公演情報
パンケーキの会「ある夜をめぐって」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
「壊れたガラス」
初めて観たアーサー・ミラーの作だが、リアリティを感じにくい作品と思った。原作が悪いのか翻訳台本が悪いのか。セールスマンの死の劣化コピーという印象。難解というのとは違い、深みが感じられない。意味ありげのそれらしいセリフはたくさんあるが、核心の周りを無駄にグルグル廻るだけで突然話が飛んでしまい、深まらない。登場人物たちの言動も稚拙で、突然キレて怒りだしたり急に無関係な話に変わって明るくなったりと、感情の動きにリアリティを感じられない。医者も治療中にえらく個人的なことをやるものだ。
「エーリッヒ・ケストナー~消された名前~」
日本人作家が、ナチズム時代のドイツを舞台に実在の人物たちを描いているが、非常に優れた戯曲。ナチス台頭前から終戦までのドイツ社会の変化と登場人物たちの変化を緊密に描いた台本で、演出もそれを活かしている。登場人物たちの感情や心理の動きは単純ではないが自然なので、俳優たちの演技もリアルに見える。客席が舞台を挟む構造は、時に手が届くほどに俳優と観客を近づけ、演技を間近で堪能できる。俳優たちの演技はいずれも優れ、特にケストナー役とロッテ役は最高に素晴らしい。