jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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友達

友達

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/09/03 (金) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/23 (木) 14:00

2度目の観劇。やはり恐ろしくなる作品だった。
 多くの役者が出る作品だが、それぞれの役割が丁寧に描かれていると改めて思った。特に、次女役の有村架純が他の家族と離れて座っていることが毛っこあることに気づき、彼女の役割みたいなのによる演出なのかなと思った。三女役の伊原六花が割と純粋な感じが出ていて、その分、怖い気がした。だが何と言っても、父親役の山崎一が怖い。

I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

観るべし!
 余分なものを削ぎ落した、必要かつ十分な1時間20分。笑いもありながら、切なさも怖さも含んだ素敵な舞台だった。

国民の映画

国民の映画

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/03/07 (月) ~ 2011/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

堪能
2幕3時間の大作だが、三谷幸喜らしい実に計算された見事な作品が展開される。三谷の得意なリアルタイムの芝居の中で、それぞれの登場人物のキャラクターがしっかり設定され、芸術を愛しながらも、ナチスの不合理に協力していってしまう人々の心の動きが丁寧に描かれる。今回の役者陣の中では相対的に若手である吉田羊が、いかにも場違いな駆け出し女優をしっかり演じる。そして、風間杜夫の重厚でしっかりした演技と、その風間と対決する新妻の凛々しさも際立つ。また、老優という設定の小林勝也の演じるシーンも見事である。また、映画シーンほかでピアノや効果音を出すピアニスト(荻野清子)は、セリフは全くないものの重要な存在である。しかし、何と言っても小林隆があまりにも素晴らし過ぎる。いかにも重い内容の作品だが、堪能、という言葉がぴったりくる舞台だった。

ネズミ狩り

ネズミ狩り

劇団チャリT企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/03/03 (木) ~ 2011/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待通り
2008年の初演を観ていて、実に見事な芝居だったので、逆に期待を大きく持って観に行ったのだが、その期待を全く外さない見事な舞台だった。少年犯罪という重たい問題を、本劇団らしい笑いと実直な芝居作りの中で、実に巧みに作り上げていた。初演でも中心を演じたザンヨウコの演技が見事だが、今回は羽鳥名美子にかなりやられた。また、内山奈々は、一見中心にいなくても重要な役を演じているのだなぁ、と、この劇団の構造を改めて見直す形になった。

15 Minutes Made TOUR

15 Minutes Made TOUR

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

今までで最も面白かった
6劇団が15分ずつのオムニバス公演だが、今回は初めて関西の劇団が参加し、大阪ツアーもやるのだという。
 大阪の劇団ミジンコターボはベタな高校生コメディだが、途中で「長い」と言われて、そこまでのシーンを一気にダンスで見せてしまうあたりとか、全体のスピード感とか、若さを感じさせてくれる。競泳水着は劇団員による2人芝居だが、少し笑えて少し泣けての抒情的な展開は、期待通りの競泳スタイルだと思う。続くロロは、夏の熱さの中で展開される、不条理だけど感触のある舞台を作ってて、その感触が心地好い。
 休憩後に登場した大阪の劇団ガバメンツは、ファーブルの昆虫記をベースに、かなりキチンと笑えるストレート・コメディ。続く、FUKAI PRODUCE 羽衣「浴槽船」は、歌とパフォーマンスという点で他の劇団とテイストが違うので少し得してる感はあるように思うが、お風呂の至福への讃歌は実に見事(^_^)v。ステキだった。最後の Mrs. fictionsは2人芝居。出産に関わる2人の会話は、思いがけない方向に進んで、巧みな物語が展開される。発想の巧みさで楽しませてくれる。
 東京の劇団も厳選されている感じがして、全体として非常に面白いものばかり見せてもらった気がする。

怪物-カイブツ-

怪物-カイブツ-

ブラジル

駅前劇場(東京都)

2011/02/13 (日) ~ 2011/02/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

怪作であり快作
壮絶なフィクションの上に、登場人物達が繰り広げる、人間味あふれつつも笑わされてしまう物語は、終盤、少し切なく、少し温かくエンディングを迎える。ブラジルを見始めて随分になるが、ありえない状況の上に物語を作る、というスタイルは一定だけれども、今回はこの劇団でしかできない「大技」を使って、非常に面白い作品になっていた。同劇団の芝居に慣れた役者陣が集まったということもあって、無駄も弱点もなく、実に楽しませてもらった2時間だった。

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/07 (木) 19:00

『ぬけ男…』を観た。2013年に初演の作品の再演で、初演も観ている。とんでもなく面白くて、そして切ない。観るべし!(1分押し)98分。
 5年間書いていなかった作家の物語と、その作家が書き始めた「ぬけ男」の物語が交錯し、最後には愛についての深い展開に続く。初演も観ているのだが、ほとんど覚えていなくて、観ている内に、ああこんな話だったなぁ、と思い出し、最後はちょっと泣けてしまった。「切なさ」が観始めた頃のMCRの特徴なんだなぁ…。くによし組の永井一信とみそじんの大石とも子が出ているので期待して行ったが、2人が軸になる夫婦役で見事に快演してる。その意味でも泣けてしまった。三澤さきの暴れぶりにも感心。

大人は、かく戦えり

大人は、かく戦えり

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮絶(^_^)v
ものすごく面白いコメディだった\(^_^)/~~。11歳の息子たちが喧嘩した2組の夫妻4人での話し合いが始まるが、話は思わぬ方向にそれまくって……、という、当事者にとっては悲劇的な出来事が、観客はとてつもなく面白いコメディになってしまう。大竹しのぶ・段田安則・高橋克実・秋山菜津子という役者陣の力量も見事で、超早口のセリフもしばしばあったり、とにかく笑わせてもらえる80分だった。

わたしはミシン

わたしはミシン

チタキヨ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/10/07 (金) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

好きです!
米内山耀子の書く脚本は、巧妙に伏線を張って非常に面白いものになるという点で信頼しているのだが、今回はその1枚上をゆく上出来な作品だった。地方の縫製工場でオートクチュールを担当する女性3人と上司2人の巧みな関係を、実に見事に90分にまとめてあるプロフェッショナルな話で、悲しい話や感動する話では泣かない私が、唯一こういう話には泣けてしまうんだけれど、泣いてる暇がないくらいに笑わせてくれる。女優陣が巧みなのはユニットなので当然とも言えるが、客演2人を含めて、本当に面白い分かりやすい、泣けて、笑える作品だった。

劣る人

劣る人

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2011/03/16 (水) ~ 2011/03/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

見事な「劣る人」たち
それなりに興味深いキャラクターの人々が描く物語は、トリッキーな部分は少ないが、少しずつジワジワと気持ちの中に入りこんできて、90分という長さながら、起伏と緊張感をしっかりと維持して見応えがある。もっと毒のある物語かと思ったが、こういった路線は、それはそれで充分以上に面白く観られる。実に秀作。佐藤みゆき演じるホステスの悪さが際立って見事で、彼女とえばら大介が対峙するシーンの緊張感はelePHANTMoonならではといってよいように思う。久々に観る重実百合健在も嬉しい。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/08 (土) 18:00

予想以上に面白く観せてもらった。観るべし!。90分。
 全く性格が逆の双子の姉妹の、1955年,1969年,1989年の出来事を、大原櫻子が一人二役で演じる。戯曲に指定と思われるカツラが6つ舞台上にあるところからスタートし、2人の3時代での6場で構成。サブに小泉今日子と八島智人、さらに、お洒落な場面転換を担当する王下貴司・斉藤悠の2人が出る。大原の熱演は素晴らしいのだが、何よりも戯曲が強烈な社会的メッセージを発する。フェミニズムの文脈で語られそうでもあるが、もっと普遍的な人間のあり方に迫っていると思う。作者とほぼ同世代の私にとっては興味深いキーワードがいくつか出てくるのだが、それを越えて楽しめる作品だと思う。小泉と八島も2役を演じてて、どこまでが戯曲の指定なのか知りたくなって、戯曲を買う気満々だったのだが、あまりの良さに興奮して買い忘れて帰って来てしまった。

フィクショナル香港IBM

フィクショナル香港IBM

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/05/01 (水) ~ 2024/05/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/05/04 (土) 13:00

あまりにも面白かったので、2度目の観劇。ストーリーを知っていても面白いし、エンディングの感動もまた…。121分。
 繰り返しを多用しつつ、少しずつ違う展開から、最後のまとめで泣く。2度目でも泣く。2つのマグカップにこそ泣く。作・演出の笠浦の頭もスゴイが、タイミング重視の演技を全うする役者陣も見事。

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2013/05/10 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

これは凄いぞ
イキウメは、一種SF的な仮設フィクションの世界を描くが、今回の設定も極めて興味深い。そして、それに動かされていく人々の描き方が巧妙で、2時間を少し越える芝居の中で、息をも継がせない展開と緊張感が見事である。このところのイキウメ作品では大窪人衛が面白い役割を演じているが、今回もなかなかの存在感である。ゲスト的存在の池田成志の演ずる役割も、彼ならではのものである。とにかくスゴイ舞台だった。

ぬけ男、恥さらし

ぬけ男、恥さらし

MCR

駅前劇場(東京都)

2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白いったらありゃしない!
愛と人生に関する哲学的な話題を、かなりの笑いに巻き込みながら展開される物語が、まず良い。ある意味極めて真当な話題を取り上げているのに、笑い続けてしまうのは、それを物語として展開する人々が「変な人」だからかと思う。そういった作り方が基本的に見事だと思うし、そういう役割をしっかり演じる役者陣も力を発揮していると思う。特に、出突っ張りの諌山と、その妻役で、体調の微妙な変化を細かい演技を用いて表現するザンヨウコ、そして、表情で感情の機微を巧みに表現する都留崎夏子を興味深く見せてもらった。その他の人々も一癖を百癖くらいにして見せる熱演ぶり。見られる人は見た方がいい。

量子的な彼女

量子的な彼女

NICE STALKER

王子小劇場(東京都)

2016/11/19 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

理系心をくすぐる
最初に「皆さんは量子力学をご存知ですか?」という問いから始まって、とある高校の女子達を中心としたさまざまなエピソードが「理系的な」セリフで展開される。弱点はいっぱいあるが、「理系」でまとめようという、作家イトウシンタロウの心意気と、特に、屋上の先輩を演じた帯金ゆかり・山本光が石澤希代子を問い詰めるシーンのセリフに理系心をくすぐられ、☆5つを付けてみたが…。。

邪宗門

邪宗門

月蝕歌劇団

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/08/27 (水) ~ 2008/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白い!
 寺山らしい構造の作品を、月蝕風に解釈して好演。あまりにも面白いので9月1日にも観に行ってしまった。若い役者陣が力を伸ばしてきていると思った。

さようならば、いざ

さようならば、いざ

ONEOR8

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/11/16 (水) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

薮の中か?
病気を持っていたのに飲酒運転で人を死なせて刑務所に入っていた父が死んだ、という知らせを受けた姉弟と、叔母2人、そして、それそれのパートナー。誰が悪いのか、というのは本作のテーマではないが、それが徐々に明らかになりつつ、変化していくという展開が、田村らしい物語作りで、非常に面白く見せてもらった。本当のことが最後まで分からないと思わせておいてのラストシーンの衝撃が凄い。

abc赤坂ビーンズクラブ -side2-

abc赤坂ビーンズクラブ -side2-

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/21 (水) 19:00

とってもオシャレなエンターテインメント舞台!観るべし!(2分押し)95分。
 7月に同企画の第1弾を観て面白かったので、第2弾に行ってみたが、今回も楽しい。20歳前後の、主にミュージカル系の女優8人が登場(前回に続くのは2人)。クスリと笑えるショートコント(「しりとり」ネタが今回も秀逸・「絶対音感」も面白い)から始まって、シリアスドラマ・歌・ダンスと展開されて一気に観せてもらった。8人のキャラクターも区別されているし、エンディングの自己紹介ラップもなかなか個性が出ていた。特に気になったのは髙橋果鈴だが、どこかで観たと思ったら、2020年の『バクステ3rd』で観たのであった。何か気になる存在。客席がちょっと寂しいあたりは勿体ない。

『愚図』

『愚図』

KAKUTA

あうるすぽっと(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

お見事!
2014年の『痕跡』で鶴屋南北賞を受賞した痕、再演モノを経ての書き下ろし作品だが、桑原らしい感触の芝居である。さまざまな一見無関係に思えるエピソードで始まり、それらが収束していくという構成も見事だし、少し笑わせ、しょうがないなぁと思わせ、そして切なく終わる展開も見事だ。何よりも寂しい人への暖かい眼差しが感じられるのが良い。KAKUTAにしては、そう多くない人数での群像劇だが、メインの夫婦を演じた林家正蔵・千葉雅子の組み合わせが実に良い。

それにしても、1日に観た青☆組の吉田小夏と、桑原が、どちらも平田オリザ女子高生企画の『転校生』に出ていたというのは、興味深い。

グランパと赤い塔

グランパと赤い塔

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2017/11/18 (土) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/11/18 (土) 19:30

 懐かしい芝居だった。昭和44年、祖父母の家が取り壊されるということで久々に訪ねた母娘達が、一緒に暮らしていた昭和33年を回想する。ボイラー会社を経営する三世代の家族と、従業員やら居候やら女中やらの群像劇だが、当時7歳だった長女(今泉舞)をヒロインのように描くのは、青☆組では珍しい。東京タワーが建っていくのに連れて、物語は進み、余韻を残して昭和44年に戻って終わる。135分という上演時間も本劇団にしては長いが、それが意味を持つ長さになっている。私自身が、同じような三世代が同居した家に育ち、東京タワーの完成を見ているので、何だか懐かしい感触にとらわれた。しかし、そうでない世代が見ても、人間を暖かい視線で見る同劇団の本作品は、暖かい気持ちになれるだろう。

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