回収する脚本の巧さは感じられる。時間がない中、リーディングとなったのは残念に思える作品もある。そして、何より、本公演をやってやる、という気概を感じさせてくれたのは嬉しい。絶対観に行く。

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