jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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関西演劇祭 in Tokyo

関西演劇祭 in Tokyo

関西演劇祭

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/08 (火) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/09 (水) 18:00

#オパンポン創造社 / #くによし組 を観た。面白かった。
 オパンポンは関西で活動する劇団で、初見のユニットだが、2017年初演で本祭でもかつて上演したらしい『最後の晩餐』を上演。代表作の一つらしい。惑星が地球に衝突する地球最後の日に、夫が家に帰って来たら、妻がしてみたかったSMの女王様をしていた、というシュールながら、コントなどでよくあるオープニングから、物語はドンドン展開し、相当に深遠な方向に向かい、割と予想できるかな、というエンディングに落ち着く。終演後のティーチインで、その辺を計算して上演するというあたりは見事だと思ったが、オパンポンパンツはやりすぎと思う。尤も、劇団の方針なのでしょうがないが。
 くによし組は当然ながら新作で『眠る女とその周辺について』を上演。眠る病気になった女の子と幼い頃婚約した男が、自分の住むシェアハウスで女の子を引き取り、同居人と一緒に面倒を見るが…、の物語。いつも通りの「異常な」設定で始まり、そういった中で「正常に」暮す人々が「シュール」になる、という、いつも通りのくによし組だった。最近は、社会的に重く感じる人々を描くことが多く、今回もちょっとそんな感じで、笑わせてくれるんだけど、後で考えることが多くある、そんな感じだ。

光垂れーる

光垂れーる

ぽこぽこクラブ

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/06 (日) 14:00

昨年度の演出家協会若手演出家コンクールで最優秀となった三上の本拠地なので観に行ってみた。悪くはないが、やや冗長。(3分押し)47分(休憩12分)75分。
 生と死が混在できる集落を舞台に展開される奇妙な宗教(的)なグループのあれこれ。軸になる家族の物語としてはやや話が広がりすぎるし、群像劇としてもちょっと散漫である。丁寧な演出で場面毎に作り込んではいるが、かえって冗長になってしまった印象である。登場人物も多すぎる気がした。死者と生者が区別できる記号が欲しい気がした。

プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 18:00

B version を観劇。同劇団でも他の団体でも何度か上演してる戯曲。(2分押し)58分(休憩10分)60分。
 中田顕史郎最後のロバートということだが、確かに迫力があった。残念だが、1幕のキャサリンとハルに「数学をやっている」知性がやや感じられずに、乗れなかった。2幕ではそうでもなかったので、何でだろうと思う。

クリキンディの教室

クリキンディの教室

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 13:00

あまりにも面白かったので、2度目の観劇。確かに面白い。観るべし!118分。
 筋が分かって改めて観てみることで、巧妙な脚本の台詞の構造がしっかり見える。無駄がない。昔話の辻褄を現代の基準に合わせる、というスタイルの演劇やコントはいっぱいあるが、これほど成功しているものは滅多にない。辻褄があっているという意味ではなくて、笑わせるものとして、ということだが…。SDGsを謳っているが、必ずしもそれに準じているわけでなく、それぞれの個人(教員)が思うこと/できることを積み上げると何かが生まれる、という趣旨だと思う。役者陣の技量に基く芝居作りは、とにかくスゴイ。一言で笑わせる台詞もいっぱいある。とにかくスゴイ。こんなに笑いっぱなしの電夏は初めて。

新平和

新平和

烏丸ストロークロック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 13:00

ドキュメンタリー演劇とでも言おうか。重い話題だが演劇的である。120分。
 広島に生まれ育った栗原チエ子は、原爆が投下された際は爆心地にいなくて被爆しなかったが、全ての家族を失う。老境に入った彼女が回想する被爆後の広島の現実を、ある意味淡々と描くことで芝居は進行する。チエ子役の女優はマスクをしてほとんど台詞を発せず、他の役者陣が替わって台詞を語るのは、発言することを奪われた被爆者を象徴しているように思った。終盤に見せる、被爆1年後の光景のシーンがとにかく印象的。

クリキンディの教室

クリキンディの教室

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/03 (木) 19:00

緻密な脚本のコメディを演じる同劇団だが、今回も緻密で大笑いさせてくれて考えさせられる。観るべし。119分。
 とある小学校の職員室らしい部屋(とてもそうは見えない舞台美術)で展開される、教員たちのSDGs談義。桃太郎を辻褄合わせて荒唐無稽な話にしようとするが、そこにはSDGsの話題…、という展開。それぞれの教員のキャラや、セリフで冒頭から笑わせてくれるし、こんなに大笑いが続く戯曲は同劇団でも珍しいのだが、途中から、深く考えさせられる話題を扱っているな、と気づいてゾクゾクした。タイトルの「クリキンディ」は調べてみて本当に凄いタイトルだと思ったし、同じ学校でも、何を大切にするかは教員により違うし、そんな違いが新たな何かを生むことはある、ということも、実は描いているんだと思う。同劇団を17年観ている私だが、このところ社会派よりのコメディへと変化した一つの究極だと思った。
 10人の登場人物のキャラがしっかりしているし、それを確実に演じる役者陣の手練の技が凄い。小林知未が演じる吉備野の演技は特に凄いと思った。

転校生

転校生

青年団若手自主企画vo.89 山中企画

アトリエ春風舎(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/27 (日) 14:00

平田オリザ作で1994年初演の戯曲だが、今回の企画も面白かった。75分。
 女子高生オーディションで上演した初演(女子高生だったKAKUTAの桑原裕子や青☆組の吉田小夏らが参加したそうだ)以来、いろいろなユニットで何度も上演されている作品で、私も数回観たが、今回は、見た目で女子高生と思えない役者(男性,年齢的にそう見えない、等)で上演する企画で、それはそれで面白いと思った。一種の不条理劇だが、当パンで演出の石渡が言っているように「戯曲の力が強い」作品で、見かけは女子高生でない役者も女子高生と見えるあたりはスゴイ。その意味ではチャレンジングな試みだと思う。

明時に僕らは青を謳う【2月27日公演中止】

明時に僕らは青を謳う【2月27日公演中止】

劇団zzZ°

王子小劇場(東京都)

2022/02/25 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2022/02/25 (金) 18:00

初見のユニット。残念な芝居だった。80分強。
 ネット上のメールやコメントを物理的に「運ぶ人」を見せる、というアイデアはいただけるが、いかんせん「舞台に立っていない」役者がいる感じ。配役表が欲しい。

ラビット・ホール【2月18日~20日公演中止、兵庫公演中止】

ラビット・ホール【2月18日~20日公演中止、兵庫公演中止】

KAAT神奈川芸術劇場

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/24 (木) 18:30

渋い座組みが気になったので観に行った。面白かった。68分(休憩15分)62分。
 8ヶ月前に4歳の息子ダニーを自動車事故で失ったベッカ(小島聖)とハウイー(田代万里生)夫妻。息子を思い出すものを残したくない妻と、残しておきたい夫。ベッカの妹イジー(占部房子)が妊娠したと言ってきたり、ベッカの母(木野花)やらとアレコレ擦れ違いながらも、暮していたが、ある日ダニーを轢いたジェイソン(新原泰佑)が会いたいという手紙を寄越し…、の展開。
ありそうな話で、ありそうな場面の連鎖だが、2幕に入っての展開で希望を持たせてくれる辺り、いい話だった。小島が感情を爆発させる瞬間の演技にはシビレタ。わずかなシーンでしか使わない美術が冴えているが、戯曲の指定なのか知りたい。
 同作家の「グッド・ピープル」再演を昨年10月に観たが、1幕は背景となる事象の説明に使い、2幕で一気に展開するという、同じ構造に見えた。
 1幕で2個、2幕で1個、ケーキを食べてた占部は大丈夫だろうか、と、余計な事が気になる(^_^;)。

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

東京にこにこちゃん

シアター711(東京都)

2022/02/16 (水) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/16 (水) 19:00

初見のユニット。とにかくバカバカしくて(誉めています)楽しいが、ちょっと切なくもある。観るべし!98分。
 VRゲームの世界に入った「高校生のアンドウ」が体験する、ゲームの世界での告白体験を描く。多くの同級生や先生方との体験の中で、次々と告白して成功するアンドウだが…、の物語。アンドウ以外はゲームのキャラという設定だが、アンドウのリアルは描かれないので、物語は全てゲームの中での出来事。したがって、無茶な設定も「ゲームだから」ということで許されていく。笑わせて、最後はちょっと切なく終わるあたりが本当に見事。小劇場っぽいチープさも活かして、本当にギリギリのバランスで上演されているのもスゴイ。メイン・ヒロインのシオリ(赤猫座ちこ」の扱いとか、心から笑った。
 赤猫座ちこ以外に知ってる俳優がいなかったので、配役表が欲しいところである。
 主宰・作・演出の萩田とAga-riskの富坂によるアフタートークでは、2回延期になり2年越しの作品ということで、萩田の「芝居できてよかった」感がいっぱい。ゲームの「ときめきメモリアル」と映画「トイ・ストーリー」をベースにしているらしいのだが、ゲームしない・映画観ない、の私では良く分からないことがある。しかしゲームらしい楽しさはしっかり伝わった。

寡黙と饒舌

寡黙と饒舌

ヨルノハテの劇場

シアター711(東京都)

2022/02/08 (火) ~ 2022/02/11 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/08 (火) 19:00

元がーまるちょばのケッチによるパントマイム(寡黙)と清水宏によるスタンダップコメディ(饒舌)のコラボ。面白い。休憩10分込み115分。
 清水は語りが決め手だが体もしっかり使い、やはりボディランゲージは大事だと改めて感じる。特に、後半で久々に見せたシンバル漫談を最近しない理由で、それがさらに分かる。ケッチのパントマイムは定番的なものや、ちょっとすぐネタがバレルものも含めて笑いを取るが、さすがと感心させるものもある。最後は2人がそれぞれ客席から出た3つのお題で演じる「三題噺」を見せ、これもさすがな感触。

APOFES2022

APOFES2022

APOCシアター

APOCシアター(東京都)

2022/01/15 (土) ~ 2022/02/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/06 (日) 16:00

石澤希代子×平井隆也『震える私の心の音』を観た。面白い。45分。
 バレエをやっていた石澤の特性を活かした脚本はなかなか見事なもので、それをしっかり演じる石澤の演技も一種「神がかった」ような凄さを感じた。オープニングとエンディングで繰り返される「こんなことで泣きたくない」というセリフがすごくいい。一人芝居のフェスティバルだが、このコロナ禍の影響か、1組の公演数が少なくなって来ている気がする。

見舞う男

見舞う男

ジェットラグ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/02/03 (木) ~ 2022/02/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/05 (土) 17:00

中津留章仁の作・演出で、ある家族の物語を描く。面白い。115分。
 交通事故で一時的に記憶を亡くしたらしい女性(平体まひろ)の病室に、同じ会社に勤め事故の加害者になってしまった男(冨岡健翔)が見舞いに(だから『見舞う男』)来る。当初は女性の兄(星野卓誠)と姉(十碧れいや)には胡散くさがられるが、次第に受け入れられ…、な物語。社会派と言われる中津留だが、こういう一種の「ホームドラマ」も書ける、というのは知ってはいたが、本当に久々だなぁという感じ。それぞれが少し変な部分を持つ家族に、不思議な提案をする男、という4人を軸に物語は展開される。元宝塚男役の十碧のヴィジュアルを活かした役作りや、芝居に慣れてる富岡の使い方などは巧いが、昨年の『東京原子核クラブ』から注目した平体が記憶喪失の女という難しい役を演じ、エンディングもしっかり担っていたのは良かった。

だからビリーは東京で

だからビリーは東京で

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/01/25 (火) 18:30

評判がいいので観に行った。確かに面白い。108分ほど。
 大学に入るのに東京に出て来た青年が、初めてのミュージカルとして『ビリー・エリオット』を観て俳優になろうと志し、劇団のオーディションを受けるものの、その劇団は前衛的手法で世間受けせず…、的な物語。劇作家が劇団を中心にした作品を書くと自己弁護的になるという印象があるが、さすがにベテランの蓬莱にはそんなところはなく、ある種リアルな物語が描かれている。コロナも次第に含み、他の5人の劇団員と青年の父親の7人しか登場しないのだが、そのそれぞれにバックグランドを描くなど、巧さもあるし、この劇団どうなるんだろう、と思わせておいて、みんなが予想する方向に進んで行くことなど、展開の起伏もある。でも、期待ほどに面白いとは思わなかったのは、軸が青年なのか劇団なのか、ちょっとハッキリしなかったという思いと、この物語は東京にやってきた人々の物語で、東京で生まれ育った私には少し抵抗あるセリフがあったからだと思う。『ビリー・エリオット』を観たことがないので、その感動とかに付いていけないことも関係しているかもしれない。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/22 (土) 18:00

2度目の観劇だが、戯曲を買ってみると、かなり深い作品だと分かる。面白い。90分。
 主要な6人の登場人物は3人で各2役で演じることが戯曲で指定されていることが分かった。主人公のマーラとマイラは1人の人物の両面を描いているように見え、そのことが1人2役で演じるという形になったのか。2人の息子のケニーとベンも八島智人が2役で演じるが、これも正反対のキャラクター。今回は「夢」という場面が2人の和解を求める心を描いているように思え、2役を演じることで「同じ人間だ」と言っているようでもあった。もっと考えていくと、いろいろと解釈できる作品だと思う。さらに使用する劇中曲も「同時代の女性シンガーの曲」を使うことなども指定されていて、それなりに腑に落ちる選曲だと思った。特にオープニングとエンディングの Gloria Gayner "I Will Survive" はピッタリだと思う。

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/18 (火) 19:30

武士編を観た。本来の形のはずだけど、そうではない雰囲気で面白い。55分。
 OL編でスタートしたものが第3弾で武士編になったそうで、本来は武士の話なのに、現代口語的会話で展開されるので、不思議な感触になる。

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/17 (月) 19:30

OL編を観た。青年団のレパートリーとして成立してる戯曲だが、やはり面白い。50分強。
 会社の休憩室と覚しき場所を舞台に、昼食を摂りにOLが集まるが、話題は自分達の主人が吉良に斬り付けた話…、という展開で、忠臣蔵スタートの場面がOLだったら、的な戯曲。何度も上演されているそうだが、私はOL編は2回目で、以前はそんなに面白く感じなかったが、今回はOLあるある的な話し方が気に入って、面白く観た。

あの子より、私

あの子より、私

エイベックス・エンタテインメント

よみうり大手町ホール(東京都)

2022/01/15 (土) ~ 2022/01/27 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/16 (日) 12:00

艶∞ポリスの岸本鮎佳の作・演出で、女優がいっぱい出るので観に行った。面白い。110分強。
 高級別荘地の見学会を舞台に、高校時代同級生だった元女優の美容家(黒谷友香)と元女優の作家(遊井亮子)を軸に展開する、若干ドタバタ風味のコメディ。黒谷の夫(古屋隆太)は有名ミュージシャン、娘(小林万里子)は読者モデル、息子(基俊介)はイケメン高校生とセレブ感がいっぱいだが、一方の黒谷も娘(村上穂乃佳)は上智に通って商社に内定しているという、こちらもセレブ感がいっぱい。もう一組は雑誌編集長(しゅはまはるみ)とその恋人であるカメラマン(松岡依都美)とセレブ感がいっぱいで、冒頭からマウントの取り合いになるあたりが面白い。振り回される不動産会社社員(異儀田夏葉)が大変だが、黒谷と遊井には何かの因縁があるらしく…、という展開が巧い。2人の高校時代の回想シーンでは、それぞれの娘が高校生時代を演じる等、岸本の脚本も興味深く、さまざまな組み合わせの人々が結びつくあたりも巧い。終盤のどんでん返しも面白い。
 映像系で大活躍だが舞台は少ない遊井をメインに観に行ったのだが、舞台でもしっかり存在感を出す。小劇場で観ていた異儀田としゅはまもしっかりポジションを取り、特に異儀田は、一人だけ庶民派、な雰囲気が面白い。初舞台だと言う小林も複雑な役割をしっかり演じた。さまざまな所から集まった俳優たちの演技が、巧く絡み合って、楽しい舞台だった。ジャニーズJr.の基が出ているせいか、男性の観客が極端に少ないのがちょっと…(^_^;)。

恋愛論

恋愛論

動物自殺倶楽部

イズモギャラリー(東京都)

2022/01/11 (火) ~ 2022/01/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/11 (火) 19:00

鵺的主宰・作・演出の高木登と牡丹茶房の女優・赤猫座ちこが立ち上げたユニットの旗揚げ公演。面白い。80分。
 役者(の役を演じる役者)4人が語る、演劇におけるルッキズム、という感じの作品。前半は、現実の小劇場関係での実話を想定した展開で笑わせるが、後半はある意味真正面からルッキズムを扱って、少しシリアスな雰囲気になる。ちこと野花紅葉という「カワイイ」女優を2人配し、金子鈴幸・小西耕一という男優2人はそれぞれの役割を演じて、面白く考えさせられる芝居を展開。小劇場系の話題に付いてこられないと面白味は半減するかもしれないが、ある意味普遍的な展開とも言える芝居を作る巧さは感じた。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/08 (土) 18:00

予想以上に面白く観せてもらった。観るべし!。90分。
 全く性格が逆の双子の姉妹の、1955年,1969年,1989年の出来事を、大原櫻子が一人二役で演じる。戯曲に指定と思われるカツラが6つ舞台上にあるところからスタートし、2人の3時代での6場で構成。サブに小泉今日子と八島智人、さらに、お洒落な場面転換を担当する王下貴司・斉藤悠の2人が出る。大原の熱演は素晴らしいのだが、何よりも戯曲が強烈な社会的メッセージを発する。フェミニズムの文脈で語られそうでもあるが、もっと普遍的な人間のあり方に迫っていると思う。作者とほぼ同世代の私にとっては興味深いキーワードがいくつか出てくるのだが、それを越えて楽しめる作品だと思う。小泉と八島も2役を演じてて、どこまでが戯曲の指定なのか知りたくなって、戯曲を買う気満々だったのだが、あまりの良さに興奮して買い忘れて帰って来てしまった。

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