
イノチボンバイエ
MENSOUL PROJECT
ザ・ポケット(東京都)
2016/08/24 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
浅野温子さんの魅力が最大限に発揮
男魂×浅野温子のタッグ、もう大成功じゃないでしょうか。
大人がこんなにも真剣にバカを演る勇姿を笑わなければ失礼でしょ。と思うくらいに熱かったです。
まあそんな事考えなくても、前から、横から、斜めから笑いの矢が次々と放たれ、とことん笑いまくりました。
そして笑えるシーンとシリアスなシーンのギャップが凄く巧いです。
赤子の腕をひねるように、すっかり心をもっていかれました。
なにより小劇場でも全身全霊で役を演じきった浅野温子さんに感服します。
大人が充分に楽しめる演劇です。

8月のウィークエンド・プロフェシー
空飛ぶ猫☆魂
駅前劇場(東京都)
2016/08/24 (水) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
ラジオの生番組を介しての、カリスマ占い師VS占い師の嘘を暴きたい男達。
幕開けからすぐに訪れる心地良い面白さにずーっと身をゆだねていたい気分でした。
役者さんの力量があってこその空気感でしょうが、いい感じのテンション、テンポで、安心して楽しむことができたと思います。
そしてパズルのピースがひとつずつ嵌まっていく様に面白さの幅が広がっていく感じがたまりません。

和牛ステーキ 1 ポンド
コルバタ
シアターブラッツ(東京都)
2016/08/25 (木) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ミニ試合もあるよ
プロレスの試合は今まで観にいった事が無いものですから、生女子レスラー初見の身です。
少し緊張しながら行ってきました。
もともとプロレスラーにはパフォーマンス“力”が必要でしょうし、特に彼女達を見ていると人を楽しませる事が本当に好きなんだろうなーと生で感じます。
演劇としては発展途上の段階だと思いますが、演出も格闘の末、慣れない舞台で奮闘する姿には味があり、観に来た甲斐がありました。
運よく、アフタートークのある回だったのですが、そのやりとりが何げない所でも、すごく面白かったです。
そんなに劇中では気にしなかった人まで、あれっこんなオモシロキャラの人だったんだという発見もありました。
なので完全に作り込んだものを目指すよりも、普段のやりとりを劇中に思いっきりぶっこむと、さらに女子レスラーならではの面白い作品ができるのではないかと思ったりもしました。

幽霊
Show Window (pd.T1project)
荻窪小劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
重厚な古典が小空間で演じられる贅沢
イプセンの作品は過去に「人形の家」が面白く、「海の夫人」が苦手だったので個人的には1勝1敗です。さあ今回の「幽霊」はいかにっ!と挑みましたが、よかったです。
閉鎖的な環境のせいで、登場人物の性格がより露骨に浮き彫りになった人間ドラマとして、とても楽しめました。
主演の西村順子さんの風格が、もうTHE女優で驚きです。
相当な稽古を要するに違いないこの公演が、たった4日間だけとは、なんて勿体ない。
まだ初日で、台詞が完全に消化されていないと感じる箇所もありましたが、衝撃のラストシーンは、それはもう見事に押さえていました。
目に焼き付いて離れません。

問題のない私たち
“STRAYDOG”
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2016/08/16 (火) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
らん組を観劇
演技がうまいとはいえない。歌やダンスも素人なら上手な方くらい。
それならこの公演が良くなかったかと言えば否。なんだかよかった。
若さ溢れる女子パワーが全体を底上げしている。っていうのもあるが、変化に富んだストーリーだったり、妙なエグさだったり、なぜか生バンドだったり、うまく言えないのですが、何だか面白い。
説教臭くなく「いじめ」のみっともなさ、虚しさをはっきり描きながらも後味が悪くないのもいい。
もしも学校のクラス単位で、この舞台を観て皆で共有すれば、きっと得られるものがあるはず。
学園祭っぽいノリもあるし観劇経験のない学生でも入りやすいのではないかと。

百枚めの写真 一銭五厘たちの横丁
トム・プロジェクト
俳優座劇場(東京都)
2016/08/15 (月) ~ 2016/08/17 (水)公演終了
満足度★★★★★
貴重な写真とルポルタージュを基に創られた作品
長男であり夫を戦争に召集され見送った、父母妻妹家族。
とても誠実に、この家族の生活模様が描かれています。
実際に苦労の末、完成したルポルタージュが基になっている為、台詞のひとつひとつに説得力がありダイレクトに心に突き刺さります。
今後、何度でも再演してほしい価値のある作品だと思います。

ゼロ式
Uzume
千本桜ホール(東京都)
2016/08/12 (金) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★
第2回目公演にしての安定感
ヒロイン(舞台には登場しない)と付き合いたいが為に悶絶する男達の様を軸に描いた短編集。
コント集の様でもありますがアドリブ対決編があったりとアプローチのしかたが様々に工夫されていました。
結局、男はスケベでバカだよなーって事ですかね。
役者さんのルックスのせいか変態っぽいシーンがあっても妙に爽やかでした。
女性には不快感なく観られて良し、なのかなと思いますが、もっと破綻したところがあった方がよかったかも。
前々日に「ロマンス」という、とてつもなくエグイ作品を観ており麻痺しているのかもしれませんが。
次回はまた違った企画をされると思いますが長編も観てみたい劇団でした。

ロマンス
株式会社STAGE COMPANY
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/08/09 (火) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★
Bチームを観劇
「ロマンス」というタイトルにスタイリッシュなチラシ、受付け、案内には感じの良い女性陣という中、公演が始まったとたん怒涛のなんじゃこりゃー!状態。
多分口が半開きになっていたと思います。どんだけ自由なんだと。
つかこうへい作品は「蒲田行進曲」 以外は苦手かもと思っていましたが、こんな異色作があった事を知りませんでした。
相当におかまが自虐的にも差別的にも描かれていて、大丈夫なのかっと思う一方、完全燃焼覚悟の演技にただただ見入っていました。
自虐的でありながらもドSな作品だったなーという印象です。
刺激が欲しい女性にお薦めします。

白紙の目次
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2016/08/10 (水) ~ 2016/08/17 (水)公演終了
満足度★★★
Aチームを観劇
相当な昔、想定外に涙腺が崩壊してしまった下北小劇場で初めて観た東京セレソンデラックスを彷彿させる舞台でした。なのに個人的には波に乗れませんでした。無念
序盤から、笑いの沸点がものすごく低く、ちょっとした事でも大受けして手までたたきだす方とたまたま隣あわせになると、さめていくという不思議。
おしゃべり等のマナー違反ではないので、要は私の集中力の問題でしょうか。
ラストに近づくにつれ、お隣からは鼻をすする音が、そして会場のあちこちからも鼻をすする音が。 なんだか無念でした。

厚い雲に覆われた光
演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2016/08/02 (火) ~ 2016/08/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
いい役者がいっぱい
いい芝居を観た後は幸福感に包まれ身体が軽くなった様になるのですが、この作品はまさにそれでした。
チラシに掲載された役者が急遽一部代わっているまさに綱渡り感や、劇団員が積極的に会場案内や物販を行っている「がんばってるなー」感も含めて。
ストーリーはチラシのイメージで、災害地から娘一家を救出する話かと想像していましたが、被災後もその島で生活する人々の姿を、兄妹家族を中心に描いた内容でした。
ストーリーがシンプルな分、ヒロインを取り巻く人間関係が時には滑稽に、時には生々しく表情豊かに描かれていたと思います。
凛として生きようとするヒロインの心情の変化も納得の出来ですが、その兄の憎めないクズっぷりが見事、泥臭くていい演技でした。
時系列でちょっと解りにくい箇所や、兄が最後フェイドアウトしてしまった感等、気になった所はあるにはありますが、それを差し引いても魅力的な公演でした。

ゾーヤ・ペーリツのアパート
時間堂
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/07/29 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
2時間45分(休憩あり)
ロシアの戯曲なので登場人物の性格はそれぞれに自己主張が強く独特で、国民性がよく出ていたと思います。
その中で中国人役が2名出てきますが、ロシア人から見た中国人像が浮き彫りになっているようで興味深かったです。
欲を言えば娼婦の館での衣装や照明はもっと毒々しい感じの方が、演技がより引き立って良かったかなと思いました。

Blue
SQUASH(劇団スカッシュ)
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2016/07/21 (木) ~ 2016/08/02 (火)公演終了
満足度★★★
新機軸の劇団
劇団そのものが人気YouTuberという異色の劇団。
本公演の前パートになるYouTubeドラマが面白かったので観劇に至りましたが、やはり編集加工した映像と、生の舞台ではテンポがかなり異なり、特に前半は冗長に感じました。
客層としてYouTubeのリスナーさん達が大半を占めている様で多分、観劇も初めてという人も多いのではないかと思われますが、全体がすごく舞台に集中している様子が伝わり、マナーが良いので、むしろそちらに感動してしまいました。
こちらの劇団によって生の舞台の良さを知る人が増えていくのはとても有意義な事だと思います。

ものすごい覚せい剤
宇宙論☆講座
スタジオ空洞(東京都)
2016/07/16 (土) ~ 2016/07/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
唯一無二の劇団
初見ですが通常の演劇の枠内に収まりたくない挑戦的な感じが好感度大でした。
音楽と演劇の融合が特色の劇団のようですが、それだけではない独自のカラーを沢山持っている劇団だと思います。
今回は、あまりにも色々な仕掛けを詰め込み過ぎて収集がついていない印象もありましたが、やりたい事がありすぎて溢れ出ているといった感じでしょうか。
覚せい剤モノという事で、役者さんは危険な香りをそれぞれに醸し出していました。 近づかれるとやばいなと思ってしまうほどの人もいたし。

stroll
創作集団Alea
シアターシャイン(東京都)
2016/07/07 (木) ~ 2016/07/10 (日)公演終了
満足度★★★★
面白い2時間
まず劇場の環境がよかった。 全3列の座席は列ごとに段差がついており、隣の間隔にも結構ゆとりがある。(満員御礼日の場合はもう少し狭まるのかもしれませんが)
そして座席全体のスペースよりも広い舞台。
とても観やすくて贅沢な観劇環境だと思いました。
役者さんはまだ舞台経験が少ないのか、最初演技に不自由感がありましたが等身大の恋愛問題がテーマということもあり問題なく楽しめました。
色んなダメ恋愛ケースが絡まり2時間はあっという間でした。

第16回公演『大人』
劇団天然ポリエステル
中野スタジオあくとれ(東京都)
2016/06/30 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
過去の「寂し部」シリーズも観たくなる
アングラなイメージを勝手にもっていたのですが、誰もが楽しめるであろうエンタメ色の強い作品でした。
観客を置いてけぼりにしない面白さ、猥雑さ、生(なま)の楽しさ等、小演劇のいい所が沢山そろっていたので、もし演劇初心者に小演劇の面白さを体感させようと連れて行くとしたら私はここを選びたいと思います。
テイストとしてはケラリーノサンドロヴィッチが監督した深夜ドラマのようなオモシロの風味を感じました。

アイドルスター☆トール!
関村と浅野
スタジオ空洞(東京都)
2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
おじさんアイドル☆トール
角替和枝に顔が似ているおじさんアイドル☆トールと、唯一の熱狂ファン(おじさん)と、トールのマネージャー(おじさん)が奏でる可笑しくも哀しい物語。
この奇妙な関係をねぶりまわし相当笑わせてくれるのだが、欲を言えば登場人物を増やして3人の生活をもっと深掘りして欲しかったなと。
面白いシチュエーションなので、もっとねぶり尽したかった。

CRANK UP
PLAN N
シアター風姿花伝(東京都)
2016/06/29 (水) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
どんな無名の映画にも、その裏にドラマあり
真摯な舞台づくりの意気込みを感じました。
少し過剰ぎみな演技に最初なかなか入り込みにくかったが、慣れてくると面白くなってきたので公演時間が長いのはそういう意味でもありがたかった。
映画の製作過程シーンにリアリティーと可笑しさが溢れていて見どころだと思います。

パラサイトパラダイス
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2016/06/23 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
納得の高評価劇団
受付けの丁寧さ、無料パンフレットの配布、ブランケットの貸し出し等、開演前からすでに劇団の配慮が感じられる。
実際の舞台も、役者さんの実力はもちろんのこと、映像のカット割りでは絶対できない舞台ならではの表現が随所にあって引き込まれた。
セットも見やすく計算されており、とにかくこだわりのてんこ盛り。
観客も他よりマナーの良い人ばかりだった印象。
まさに良質な大人の娯楽の王道。
難をあげれば、座席が横一列繋がっていて、力伝導が非常に良く、人が身動きするたびに揺れて一瞬気がそれてしまうことぐらいか。
とにかくそれぐらいしかケチの付けようが無い公演でした。
こういう劇団がいっぱいあるといいなとも思いますが、稀有で他にも色んな劇団があるからこそ演劇は面白いんだろうなと思いました。

アベベのベ 2016
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/06/08 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
千秋楽観てきました
政治に対する関心の度合いも人それぞれ。
関心があっても立ち位置や方向性はいろいろ。
いろいろと価値観の違う人達が生きるためにつくり出すカオスな空間。
政治的観点もさることながら人間ドラマとしてかなり上質な公演だと思いました。

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-
九十九ジャンクション
小劇場 楽園(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★
直球の政治劇
日本が他国の戦争に対して、どう向き合っていくべきか、どうにも難しい問題である事が、冒頭のシーンでよく分かりました。
なので、その妙案である「積極的平和主義」によって国民は団結できるのか、争いは減るのか、その過程にもっとスポットを当てて欲しかったと思いました。
その代わり主人公である大学生達の政治活動の過程がテンポ良く解りやすかったです。
感情移入できる人物がいれば、もっと良かったのですが。