
糸洲の壕 (ウッカーガマ)
風雷紡
座・高円寺1(東京都)
2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/17 (日) 19:00
重い題材が重く演じられるのだが、息を呑んで観ていられる。129分。
戦争末期の沖縄・糸州の壕の野戦病院の物語。学徒動員で看護に派遣された「ふじ学徒隊」の女生徒たちが体験した物語を濃密に描くが、肯定的な展開だけでなく、葛藤も反発もしっかり描くあたりがいい。しかもそれを現代の祖母(下平久美子)と孫(吉水雪乃)の回想風にしたことで、ちょっとだけホッとできる作りになっている。25人の登場人物は多いが、そのそれぞれの物語を描く脚本も見事だが、広い舞台で演じる役者陣も見事。開演の5分前から登場人物達が舞台に現われ、ちょっとずつ演じていくあたりで、自然に物語に入るのも巧い。

帰還の虹
タカハ劇団
座・高円寺1(東京都)
2025/08/07 (木) ~ 2025/08/13 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/12 (火) 19:00
戦争画を扱った秀作。重い題材で迫力ある舞台になっていた。(2分押し)113分。
2014年に下北沢駅前劇場で初演された作品の再演で、初演も観てるがよく覚えていなかった。1944年を舞台に藤田嗣治(劇中では藤澤元善・古河耕史)を取り巻く、戦争画に関わる人々のあれこれ。笑いを誘う熊本(津村知与支)という存在はあるものの、題材は重く特に終盤はシリアス。絵画(さらに芸術)と戦争の関わりについては、登場人物それぞれの正しさがあり、どれも頷けるものだし、どれが正しいと言えない面がある。役者陣も素晴らしかったという前提で、高羽の脚本がいい。

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演
かるがも団地
吉祥寺シアター(東京都)
2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/08/11 (月) 14:00
お気に入り劇団が初めての再演。笑って切なく希望もある。とても良い。(2分押し)113分。
2021年に初演された作品を再演で、初演も観ている。元地下アイドルで現派遣社員の幸恵(波多野伶奈)は、田舎の能代市の団地が取り壊されるので荷物の片付けに帰るが…、の物語。幼馴染みの何人かと久々に会い、親友のサチコ(村上弦)の事を思い出し、子どもの頃のことや、アイドルに憧れて東京に出てからのことなど、回想と現在を取り交ぜて、失ったものや成長したもののアレコレを思いつつ、最後は前を向く。初演から特に変えているところはないのだろうが、時が経って感触は変わった。初演の感想で「物足りない」と書いたエンディングがとても良く感じる。タイトルもとても良いのに気づいたりもした。初演と全く同じ役者陣で上演するという偉業をなしとげているが、劇場のサイズが変わって舞台美術や照明等も進化してて、とても良い舞台だった。都合で千秋楽しか観られなかったのだが、できれば3回くらい観たい作品だった。
初演を観て、劇団「かるがも団地」を知り、その後の全作品を観ているのだが、10本に1本くらいしか星5を出さない私が7作品連続で星5という驚異的な気に入り方の劇団になった。また、波多野伶奈という希有な女優を知ったことや、抜群のコメディエンヌにして優秀な制作である宮野風紗音を知る等、思い出深い作品が蘇り、なんだかいい気持ちで帰路に就いた。

vol.41 「廃墟」、vol.42 「そぞろの民」
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2025/07/25 (金) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/08/01 (金) 19:00
『廃墟』を観た。これもまた、ひたすら重いが、戦後の混乱期の感触がしっかり伝わる。(3分押し)95分(10分休み)65分。
中津留の戯曲を上演して来た同劇団が初めて三好十郎の戯曲に取り組む。戦後1年頃に書かれた作品だそうだが、敗戦後の過程を舞台に、歴史学者の大学教授と「共産主義者」として投獄された長男・元特攻隊員の次男を軸に、家族や周辺の人々が激しく口論する。戦後の混乱期に、さまざまな立場の人間が戦争の責任を問う、というのは分かるのだが、浮浪者の役割がぼんやりとしか分からなかった。
2作に出ている役者は少なくないが、どちらでもほぼ前編に出ている川崎初夏が只者ではないと思った。

vol.41 「廃墟」、vol.42 「そぞろの民」
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2025/07/25 (金) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/08/01 (金) 14:00
『そぞろの民』を観た。とにかく重い作品だが、しっかり観て良い物を観たと思う。(4分押し)119分。
2015年初演の戯曲を改訂しての上演で、初演も観ている。初演は傑作だと思ったが、本作もやはりとてもいい。政治学の元大学教授が、安保法制の成立を機に自殺し、その通夜の物語。長男(外交官)・次男(ジャーナリスト)・三男(失業中のAIエンジニア)と周辺の人々が、自殺の原因と責任を激しく語り合う。重いシーンの連続なので、3兄弟の再従兄弟が登場するシーンで少し笑いが起こるが、重さを味わう作品だと思う。初演では気づかなかったタイトルの意味が重い。初演は川崎初夏の代表作と思ったが、本作でも中盤からの川崎の活躍がいい。
負傷の寺中寿之に変わって作・演出の中津留が舞台に立ったが、同劇団を22年観てる私にして記憶にない出来事。

パビリオンをください
電動夏子安置システム
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/07/25 (金) ~ 2025/07/29 (火)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2025/07/28 (月) 19:30
面白いので2度目の観劇。やはり良くできている。(後説2分込み)122分。
2080年の万博の開幕を目前に控えて、とあるパビリオンに同居する人々のあれこれ…。2度目なので慎重に観ていたんだけど、よくできた脚本に脱帽。ヒューマノイドとか未来を見るメガネとか、科学の発展はそこそこあるんだけど、人間のやることは変わっていないよね、というメッセージが伝わる。と同時に、近年社会性ある作品が目立つ同劇団らしいメッセージもいっぱいある。客演陣がしっかりハマっているのが見事。

パビリオンをください
電動夏子安置システム
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/07/25 (金) ~ 2025/07/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/26 (土) 18:00
ロジカルコメディの雄が万博に挑む。アタマを使うが楽しい!!!120分。
2080年に江戸川区で万博が開かれることになって、オープン2週間前に参加したい国が出て来て、パビリオンをください、ということで…、の物語。カン違いと思い込みで人間がいろいろと面白いことをやる、という設定のロジカルコメディだが、55年後でも人間のやってることは変わらないというメッセージも込めれられている気がする。終わり方は近年の社会性の現われという感じ。
若い客演陣がしっかりハマっているのだが、どうやって見つけてくるんだろう。

君の夏則
Oji中高生演劇スクール実行委員会
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/07/25 (金) ~ 2025/07/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/07/26 (土) 14:00
若く、スガスガしく、面白い!94分。
王子小劇場時代から行なって来た中高生のサマースクール。3日間で芝居を作り、3日間の公演をするという。今までは忙しい時期なので観られなかったのだが、今回は奇跡的に時間があり観ることができた。作・演出はやみ・あがりシアターの笠浦静花だが、参加者のアイデア等で組み立てる型式らしい。今回の4人の参加者が、この日だけ体調不良で1人抜け、3人で再構成しての上演(そのため当初60分と予告されていたが90分程度になっていた)。にもかかわらず違和感は全くなく、気持ち良く楽しい時間を過ごすことができた。いい時間をもらってありがとう。

消えていくなら朝
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2025/07/10 (木) ~ 2025/07/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/07/25 (金) 19:00
蓬莱竜太による家族ドラマは、面白いけど痛くもあって、緊張した作品だった。120分。
蓬莱が2018年に書き下ろし宮田慶子・演出で初演した戯曲を、本人の演出で再演、だが初演は観てない。蓬莱の「私小説」的作品と話題だったが見逃してた作品をようやく観た。高校の卒業を機に東京に出てそこそこ売れている劇作家が彼女と久々に家に戻り家族が揃う。この家の事を書こうと思うというところから現われる、家族それぞれの抱える問題…。ありそうな展開ではあるが、時に痛い話題も出てくるものの客席に笑いも誘う。外部の視点、かと思ってた「彼女」も実は問題を抱えていることが分かり、どう終えるんだろうか、という展開が巧い。軸になる劇作家の造型が薄っぺらい印象を持ったが、どうだろうか。

寺山修司生誕90年記念認定事業「盲人書簡◉上海篇」
PSYCHOSIS
ザムザ阿佐谷(東京都)
2025/07/24 (木) ~ 2025/07/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/24 (木) 19:00
スタイリッシュなアングラ、と勝手に呼んでいるユニットが寺山に挑む。鮮烈!!!(4分押し)84分。
大人になれない少年探偵団の小林少年は盲目になり「支那」に行くが…、と物語がありそうなことを書こうと思ったが、爆音のBGMと閃光を含む照明のリンクが逆に心地好く、流れに身を任せる感じの90分弱。「面白い」という表現が適切かどうかは分からないけど、ワクワクしながら観ていられるところが本ユニットの特徴か。押しの大島朋恵は前説をして終わった流れで芝居に入るあたりの見事さ。

或る阿呆ゥの終活
らむらどぅプロデュース shared with 怪奇月蝕キヲテラエ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/07/17 (木) ~ 2025/07/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2025/07/18 (金) 19:30
奇を衒わない劇団「キヲテラエ」のVRストーリー。バーチャルの裏の人生って何だ、みたいな話。(前説2分込み)93分。
VRが当たり前になってる近未来を舞台に、とあるVRのRPGゲームの中の人物と現実の人物がシンクロするようでいて…、の物語。VRの中なので、どんな出来事でも起こるが、現実とどう絡み合うのか、若干訳が分からずに終わった。達者な役者陣であることは間違いなく巧みな展開を見せてくれて、楽しめる1時間半。

パンセク♡
spacenoid
小劇場B1(東京都)
2025/07/09 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/09 (水) 19:00
LGBTQ+を題材に、コメディタッチながら真剣に扱った快作の再演。とても良くできている。85分。
作・演出のニシオカ・ト・ニールが、自身の劇団で2018年に上演した作品を改訂しての再演で、初演も観ている。とても良く出来た戯曲だし、題材も作りも攻めているが嫌味はない。良い人ばかり出て来るけど、みんなが幸せになるのは難しい、という展開で、6人とは思えない深みのある作品だった。アイドル系の若手2人を巧く使うベテラン勢というキャスティングもまた見事。ママ役の柿丸をもっともっと観たかったなぁとは思う。

はぐらかしたり、もてなしたり
iaku
シアタートラム(東京都)
2025/06/27 (金) ~ 2025/07/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/04 (金) 14:00
ベテラン劇団らしい、巧妙でいい話だが、クセもあり面白い。107分。
冒頭の3場面ほど観ても、どうつながるかが良く分からないのだが、そこからの落ち着き方は見事で、さすがiakuさすが横山拓也と思わせる作り。登場する男女それぞれが普通の人だけど一寸クセがあるという描き方が巧く、笑ってる観客も多いが、笑えない部分も大きく感じる話だった。それはツマラナイということではなくて、シリアスに考えたらとってもシリアスな物語が展開されているということだと思う。

美シヒ國ハ、文化ノ明日ヲ蝕ムカ否カ(2025年版)
三栄町LIVE
三栄町LIVE STAGE(東京都)
2025/06/24 (火) ~ 2025/07/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/07/01 (火) 19:30
有害表現ということの意味に迫る、攻めた作品。とても面白い。87分。
1月に上演した『緋色…』に連なる作品で、2019年に初演された作品を改訂しての上演だが、初演は観てない。「有害表現禁止法」という法律が成立した日本を舞台に、劇中劇『緋色…』を再演しようとする作・演出の江戸川時子(吉水雪乃)を、刑事の丸木里(斉木香織)が逮捕し調べ裁判に…、なる物語。有害表現ということに焦点を当てているが、正解はない問いにどのように答えるか、という題材を、若いキャストに挑ませるところが、作・演出の太田守信の真骨頂か。
『緋色…』を観ていなくても分かるが、観ている方がはるかに面白い。

みんな鳥になって
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2025/06/28 (土) ~ 2025/07/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2025/06/29 (日) 18:00
レバノン出身のワジディ・ムワワドの「約束の血」シリーズの完結編だと言うが、他の3作は観てない。壮大な物語で圧倒されるけど、長い。105分(20分休み)88分。
ユダヤ人のエイタン(中島裕翔)はアラブ人のワヒダ(岡本玲)とニューヨークの大学図書館で知り合うが、エイタンの父ダヴィッド(岡本健一)と母ノラ(那須佐代子)は反対する。ワヒダは論文のためにヨルダンに行く途中で、エイタンの祖母レア(麻実れい)を訪ねるが、そこで爆弾テロに遭い、エイタンを心配する両親や祖父もイスラエルに来る。そこで、だんだんと明らかになる家族の秘密…、な物語。壮大な物語で、丁寧に作られたことは良く分かる。シリーズ全体に出演する役者陣も多く、丁寧な演技を見せてくれるが、とにかく長い。必要な長さかどうかが巧く判断できないが、舞台美術・音響も含め、公共劇場ならではの作品とは言えそう。

パトリオット
劇団チャリT企画
新宿シアタートップス(東京都)
2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/06/27 (金) 14:00
ふざけた社会派と名乗るチャリTだが、戦後80年に何かやるだろうと思ったら、こう来たか、という見事な作品だった。(5分押し)111分。
謎の飛来物を避けてビルの地下に逃げた5人だが、謎のエレベータが発見されて…、という物語。ちょっとばかりシュールな展開で、ファンタジー的な要素もあるけど、芯に社会派の題材を据えて興味深く展開される。今回初めて外部から演出を迎えたが(橋本昭博)、違和感なくっていうか、いつものチャリTだったと思った。森田ガンツ・堤千穂・熊野義啓ら見慣れたベテラン陣も巧いが、若手のバランスもよく、いい座組だと思う。それにしても、笹野鈴々音の飛び道具ぶりがスゴイ。

廃グランド・ホテル別館
システム個人
小劇場 楽園(東京都)
2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/06/26 (木) 19:00
初見のユニットだが、見慣れた役者陣が出てて、よーく考えてみると、面白いホームドラマだった。120分。
幽霊や妖怪が住む都内の廃ホテルを舞台に、怪異達が織りなすあれこれ。特殊な設定にはなっているが、疑似家族達が描く物語で、形を変えたホームドラマなのだと思った。さんなぎ,梶川七海,村上弦,岡本セキユ等、見慣れた役者陣が出るので観に行ったのだが、物語の構成も丁寧で、伏線の張り方も巧いし、いい話を見せてもらったと思う。

骨と肉
JACROW
シアタートラム(東京都)
2025/06/19 (木) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/06/19 (木) 19:00
ベテラン劇団の企業モノのようでいて家族の物語。エンターテインメントも意識した傑作。117分。
2017年に大塚家具の父娘の対立をヒントに書かれた作品をリライトして再演だが、物語は同じでも作り方が違ってエンタメにしっかり寄せてる。初演でも思った父(谷仲恵輔)と娘(川田希)の対立シーンなど「やりすぎ」の印象は残るが、それでも得意の企業モノで面白い。見事な衣装や、リングを模した舞台から、一種のファンタジーとしていることは分かる。久々の役者として登場の主宰・作・演出の中村が興味深いが、福圓美里という人を初めて認識して(『キョウカイセン』に出ていた)、声優としてのキャリアが長い人だそうだが、野田秀樹が喜びそうな声だなと思った。

昭和から騒ぎ
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2025/05/25 (日) ~ 2025/06/16 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/06/07 (土) 17:00
2度目の観劇。やはり面白いし、良くできている。(108分)
2度目なので、ちょっと冷静に観ていたのだが、とても良く出来た戯曲だと思う。展開はシェイクスピアのオリジナルを活かしつつも、8人の登場人物それぞれに「見せ場」を作るあたりが巧い。特に、脇のどん平(松島庄汰)の話す場面で照明がちょっと落ちて、ダークな雰囲気を出すあたりの巧さが凄いと思う。8人それぞれに見事さがあるのだが、峯村と山崎の巧さが光る。それにしても、舞台は3作目の松本の初々しさがステキ。

三つ巴
ガラ劇
シアター風姿花伝(東京都)
2025/06/04 (水) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/06/04 (水) 19:00
初見のユニット。吉水雪乃出演というので観に行ったが、女優のみ・生演奏で迫力ある舞台を作ってる。108分。
木曽義仲・源義経・源頼朝が巴御前を軸として闘う、男っぽい芝居を女優のみで行なう。歌やBGMをバンドが生で演奏したり、力が入ったセリフ回しなど、一種の様式美を目指しているように思うが、私のテイストではない部分も少なくなかったのは残念。素舞台での演技や、照明、そして衣装の見事さは光る。一人だけ華やかな衣装の吉水も映えた。北条政子役の本間理紗の存在感が印象に残った。