コナンの観てきた!クチコミ一覧

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痴女を待つ

痴女を待つ

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

見事なまでのゲスっぷり!清々しさすら感じます。
理想の童貞喪失を痴女に託しながら現実女性にも恋する青年。
不安を感じながらもヤリチンと同棲を続ける薄幸女性。
等々、それぞれの人間描写力は底意地が悪いほど的確で、全ての行動・関係性はまるで定められた運命を辿る様。
クリスマスどきになんですけど「何だか今の恋愛、間違っているかも」という方には特に観に行って頂きたい。
底辺な恋愛模様を客観的に眺めると、案外主観では見えなかった事が見えてくるかも。
男性・女性どちらの観点からも対応していますよ

ネタバレBOX

神様のアドバイスがあり、これがまた達観して良いこと言ってます。
神の御加護があらんことを・・・
モグラ…月夜跡隠し伝…

モグラ…月夜跡隠し伝…

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/27 (火)公演終了

満足度★★★★

同劇団に何回も通う身としては、強力な客演の存在は良い刺激になって大歓迎です。 
松田賢二氏が6年前の公演「蟹」で観た時よりも、随分と箔が付き一回り大きく見えて驚きました。

せみのさなぎ

せみのさなぎ

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

満員御礼
数ある学生演劇の中でも頭いくつか分抜きん出ている事がうかがい知れる集団。 
実直な作品づくりの姿勢が好印象。 
内容的には被害者少女と加害者青年の13年間に渡る生活(2人の心理的やりとり)について、もう少し具体的に描かれていれば、後に向かう結末に対して細かい部分を気にせずに説得力を感じられたのかなーと思います。 
今後の公演も楽しみです。

天使の決断

天使の決断

ザレ×ゴト

劇場MOMO(東京都)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★

発想の自由さが心地良い
ルックス偏差値高っ!・・・まず目に入ってくる事なので。 
ファンタジーのフィルターを通すことで、ちょっとメルヘンで不思議な社会が、細かい疑問を感じる事なく機能しています。 
劇団代表さんの説明ではギリギリファンタジー作品(こんな世界がギリギリあるんじゃないか?的な作品)だそうです。 
本来は若い人向けなのかもしれませんが、かなりしっかりと作り込まれているので、大人でも充分に楽しめる作品になっていました。 
そして、あらすじ通り 地上へと落ちていく天使の決断に、がっつり心を揺さぶられてしまうのでした。

執事達は沈黙

執事達は沈黙

劇団ピンクメロンパン

シアター風姿花伝(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

海外ミステリー風ブラックユーモア添え
出だしから西洋のいわくありげな雰囲気をまとった イイ感じの舞台。 
ただ中盤において少しピントがぼやけてしまい序盤と終盤が面白かった。というちょっと変わった感想となりました。 
女性らしい気品と聡明さが特徴的。 
ハムレットを彷彿させる遊び心もとても良い。

ネタバレBOX

最初の姦しい観光シーンから本編への転換が見事で、女性だらけの執事達がこれからどんな物語を繰り広げてくれるのか期待感が高まります。 
翻訳モノコメディーさながらの展開、7人の執事達の人となりが分かっていく中、障害を感じたのは、そのキャラクターの味付けでしょうか。 
リーダー格の執事さん以外は、もっと日本人好みの家政婦さん的な親近感と湿り気のある人物像の方が、より強く引き付けられた様に思いました。 
とは言え、それぞれに特徴的で覚えやすい配慮を感じます。
キャラクターの波に乗れてしまえば、それこそ一気に楽しみまくれてしまう作品だと思います。 
ラストにおいては「あー なるほどっ、ここに向かっていたんだ!」と色んな事が腑に落ちる、なかなかのラストシーンでした。 
何だかとても良い空気感をもった劇団さんなので、これからも頑張って欲しいと願っております。
雪女ー密室の行軍ー

雪女ー密室の行軍ー

鬼の居ぬ間に

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

身じろぎもできない・・・
「え~っ雪女がでてくんの?こわ~い。でもフフッちょっと観てみようかなっ」なんていう人はとんでもない事になると思う。 
自分は今まで、これほどまでに追い込まれた人間の本性を赤裸々に描いた作品を観たことが無い。 
「死」そのものより、死を覚悟出来ずに正気を失ってしまう人の弱さこそがまさに恐怖である。 
終演後しばらくは「すごい、・・すごい」という言葉が、ただただ頭の中をグルグル駆け巡っていた。 
あの現場の様な状況ではさすがに正気を保つ自信など無いし、まず小屋まで辿り着くのすら無理だろうが、自分なりに倫理や道徳とか言う以前のもっと原始的なところの「死」について見つめ直す機会となりました。 

私は演者をやった事がないので分からないのだが、役者さんは公演後、感情を引きずったりしないのだろうか。 
打ち上げ等で切り替えて最後まで乗り切ってほしい。 
とは言え私は観客サイド。初日よりさらに演技の深みを増していくであろう明日以降の公演を観劇する人達がうらやましかったりする。

ネタバレBOX

唯一の生存者の記憶から描かれるため、最初は何かモヤモヤしており、何だか薄気味悪いのだが、そのハッキリしない気味悪さはは生存者自身の気持ちそのものであろう。 
徐々にクリアになっていく、仲間達の身と心を蝕んでいった魔のとき。 
そして鍵をにぎる、ある「モノ」 
薄々そうじゃないかとイヤな予感がしてきたが、やっぱりかーっ!
人が獣に成り下がる時、それでも正当性とか語ってしまう姿が悲しい。
裏の泪と表の雨

裏の泪と表の雨

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

生き生きとした人物像
体臭や安物の香水が臭ってきそうな程、人物がリアル。 
実際、舞台であるお好み焼き屋はお好み焼きの匂いが漂い、場末感も含めて完璧だし飲食や喫煙は全て本物。 
細部にわたってリアルを追求していた様に思えます。 
そして人物。方言効果もあり人間味溢れる人物達。 
そもそも役者さんそのものに味のある人が多いのではないかと思いました。 
今まで人の表層から「それは間違っている」「そんな事をする奴は悪人だ」と言い切ってしまえたものまでもが、そう単純ではない事を思い知らされました。 
あいりん地区の不器用な人生模様、深いなーっ。

ネタバレBOX

自分だけが家族の業を背負い、自分を犠牲にしてきたと思い詰めていた兄が、数十年ぶりに再会できた弟の人生を知る。 
両親が離れ離れとなる時、子供に課せられる運命の選択。 
父親について行った弟の幼く単純な想いがあまりにも哀しい。 
それでも十分に希望の残るラストで良かったと思います。 

子供はいる「設定」かと思いきや、ちゃんと子供も登場し感服しました。
東京のぺいん

東京のぺいん

ぐりむの法則

新宿村LIVE(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

深夜バス、大人の事情
外は東京タワーをバックに降りしきる雪。
そこは深夜バスの待合室。
三十路にして夢敗れ田舎に帰るバンドマン、見送りの元バンドメンバー、そして訳ありの人々。 
希望溢れた頃のフラッシュバックが東京ラストDAYの感慨を深めます。 
SHOGO(175R)さんもミュージシャンでありながら好演。
終始安心して観る事ができる鉄板のハートウォーミングコメディーでしたが、もう少しチケット代が安ければ良かったのに。

償い

償い

teamキーチェーン

d-倉庫(東京都)

2016/12/01 (木) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

想像力を駆使させる恐怖
悪ガキだった頃の名残がある元同級生たち。 
それぞれが好きなように生きており、各自の生活のピースが小気味よく繋がっていきます。 
どの演出効果がそうさせているのか分からないのだが、そのピースのひとつひとつに邪悪な「何か」が息を潜めているような気がしてなりません。 
結局、その正体を知りたいが為に集中力が高まり、どんどん舞台にのめり込んでいってしまう感覚が新鮮でした。 
若者の爽やかさとミステリーのコントラストも魅力的です。 
表現手段として暴力的なシーンを露骨に観せる事は無いのですが、確かに存在する残酷さの輪郭がハッキリと頭の中で形を成していき得も言われぬ恐怖がジワ~ッと襲ってきます。 
何だかすごく償いの度合いが不平等で理不尽だなーと思いながらも、ラストに向けては鳥肌が立ちまくりでした。 
観終わった後には心地良い疲労感。 
舞台ならではのサスペンス、こわ面白かったです。

ネタバレBOX

追記 
後々まで残るモヤモヤっとしたものが前記タッキーさんのネタバレ文章で解明できスッキリしました。 
もしも舞台セットがリアルなものであったら細部の「?」な部分に囚われ、ともすれば入り込みにくかったのかもしれない。 
しかし今作品の不安定でとりとめのないセットが何か時空の歪みを連想させ、全体的に悪夢を観ている様な感覚になっていたのだなーと。 
リアルタイプの物語でありながら何か地に足がつかない感じの不安感。 
どうしようもなくこの作品に魅了される理由がわかってスッキリしました。 
感謝です。
匣~家族と死んだ恋人~

匣~家族と死んだ恋人~

smimal (スマイマル)

プロト・シアター(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

アイデア満載の公演
高田馬場、大学とは反対方向の早稲田通りは印象がガラッと変わり、外国人が多くて雑多な雰囲気に驚いた。脇に入る道を間違え、しばしさまよった住宅街も独特の風情があり不思議な感じ。 
そしてようやく見つけた劇場、プロト・シアター。 
怪しいっ!群を抜いて怪しい建物! 
劇場内の舞台はシンメトリーの部屋が分厚い壁で仕切られており、入場時に青い席(男性バージョン)に座る様指示を受けていたので、そちら側に着席。 
案内では公演の事を「実験」と表現しており、怪しさが増してきます。 
白く無機質な内装、亀裂の入ったコンクリート床、独特の建築臭。 
駅を降りてからの一連で、飲みの席で言えば「もう出来上がった状態」。
すでに非日常の空間に身を置いている気分です。
開演とほぼ同時に座席間にカーテンが引かれ完全に男女各バージョンは視覚的に分離されます。 
男性バージョンの主役男性は、見た目は悪くないのに童貞のコミュ障。 
彼に託された実験目標は壁向うの女性とお互い会話のみで恋愛をして、更には結婚を決断できるか?

ネタバレBOX

破談になったとしても3千円のペナルティー代を支払うだけ。 
結婚達成の場合、莫大な賞金が。ただし生涯「浮気」「離婚」すれば即刻「死」のペナルティー付。 
男性、女性それぞれに4名のサポーターがつきます。 
壁を介しての男女の会話シーンよりも、このサポーター達とのやり取りが結構な割合を占めます。 
全て同時進行ですが音声調整がされている様で隣部屋の会話がこちらの邪魔になる感じはしませんでした。 
が、たまに不穏な状況が感じ取れ、あちらでは何が起こっているんだと関心が傾きます。 
個人的には、この あれっ隣ではいったい何を?という感じをもっとガンガンやって欲しいと思いました。 
「家族と死んだ恋人」というサブテーマが、ちょっと足カセになっていた気がします。 
丁寧な背景説明が、かえって単調な時間を作り出してしまいます。
お互いのルックスについて、ほぼ触れなかったのも不自然かと思いました。 
サポーターが男性の気持ちをかき乱してしまう一連が面白いです。 
女性の方もかなりかき乱されていたのでしょうか。
全体的に企画性が高く、視覚面で印象に強く残るシーンが随所に散りばめられた公演でした。 
位置について

位置について

かわいいコンビニ店員 飯田さん

シアターノルン(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

保育の“生”現場
全員の保育士が出揃った頃には、既に意識は劇中の真ん中に引きずり込まれていた。 
彼女らと共に笑い、悩み、憤慨し、また笑って、そして考えた。 
何だか保育という仕事の厳しさを身をもって体感した気分です。 
疲労と経済的生活苦に抗い、笑いあえる程に保たれているチームの和も、不意に吹き付ける突風にバタバタとバランスを崩していく。 
能力の差や教育方針の違いこそあれ誰も悪くなんかない。 
それぞれに素晴らしい人間力だと思う。 
がんばれ保育士さん。 
舞台が終わっても自然と見えてくる、これから先の彼女らの生活と別れを告げるのが、とても名残惜しい気持ちで帰路についたのでした。

ネタバレBOX

ちょっとキツめの九条先生が自分に一番近い性格かなと感じたが終盤では体調を崩してしまっていた。さもありなん。 
それにしても8人が8人とも見事に人物像がリアルで巧く劇中を動き回っている。

これだけ別人格の人物達を丁寧に描き分け演じる事ができたのは、きっとワークショップ等で演者全員が与えられた役柄をそれぞれに自己プロデュースし再結集するような何か大掛かりな事でもやっているに違いないと思ったのだが、帰って当日パンフを見ると、脚本・演出家ひとりで作成された様である。 
ってよく見たら出演もされていた!
天才だと思う。
挽歌

挽歌

トム・プロジェクト

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

避難民の現在
原発の恩恵を受け、原発に故郷を奪われた人々。 
登場人物達の、事故から5年経った「今の想い」が各人漏れることなく心に響いてきます。
あの忌まわしい惨事が否が応でも思い出されてつらくなってきますが、忘れてしまってはいけないのですね。 
最近問題となった避難民いじめの元凶となる誤った考え方も提示されていました。 
作品の最も重くて深い役どころを高橋長英さんが担い、短歌に故郷の想いを託す聡明な女性、安田成美さんが全体をまるで柔らかい光で照らしてくれる様に救いとなってくれました。

しらゆき

しらゆき

劇団コスモル

OFF OFFシアター(東京都)

2016/11/23 (水) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

入魂のファンタジー
閉ざされた少数民族の中、魔女としての業を背負い、それに翻弄されながらも生き抜こうとする母娘を中心に描いた骨太な現代のおとぎ話。 
独特な劇団カラーに好き嫌いは別れるかもしれません。 
ですがもし、ちょっと苦手かなーと思ったとしても積極的に劇中世界に集中すれば、めくるめく場面のひとつひとつにストーリーの肉付けが巧く工夫されていて、逆に段々と病みつきになってしまうかもしれない不思議な魅力を持った劇団だと思いました。 
「3歳の子供からお年寄りまで」が謳い文句ですが、特別解りやすくそちらにすり寄った感じは無く、普通に大人も楽しめる創りになっていたと思います。 
実際、お子さんもいらした様ですが今回は特にグズリ問題を感じる事なくよかったです。 
特筆すべきは魔女の母親役の石橋和加子さん(作・演出者でもある)。 
カリスマ占い師?はたまたドラッグクイーンかという堂々たるいでたちで他の役者さんが皆ひよっこに見えてしまうほどの存在感。 
今作のパワーバランスも決して悪くないのですが(実際皆さん熱演でしたし)もしも、この女優さんと対等に渡り合える女優さんがもうひとり存在したら、とんでもない化学反応が起きるのではないかという想像をしてしまいました。

ベッドトークバトルS

ベッドトークバトルS

ショーGEKI

小劇場B1(東京都)

2016/11/19 (土) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

初めてのベッド
初体験もしくは初めての相手とベッドを共にするとき、多少なりとも「あれっ思っていたのと違う!」とか「なぜ、このタイミングでこんな事が!」というのは結構なあるあるだと思う。 
そこを なし崩しにできない人達の肥大した自意識と、性欲のせめぎ合いが面白い。 
開演前に「笑ったら変態だと思われるから笑わない。なんて考えないでください」とアドバイス的前説が。素直に女性の笑い声が多くて、そこがまた面白い。 
舞台はダイレクトにそのものですが下品な感じはあまりしなかったので、そこんとこ心配されている方も大丈夫だと思います。

さようならば、いざ

さようならば、いざ

ONEOR8

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/11/16 (水) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

むせかえる様な人間臭さ
問題の多い父親が亡くなった。 
翌日には遺族や関係者が群がりそれぞれの思惑が錯綜する。 
悲しみよりも優先される損得勘定の数々。 
誰もが無慈悲な人間に見られたくはないが、人の良い事を言って貧乏くじは引きたくない。 
リアルでそれゆえ滑稽に登場人物達の図々しくも面倒臭い姿が浮き彫りになっていく怪作。 
存じ上げなかったが中村蒼という俳優さんをピックアップし今作の要となるポジションを託した演出効果は莫大。

ご来場ありがとうございました  ロイヤルホストクラブ

ご来場ありがとうございました ロイヤルホストクラブ

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2016/11/17 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

ギラギラホストと夜の蝶(女性客)で溢れかえった店内は豪華絢爛
著名なミュージカル俳優の出演が無くても しっかりがっちり楽しめるミュージカル作品。 
舞台は新宿のホストクラブ。 それ故ダンスミュージックは当然として演歌調、
セクシー系等、歌のバリエーションも多種多様。 
異文化ごった煮の歌舞伎町らしさが良く出ていました。 
ダメホスト達の成長ストーリーで、予想外の展開はなくとも面白さのツボをしっかりおさえた安定感があります。 
特に目を引いたのはSM女王様(ホストクラブの女性客)の歌唱シーン。 
あまりのド迫力に鳥肌がたちました。
今回ホストクラブがアリって事なら次はキャバクラが舞台というのもアリなのでは!と思いついたのですが、いかがでしょう。 
あと、前の方が指摘されていた客列の整理。しっかり声が届いたようで改善されていましたよ。 なんだか人多すぎで大変そうでしたが(苦笑)

酔いどれシューベルト

酔いどれシューベルト

劇団東京イボンヌ

ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)

2016/11/15 (火) ~ 2016/11/18 (金)公演終了

満足度★★★★

アートを楽しむワンランクUPのデートなんかには最適な作品
演劇、オーケストラ、声楽それぞれが一定の割合で演じられるのかと思っていましたが、あくまでも演劇が主体。 
演奏、声楽はストーリー的にここぞっ!というタイミングですかさず織り込まれてくる感じが良いです。 
演劇に もの凄い武器を装着させた感じで他には真似できない世界観を創り出していました。 
シューベルト役いしだ壱成さんの、お調子者で浅はかながら繊細なキャラクターもばっちりハマリ役。 
前半はコメディータッチ、徐々にドラマ色が濃くなりストーリーに集中させていく構成は演劇初心者でも自然に物語に入っていける様、配慮されたエンタメ心を感じさせます。 
コメディー部分はもっと突き抜けた感じの方が個人的には良かったのですが、観終わった感想としては 本格的な「音楽」を有効活用しつつ最大公約数の観客が「演劇」というものを楽しんで帰っていける様、色々工夫されていたなーといったところでしょうか。 
演劇のより広い普及率アップに一役買っていこうとする姿勢が好ましい劇団さんだと思いました。

灯トモシコロ

灯トモシコロ

Fallen Angels

シアターシャイン(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★

秋の夜長にミステリーを鑑賞
観終った後は、長編の推理小説を一気に読破したような感覚でした。 
血生臭い歴史をもつ森が鎮座する山奥の集落。 
そこはかとなく横溝正史の世界。 
ただし事件を追うのは金田一探偵ではなくベテラン&新人刑事の2名(言うほどの推理力なし) 
そして村民は、謎めいた老婆や未亡人ではなく、どこにでもいそうな若者たち。 
そこはかとなくホラー映画「ラストサマー」の世界。 
なかなかの年月をまたいだ大作で数々の謎めいたエピソード(事件)を煙に巻く終わらせ方ではなくストーリー的に決着させているのが好印象でした。 
ただ前半は若者たちの氏名やキャラクター、関係性を追うのに忙しく、出来れば最初の段階ですんなりインプットできる工夫があればなーと思いました。 
役者さんは新人が多いのでしょうか、ボリュームある台詞量にまだ追いつけてない印象ではありましたが、一気には読めない長編小説を目の前で実演しきってもらった感じが面白かったです。 
☆はまだまだ面白くなる伸びしろの期待をこめて。

ここで、明転

ここで、明転

劇団金馬車

シアターブラッツ(東京都)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/05 (土)公演終了

満足度★★★★

青春爆走エンターテイメント音楽劇
大学卒業後、会社の色にまだ染まり切っていない数年間は、無性にサークル仲間に会いたくて仕方なかった。 
「あいつこんなのにハマってヤバくないかー」と笑いあったり、部の存続の危機に奔走したり、人生を語り合ったり、はっきり言って社会の役にはクソにもたってないが、あの頃なりに一生懸命で青臭かった日々。 
本作の様に演劇部ではありませんでしたが、そんな想いを重ね合わせつつの観劇でした。 
この場合、個人的にはしみじみする作風が好みですが、そこは青春爆走エンターテイメント音楽劇。 
サークル員たちのドタバタ演劇部時代、卒業後、各自の方向性に時事ネタや職業あるあるを盛り込んだ人生バラエティーショー、そして再結集に向けて・・・。 
観ていて「この劇団 本当に演劇が好きなんだなー」と演劇愛が存分に伝わってくる公演でした。 
おそらくは随所に当人達とリンクする部分があるのだろうと想像します。 
社会人になっても、これだけの情熱をもつ「劇団金馬車」そのものに心動かされます。 
さらに年月が経ち、それぞれの居場所に向けて各自が離れてしまっても、彼らにとってずっと宝物であり続ける公演になるんだろうなーと思いました。(次回作が無い様な言い方になってますね。 次回も可能ならぜひ!)
とにかく何だか羨ましい気持ちになったという事です。

わたしを、褒めて

わたしを、褒めて

旋風計画

ザ・ポケット(東京都)

2016/10/26 (水) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

冒頭は、ある女優の腐乱死体の現場から
とにかく脚本が超絶面白い。 
多重構造になっているのに、すごく解りやすい。 
解りやすいが故にどれだけ巧い脚本であるか、より実感できます。 
冒頭の女優の死体は誰なのかラストまで明かされません。 
謎解きでありながら、しばしそれを忘れてしまうくらい興味深い、女優やスタッフたちの思惑が渦巻く演劇制作現場を目撃できます。 


ネタバレBOX

朝の連ドラ主演後、鳴りを潜めていた女優が復帰作として抜擢されたのは、女優の情念を描いた清水邦夫の名作「楽屋」。 
共演者はかつて そこそこ輝いていたのに現在はパッとしない女優やアイドル達。
何やら実名が浮かんできそうな興味深い方達ばかり。 
そこに大型商業演劇 初挑戦の女性演出家。軽薄なプロデューサー。採寸命の衣装担当等々、制作に関わる一連のスタッフ達も加わり、結構なあるあるを盛り込んだリアリティー満載の制作現場が展開されます。 
演出家が気負えば気負うほどに状況はこじれ混沌とする様は観ていてハラハラしながらも人間ってつくづくおもしろいなーと笑えてきます。
これだけでも充分面白いのに、演目「楽屋」と女優達の生き様、立場が徐々にリンクしていき渾然一体となり面白さ倍増。 
この中で後に死体となり発見されるのは誰なのか?そして犯人は?
女優達の背景が実在しそうなほどイメージしやすく、各役職のスタッフ達が典型的なステレオタイプである事が、劇中に入り込みやすい要因のひとつかと思います。
事件を捜査するベテラン&若手刑事コンビの好演も随所に差し込まれ、そして突き止められた真相は感慨深い。 
とても上手く創られた舞台だと思います。

 

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