満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/22 (金) 19:00
劇団員の6人だけで真っ向勝負の作品を作ったと言える。とある町の、「まちづくり推進課」窓口のある部屋だけが舞台。推進課と言いながらも、ただの苦情処理係と化しているような場所で、「正義・善」と「世の中・みんな」との対立を描く。極限状況の中でも正義や善は意味があるのか、を問い掛ける作品と言えるが、その答を出しているようで、実は出していない気もして、中津留らしい巧い戯曲になっている。最後は個人の感情を見せて終わるあたりが、私がトラッシュが好きな理由なんだろうな、と改めて思った。
休憩なし2時間35分という舞台は、本来は初心者に薦めるべきではないと思うが、演劇の持つ力を観てほしいという意味で、敢えて「初心者にお薦め」しておきたい。