hoegの観てきた!クチコミ一覧

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イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かった。
時代がいったり来たりするのだが、演出が良いのはもちろんだが、役者の力量であろう、全く混乱することなく観ることができた。
誰が悪いとか悪くないとかではなく、その時代で精一杯「良いこと」だと信念を持って生きて来た人たちの物語。
素晴らしかった。

天使の群像

天使の群像

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2023/12/21 (木) ~ 2023/12/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇場に入り、あの舞台セットを見た時、これは今までの鵺的とかは違うようだ、演出家も小崎愛美理さんだし、どうなんだろう?と思ったが、やはり鵺的は鵺的であった。素晴らしかった。
教師という職業をどう捉えて仕事をしているのか、それは様々であって、でも誰も悪い人なわけではない。それは生徒も同じで。
学校が舞台の芝居はたくさんあるし、同じようなテーマの芝居もたくさんあるだろうと思う。
でも、そこは鵺的。
嫌なところを突いて来るなというか、なるべくなら見たくない、見ないようにしているところを見せて来る。
素晴らしかった。
役者さんたちはみんなとてもいい。
そして舞台美術、照明、音響、脚本、演出。
改めて、芝居とは総合芸術であると思った。

ネタバレBOX

声の大きい人の意見や見た目の印象に、ついつい流れていってしまうのはよくあることで、だから、野花紅葉さん演じる中島は、先生方から疎まれ疑われてしまう訳だけれど。
でも、中島には戸部先生がいた。
一方で、優等生だと思われていた委員長である真鍋のことは、実は誰も見ていなかったということがわかるクライマックスが凄い。
「いなくなってしまいたい」状態になってしまった時に、いなくなってしまうことを選ぶしか道がなかった人たちと、あえていなくなることを選んだ人たちと、いなくなりたいけれど四方を固められ動くことすらできない人、いなくなりたいけれどそこにいることを選んだ人。
このラスト先が、悲劇ではなく、希望であることを願う。
堤千穂さんが素晴らしかった。
染明色

染明色

Prelude

王子小劇場(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

パワハラや性的マイノリティへの差別発言、動物虐待や性暴力の間接的表現があるR15の舞台。
Aチーム観劇。
優しい耳障りの良い言葉で「多様性」を認めると言うけれど、「多様性」とは何なのか、「普通」とは何なのか。
美術もいい。
コミカルなシーンと重いシーンのバランスもいい。
救いのないラストもいい。
脚本、演出の方はまだ若いと思うが、非常に良い舞台だと思いました。力作でした。
次回作も期待したい。

デラシネ

デラシネ

鵺的(ぬえてき)

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時は現代なのに、今どきこんな師弟関係ないだろ、でもそこはフィクションで誇張もあるからねって思いながら観ていたけれど、こういう男性は確かにいたし、今もいるんだろうと思う。
女を武器に上手く世渡りすること。
女を武器にせず自分の力で生きて行こうとすること。
どちらも痛みを伴う。
一見、古い昭和の物語のように見えるのは敢えてであり、昔はこうだったけど今はどうよ?良い方に変わった?ジェンダーギャップとか男女格差とかどうなった?と突きつけられたように感じた。
ラストがいい。
若い2人に希望を見る。

鵺的の舞台は俳優陣はもちろんだけれど、毎回本当に舞台美術や照明がいい。

太陽は飛び去って

太陽は飛び去って

Ammo

サンモールスタジオ(東京都)

2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/02 (木) 19:00

舞台は1929年。
平塚らいてう去し後の婦人運動家たちをとりまく1日の物語。
なんとまあ濃い1日でしょうか。
女性たちの理想と希望と、そこへ到達するための目的と手段。
喧喧囂囂と主張する女性たちの強く美しいこと。
そして、当時の価値観では「正しい男性像」であった男性陣や、使用人女性や子爵夫人や女学生の、それぞれの思いや振る舞いが、女性解放とは何か、フェミニズムとは何かを考えさせられる。

当日配られる「用語集」に目を通してから観劇することを強くおすすめする。(たとえば、「無産運動」の「無産」とは、子を産まないことではなく、労働者階級のことだったりするので)

美術と衣装がいい。
カラーパンフレットの衣装さんのインタビュー記事はとても面白かった。(カラーパンフの人物相関図もわかりやすくていい)

過去を生きた彼女たちの先に私たちが居て、更にこの先を生きる女性たちを思う。

良い舞台でした。

ネタバレBOX

女性たちの物語なんだけれど、その女性たちをとりまく男性陣がいい。
無産派としてバリバリ活動する妻を応援しているのに、若い女性を妾にすることを全く悪いことだと思っていない女学校の副校長(しかも私環たちの恩師)とか。
本を読み、自分の部屋を欲しがる妻を殴り、家に閉じ込めようとしながら、心から妻を愛している子爵とか。
当時の価値観では「良い夫」で「素晴らしい人」なんだよね。
「フェミニズム」の和訳に悩む女学生の立ち位置もいい。若いゆえ、その純粋さと柔軟さで、誰よりも本質に近づく彼女が鳥を逃がすのは、未来への希望だと思いたい。

追記
ヴァージニア・ウルフに『自分だけの部屋』という作品と、『ラピンとラピノヴァ』という短編があることを(タイトルだけでも)知っていると、劇中で「ああっ!」となります。
Jeanne

Jeanne

鬼の居ぬ間に

「劇」小劇場(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ジャンヌ・ダルクの異端審問と、死後の復権裁判を描いた法廷劇。
さらりとではあるが異端審問も復権裁判も知っていたし、どう演劇にするのかな?あの当時の一神教的世界観をどう描き、どう演じるのかな?と、大河ドラマを観るような感覚で気楽に劇場に足を運びましたが……甘かったです。やられました。素晴らしかった。
内容や演技はもちろん、セットや証明や音楽、そして衣装も素晴らしかった。
鵺的の奥野さんご出演ということで、奥野さん観たさに行きましたが、今後は知らない俳優さんばかりだとしても、必ず観に行きたい劇団に出会えました。

夜会行

夜会行

鵺的(ぬえてき)

サンモールスタジオ(東京都)

2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

遅ればせながら感想を。

いろいろ考えさせられる内容でした。
いつの間にか、あの場に自分もいるような気になる臨場感。彼女たちのリアルさ。
素晴らしかった。
私は高木さんと同年代なのですが、あの話を私と同年代の男性が書いたということに衝撃を受けました。心からの拍手と感謝を送りたい。

うまく言葉になりませんが。
彼女たちの明日が明るいものであるようにと願わずにはいられない、そんな切なく愛おしい物語でした。


リビング

リビング

Nana Produce

テアトルBONBON(東京都)

2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2021/03/04 (木) 14:00

価格5,500円

寺十さん目当てで観劇。

家族とは何か。親が子どもに望む姿とは何か。
親の期待に子どもはどうすれば良いのか。正しい夫婦の形、家族の形とは何なのか。
この物語ほどではなくとも、どの家庭にも多かれ少なかれある問題を重く、時に軽やかに描いた物語だと思った。
今藤洋子さんの硬質的な佇まいが美しい。
そして、やっぱり寺十さんはすごい。

ネタバレBOX

今藤さんが「わー、嫌な女」という、憎らしいほどの硬質的な美しさが崩れるラスト。
今までの「わー、嫌な女」が、ああ!そうだったのね!そうなるよね、そうやって生きて来たから、だから「硬質的な美しさ」なんだよね!と感じたラストがいい。
#12『ピーチオンザビーチノーエスケープ』/#14『PINKの川でぬるい息』

#12『ピーチオンザビーチノーエスケープ』/#14『PINKの川でぬるい息』

オフィス上の空

シアターサンモール(東京都)

2021/02/07 (日) ~ 2021/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

『ピーチオンザビーチノーエスケープ』観劇。
序盤の可愛い女の子たちの軽さが、後半の怒涛のクライマックスの重さを際立たせている。
音楽、舞台美術、照明の効果も素晴らしい。
ラストがいい。
これから先、桜子と河原に幸あれと願う。

男性客が圧倒的に多いが、ぜひ女性にも観てほしい。

ネタバレBOX

ミキオも道成も、必要以上に手を洗う。道成が「親が悪い」と言うが、本来ならば2人とも福祉や医療と繋がるべきだったんだと思う。
更に、ミキオは上手く生きられない。仕事も上手く行かない。友人もいない。抑圧されている。
カワチは善人だ。だが弱い。だからキョーコを守れない。
峰は無自覚に差別し、無自覚にミキオを追い詰め、自分より弱い相手にマウントを取る。
この事件が発覚した後、マスコミにマイクを向けられたら「最初からおかしい奴だと思っていた」と、嬉々として語るだろう。

ラスト、桜子はミキオに縋る。
でも、それは愛じゃない。せめて自分だけは可哀想なミキオを愛そうと、自らに言い聞かせた、愛だと思いたかったモノだ。
桜子が自分を守るために生み出した人格たちは気づいてしまった。自分は桜子であると。愛ではないと。
正気を手放せなかったキョーコは死を選び、正気を取り戻した桜子は自我崩壊のギリギリでミキオに縋る。ミキオしかないのだから。でも、それは愛じゃない。

これは、中島さんが、若く可愛い女優さんたちの美しい肢体を使って、男たちを殴りに来ている物語でもあると思う。
お前の中にミキオや道成はいなくても、峰はいないか?カワチはいないか?
お前の周りに桜子やキョーコはいなくても、河原はいるだろう?「子持ちのシングルマザー」というだけで仕事は見つからない。黒帯だ、ボクシングやっているだと電話しているフリをしながらでないと夜道を歩けない。それが今の日本における女の「当たり前」だと知っていたか?それで?お前はどうする?と。

圧巻である。
役者陣がみんないい。
素晴らしかった。

あと。
前半の、「ノルマ」と言いながらコスプレの女の子たちが腹筋やスクワットをするシーン。
あれは、ほぼベッド上だけが生活空間の少女の体が弱らないための「ノルマ」だったのだと気づいた時、このディテールの細かさよ!と舌を巻きました。

良い舞台でした。
ありがとうございました。
韓国現代戯曲ドラマリーディングX

韓国現代戯曲ドラマリーディングX

日韓演劇交流センター

座・高円寺1(東京都)

2021/01/27 (水) ~ 2021/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

『激情万里』を観ました。
日帝時代から南北戦争と、激しく移り変わる時代を生きた演劇人、芸術家たちの生き様は辛く、悲しく、熱い。
歴史に翻弄されながらも、理想を語り、演劇を愛し、模索し続ける様は、時を超え場所を超え普遍的だと思う。
観ることができて良かった。
いつまでも胸に残るであろう舞台でした。

バロック

バロック

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鵺的の描くドロドロした家族の話が大好きです。
ラストが怖い。女は怖い。

客たち

客たち

流山児★事務所

新宿スターフィールド(東京都)

2020/12/16 (水) ~ 2020/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

とても良かった。
外に希望を求めながら、重く閉塞的な場所から出て行くことができない少年。
ラストがたまらない。
寺十さんの圧倒的な表現力に心が震えました。

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