公演情報
teamキーチェーン「荊棘の途」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
それなりにハンセン病やハンセン病施設のことを知ってるつもりでいたし、昔、多磨全生園に見学に行ったこともあった。でも、全然知らなかったのだなと思い知らされる舞台だった。
ハンセン病を患い、施設に隔離された人々にも、普通に生活があり、そこには悲劇だけでなく、楽しいことや嬉しいことなど温かで平和な日々もある。
偏見や国のやり方に疑問を持ちながら、それを受け入れて生きていこうとする者。
声を上げ、変えていこうとする者。
どちらが正しいとかではなく、どちらが間違いというわけでもない。
舞台上で繰り広げられる施設内での出来事は、壮絶で悲しくて、温かくて優しい。
役者がみんなとてもいい。
「嘘がない演技」などとよく言われるが、嘘がないどころじゃない。全員が「そこ」に生きている。
役者の技量と、脚本と演出と、セットや音や光すべてがしっかりと合わさって作り上げた舞台だと思う。
話は時間軸が前後することもなく、真っすぐ進む。奇をてらうような演出もない。
淡々と、丁寧に、けれども深く、紡がれていく。
大げさな表現は何一つないのに、それぞれの登場人物の小さな動きや表情の変化のひとつひとつに、彼らがどんな人でどんな思いを抱えているのか見えてくる。実に見事だと思う。
ラストに読み上げられる日本国憲法。
私たちは過去から何を学び、この先の未来を生きる者たちに何を伝えていけるのか。
改めて考えさせられる舞台でもあった。