jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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不思議な国のエロス

不思議な国のエロス

MIXZONE

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/23 (金) 14:00

アリストパネスの「女の平和」をベースに寺山が書いた音楽劇。面白い。(7分押し)131分。
 ギリシャの女たちが戦争を終わらせるためにセックスストライキを行なう、という物語を寺山修司が音楽劇として書き直した(が上演はされなかった)作品を上演。元の戯曲も含めて初見。曲かなり生々しいセリフもあるのだが、寺山らしい独特の言葉のセンスが光る。古川麦の書き下ろしの曲も寺山らしいテイストがあり、エコーなる存在を置くことによるいわゆる異化効果もあり、興味深く観た。

柏原照観展

柏原照観展

牡丹茶房

スタジオ空洞(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/22 (木) 19:00

架空の画家・柏原照観が作った(?)彫刻に関する短編集。かなり恐ろしいホラー系。40分,40分,22分。
 1954年、1989年、2024年という35年おきの3場に分かれた、とある画家が作った彫刻に関する物語。ある家族の歴史と画家の夫婦の怨念が混じり、徐々に怖くなってくる。ありえねぇ、って思っても、かなりなものになる。役者陣もタイトに熱演しているが、1場の赤猫座ちこと3場の池島はる香が印象に残る。最後のセリフが強烈。

枯れた心臓になる前に-再起-

枯れた心臓になる前に-再起-

とりのこいろ

アルネ543(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/21 (水) 19:00

7回目の公演だそうだが個人的には初見のユニット。SFディストピア・ファンタジー。93分。
 2054年の未来が舞台。ヒューマノイドの研究をする組織を抜け出したヒューマノイドが…、という物語。徐々に明らかになるディストピア状態や、ヒューマノイドの能力のさまざま、という、独特の世界観は面白い。エンディングがよく分からなかったが、同じ世界観での連作なのだろうか、という感触を持った。叫ぶシーンが多いのはちょっと気になる。暗転が少ないところはいい。タイトルも活きてる。押しの #まひたん がフィーチャーされてたのも気持いい。

掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/19 (月) 19:00

実話がベースの政治ファンタジー。笑ってる客が多いが全く笑えない話だと思った。88分(10分休み)70分。
 広島・安芸高田市での「改革」を焦る市長と旧弊に捕われた市議会に新聞も交えた対立の物語をベースに描かれた作品。ほぼ実話と同じ展開のようだが、何となく納得できないものが残った。社会的な題材を扱っても、登場人物のプライベートな生活を描いて、そこから見た社会的な題材を描く、というのが中津留の特徴なのだけれど、本作ではそれがないのが要因だろうか。だから、ファンタジーに見えてしまう。前半で見せる市議会の様子や、ネットニュースのキャスターの発言など、ありえねぇ、っていうレベルだが、それはそれで面白く観たが、全体にいつものトラッシュじゃない感じが残る。エンディングも後味が悪い。笑ってる客が多いのだが、これが現実だとしたら全く笑っていられない話だとも思う。前作『チョークで描いた夢』で鮮烈な印象を残し、自身のユニット「ぽいぽいスコップ」では見事な劇作力を見せた小崎実希子は、本作でもネットニュースのキャスターを熱く演じ、印象に残った。

ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

王子小劇場(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/30 (水) 19:00

 國吉咲貴の作る芝居は、ロアルド・ダールの小説のような「奇妙な味」がする。今回は、不謹慎と笑いの境目に注目し、お笑い芸人の女子(三澤さき)に起こるさまざまな事件と、その周辺の人々のエピソード群で展開される。もう一つ、國吉の芝居には「語り手」がいることが多いのだが、今回は主人公が女性であるのに男性が主人公に成り変わって語り手をやっていて、それが終盤効いてくるように思う。「奇妙な味」を楽しんだ95分だった。

蝶のやうな私の郷愁

蝶のやうな私の郷愁

藤家と南風盛と中條

アトリエ春風舎(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/16 (金) 19:00

稽古の続きのようにして作った舞台だと言う。興味深く観た。67分。
 松田正隆の有名な作品で、ひなた旅行舎の上演を観たことがあるが、印象が随分違う。台風の中帰宅した夫と家にいた妻の、とりとめのない会話が展開される。夫の会話と妻の会話のズレに、興味を持って観させる力がある。時に大声でやり取りするのだが、お互いを思ってはいるという印象を見せる。藤家の発話に独特の癖があり、穏やかに話す時に語尾が揺れて聞き苦しいことがあるのが気になる。

もしも僕が○○人だったら

もしも僕が○○人だったら

tea for two

アトリエ第Q藝術B1F セラールーム(東京都)

2024/02/14 (水) ~ 2024/02/15 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/15 (木) 19:30

お気に入り劇団の6年振りの公演。とても考えさせられる。(2分押し)75分。
 本来は2~3人の会話劇を得意とする劇団だが、一人芝居シリーズ tea for ONE の一つとして2004年にに初演され、何回も再演された作品を、大きくブラッシャアップしての上演。元々はイラク戦争をきっかけに書かれた戯曲で、私も何回か観ているのだが、本作は大きく変わっていた。冒頭、作・演出の大根が、なぜ本作を書いたかという話を始めるが、語り口から芝居が始まっているのが分かる。さらに終盤で今回新たにガザ,ウクライナ戦争を扱うが、観ていて、どうすればいいんだろう、と考える自分がいた。とても考えさせられる作品だった。小森の技量が上がったことは確かだが、大根の演技者としての力量も感じられたあたりが楽しい。
 開演時間に遅れて観劇した客が、途中でイビキをかいて寝るというアクシデントで、耐えられなくなって起こそうとしたら、制作担当者も同じ行動。

サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

サラダボール

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/02/10 (土) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/11 (日) 14:00

初見のユニット。三島由紀夫の名作を丁寧に上演して優れた舞台に。55分,58分(16分休み)58分。
 四国をベースに活動するベテラン劇団らしいのだが、個人的には初めて観る。戯曲は有名で、2012年の世田谷パブリックシアターでの上演を観たことがある。女優6人で紡ぐ濃密な物語だが、1幕と2幕が連続性を感じさせるのに対し、2幕から12年後の3幕に行く間に休憩を置き、舞台美術を変えて時間の経過を感じる演技に転じるあたりの巧さは見事だと思う。母・娘の年代差が見掛けで今一つ感じられないのは惜しい。でも、とてもいい芝居でした。ただし長いので劇場内が寒かったのがちょっと…。

小栗判官と照手姫

小栗判官と照手姫

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2024/02/08 (木) ~ 2024/02/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/09 (金) 14:00

Nyx得意の女歌舞伎第3弾。見応えある楽しい舞台。(2分押し)81分(10分休み)54分。
 説教節や歌舞伎で知られる「をぐり判官と照手姫」の物語を白石征が小劇場に向けて戯曲化したものを、さらに若干の潤色で上演する。駒田早代の津軽三味線と歌で始まり、百鬼ゆめひな の人形を入れたり、歌や踊りも入れ楽しい舞台になっていた。物語は実はオドロオドロしいものなのだが、本来は復讐劇のあるはずの部分を切った白石の脚本も見事だし、スズナリらしいケレンもあって見応えある作品だった。寺田結美がカッコイイ、森岡朋奈美しい、が印象だが、語り手を演じた河西茉祐が記憶に残る。

時代絵巻AsH 華ノ壱『葵姫〜あふひ〜』

時代絵巻AsH 華ノ壱『葵姫〜あふひ〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/08 (木) ~ 2024/02/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/08 (木) 18:30

初見のユニット。時代劇で、壮大な物語に圧倒された。(6分押し)147分。
 長くやってる劇団らしいけど観るのは初めて。時代劇は好みではないのだが、風雷紡の吉水恭子・雪乃母娘が母娘役で出るというので観に行った。大正2年、一人の女性ジャーナリストが大奥最後の年寄である瀧山の話を聞きに、瀧山の姪の元に通う。根負けして年老いた姪が話す、大奥最後の数年間の回想。壮大な物語を27人の女優だけで展開し、息を呑む流れに圧倒される。見応えある舞台だった。衣装が見事だが、セリフも 練られていた。「はしぢか」なんていう言葉を久々に(人生で2度目か?)聞いた。

泡沫の空に光を飛ばした

泡沫の空に光を飛ばした

SUPER NOVA

王子小劇場(東京都)

2024/02/07 (水) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/08 (木) 19:00

泡チーム観劇。観るのは2度目のユニット。悪くないけど何か残念な芝居だった。(2分押し)前説1分+112分。
 児童養護施設で虐待と性的暴行を繰り返すハヤシ先生をサトルが殺してしまう。原因となってしまったユイが、小説家の端くれとなって、その顛末を出版しようとするイントロから、一緒にいたチカ,ミズキ,ユズルらと彼らを取り巻く人々のいろいろの回想。既視感の否めない展開だが、役者陣の力量と熱量がしっかりあって、最後まで観ていられる。ただし、6列の客席の段差が小さく、指定で最後列に座ると、前に背が高い人が座ると(実際座ったのだが)視野が半分になり、重要ないくつかの場面が全く見えなくなるのはいかがなものか(いわゆる「メタ農現象」)。タイトルも活きていない。終盤の演出は、必然性があるのだと思いたいけど、やはり親切ではない。暗転が多いのも気になる。

エウリディケ

エウリディケ

MIXZONE

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/02/04 (日) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2024/02/05 (月) 18:30

ギリシャ神話がベースの音楽劇だが、なんだか勿体ない舞台だった。(2分押し)86分(8分休んで、アフタートーク20分)。
 ギリシャ神話のオルフェの冥界下りをベースにして、軸を死んだ妻のエウリディケに置いてアメリカの劇作家サラ・ルールが舞台化した作品。若手の役者は初見だがミュージカル等で実績があり、脇を固めるベテラン勢は見慣れた人が多く、役者の力量は確か。舞台上に井戸と排水溝を作り水を流す、など、美術や照明にも力を入れているのだが、なんだか物語がスンナリ入って来ない。とてもポエジーなセリフの多い翻訳劇なので、訳が落ち着いていない感じがあるのと、役者のムービングや演技などが巧くフィットしていない印象。軸のエウリディケの衣装も彼女の何を象徴しているのか分かりにくいこともある。コロスである「石」たちが座るバウンスボールがノイジーなのも気になる。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/28 (日) 12:00

全体の千秋楽に3度目の観劇。やはり終末感が溢れるが、純愛のイメージもあるなぁ。101分。
 流れは分かっていたので、細部を気にして観ていたのだが、草彅の丁寧さや、大原の純粋さが見えた気がした。ベリーラストだからなのか、ちょっと遊びも交えた舞台で、役者に余裕があったように思う。パンフレットに書いてあったが、「シラノ・ド・ベルジュラック」よりトーマス・マンの「魔の山」をベースにしているんだと思うと、流れは分かりやすい。

カンテン「The Foundations」

カンテン「The Foundations」

カンテン事務局(Antikame?)

座・高円寺1(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/27 (土) 19:00

<Select B:閉>を観た。昨年の「視点」と同じ様な企画で、2劇団を観る。(1分押し)前説2分(つなぎ3分)50分(つなぎ4分)57分。
 こそ会『ゆうてん』はアンデルセンの「すずの兵隊」を、ある意味で丁寧に舞台化した。エンディングをどう見るかで、一種新たな視点を提示しているとは思う。
 The Stone Age ブライアント『あなたは何も悪くない』は、オウム真理教事件がベースの物語。サンモールスタジオで上演される Crime シリーズの別バージョンという位置付けだが、結構辛い物語が展開される。
 後者に出演の前有佳が目当てで見に行ったのだが、目当てとは違った芝居も観られるのがこういう企画のいい所。こういった企画はドンドンやってほしいと思う。

カカフカカRagnarøk

カカフカカRagnarøk

カカフカカ企画

王子小劇場(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/26 (金) 14:00

「混沌」バージョンを観た。長くやってる劇団だが、実は初見。ストーリー性のあるショート・コント集っぽい作品。細かいところまで丁寧に作られた「オヤジギャグ」的要素のある作品。90分(10分休み)60分。
 ある意味で突然に始まり、コントっぽいものを連続的にやる。短くオチがつくのだが、全体の流れもあるあたりは面白いのだが、とにかく笑えないものが多い。何を笑わせようとしているのかは理解できるのだが、せいぜいが苦笑。考えオチ、みたいなのが多く、時々は大笑いするものもあるが(個人的に1番は「Xp」)、笑えなくても繰り返す、ということで笑わせる/笑われる、という「オヤジギャグ」的な印象がある。役者陣は巧いし、念入りに稽古していることは良く分かるので、ある意味で、この思い切りにスガスガしい感じを持つ。
 初日後に降板した役者がいて、代役がタブレットを見ながら上演していたが、特に違和感はなかった。常連客がいるらしく、開演前に挨拶する姿が多く見られたのだが、その一部が大笑いしてて、そんなかなぁ、とは思った。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/20 (土) 17:00

2度目の観劇。終末感にあふれた舞台。100分。
 観劇後、友人と話して『寿歌』との関連を強く指摘された。それは初日に観たときにも思っていたが、北村の反戦、と言うか、終末が来ないことを祈る気持が現われてはいる。

ひとえに

ひとえに

シニフィエ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/01/13 (土) ~ 2024/01/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/15 (月) 18:30

丁寧に描かれる「理不尽」の詳細。ちょっと痛い。(3分押し)127分。
 5人の俳優が丁寧に描く現在の「理不尽」。言葉が多すぎて圧倒されるけれども、リアルはある。

ほどける双子

ほどける双子

クレネリ ZERO FACTORY

小劇場 楽園(東京都)

2024/01/10 (水) ~ 2024/01/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/14 (日) 15:00

大岩真理・脚本の本多真弓一人芝居。力あるところを見せてくれる。(3分押し)48分。
 一昨年の年末に上演された作品の再演で、初演も観てる。育児ノイローゼの妻のため、ディナーとコンサートに連れだそうとしてベビー・シッターを夫が依頼し、そのシッターの独り言で始まるが…、という物語。何人かの人物を描き分ける演技力を要求される舞台。とても興味深い。

アンネの日

アンネの日

serial number(風琴工房改め)

ザ・スズナリ(東京都)

2024/01/12 (金) ~ 2024/01/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/01/12 (金) 19:00

ノンケミカルの生理用ナプキンを作ろうとする女性8人の群像劇。再演。面白い。観るべし!観るべし!!観るべし!!!(4分押し)130分。
 2017年、「風琴工房」名の時代に三鷹で上演された作品の再演で、初演も観ている。初潮の告白などインパクトあるセリフが多いが、開発に伴う苦労を乗り越えようとする技術者ストーリーとして観たい。女性であるがゆえの苦労など、2017年の頃と変わらない(モノによって悪くなってる)状況があることは悲しいが、舞台の女性達は力強い。8人のキャラクターがしっかり描かれ、巧みな俳優陣が巧みに演じているが、理央のキャラクターが初演とはちょっと違ったテイストになっていたのが印象に残る。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/07 (日) 17:00

ワケ分かんないけど、何だかホッとする芝居。98分。
 シラノ・ド・ベルジュラックの話をベースにしたとの前評判だったけど、あんまりそういう感じじゃなくて、純愛の物語だと思った。草彅の存在感は勿論いいのだけど、鈴木浩介の活躍ぶりと段田の重みが良い。

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