コナンの観てきた!クチコミ一覧

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once upon a time in海雲台

once upon a time in海雲台

MUSICAL『 once upon a time in海雲台』製作委員会

浅草九劇(東京都)

2023/01/10 (火) ~ 2023/01/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あまりに不器用すぎて、何とも歯がゆいラブストーリーにだんだん涙腺がゆるんでいく
新春のうららかな日にぴったりな親近感ミュージカルでした
韓流ドラマって何というかもどかしい感じが苦手で今までしっかり見た事はなかったけれど、本作のもどかしさなら全然OK
程よくコミカルなのも良かった
若いお客さんも多かったので、スマホやSNSが無かったこの時代(1992年)の恋愛模様をどんなふうに感じながら観ていたのか気になるところです

俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

冴えないサラリーマンに魔界の案内人が差し向けてくる風変わりな面々
どの面々も奇抜なんだけれど誰もがしっかり芯のある存在感(演技力も確か)
そんな色んな個性から成る世界観が次々と楽しめる仕掛け、これって「星の王子さま」的面白さというか(もちろん旅人は王子さまではなく、冴えないサラリーマン!)
出会いのひとつひとつに やるせなさが含まれて妙に良い感じでした

魔界の案内人と冴えないサラリーマンとの掛け合いも格別に絶妙
凄味さえある「怖」が時々「笑」に転がっていく様は特に

そして最初から最後まで出ずっぱり、冴えないサラリーマン役の曽世海司さん
冴えない とはいえ愛すべきキャラクターを大大熱演
不思議な経験を経た彼が自身の運命をどっちに進めていくのか
最後の決断に固唾を飲んで見入ってしまいました

明日の幸福

明日の幸福

diamond-Z

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2023/01/20 (金) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

中央区立日本橋公会堂、実際の最寄り駅は水天宮前だけれど凄く広くて立派な劇場
主催さんなのか制作さんなのか分かりませんが、こんな場所を押さえられるなんてめっちゃ優秀
とはいえ中身が伴っていなければ台無しなのですが・・・これがもう、とても良かった!

昭和30年代の古き良き空気感といい、役者さんの醸し出す風格や可笑し味といい、面白さがごくごく自然に溢れ出ていて立派な劇場に全然負けていない
善男善女の三世帯家族、権威あるお祖父さんの父親絶対主義的なところも観客席から観ているぶんには何だか微笑ましい。
互いの気持ちをちゃんと思いやれる(特に女性同士)素敵な三世帯家族なのだけれど、それでもちょっとした隙間から「悪意の芽」が育ってしまうところなんかはとても興味深いと思えました

劇場の雰囲気、役者さん達の魅力、物語の面白さ等すべての歯車が上手く合致して老若男女、全ての観客が心地良く楽しめる公演になっていたと思います

Go Let It Out

Go Let It Out

演劇企画アクタージュ

荻窪小劇場(東京都)

2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

奇妙な味のするサスペンス(サスペンスと言い切って良いのか、サスペンス風味?)
その先に何があるのか手探っていくのだけれど、暫くすると煙幕を張られた様に目先がぼやけていき、
それでもまた手探って
見えそうなんだけれど隠されちゃっている感じ、これは狙ってますね、確信犯
あえて分かりやすい万人受けを狙わずに、手探りに進んでいく(その手探り感も一緒に楽しむ)作風はおそらくアクタージュさんの新機軸

そして久しぶりにディスタンス感を取っ払ってくれた舞台というか、小演劇ならではの気迫を存分に堪能できる演出になっていて、もう感無量
今一体何を見せられているの(笑)…なシーンの唖然も、全部全部ひっくるめて生々しくライブでプライスレスな観劇体験
ここにいる本当に限られた人だけの体験だから尚更の贅沢感
全ては劇団さん、そして劇場さんによる安全管理があってこそ
生の醍醐味を「安心」と両立して楽しめるということ
その幸せを改めて噛みしめる事ができました、心から感謝!

笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康

笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康

明治座

明治座(東京都)

2022/12/23 (金) ~ 2022/12/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

徳川家康は「タヌキオヤジ」のイメージしかありませんでしたが本公演で描かれるはめっちゃヒーロー
家康の歩んできた人生振り返り、当然波乱に富んでいて面白い
緩く笑わせる部分と緊迫の人間ドラマ、キレッキレの殺陣といった引き締まった部分、ショータイムも織り交ざって、これは無限に観ていられる
服部半蔵を演じた宮下雄也さんの笑いに関するリーダーシップとシリアスなシーンとのふり幅が凄い
昔から記憶している役者さんも自虐的なポジションでありながらめっちゃ活躍していたなぁと

浅野ゆう子さんの寧々と南海キャンディーズしずちゃんの瀬名、それぞれの持ち味が活かされまくって素晴らしかった
その一方で原田龍二さんが埋もれていた気がしたのは自分だけ?そこは残念

第二部はチーム対抗ショータイム合戦、とことん楽しませてくれました 満腹です

この世界がおわる前に。

この世界がおわる前に。

アンティークス

シアター711(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

死に向かっての物語ではありましたが、登場人物に絵本や小説といった物語を紡ぎ出す才能がある事によって世界観が何重にも広がっていくという とても独創的な内容になっていました

不意にやって来る「おわり」
人生の走馬灯 ともまた違って、現在と過去、現実と創造が交錯しながら「おわり」についての思いが巡り巡っていきます

それ故 テンポ良くシーンのシフトチェンジも多い演出となっていましたが、このシーンからシーンへ気持ちの乗り換えやすさといったら
何かテクニカル面でポイントがあるのでしょうが、いくつもの軌道パターンを快適に乗りこなせているような爽快感ある舞台でした

ネタバレBOX

「いじめ」というもう一つのキーワード
「おわり」はいつか必ずやって来るものだとしても
せめて「いじめ」だけは生み出さない様にしないと、切なすぎます

満足感で満たされていて全くおかしくない公演でしたが、どうしてもしっくりこなかった部分が
それは主人公男性が離婚に至った理由
どう見ても浮気をする様な人じゃなかった
彼の言い分より、どうしていい加減な他者の嘘を信じてしまったのか
その当時における元妻と娘さんの家族(夫・父親)を見る目の無さがどうにも信じられなかったのでした

沼部、陸へ上がる

沼部、陸へ上がる

ラボチ

シアター711(東京都)

2022/12/16 (金) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

仲良し3人組が新種イモリを発見して一躍有名人に
確かに「めざましテレビ」とかこういう話題取り上げそう
週刊誌で「イケメン3人組が」の見出しに最初笑っちゃったものの、だんだんそれらしく見えてくる・・・
昔そういえば「羞恥心」っていう3人組がいたなぁ~と頭をよぎりましたが深い意味はありません

とにかく「こいつら面白そうじゃん、今度使ってみようか」なんて注目を集めてしまうマスコミのツボみたいなものは確かにありそう
いきなり人気者になってしまったド素人中の素人、その渦中 三十路男性達がどんな様子となるか、まるで見てきたかのように良くできた描写力
三者三様、細部にわたって見事でした

42歳となった今になって振り返る(それなりに)人気絶頂だった12年前
差し込む光に手を伸ばしながらも躰はズブズブ沈んでいく感覚「堕ちていくのもそれはそれで良いかも」となりそうな感情のうねりがヤバかったです

ひめごと

ひめごと

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

写実的セット(リアル)の中に散りばめられた美の数々(特に柿の木の圧倒感)
ドラマと共鳴する韓国伝統の弦の音色(形は琴に似ている)
そして舞台美術には「能舞台」をモチーフに とありましたが、最近 能の世界を拝見したばかりだったので、すごく理解できてこれまた興味深く見惚れてしまう要素
ゆったりした美しいリズム、舞台が現実(客席)とはまるで別空間でありながら、それでいてしっかり存在していたのは、役者さんの確かな演技力に加えてこうした「能舞台」のテクニックや色んな美意識が仕掛けられているからだと
まるで物語の中に「ひめごと」が隠されているのと呼応し合っているかの様で
それ故不思議に味わい深く染み入ってくる作品でした

物語が丁寧に紡がれていく中、もうお母さんがとんでもなく「ひめごと」を持っていそうで、「あっ そうか、もしや」と、こちらの想像も登場人物と一緒になって膨らんでいき・・・

これはもう役者さん5人とは思えないくらいの広がり、そして人の見え方の移ろいと言ったら
ミステリーな風味もしてネタバレ厳禁ですが、とても上質な終わり方だと思いました

美々須ヶ丘

美々須ヶ丘

fukui劇

劇場HOPE(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ミミズフライヤーそのものなグロシーンこそなかったものの、それに匹敵する異色作で間違いはなかった
小さな会社内のコミュニティー、そのリアルにしてやらし~い部分を更に濃縮還元した描写に思わず笑ってしまったのは、言葉のチョイスや演出の巧さに加えて役者陣がイケてるルックスだというのもあったかも
どんなにイケてても性格がこれじゃ台無しじゃん みたいな
逆にこんな毒キャラを演じ切った役者さんたち、凄いと思う

しかもそれだけにとどまらず後半の展開が・・・
まるで二重人格作品
うっかり石をどかしてみたら毒虫がゴソゴソ蠢いていた感じというか
いや「やっぱりいたか!」と予感していたかも
刺激的な作品を欲している方にお勧め!

時代絵巻AsH 其ノ拾六『赤雪~せきせつ~』

時代絵巻AsH 其ノ拾六『赤雪~せきせつ~』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

滅びの美学、堪能しました
もっと昔から灰衣堂さんの作品に触れられていたなら歴史の事をもっと好きになっていただろうに
戦国の世、その中心に身を置きながらも決して戦いを好んでいたわけでは無かった武田勝頼
聡明でありながらちょっとした判断ミスで簡単に味方の命を失ってしまう波乱の人生、観進めるほどに心が痛くなってきます

戦況がうまくいっている時より行き詰った時こそ取り巻く人物の人間性が浮き彫りに
どの人物がどの様に立ち振る舞っていくのか片時も目が離せませんでした
小劇場の枠を超えた時代絵巻には毎回唸らせられます

『ダークダンス』

『ダークダンス』

尾米タケル之一座

ウッディシアター中目黒(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

中身が入れ替わってしまった”悪”と“ヒーロー”のその後
それぞれが模索する2つの流れ(生き方)
元ヒーローはさすがヒーローをやってきただけあって実直な行動
その一方で元悪の行動がちょっと薄気味悪く・・・
この2つの流れを見ていると”正義”“悪”といった概念が こんがらがってくるようで興味深く、2人の距離の間で飛び交っている見えない緊張感に惹きつけられます

そして事件から時を飛び越えること20年、自堕落オジサン(実は遠い過去にヒーローとの繋がりアリ)に降りかかる第3の流れ
この第3の流れが一番多くの笑いを含んで、更には作品の世界観がより立体的に
“笑い”といってもドタバタ系のそれではなく、登場人物達の人間性が醸し出す”笑い”なので、どちらかというと「ストーリーを楽しんでいるうちに結構笑っちゃってたね」的な面白さ
なので開演前にあった「声を出して笑ってくださいね」笑い押しのアナウンスはかえって違和感となり残りました

人は記号ではないし、今見えている姿が全てというわけでもない
自分の中で納まりの良い、自分に都合の良いモノの見方には気を付けないと…
笑いだけでなく自身にいろいろ問い掛けてくる公演でもありました
(こうして客観的に観ていても、なかなか難しい課題だなぁと思いますが)

ヒーロー、悪の怪人、自堕落オジサン、3者それぞれに流れの中心となって活躍されていたなか、それらを支える役者さん達の活躍っぷりといったら
アンサンブルが実に見事でした

私は怪獣-ネオンキッズ Live beat-

私は怪獣-ネオンキッズ Live beat-

劇団鹿殺し

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/12/10 (土) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

新宿歌舞伎町の真ん中に何年間もあり続ける大きなフリースペース
トー横キッズと呼ばれる居場所の無い未成年達がそこを溜まり場として情報発信したり、独自の秩序を生み出したりと、それなりの成熟ができたのはこの街 歌舞伎町が彼女等を許したからではないかと
許す には「迎え入れる」というニュアンスもあるのだけれど、この街が若くて美しい彼女等をただ優しく包み込んでくれるはずも無く・・・
そんな底知れない街 歌舞伎町を鹿殺し流に
トー横キッズ(ネオンキッズ)という社会“生きる姿”が見事にミュージカル化されていました

明と暗、メンヘラとも言われる彼女等独特の個性が炸裂
中にはビスクドールみたいにツルンと綺麗で力を入れるとポキッと折れちゃいそうな子も
そんな女子を追っかけてくる男子、裏界隈から難癖つけてくる元風俗嬢、腹にひびく生音ドラムまで加わってめっちゃロックなミュージカル作品でした

スナイパーズ

スナイパーズ

とくお組

新宿シアタートップス(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日本で一番殺し屋の似合う街といえば、やっぱり新宿!
実際にその新宿街を見下ろす位置にある劇場「シアタートップス」
すぐそばには新宿区役所通り
この劇場でしか観ることの出来ない光景
この劇場でしか得ることの出来ない臨場感
まさにこの劇場での公演が運命付けられた作品
考えた人は相当計算高くて遊び心も豊富そう

そしてリアルタイムに標的が新宿(ここ)に近づいてくる!
この時間経過がもの凄く面白いのだけれど、殺し屋の皆さん ちゃんと仕留められるのか段々心配になってくる
何故に殺し屋の味方かって・・・だってこの作品、おじさん共感率90%を確実に超えていると思う(笑)

Los Cascabelitos con 芋洗坂係長2022!

Los Cascabelitos con 芋洗坂係長2022!

大野環フラメンコアカデミア 「EL ANILLO」

タブラオ・フラメンコ・ガルロチ(東京都)

2022/12/11 (日) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

会場は地中海料理とショーが楽しめるタブラオ・フラメンコ・ガルロチ
楽しい事を知り尽くした人が集う特別な空間といった雰囲気
何気に芸能人も来てらっしゃる
丸テーブル席に着くとさっそく5種類の料理が乗ったプレートが
ドリンクは自分の好きなものを選択
どれも手の込んだ本格的な料理ばかりで本当に美味しい
ゆったりとした空間の中、くつろいで食事できましたが、つまりはこのゆったりした席そのままにショーが観られるという事で・・・これは嬉しい
テーブルと椅子が上手く配置されているのでステージがとても見えやすく、目の前にステージがバーンと拡がっている感じ
(店内を見渡せば、ステージからちょっと離れてしまうけれどソファー席なんかもありました)

ショータイムは1時間30分 の盛り沢山
芋洗坂係長は歌とダンスのダブルパンチ、ありがとうございます、おかげで敷居がグッと低くなり、そして沢山笑わせて頂きました。
ギターが奏でる切ない旋律、ハモリ演奏も良かった
フラメンコは音と人間力がこちらに体当たりしてくる様で圧倒的ド迫力
フラメンコほど恍惚と開放感に満ち満ちた表現はないと思えました

よくテレビの海外旅行番組でスペインのショー酒場から本場フラメンコで盛り上がっている風景を見かけたりしますが、これ もうまさにその世界じゃん!(店舗的にはこちらの方が絶対快適で贅沢空間)
都内に居ながらにして、こんなにも素敵な体験が出来るとは思っていなかった・・・感動モノでした

サブマリン

サブマリン

マチルダアパルトマン

北千住BUoY(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「青いサブマリン」の回を観劇
入場するとそこはもう「サブマリン」のイメージ、
水中を連想する揺れ動く薄明りの中、浮かび上がる舞台
どうなってるのこれ、めっちゃカッコいい!
出来る事ならこの舞台美術を眺めながら暫しアイスコーヒーでも飲んでいたい
セットはアパートの一室そのものなのだけれど、作品の世界観と相まってすごく良い美術セットでした
公演会場の「北千住BUoY」は初めて
広くて外からは想像できないくらい内部がめっちゃオシャレ
このところ立て続けに劇団&劇場の相乗効果を感じる事ができて何とも良い流れです

長年付き合ってきた彼氏と別れようとしている彼女
「オイオイこんな優しい男、中々いないと思うよ
貴女、これを逃すと行き遅れるよ!」これは私の心の声、細木数子か
そもそも既に冷めているからこその態度なのだけれど、あ~っもう!勝手におせっかい心が湧きあがってヤキモキしまくり(笑)

どこかの誰かの生活を覗き見るようなアパルトマンシリーズ
ヤキモキしながらも中々こちらの気持ちは届かず(当たり前か)何だかおかしな展開になっていく様は、ただもう笑っちゃうしかなく
あぁ気付けばすっかりアパルトマン式覗き見に夢中になってしまっていた
面白かったです!

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

悪の組織と正義のヒーローが戦う壮大なスケール
ファミレスの仕事に忙殺される一般社会の世界観
その他にもヒーローご自宅における艶っぽい(笑)プライベートスペース等々
シアターミラクルのステージ空間がもう変幻自在なのだから演劇っていうのは本当にすごい
物語(人生)の波に心地よくのみ込まれました

科学戦隊というか、こういう系統のジャンルが得意な劇団さんらしく台詞中の論理に妙な説得力、ヒーローの適正とか…なるほどなぁと面白い
意外だったのは終始可笑し味に溢れた作品だった事
噛みしめるとそこから滲み出る苦味とか色んな広がりがあって実に豊潤
主人公を筆頭に色んな人生を観ることができて見応えたっぷりでした

Regulation's High!

Regulation's High!

株式会社NLT

シアターサンモール(東京都)

2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

座黒高校(ザクロコウコウ)この独特の響き 憶えていますよー めっちゃ熱い運動部モノ
初演が6年前
劇場の規模は2倍にスケールアップ
よりショーアップされた演出に、初演時の武骨な熱気と今回の洗練された熱気、どちらが良いと感じるかは個人の好みとなるのでしょうが、やっぱり懐かしさもあって感慨深かったです

スポーツ特別強化校
活躍を見込めない選手達は投獄、さらには看守委員にしごかれるというモノ凄い設定ながら、ひたすらに体力勝負~コンゲームよろしく頭脳戦も入った脱出劇の展開には結構ハラハラ
落ちこぼれ部員のみならず看守サイドにもスポットが当たっているのが良かった
登場人物、総勢24人(途中交代があったそう)で駆け抜けた熱いステージ
よくやった感に満たされた会場では拍手がいつまでも鳴りやまず、役者さんには何度も出てきてもらった千秋楽の回でした

アベベのベ 2

アベベのベ 2

劇団チャリT企画

駅前劇場(東京都)

2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コンビニ店員さん達の世知辛い日常生活の中にうまいこと世相を盛り込んだ「アベベのベ」は2016年版を拝見していましたが、はたして 今作もしっかり面白かったです
ファーストインパクトの分、前作の方が有利ではあったものの時代背景が変わって、描かれるは2022年7月 安倍元首相が銃撃された、あの日
舞台上に存在するコンビニ店特有の人間関係から生まれる会話と、おそらく日本中いたるところで取り交わされた類の会話、この二つが混ざり合った末の不協和音の様な流れ
シニカルな目線で描かれる日常に思わず笑っていたのに隠れていた狂気がひょっこり見えてしまった様でゾクッとします

衝撃が走った日、あの時感じた事を今一度振り返ってみる感慨深さ
もちろんそれも肝ではありましたがコンビニ内での人間ドラマ性めっちゃ強し、
あれから5カ月、このコンビニ店の現在にも思いを馳せてしまうのでした

ASAKUSA THUNDER GATE

ASAKUSA THUNDER GATE

妖精大図鑑

浅草九劇(東京都)

2022/11/25 (金) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前々からイラストレーションに惹かれるものがあり、今回舞台を初めて拝見しましたがセンスがめっちゃ良い
アニメっぽい衣装はキャラによってモードな着こなし、何ともオシャレ番長な風格
広めのステージ目一杯に繰り広げられるダンスには絶妙なる「変!」の要素が、
不思議な可笑し味が加わって、う~んやっぱりオシャレ!
ふんだんに取り入れられたダンスの数々は物語と一心同体、段々と変化していくのも大きな見どころでした

宇宙を舞台にした壮大なスケール感と
初めてのお使いならぬ初めてのコンサート遠征というワクワク感
初めてのお使い同様?ハラハラドキドキの一大アドベンチャー作品に仕上がっていてかなり楽しめます
観客もいつの間にか巻き込まれてしまうという仕掛けも心憎くてお見事

美意識は高いのだけれどユーモアたっぷりでとても共感できる作品性
こういう劇団さんにタップリの制作費が用意できると、今まで見たことないくらいのすっごい作品をつくっちゃうのではないかと思えてきます

遥かな町へ

遥かな町へ

文化庁・日本劇団協議会

シアターX(東京都)

2022/11/23 (水) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日本のマンガがフランスで人気があるという事は知っていましたが、谷口ジロー作品(日本で有名なのは『孤独のグルメ』)も大人気だなんて全く知らなかった
何だかこういうのって嬉しいものがあります
その谷口ジロー作品が外国の方によって演出され長きに渡ってフランス語圏で上演、大成功を収めているという、これもまた嬉しい事実
今回はその日本版の公演という珍しいパターン

本来原作に溢れているであろう日本情緒の面は差引いても、マンガでは出来ない演劇的表現多数、日本人キャストによる日本版という事でちゃんと方言を使われていたのも好印象でした
主観的イメージで言えば世田谷パブリックシアターっぽい感じ(う~ん、伝わりにくいか)

タイムスリップものとして かなりシッカリしたストーリー構成
でありながら主人公がタイムパラドックス ガン無視で大いに青春リターンを謳歌しているのが面白い
原作の趣旨がしっかり捉えられ描けているとみえ 絶えず惹きつけられるし、ずっと謎のままであった父親失踪の真実、とても丁寧に表現されていてもう腑に落ちまくり、腑に落ちて感慨深い
大納得の面持ちでのエンディングとなりました

大納得のトリプルコールでした

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