実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/07 (木) 19:00
実在のチョーク会社を舞台にした作品だが、心が痛くなるシーンもある。最後は人間を信じたくなる。88分(10分休み)69分。
現時点で従業員の7割が障がい者という実在の会社を舞台に、最初の障がい者が入社する時代を描く昭和34年が1幕、2幕は令和の今、障がい者を雇用したことで起こる事件を描く。「障がいは個性である」とは良く言われることだが、それを頭で分かっても体現することは難しいと思う。それを如何に乗り越え、また、起こる事件にどう対応するのか、を、丁寧に描く。1幕はやや都合が良過ぎる気もするけど、演劇的に許容されるギリギリのレベルだろうか。2幕の事件は予想外だったが、確かにそういったことは起こりうると思った。1幕で登場した、他の従業員と対立する菅井の存在と受け入れられ方が、実は大きい出来事だと思う。演じた川崎初夏は、2年ぶりの出演となる劇団員だが、静かだが強いキャラクターを見事に演じた。川崎はじめ、手慣れた役者陣と若手の熱演が心地好い。2幕で上司に逆らって主張する社員の今岡を演じた小崎実希子がいい。