jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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女子と算数

女子と算数

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2024/12/25 (水) ~ 2024/12/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/29 (日) 14:00

10周年の記念に旗揚げ公演を改作して上演…、のつもりがトラブルに見舞われたものの、シッカリ感触を得た見事な作品。130分。
 8人の役者の内3人がインフルエンザで降板を余儀なくされるという困難を、一人は作・演出の主宰が代役を、一人は登場がかぶらない別の役者が演じることにして、主役の男優は等身大パネルとセリフを語る俳優を用意しての公演、というスタイルに、まず脱帽する。物語は、絶望的に察しが悪い和哉を巡るカノジョとの葛藤を、数学(算数)的話題を交えて展開する。等身大パネルを使ったことによる違和感は、元々がコメディのせいなのか意外に少なく、物語は楽しめる。千秋楽なので、途中からセリフ担当の帯金ゆかりがパネルを背負っての上演となったのも良かった。補数(恋人の数)や非ユークリッド幾何学などの数学的話題も面白かった。役者陣は皆好演と言うか怪演だったけど、わずかな期間で面倒な役割を演じ、しかもこの回はゲスト出演も果たした帯金は実力あるところを見せた。

ハッピーバッドエンドロール

ハッピーバッドエンドロール

route.©️

王子小劇場(東京都)

2024/12/25 (水) ~ 2024/12/31 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/25 (水) 19:30

チーム黒を観劇。気になってる劇団の「アリス」ベースのファンタジー。世界観が凄い。前説込み109分。
 女子高生が電車を待っていると白ウサギが飛び出してくるので追ったらワンダーランドに…、の物語。アリスベースだが、似てるけどちょっと違うエピソードを積み重ねて独自の世界観を描く。面白い。

ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

シアタートラム(東京都)

2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/22 (日) 16:00

2度目の観劇。切なくて、そして考える芝居。107分。
 「面白い」とはどういうことか、についての深い芝居。2018年の初演時にはもっと笑いが起こっていたと思うが、時代の変化を考えさせられる。

桜の園

桜の園

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/12/08 (日) ~ 2024/12/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/21 (土) 17:30

2度目の観劇。やはり、いい芝居だ。84分(15分休み)79分。
 ケラ meets チェーホフ・シリーズの最終作。特別な事件はなく淡々と没落に向かう旧貴族を描くが、豪華で達者な役者陣が、笑いと切なさを籠めて演じる。美術や照明も見応え。

ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

シアタートラム(東京都)

2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/19 (木) 18:30

笑っていいのか考えてしまう、笑えない、お笑い芸人の物語。深い。(1分押し)105分。
 2018年初演作品をリライトした再演で、初演も観てる。ヘレン・ケラーをネタにしたギャグをする女子2人が不謹慎だと活動休止に追い込まれるが…、の物語。不謹慎と笑いの境界がどんどん難しくなっている現在にこそ考えるべき作品だと思う。初演はもっと笑いが多かったように思うが、劇場の規模が大きくなったこともあって、観客が笑う場面が少なくなった気がする。國吉らしい細かいギャグはいっぱいあった。役者陣もみな好演だが、ロボット役を演じた柿原が特に良かった。

穏やかな人と機

穏やかな人と機

劇団青年座

新宿シアタートップス(東京都)

2024/12/12 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/12/17 (火) 19:00

小劇場系の作家の戯曲を青年座が上演。シビアな内容の、企業モノと呼ぶべき作品。120分。
 介護用品会社を舞台に、開発と営業の狭間で悩む男と取り巻く人々…、の物語。劇団「かわいいコンビニ店員飯田さん」の主宰・作・演出の池内風が書いたのだけれど、青年座が新たなものを求めているのだと思うと、面白い。事象を淡々と、膨大なセリフで提示するスタイルで、独特の感触を生み出してはいる。ちょっと過剰に見えるし、エンディングにはいろいろ意見があるとは思うが(私はアリだと思うが)、これも池内のスタイルということか。役者陣の巧さは流石、だが、セリフを噛む場面がいくつかあったのは残念。

星降る教室

星降る教室

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/13 (金) 15:00

いい話だったので2度目の観劇。心がほっこりする。(6分押し)59分。
 吉田小夏らしさ溢れるファンタジーを、手慣れた役者陣が演じる作品。効果音を口で演じる仕掛けも面白い。

おわるのをまっている

おわるのをまっている

劇団 贅沢貧乏

シアタートラム(東京都)

2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/12 (木) 19:00

名前は知っていたが見るのは初めて。「鬱」を扱って、不条理ながらリアル。97分。
 鬱状態のマリは夫のヨウの長期海外出張に付いていくが、滞在崎のホテルには奇妙な人が現われ…、の物語。鬱、とまでいかなくても、気持が落ち込んだ時には鬱陶しいと思う人々が次々に現われ、不条理な展開も鬱のマリにはこう見えているんだろうな、と思うと分かりやすい。いかにもな展開も多いが、奇妙に納得できる作品だった。

グッドナシトゲーション

グッドナシトゲーション

演劇企画よいやみなべ

王子小劇場(東京都)

2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/12/11 (水) 19:30

初見のユニット。達者な役者陣が作る不思議な世界観。(4分押し)89分。
 銀行の融資担当であるジャムは自分の名前を忘れる奇病にかかるが、同じ病気にかかった人たちが集まるナシトゲーションズに誘われ…、の物語。数シーン見ただけで役者陣の巧さが分かる。筋を追うこともできるし、展開もある意味で予想できるものだが、何が言いたいのかは分かりにくかった。何かを成し遂げなくても人には価値がある、ということなのだろうか。主宰で作・演出の今川宇宙は、大人の麦茶から本ユニットを昨年立ち上げたらしい。開場前に20人ほども待機列ができるのは王子では珍しい。
 芝居とは関係ないが、客筋が悪い。隣席の客は同ユニットを良く見てるらしいが、イスを動かす、音を立てる、足を組んで私の足を蹴る、スマホを鳴らす、…。

桜の園

桜の園

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/12/08 (日) ~ 2024/12/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/09 (月) 13:00

ケラのチェーホフ作品の第4弾・最終。とても分かりやすいチェーホフで面白い。84分(15分休み)78分。
 同戯曲はいろいろと観てるが、本作は非常に分かりやすい。役のキャラクターを際立たせる演出で、それぞれの役の持つ意味が分かりやすく作られる。特にロパーヒンの視点を軸にしている感じがあって、彼だけが現実を見ている印象がある。他の役は、現在の視点から言えば「おバカ」という感じだが、その意味で「喜劇」とチェーホフは呼んだのではないか、と思わせてくれる。役者陣は皆熱演だが、ロパーヒンを演じた荒川良々が特にいい。大転換する舞台美術や、照明も巧みだが、特に第二幕の後半の照明が美しい。

夫婦

夫婦

maars inc.

王子小劇場(東京都)

2024/12/05 (木) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/12/07 (土) 18:00

創設間もないユニットで、もちろん初見。ハイバイ2016年の作品を、達者な役者陣を集めて上演して、心が削られる場面が多く、覚悟を持って観るべき。107分。
 ハイバイの岩井秀人が、医師だった父との記憶を辿りつつ、母と父の関わりを舞台化。暴力的だった父が肺癌で死にそう、という連絡を母から受けるシーンで始まり、憎んでいた父の死を巡るあれこれに、回想を加えた展開。観ていてシンドクなる場面も多く、ストーリーもそうだが、役者陣が巧すぎてリアルに見えるし、かなり心を削られる。事前通告してほしかったなぁと思う(鵺的なら必ずやるレベル)。夫婦の不思議を巧みに描いているとは思うし、父(山森)と母(菊地)は前から観てるが、さすがに巧い。モニターを使った演出はどうかなと思った。
 席がL字型で、右ブロックと左ブロックで見え方が違うのだが、入場時にもそういった説明はなかったし、これも事前に通告をしてほしいところ。

星降る教室

星降る教室

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/07 (土) 14:00

ラジオドラマをリーディング型式で舞台化。とても優しいファンタジー。(3分押し)58分。
 主宰で作・演出の吉田小夏が2016年にラジオドラマとして書いた作品を、同劇団の得意な、演技を交えたリーディング型式で舞台化した。教員になった女性に小学校時代の担任からハガキが届くが…、の物語。宮澤賢治へのオマージュというドラマシリーズだったそうで、それと分かる展開もあり、役者陣も慣れているので、とても安定して観ていられる舞台だった。帰り道に優しい気持になる。

はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/04 (水) 19:00

名前は知っててベテラン劇団だが観るのは初めて。ファンタジーかと思ったら違って(ある意味ファンタジーかもしれないが)、SFチックな展開のコメディだが、シリアスな部分もあり面白い。115分。
 中心メンバーの遊佐邦博は電動夏子やサイコシス・かはづ書屋などで観てるが、今回は大島朋恵出演ということで観に行くことに。中世を思わせる「砦」が舞台のファンタジー、…、かと思ったら、全然違って、すぐにSFっぽい流れとなって、興味深い物語が展開される。笑わせる要素が多いし、実際笑うのだけれど、若干ご都合主義ながら深刻な要素も含み謎解きの要素もある、という見事なストーリーだった。変幻自在の美術も巧みな感じで楽しませてもらった。推しの大島は癖のある脇役、かと思ったら、超重要な役割を演じて、これもまた楽しい(コメディっぽい演技をする大島を観るのは何以来かなぁ)。

青春にはまだはやい

青春にはまだはやい

プテラノドン

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/01 (日) 13:00

ユニットとしては初見だが、見慣れた役者陣も多い座組。作・演出の笠浦は頭おかしいんじゃないか(誉めています)、と思わせる傑作。笑わせてくれるが、考えさせてくれる部分もある。とにかく面白い。(3分押し)107分。
 とある事情で独りぼっちになったワカナの前に、高校生が次々に現われるが…、の物語。いろいろな年代の役者を集めたことに意味があり、時代背景をしっかりと捉え、その時代ならではの話題を扱い、それらの関わりをも確実に描く、笠浦の筆力が、まず素晴らしい。また、ある意味難しい役割を演じる役者陣も凄くて、豪華で笑って考えて、だった。
 今年、笠浦の書いた『フィクショナル香港IBM』『ベラスケスとルーベンス』本作、と観たが、どれも「頭おかしい(誉めています)」としか言いようのない凄い作品群。大当たりだったなぁ、と思う。

うみのかたわれ

うみのかたわれ

らむらどぅプロデュース

王子小劇場(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/02 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/28 (木) 19:30

気になる女優がいっぱい出てるが、おだやかな会話劇。面白い。前説込み94分。
 双子とそれを取り巻く人々4組のあれこれを描く。大きな事件が起こるわけではないが、繋がりがあるようなないような、の話が作られる。加藤睦望・さんなぎ・シミズアスナ・波多野伶奈・藤真廉・村上弦、と、よく観てる女優がいっぱい出てて興味深く観た。「双子」と言うには似てないペアがほとんどだが、双子ならではの情景が巧く描かれているとは思う。

できないなんていわないで。

できないなんていわないで。

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/11/15 (金) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/23 (土) 14:00

ベテラン劇団が扱う社会性のある芝居だが、愛に溢れてる。109分。
 元舞台役者で今は祖父から譲られたパン屋をやっていたシングルマザーの季月は、店がうまくいかず「休んで」障がい者支援施設で働き始めるが、そこには電動車椅子に乗った元カレで劇団の主宰だった栗原がいた…、物語。障がい者の日常や働く人たちのあれこれ、障がい者の家族のエピソードを交え、栗原と季月の特徴を活かした出来事へと進む。どの場面も愛に溢れ、キビシイ題材を扱うシーンでも登場人物達が愛を持っているからこその争いだということが分かり、観終えてホッとする舞台だった。

世迷いファンファーレ

世迷いファンファーレ

海ねこ症候群

王子小劇場(東京都)

2024/11/20 (水) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/22 (金) 19:00

気になってる劇団で観るのは3作目。ファンタジーとも言えるが、かなり私にフィットした作品。エンディングでビックリした。(前説と観客待ちで3分押し)111分。
 のぞみが丘公演には、会社を辞めたが家族に言えない人々が「エア出勤」しているが、ある日そこに少女が現われ…、の物語。主人公の高校生時代の回想を交え、興味深い物語が展開される。一見分かりやすいストーリーにも思うが、少女の存在が謎で、最後になっても自分の解釈が正しいのかが、よく分からないで終わる。正解が知りたい。

ロボット

ロボット

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2024/11/16 (土) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/21 (木) 19:00

チャペックの100年前の戯曲の上演だが、ディストピアの物語なのに笑いもあって、面白い。120分。
 原題は「ロッサム・ユニバーサル・ロボット(社)」で、いろいろな所で上演されており、私も過去に1度観たことがある。初めてロボットという言葉を使った戯曲と言われているが、元々が風刺作家の趣もあり、現代でも通じる物語が展開される。機械ロボットではなくて、人造生命のロボットを発明したロッサム氏が作った、「人間を労働から解放する」ための会社だが、ロボットが反乱して…、の展開は予想されるものだが、その結末がロボットにとっても悲劇…、という結末は興味深い。笑いが起こる戯曲ではないので、演出の力だと思うが笑いが起こるところは巧い。、希望のあるエンディングとされているが、そういう風には見えなかった。

そのいのち

そのいのち

関西テレビ放送

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/11/09 (土) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/14 (木) 18:00

久々の「ちからわざ」公演だが、すごいモノを観た気がする。(2分押し)97分。
観るべし!
観るべし!!
観るべし!!!
 佐藤二朗主宰のユニット「ちからわざ」10年ぶりの公演ということになるのだろうか。佐藤二朗の脚本は12年ぶりだとかだが、相変わらず人間の弱さと強さを描き、笑わせる部分もあるが、しっかりと恐ろしい物語を展開する。前半はちょっとほのぼのとさせるが、生々しい表現も含め、終盤の恐ろしい展開はちょっとビックリする。宮沢りえも熱演だが、相馬花役の役者(遠い席だったので顔が分からず、どちらの役者か分からないのだが、こういうのは公開してはいけないのか)が見事すぎて、ビックリさせられる。佐藤もしっかり脇を固める。

橘に鶯

橘に鶯

露と枕

王子小劇場(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/13 (水) 19:00

初見のユニット。丁寧に積み上げられた会話劇で、面白い、というのとは一寸違うが興味深く観た。(1分押し)前説含め118分。
 地方都市で、300年の記憶を持つことになっている「おくしさま」というフィクションをベースにした群像会話劇。いろいろなエピソードを積み上げつつ、大きな事件が起こるというより、個々の人々の感情をしっかり積み上げる。演出も丁寧で役者陣もしかあり演じていたが、個人的に好みでないセリフ回しの役者がいたのがちょっと…、なのが残念。久々に観た島田の貫禄に安心しつつ魅了される。
 セリフ量が多いので、私が嫌いな言い回しが出てくるけど、これはしょうがないかなぁ。

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