ラチカン
三栄町LIVE
三栄町LIVE STAGE(旧:フラワースタジオ) (東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/01/22 (日) 13:00
本ユニットは2回目。2010年に初演された作品の再演だが、初演は観てない。吉水雪乃が出るので、Cチームを観に行った。ちょっと…、な世界観。面白い。73分。
「ご主人様」にラチカン(拉致監禁)された少女10人。新人のヒロコ(吉水)に、馴れろ、と言う先人たちだがヒロコは馴れることができない…、の物語。かなり刺激的な展開だが、ヴィジュアル的にはそれほどでもなく、終盤の展開はちょっと予想外だが、よくよく考えるとありうる展開かもと思った。主宰で作・演出の太田守信が、自分の好みの世界観で作り始めて、思想で終わらせる、といった雰囲気か。目当ての吉水は、ちょっと珍しい役だが、しっかりと演じていた。役名があるのに台詞では「ヒロコ」以外は使われず、役者を確認するのがちょっと大変。
日本文学盛衰史
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2023/01/13 (金) ~ 2023/01/30 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/01/21 (土) 18:00
高橋源一郎の小説を原作にして2018年に初演された作品の再演。初演は観てるが、小説は未読。実に面白い!観るべし!4場。45分,37分,33分,20分。
それぞれ北村透谷・正岡子規・二葉亭四迷・夏目漱石の葬儀に文壇の人々や市井の人が集まったという設定で展開されるマジと笑いの混じった物語。それぞれの没年は1894年・1902年・1909年・1916年なので20年ほどの物語と言うことだろうか。その間の新しい日本語、すなわち、いわゆる「言論一致運動」の展開を描いて、面白く、かつ、考えさせられるところもしっかりある舞台になっている。多才な役者陣を集められる青年団ならではの舞台と言えよう。ただし、すべてのネタに反応できるのは、相当な教養が必要だろう(私も全部分かっているとは思えない)。
台詞の中に「新しき」を「あらたしき」と読む場面があり、ああこの時代はまだ音位転換は起こっていなかったんだな、と思った。
はやくぜんぶおわってしまえ
果てとチーク
アトリエ春風舎(東京都)
2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/01/21 (土) 14:00
初見のユニット。軽い感じの重さ。60分。
2012年の夏休み前に、女子高の教室で交される女子高生5人と女子教員1人の会話。他愛ない話から始まって、深いテーマに導かれる。結論は出ないし、気持ちの良い終わり方ではないが、一つの提示として受け止める。
ミルキーウェイ
村松みさきプロデュース
王子小劇場(東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2023/01/18 (水) 19:00
初見のユニット。七夕チームを観た。2021年初演作品の再演だが、当然ながら初演は観てない。ちょっと不思議なファンタジー。117分。
冒頭、登場人物がマスクで出て来るのでコロナ禍下だと分かるが、その内マスクをしてない人物が出て来るなど、物語は複雑に展開し時間軸もガンガン動く。即座に時期が分からないところがあって戸惑うのと、台詞が私のテイストではなくて、物語に入り込めない感じがあったのは残念。タイトルもそれほど活きていない気がする。
燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】
かまどキッチン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/01/07 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2023/01/13 (金) 19:00
初見のユニット。90分。
持っているカードをめくって役割を表示する、というアイデアは面白いが何をやりたいのか良く分からない。役者が巧いのは分かる。アフタートークで説明しなければ分からないのはどうだろう。
宝飾時計
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2023/01/09 (月) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/01/12 (木) 14:00
高畑充希の高畑充希による高畑充希のための舞台とでも言おうか。70分(15分休み)70分。
根本宗子が高畑の依頼で書いたという戯曲だが、高畑の魅力を引き出すことができている。女優のゆりか(高畑)が10歳から29歳まで続けた子ども役のミュージカルの主役、という設定が高畑と通じるものがあるが、主役トリプルキャストの他の2人、真理恵(小池栄子)・杏香(伊藤万理華)が巧い。過去と現在の時間軸を自由に動かすが、それを演じ分ける3人の演技は見事。展開はちょっとご都合主義的な部分があるものの、伏線の張り方も巧い。
恥ずかしくない人生
艶∞ポリス
新宿シアタートップス(東京都)
2023/01/07 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/01/11 (水) 19:30
本ユニットは4回目で安定の面白さだが、ちょっと変則的な方向に向かった気はする。(3分押し)99分。
留置場の担当官で部長にまでなったカヲル子(関絵里子)だが、副所長の谷と不倫したり、部下がいろいろだったり、やってくる犯罪者がいろいろだったり…、の群像劇。留置場に入ったことはないが、きっとこういうことはあるんだろうな、と思わせる「あるある」の展開の中で、高校の同級生が殺人未遂で入ってくるあたりから物語が動く。犯罪者も管理する側も同じ人間なのね、的な物語。
主人公を演じる予定だった今藤が怪我をして関に変わったのだが、全く違和感はなく、見事な舞台だった。ろりえの徳橋が面白い役所を演じる他、近江谷太朗はさすがの「嫌なヤツ」だったのは見応えあり。出てくるだけで笑いを取る加藤の存在は爆弾。
すずめのなみだだん!
やみ・あがりシアター
駅前劇場(東京都)
2023/01/06 (金) ~ 2023/01/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/01/08 (日) 17:00
劇団初の再演は2017年初演の作品だが、初演は観てない。素晴らしく面白い。(5分推し)103分。
冒頭、ワケの分からない言葉を話す集団が出て来るのだが、徐々に一種の宗教的団体だと分かる。その団体から出ようとした女性と一緒に付いていった女性が、「外」の世界と触れ合い、互いに同化する過程を面白く描いて見事な作品になっている。定時制高校を一つの舞台にしたことで、さまざまな要素を持つ人々が出てくることの必然性を維持しているのも巧いと思う。
10周年を記念して、再演希望作をファンから投票してもらっての上演だが、本作の初演の次の作品から観てる私としては、とてもいいものを見せてもらった気がした。
統一教会の話題が注目されているこの時期に観ると、宗教2世の問題が普遍的に思える。
『ジェミニ』
余人会
イズモギャラリー(東京都)
2022/12/26 (月) ~ 2022/12/31 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/28 (水) 19:30
河西裕介の本気を観た。観るべし!(2分押し)95分。
2つの愛の話が並行して綴られる。同じキャストが2役を演じるが、場面の転換が見事で、しっかり理解できる。切ない愛、幸せな愛、手慣れた役者陣の演技も見事。
オッペケペ
ドナルカ・パッカーン
萬劇場(東京都)
2022/12/27 (火) ~ 2022/12/31 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/12/27 (火) 18:00
壮大な戯曲を大胆に上演する。(2分押し)81分(12分休み)95分。
川上音二郎を題材に福田善之が58年に書いた戯曲を、現代風にアレンジしつつも原作の感じを活かして上演した。特に、コントラバスとパーカッションの生演奏を効果音としても使う演出が魅力を増し、舞台美術と合わせて効果的だと思った。川上がモデルの城山役の浅倉洋介、その妻役の辻村優子を初め力量ある役者の演技で見せるが、中にセリフが乗らない役者が少しいるように思い、勿体ない気がした。
幽憬
lal banshees
シアタートラム(東京都)
2022/12/22 (木) ~ 2022/12/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/25 (日) 15:00
パフォーマンス系は弱い私でも楽しめるダンス。
2011年に演劇系のショーケースで観て、それ以来折に触れて観ているのが横山彰乃で、彼女が企画するダンス。なんで気にいって/気になっているのか分からないが、とにかく今回も面白い。
オイコラケンジ~何しれっと帰ってきてんだよ~(仮)
オイウチケンジ製作委員会
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2022/12/24 (土) ~ 2022/12/24 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/24 (土) 18:00
楽しく、演劇界の繋がりを見せる舞台。(2分押し)95分。
8年前に演劇から離れた村松ママンスキーが戻ってきたというので、演劇界の多数の協力を得て上演される。5人の脚本家と6人の女優の協力で、楽しい短編集になっている。冒頭の石井舞出演の作品は8年前にも上演されたそうだが、かなり笑える。いやとにかく全て笑える。ママンスキーが演劇界の人に愛されているのが分かる。エンディングの真嶋一歌の声がいい。
abc赤坂ビーンズクラブ -side2-
エヌオーフォー No.4
赤坂RED/THEATER(東京都)
2022/12/21 (水) ~ 2022/12/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/21 (水) 19:00
とってもオシャレなエンターテインメント舞台!観るべし!(2分押し)95分。
7月に同企画の第1弾を観て面白かったので、第2弾に行ってみたが、今回も楽しい。20歳前後の、主にミュージカル系の女優8人が登場(前回に続くのは2人)。クスリと笑えるショートコント(「しりとり」ネタが今回も秀逸・「絶対音感」も面白い)から始まって、シリアスドラマ・歌・ダンスと展開されて一気に観せてもらった。8人のキャラクターも区別されているし、エンディングの自己紹介ラップもなかなか個性が出ていた。特に気になったのは髙橋果鈴だが、どこかで観たと思ったら、2020年の『バクステ3rd』で観たのであった。何か気になる存在。客席がちょっと寂しいあたりは勿体ない。
G線上のアリア
PSYCHOSIS
新宿スターフィールド(東京都)
2022/12/16 (金) ~ 2022/12/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/19 (月) 19:00
本ユニットは2度目。スタイリッシュなアングラ。面白い!観るべし!(7分押し)108分。
高取英の戯曲を森永理科が演出しての上演するユニットで、戯曲のアングラテイストを活かしつつも「オシャレ」な舞台だった。冒頭、フランス革命時の出来事が展開された後、一転して老婆が死期を迎える場面に変わり、老婆が土地を売って若返りの薬を呑んで女子高生に変わって宝塚に『ベルサイユのバラ』を観に行くが…、というスゴイ展開。島村抱月と松井須磨子も登場して、何が何だか分からないストーリーだが、とにかく一気に見せる見事さで、堪能した。スギウラユカが前説をしつつも、そのまま島村に変わって始まるオープニングや、爆音のロックを流してダンスも見せる等、とても観やすい芝居になっている。特にお目当ての大島朋恵が、声だけで老婆から女子高生に戻る演技には背筋がゾクゾクした。
秒で飛びたつハミングバード
かるがも団地
OFF OFFシアター(東京都)
2022/12/15 (木) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/17 (土) 14:00
この劇団の本公演を観るのは3回目。とてもいい気持になる芝居。観るべし!112分。
20代後半の男女が、悩んだり振り返ったり落ち込んだり前を向いたりする群像劇。中心になるのが教員の絵莉子(柿原寛子)とその近所に住む仁科(袖山駿)。さらに、その知己の歯科医・アッキー(武田紗保)と同棲するあきら(大嵜逸生)、絵莉子の同僚後輩の畠中(家入健都)や仁科のパート仲間・氷室(助川紗和子)、仁科や氷室が買いに行く弁当屋の東(一嶋琉衣)も加えて、様々な関係の男女の葛藤を、コメディで描く。とにかくセリフのキレがよく笑わせてくれるが、時にシンミリさせるあたりも脚本の巧さを感じるし、それを笑いにできる役者陣も見事。7人に加えて、老婆や中学生ほか「森羅万象」を演じる宮野風紗音が巧い。間を取らず展開する演出も効果的だ。この年代の持つ、達成感と喪失感を巧みに描いて、とてもいいモノを見せてもらった気になる。
本劇団の本公演は3回目だが、どれも星5つを付けてる!作・演出の藤田はリアルさに満ちた物語を書き、自分の経験をベースに書いているのではないかと思う。人間を信じる気持を書いているのではと感じる。
とにかくいい芝居である。
青幻海果
劇団フェリーちゃん
王子小劇場(東京都)
2022/12/15 (木) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/12/16 (金) 19:00
本ユニットは4度目になる。独特の世界観を持ったファンタジー。123分。
『トゥーランドット』からアイデアを取ったらしいが、とにかく独特の世界観を展開する物語と、衣装や照明も巧く使った舞台。作・演出で主宰の「なにわえわみ」がストーリーテラーとなるのもいつもと同じ。その世界観についていけるかがポイントで、明らかに私のテイストではないのだが、なんか気になるユニットである。本作は登場人物の関係がやや複雑で巧く入り込めなかったのと、オープニングのムーヴィングも今一つ美しく感じなかったのが残念。本作でちょっと活動休止に入る。
凪の果て
動物自殺倶楽部
雑遊(東京都)
2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/15 (木) 19:00
ユニット2作目。とにかく嫌な話(誉めています)。観るべし!95分。
離婚協議中の妻・晶子(三浦葵)が弁護士・笹井(函波窓)と一緒に、夫の弁護士・稗田(赤猫座ちこ)の事務所に来る。いろいろする内、夫・丈留(橋本恵一郎)が現われる。ドロドロとした展開の中、後半に移って、夫の愛人・野木(ハマカワフミエ)と稗田が会っているが…、の展開。ネタバレせずに簡単に展開を書けないのだが、終始嫌な感触の人々が展開するドロドロとした話で、緊張感が一杯で、終わって全く解決せず、ホッとしないのも珍しい。そういった全てを覆うザワザワ感が見事に演じられている。
フラットな舞台に椅子が3脚、同じ方向に向けて置いてあるが、それが隣り合っていたり向かい合っていたりするものらしい、というのを演技で見せる演出は見事。BGMにノイズを使ったり、繊細な照明も含めて、巧みな上演だと思うが、何と言っても役者陣の充実が凄い。函波や橋本は、一見マトモなようでいて実は問題を抱えた(タイプは違う)男を演じ、三浦はエキセントリックに見えて実は被害者かもというポジション。赤猫座は珍しく唯一マトモだと思える役で、ハマカワは典型的な弱い女だけど問題を抱える。ハマカワと赤猫座の対峙、それに三浦を加えた3人の場面では、頻繁に女優の表情を観るのに忙しくなってしまった。
明烏-akegarasu-
猿博打
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/14 (水) 19:00
6月に王子スタジオで短編集を観て気に入ったユニットの本公演。テンポよく進む心地好い舞台だった。(3分押し)79分。
福田雄一の2011年初演、2015年再演で映画にもなった作品を、劇団員の村上が演出する。初演・再演・映画とも観てない。品川のホストクラブを舞台に、落語の「芝浜」をベースの物語が展開され、「お見立て」「品川心中」のネタなども使った戯曲で、展開的には強引さも目立つ戯曲だが、そこをテンポよく、ある種無理矢理な演技で見せるところは、若さだなぁ、と思う。エンディングは「芝浜」を知らないとちょっと分からないと思うのだが、みんな知ってる、ということでいいのだろうか。村上のコメディエンヌぶりが、かなり見事。客席がちょっと寂しく、笑いが起きにくいのが残念。
観に行って欲しいな。
ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/11/25 (金) ~ 2022/12/27 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/11 (日) 13:00
2度目の観劇。やはり面白い!53分(休み15分)72分。
2度目なので展開が読めて、伏線が張り巡らされていることに気づく(猫、とか)。場面毎に笑わされているが、伏線の深さにも笑わされることにも驚く。浅野和之体調不良で、三谷幸喜が代役を勤めるが、特に違和感はなし。
おしまい大島四姉妹。
東京E-Do motions.
新宿眼科画廊(東京都)
2022/12/09 (金) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/10 (土) 18:00
2度目のユニット。楽しく穏やかなコメディ。102分。
次女と四女が暮らす生家に、同棲してた三女、中国で仕事をしていた長女が帰ってくるが…、の物語。ある意味お決まりの展開とも言えるが、それを微笑ましく楽しく観ていられるのは、作・演出の森田に人間を信じる気持があるのだと思う。時折入る小ネタのギャグも楽しい。「おしまい」と謳っているが、むしろ始まりの話だろう。