FIGの観てきた!クチコミ一覧

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エレクトラ<新制作>

エレクトラ<新制作>

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2026/06/29 (月) ~ 2026/07/12 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

特にタイトルロールのソプラノが、太い堂々とした声の優れた歌唱で出色。妹役のほうも声量があって凄い。逆に、母役はアルトで陰影が深く印象的。この主役たちの歌はすこぶるドラマチックでこの一種異様なオペラにぴったり。同作曲家の「バラの騎士」や「アリアドネ」などとと異なり、このオペラではオーケストラが狂ったように終始咆哮を上げ続けるが、これに負けないように歌うわけだから、多少マイクの助けがあったとしても、大したもの。演出は、ブランコやシャンデリアや道化など、隠された意味というか何やら象徴的な解釈がありそうなもので、本オペラには出てこない父の姿と思われる帽子をかぶった男の巨大な輪郭が興味深い。

韜晦

韜晦

令和座

北千住BUoY(東京都)

2026/06/24 (水) ~ 2026/06/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

たしかに、上演する場所にあて書きしたとしか思えないようなストーリーと演出による空間創造だった。この手の犯罪とかトクリュウとかをやってるグループは顔を見せることがなく、いったいどんな連中がどこでどんなことを考えながらやっているんだろうと普段から思わせられているところだが、この演劇はその一端を垣間見せてくれる。

ファーム・ホール

ファーム・ホール

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2026/06/15 (月) ~ 2026/06/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

重厚で硬派な会話劇で観応えがある。俳優座の名優6人で演じられるが、どの人も最高に素晴らしい演技。照明や音響、回転舞台など演出上の工夫がいくつかあるが、何と言っても台詞の発声と演技つまり俳優の力でここまでやれるのかと感嘆させられる。これを俳優座スタジオの小さい空間で臨場感たっぷりで観劇できるのは最高に幸せなことと思う。人間関係やおのおのの科学的・政治的立場を事前に配布される用語集をつぶさに読んである程度頭に入れておくのが望ましい。

現代韓国演劇上演「四番目の人」

現代韓国演劇上演「四番目の人」

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2026/06/19 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

社会派ドラマのようなつもりで観始めたが、そういう側面より、魂という内面の問題を扱う内容が印象深かった。病名を忘れたが、通常の感情体験を持てずサイコパスと間違われやすい少女が内面の魂について答えを求めて問いかける姿から、なんとなく、『攻殻機動隊』の高度に電脳化・擬体化された人間として生きる中で「ゴーストの囁き」を聞く少佐を連想した。現実と頭の中の空想の場面が交錯する作劇法は魂の問題を扱う本作品では非常にふさわしく感じられ、「逃げ場はないよ・・・」や「刑務所に入るばかりが・・・」など興味深い言い回しの台詞もあってなかなか面白かった。

りんごが落ちる

りんごが落ちる

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2026/06/13 (土) ~ 2026/06/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

作品が面白いし、演技・演出も面白い。説明欄通りで、観ていて登場人物たちが愛おしくなる。演劇に携わる、あるいは携わったことのある人物が何人も登場するが、それらの人々の言動に作者の様々な経験や実感が顕れているのだろう。とにかく芝居として最高。

レディエント・バーミン Radiant Vermin

レディエント・バーミン Radiant Vermin

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2026/06/08 (月) ~ 2026/07/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ブラック・ジョークのような作品で刺激的で終始ハイテンションで展開する。人の命が部屋の模様替えの手段程度に軽く扱われるのは何ともきつい冗談。最後も人を喰ったようなエンディング。主役2人は見ていて気の毒なぐらいの熱演だが、見ているこちらがだんだん飽きてくるきらいはある。

亀と潜水艦

亀と潜水艦

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/05/22 (金) ~ 2026/06/04 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇場と一体となって独特の世界観を見事に表出するのに毎回魅了される。悪役のいない芝居がよく成り立つものだと驚く。敢えて言えば戦争とか時代が悪役であるが、「戦争が憎い」だけで終わらず、その先で生き続けていく人間を描いている。「生きていきましょうよ」と訴えられているようだ。

第三の証言

第三の証言

劇団青年座

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2026/05/21 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なかなか興味深い作品だ。一見、社会派ドラマなのかなと思って観始めたが全然そんなのではなく、不条理な展開と何だか妙な人たちの変な会話に、何が何だかわからない混乱した気分になってくる。どこかですべてを操っている黒幕がいるらしいがその者たちの狙いもよくわからない。不正で金儲けを企むなら、何でまたビスケットごときをネタにしているのか?青年座がきちんと上演しているゆえに、この作品の不思議な魅力を感じさせられる。

花よりタンゴ

花よりタンゴ

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/05/12 (火) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

俳優たちが活き活きと明るく魅力的に演じており、歌やダンスなどよく訓練されている印象。作品はいささか古臭い気がしないでもないが、とにかく俳優たちのパフォーマンスが良い。
ところで元男爵家のこの四姉妹、食事は誰が作ってるんだろう。あの時代、食糧の調達は大問題なはずだ。33歳の長女?とても作れそうに見えない。毎日銀座で外食?裕福じゃないという設定だし。

エンドゲーム

エンドゲーム

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2026/05/15 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

不条理劇、特にベケットは、本だけ読んでいてもさっぱりわからないことが多いが、こうして舞台の形になって俳優たちに演じられ演出が付けられると色鮮やかに見えてくる。『ゴドー』よりは上演頻度が少ないと感じられるので、観られるチャンスがあれば観ておきたい。核戦争だか何かで人類が滅亡した後のシェルターで生き残った4人の不思議な一家が、悪い方向にしか進まない状況の中で取りとめなく目標に達しない会話を延々としているというストーリー。主人公役の近江谷氏が実に素晴らしい演技で、わかりにくい作品を豊かに色付けして見せてくれる。

劇的

劇的

ポッキリくれよんズ

浅草九劇(東京都)

2026/05/01 (金) ~ 2026/05/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観る前に人物関係図をよく見ていても、名前までは覚えられず名前と人物が一致しないまま観ていたが、親族+闖入者の間でいろいろあってワチャワチャやっているという認識で観ていれば支障はない。たしかに覚えにくい人間関係や簡単でない過去のいきさつが重要となるストーリーなので、「脚本家」なる人物が登場して部外者の立場で曖昧な点を「内部者」に質問したり彼らの説明を受けたりする場面が挟まれるのは、ストーリーを理解する手助けになって良い。ストーリーは巧みに構成されている印象で深みもある。手堅い丁寧な演技と非常に聞き取りやすい発音で演じられ、演出も無駄がなくシンプルでよくまとめられている印象。

軋み

軋み

Nana Produce

テアトルBONBON(東京都)

2026/04/23 (木) ~ 2026/04/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

寺十吾さんはああいう役をやると本当にピッタリ合う

メアリー・ステュアート

メアリー・ステュアート

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2026/04/08 (水) ~ 2026/05/01 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

女優ふたりの低めの威厳ある声による女王然とした演技がなかなか良い。

8hのメビウス(深化版)

8hのメビウス(深化版)

ウンゲツィーファ

北千住BUoY(東京都)

2026/04/15 (水) ~ 2026/04/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

台詞まわしや題材はコンテンポラリーだがストーリー展開はしっかりしている。こんな仕事の給料で一家4人が食べていけるはずがないなと思っていたら、家賃半分だのクレジットカードだの、というエピソードが出てきて意外にリアリティもおさえている。俳優たちの演技も十分水準に達していて見応えあり。舞台空間の使い方も興味深い。芝居として楽しめるので、休憩なしの2時間20分でもつらくない。

ガールズ&ボーイズ

ガールズ&ボーイズ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2026/04/09 (木) ~ 2026/04/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

真飛聖板を観たが、非常に良かった。2時間通してテンション高めでしゃべりまくり、聞き手に向かって語る場面とわんぱくな子どもの世話を焼く場面が交互に現れ、俳優に要求される技量と負担は相当なものと思われるが、見事にこなしている。この手の一人芝居の場合、往々にして展開が抽象的で前衛的であったりナンセンスだったりするという印象があるが、この作品はそうではなく筋が通った展開があり、前述2つの場面も強く関連していて統一感がある。その統一感を、一人の俳優のパフォーマンスのみで創り出しており、その演技の実力は賛嘆せざるをえない。

ロスメルスホルム

ロスメルスホルム

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2026/03/24 (火) ~ 2026/03/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなか良質な公演。当日パンフレットには、イプセンの中では「最も複雑で、多面的で、難解な作品」とあり、たしかに観念的・抽象的な台詞が少なからずあるが、今回の台本や演出では、複雑や難解というより、よく整理され受容しやすい印象があった。現代日本の観客に対して上演するには、イプセンの原作を紐解き何かに焦点を当てて現代化・構造化する工程が必須なのだろう。この作品は登場人物間の強い緊張を孕むストーリーであるが、本公演は緊張の中に繊細さを強く感じさせる演出・演技で感銘を受けた。その繊細さは主人公のキャラクターの反映や抑制された丁寧な演技、簡潔な舞台、場のつなぎで流れるラヴェルの静かなピアノ曲、演者の呼吸や間が観客にダイレクトに伝わる小劇場のアットホームな空間などから総合的に醸し出された効果だろう。この繊細な雰囲気があるから、最後の結末も「おいおい、どうしてそうなっちゃうの?」とならずに自然に受け入れ可能になった気がする。

ビッグ・フェラー

ビッグ・フェラー

劇団俳小

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2026/03/22 (日) ~ 2026/03/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中東紛争に匹敵する長く複雑な歴史がある北アイルランド紛争を題材にした作品だが、原作が原因なのか翻訳が原因なのか、今ひとつ活かしきれていないというか、ストーリーとしてまとまっておらず単に各エピソードが年代順に並べられているだけに感じられた。その間の時間間隔が長いので各エピソードが繋がっている感じは薄い。人間ドラマというにも少々弱く、淡々と進行していく印象。群像劇風で、タイトルロールの言動や内面にもっと焦点が当たって欲しい気がした。しかし、俳優たちはそのキャラクタを良く演じているし、日本人には縁遠い北アイルランド紛争に絡む本作を見つけてきて上演する意欲は評価したい。

サムとハロルド

サムとハロルド

劇団東演

東演パラータ(東京都)

2026/03/13 (金) ~ 2026/03/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

しっかりしたプロの演技で、すべてがふさわしい。ハロルド役の俳優は童顔に見え、中二病の多感な少年そのものという印象。作品も良い。決してそう思っているわけではないのにどうして衝突が起きてしまうのか、考えされられる。最後には希望が示される。ところで、店を閉めると言っているのに机やテーブルを並べてテーブルクロスまでかけるのはどうしてなのだろう。

欲望という名の電車

欲望という名の電車

吉住モータース

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2026/03/12 (木) ~ 2026/03/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

篠井英介氏がブランチ・デュボアを演じるのは19年ぶりだそうだが、これが最後かもしれない。さすがの存在感で、このタイミングでこの人の円熟した高い完成度の演技を観ることができたのは幸せである。スタンリーやステラなど他の俳優たちも、篠井氏のブランチを引き立てるような、抑制されたしっかりした演技でまとまっていて、見事なアンサンブルである。舞台をコの字型に囲む客席配置で、自分は舞台サイドの席で観たのだが、柱が演技者と重なって邪魔になることが何度もあって気になった。それ以外は、篠井氏の演技を間近で観ることができて満足度が高い。

鹿鳴館異聞

鹿鳴館異聞

名取事務所

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2026/03/11 (水) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前半は、古風で小難しい華族的な台詞回しが結構な早口で発せられるのであまり聞き取れず、いったいどういう設定の話なのかわからず、また「奥様」の言動が不思議なので少々混乱させられたが、話が飲み込めてくるとその詩的で格調のある、三島戯曲みたいな台詞回しが面白くなってきた。終盤でストーリーが大きく展開するのも驚きの印象。しかし、俳優たちはあんな、現代の日常では決して話さないような、難しくて舌がもつれそうな台詞回しをよくスラスラと早口で発音できるものだと感心する。さすがプロ。ただ、聞き取っても頭の中を右から左に素通りしていく台詞がたくさんあり(速いんで)、心の動きも含め2度観ないと完全な理解は難しいか。ところで火が付くのはどうやるんだろう。

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