FIGの観てきた!クチコミ一覧

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つきかげ

つきかげ

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

緒方氏の斎藤茂吉を観て味わう芝居ではあるが、音無美紀子は見事にその役にはまっているし、チョコレートケーキの3人もコミカルに脇を固めている。特に事件や一騒動があるわけではなく、斎藤茂吉の最晩年を描いた落ち着いたストーリーで、実力派の役者たちの演技で安心して観ていられる。

ジキルの告白

ジキルの告白

ISAWO BOOKSTORE

サンモールスタジオ(東京都)

2024/11/06 (水) ~ 2024/11/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白いことはたしかだが、少々不自然だったり冗長だったりする場面・会話があって違和感が若干あった。今から半世紀前の1970年代の人々の思考や会話を想像にたよって作劇する難しさがあったのかなと思う。

テーバイ

テーバイ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/11/07 (木) ~ 2024/11/24 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

ソポクレスによる3つのギリシア悲劇を連結するように台本を構成したようだが、暗く重い舞台で3作品を同時に味わえたようなお得感がある。演出もなかなか良い。やはり有名な「オイディプス王」の部が一番シリアスで面白い。

影のない女

影のない女

東京二期会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2024/10/24 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

もともと不条理劇のような不可思議な設定で辻褄も合わないストーリーだが、何とか追える筋をもう無茶苦茶に破壊していっさい理解不可能にしたような演出なので、目を閉じて音楽のみに集中する気にさせてくれる。低音の金管と打楽器の咆哮が鳴り響く音楽の面白さが味わえるオーケストラ、不自然な演技をさせられる歌手たちもしっかり歌っており、音楽的には申し分ない。

おまえの血は汚れているか

おまえの血は汚れているか

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2024/10/18 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

親の死や病気をきっかけに兄弟姉妹が久しぶりに集まり会話し、そこで隠された過去が暴かれたり葛藤が再燃したり、といった展開のホームドラマは定番中の定番と言えるが、これはその中でもかなり深刻な設定でエグい部類のもの。しかし良くできた作品と感じる。谷仲氏のクズな義兄の演技が素晴らしい。スズナリの舞台があそこまで広くできるとは、少し驚いた。

Nel nome del PADRE パードレ

Nel nome del PADRE パードレ

サカバンバスピス

APOCシアター(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

父との間にトラウマがありアンビバレントな感情を抱いている二人がなぜか彼らだけでそれについて語り合うミッションを与えられているらしい不思議なシチュエーションの芝居であるが、時折回想シーンを挟みながら迷路をさまようように展開していくのが興味深い。俳優二人の卓越した演技は楽しめたが、全面黒壁の小さい劇場内で声がよく反響するので、大きな声のセリフはかえって聴き取りにくくなってしまう面がある。

現代韓国演劇2作品上演「最後の面会」「少年Bが住む家」

現代韓国演劇2作品上演「最後の面会」「少年Bが住む家」

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『最後の面会』を鑑賞。接見のシーンだけかと思っていたが、回想シーンなどもあって変化が付けられていた。ストーリーとしては興味深いフィクションに創られていたが、ただ、ナオコの言動がどうも違和感があるというか現実的でなさ過ぎる気がした。

夢遊病の女<新制作>

夢遊病の女<新制作>

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2024/10/03 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

歌は素晴らしかった。シラグーザ氏を、20年ぐらい昔に同じ新国立劇場に登場した時に聴いて以来、今回久しぶりに聴いたが、軽やかで明るく光るような歌声が全然変わっておらず驚き。アミーナ役歌手も声がとても美しく、気の毒になるぐらい超高い音も苦しくならずに出していた。リーザ役歌手もまったく遜色ない。
一方、演出はいくつか妙に思える動きがあったりで腑に落ちなかった。他のいくつかの歌劇場との共同制作ということなのだが。

ピローマン

ピローマン

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/10/03 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

圧巻と言っていい内容。まず本が凄い。ちょっと変わった作劇と思うが、よくこんな物語を構想してここまで書き込めたものだ。終始緊張感が途切れない。
各俳優がまた凄い。登場人物同士の対峙がいくつもあり大量の台詞がバンバン発せられ強めの演技が付けられているが、見事に演じられている。それにしても成河氏は凄い俳優だ。こんな演劇はなかなか観たことがない。

兄妹どんぶり

兄妹どんぶり

劇団道学先生

新宿シアタートップス(東京都)

2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この手のコメディは下手な人たちがやるとつまらなくてイライラさせられるが、さすがここのプロデュースは違う。面白いだけでなく、各俳優の技量、演出、台本、いずれも高水準のプロの仕事に感嘆させられる。

広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

サイモン・スティーヴンスという作家の作品を初めて観たが、これは少々変わった作品のように感じた。全体として一貫したストーリー展開はあるのだが、個々の部分では違和感のある会話や場面があり、不合理で理解しがたいところがある。広い舞台を活かして舞台の位置で場面を分ける演出などは良いが、あまり労働者階級の家族に見えるようにはしておらず、少々矛盾や混乱を抱えた台本をあえてそのまま舞台にのせて観客に示しているような印象。

諸国を遍歴する二人の騎士の物語

諸国を遍歴する二人の騎士の物語

劇団青年座

吉祥寺シアター(東京都)

2024/09/28 (土) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2人の曲者の騎士役の山本・山路両ベテラン俳優が余裕の手練れた演技で、アドリブも挟んでいるようだ。

短編演劇アンソロジー   拾  「中島敦・光と風の彼方へ」

短編演劇アンソロジー 拾 「中島敦・光と風の彼方へ」

劇団キンダースペース

劇団キンダースペースアトリエ(埼玉県)

2024/09/24 (火) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

敢えて言えば、中島敦のいくつかの小説を三島由紀夫の「近代能楽集」的な雰囲気の舞台に新たに編み直した作品。やはり有名な山月記の部分が最も魅せられる。

セチュアンの善人

セチュアンの善人

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/28 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Aチームで鑑賞。脚本・演出家の前説通り、特に後半は大きく変えられている。ブレヒトの風刺や社会批判はそのままでは現代に通用しない面があり、このように新たな形を探る挑戦は評価できると思う。主役の俳優はとても良い声をしている。学生たちの演技も良く、少々頼りない神様の間の抜けた感じがぴったり合っている。

旅芸人の記録【9/8(日)13時・9/9(月)14時・9/11(水)・12(木)公演中止】

旅芸人の記録【9/8(日)13時・9/9(月)14時・9/11(水)・12(木)公演中止】

ヒトハダ

ザ・スズナリ(東京都)

2024/09/05 (木) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本当にこんな大衆演劇の一家が目の前にいるかのよう。各俳優の演技が素晴らしく、細かいところの演出も良い。ストリンドベリの引用が深みを与える。登場人物設定に見事に嵌まっているように見えるが、あれが本当の怪我とは、絶句。よく上演を続けてくれたものだ。

『ミネムラさん』

『ミネムラさん』

劇壇ガルバ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

3人の作家がそれぞれ自由に描いた『ミネムラさん』像をつなげたのであろうか、全体として纏まるようなストーリーはないようだし、また纏めようという意図もないようであるが、各部分内ではユニークな展開を見せる。しかし、手練れた役者や気鋭の演出家を起用するほどの台本であったかは疑問が残る。

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2024/09/10 (火) ~ 2024/09/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

登場人物の設定に若干のアレンジが加えられ、思考や言葉も現代風にされ、そのため現代的なストーリーになっていて新鮮に感じられた。イプセンの原作よりこちらの方が良いと思うほどだ。

かへり花

かへり花

トム・プロジェクト

俳優座劇場(東京都)

2024/09/02 (月) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

少々馬鹿げた話が終始穏やかに展開する。3人がそのベンチに至るまでの道筋は、主要な出来事二つを除いてほとんど明らかにされない。特に、大和田獏氏演じる高齢男性の過去は、わずかにあいまいに仄めかされるだけで何も明らかにされない(自分が聞き逃したか?)。そこは想像にお任せする、ということだろう。名前もはっきりしない登場人物たちが、ベンチの所に引き寄せられるように集まってきて、その時その時の気まぐれのような穏やかだがおバカなドラマが展開するところは、少し別役実の劇を思わせる。

世界 、

世界 、

演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2024/08/28 (水) ~ 2024/09/03 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台美術が印象的。座れるようにもなっている。ストーリーは宗教絡みでシリアスではあるがどこかカラッとしていた印象。しかしいろんな問題が提起されている。あの劇場の階段まで使う演出も興味深い。

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/08/09 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

幻想的で美しい演出で怪談の世界に引き込まれていく。ゆめとうつつの境界が怪しくなるというか。いつものように少し笑いを取りに行く場面も劇全体の雰囲気をいささかも壊さない。イキウメらしい優れた舞台作品。

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