実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/11/02 (水) 19:00
丁寧に作り込まれた戯曲を、役者陣がしっかり演じる。116分。
舞台を3つに分け、それぞれの物語が関わり合って一つの物語になる過程は見事。上手と中央の物語の関わりはすぐ分かるが、下手と他の2つの関連が明らかになるに連れて、物語が展開を始める。説明セリフなしに、それを提示する筆力が見事である。3つの関連が明らかになる過程と、その後の変化の2つを楽しむ舞台である。作家・演出家による2年のワークショップを通しての創作ということで、丁寧に作られたことがよく分かる。タイトルが非常に活きてる。重たい話題だが、藤野涼子の役柄の明るさに救われる気がした。
作者の須貝は、2007年に箱庭演舞曲の役者として観てから、役者・作家・演出家として観ている人だが、一種のファンタジー的な戯曲を書く事が多いと思っていた。本作もファンタジーと言ってみれば言えなくもないな…。