コナンの観てきた!クチコミ一覧

61-80件 / 908件中
MY ROOM IS MINE!!

MY ROOM IS MINE!!

MIXZONE

小劇場B1(東京都)

2024/09/04 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

家に帰ったら知らない人が・・・完全に不審人物じゃないかと思いきや、何やらそういう次元では無さそう
「超主張シンクロナイズドコメディ」と言うのは、なるほど!の命名
主張するほどに可笑しい
シンクロの迷宮に笑いながらも、出口はコメディーとは全く違った物語へと繋がっているよう
ちょっと甘美な世界のように一瞬感じたものの、いやいや やっぱり怖い
観終わった後、地面を踏みしめるのが何とも心地良く感じられる公演

8月の再起動

8月の再起動

KAIGYAC STAGE

APOCシアター(東京都)

2024/08/30 (金) ~ 2024/09/02 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

怪談の要素もあるけれど、どちらかというと妖怪ハンター色の方が強く、アニメ寄りというかライトノベルに通じる面白さであった印象
シリーズ物としてのベースに流れるストーリー&episode2専用の完結ストーリーが交錯した構成
前作episode1は未見だったので多少の想像力は要しましたが、特に支障は感じずに楽しめる事ができてホッとしました
夏休みにマッチするサスペンス系エンターテイメント
この夏休み感の元祖は映画『ねらわれた学園』ではないかと思う、サスペンスと清涼感
しかし役者さんとの距離がめっちゃ近いこの臨場感は舞台でしか味わえないからね

Re: プレイバックpart3

Re: プレイバックpart3

劇団チャリT企画

駅前劇場(東京都)

2024/08/28 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

生活圏内のどこかで繰り広げてられていそうな光景から、故人の告白テープを発見した事によって段々ときな臭く意外な展開に
とても近しく感じられる登場人物たち&成り行きだけに、うっかり社会の闇に触れてしまった感触が何とも薄気味悪い
薄気味悪いというのに同時に笑いも両立させてしまうという、如何にもチャリT企画さんらしくて面白い公演

立場によってどうしても“事件”に対しての反応は違ってくるし、そこから妙味が生まれてくるわけで
立ち位置の全く異なる人間構図がいつの間に…と言って良いくらい自然に出来上がっているのだから「やっぱり巧いなぁ」と唸ってしまう
どの立ち位置にしろ「貴方ならどうする?」と問われているようでありながら、ほぼ答えは用意されているという
むしろその答えの方に考えさせられるのだけれど、ついつい可笑しいシーンには笑ったりしていて
ついつい感情が矛盾してしまうところが一番怖いかも

妖怪大参列

妖怪大参列

劇団 枕返し

OFF OFFシアター(東京都)

2024/08/23 (金) ~ 2024/08/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初見の前回公演「姥喰」ではストーリー展開の上手さが印象的だったけれど、今回はパッチワークの様な極彩色の縫い合わせで全体像が見えてくる様な印象
前回とは全く異なるアプローチに驚いたものの、きっと本作が劇団枕返しのシンボル的な公演になるのではないかと
子供の頃の「お化け屋敷」に感じたワクワク感がこの劇団さんにはあって、いかがわしさ込みでノスタルジック、味わい深い
それにしてもこの人まで妖怪のカテゴリーって事でいいの?何ともいかがわしくてカオス(笑)

下北沢初のはず、ではあるけれどOFF OFFシアターと劇団カラーのシンクロ率が高く、まるでずっと劇場に棲んでいたかのようなおさまりの良さ(妖怪だけに)
これは駅前劇場にも有効、いずれはスズナリに棲むようになってもおかしくないかも

天才的脱兎 再演

天才的脱兎 再演

GORIZO

浅草九劇(東京都)

2024/08/16 (金) ~ 2024/08/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「逃げる」がテーマだけあって怒涛の時間を残して走り去っていった感
どこか不条理で刹那的な笑いの中にテントものに近いテイストを感じとったのですが、途中から あぁこの感覚は・・・「うる星やつら」じゃないか!と気付いてからは面白さが倍増
すごく笑いのニュアンスが共通している
とは言え、この登場人物達の熱気やスピード感、息遣いを丸ごとこの劇場で共有しなければ、中々伝わらないところの多い公演ではあるなぁと感じました

『 ・ 』(スポット)

『 ・ 』(スポット)

東京演劇倶楽部

新宿シアタートップス(東京都)

2024/08/16 (金) ~ 2024/08/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最初は二組のカップル
話が進んでいくにつれひとつの(歪んだ)集合体
最終的には四人のパーソナルそれぞれに対して強く思いを巡らせているという、観ているこちらの観点がどんどん変化していくのが感じられて、すごく面白い観劇体験ができたと思う
この人ひょっとして悪魔なんじゃないの!と思えてくる怪しげなプラスワンの存在が何ともスパイシー
ドラマとしての引き込みと斬新な演出力で台詞以上に人間の内面を感じさせてくれる劇団の誕生、そこに立ち会えたという幸福感が何とも言えない

ネタバレBOX

劇中、撮影OKの時間帯があるというのが変わっている
撮影しても良いという意味以上にSNSをキーワードとした舞台と客席とが混ざり合う時間のようにも感じられ、この指定された時間になるとどこか場内の空気が揺らめく感じになる事までも計算ずくなのだとしたら相当な策士ではないかと

スクールバス

スクールバス

ホチキス

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/08/15 (木) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三谷幸喜作品が好きな人は確実にハマる作品
近未来のバスに同乗している様な時間共有感、空間共有感があって楽しい
バスが走り出したら止められない映画「スピード」の緊張感にも似ているけれど、こちらは停車あり、何なら下車もありという緩さがあって、そういうところも絶妙に可笑しい
名怪女優の小玉久仁子さんは毎回作品の肝になる配役が多いけれど、今回のキャラクターも新機軸で笑いを誘いまくり
主演の雷太さんを筆頭にオモシロの中心になっている登場人物が多いものだからもうたまりません
舞台初日「あー可笑しかった!」の証に会場いっぱいの拍手がもう鳴り止まないのでした

ビューティフル・サンデイ

ビューティフル・サンデイ

株式会社REVIVE

六本木トリコロールシアター(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイトルや設定の妙からてっきり海外作品なのかと思いきや、しっかり日本の作品
なので主張のぶつかり合い、その言動の端々から日本人ならではのユーモアを感じ取る事が出来てめっちゃ面白かった
それにしてもこれっていつ頃の設定なのだろうと思っていたところ、何気に出てきたユーミンの話題から20年以上前だと判明
こういう何気ない会話から色々情報が付随してくるのも面白い

ゲイカップルの生活に女性が転がり込むという、ちょっと変化球の恋愛コメディー
その転がり込む女性役の美弥るりかさんは「さすが宝塚の男役!」と言うべきか、多少のお下品さや生々しい部分もことごとく上質な笑いに転換
ゲイカップルとの平和な抗争や友好のトライアングルで存分に笑い和んだ後にドロッと流れ出る黒い部分はたっぷりと笑い和んでいただけにドキッとする
かなり特殊な関係性であっても“人との繋がり”に思うところは誰もが共通するところであり大いに感情移入できる良作でありました

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ナイロン100℃では珍しい時代劇(というか初めて?) それくらいしか事前情報が無いままの観劇でしたが、実際これを「あらすじ」として表現するのは至難の業、絶え間なく溢れ出す湧き水みたい
ただひたすら豊富なオモシロの流れを楽しむのみ
ケラさん独特の台詞の妙味(可笑しく人を腐す語り口は逸品)
観客をどう楽しませようか常にアンテナを張っているのだろうなぁと思わせる演出
それを全身から面白臭が放たれている役者陣オンパレードで演じられるのだから“最強”としか言いようがない
正味3時間、次から次へとよくもまあ、ず~っと笑いっぱなしでお腹いっぱいになりました

帰って来た蛍

帰って来た蛍

カートエンターテイメント

俳優座劇場(東京都)

2024/06/29 (土) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自分が出撃する「その日」を待つ特攻隊員
彼等が集う食堂を舞台にした物語
食堂から回り舞台で陸軍基地を舞台としたシーンと交互に物語は展開し、遂に迎える「その日」
死ぬことを義務付けられた特攻隊員達から母のように慕われた女将
軍指定の食堂とはいえ軍需産業的な旨味など全然無く、逆に身を削った彼等への心尽くしの行為で難癖を付けられてしまうというのが余りにも理不尽
観客には若い方も多く、戦時中の実話をもとに実直に創られたシーンのひとつひとつを噛みしめるように共有できる貴重な舞台であったと思う
頂くのが申し訳ないと思うくらい立派なパンフレットはとても良い記念に

【延期公演開催】エアスイミング

【延期公演開催】エアスイミング

演劇企画イロトリドリノハナ

小劇場B1(東京都)

2024/07/04 (木) ~ 2024/07/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なぜこの程度の事で「触法精神病施設」なる施設に幽閉されなければならないのか
なぜ家族は娘がこの様な目にあっているのを長期にわたって容認しているのか
それらの背景まで深掘りすれば、とてつもなく話は膨らんでいき、実際観終わった後には彼女達のキャラクターや台詞の端々から推測や憶測がいくらでも湧いてくる
そういった意味で目にした以上の情報、問題提起に富んだ作品

実際に舞台上で描かれるのは施設に収監された二人の女性(ペルセポネーとドーラ)の長期にわたる風呂場掃除タイムでの交流シーン
収監歴ではペルセポネー(森下知香さん)より2年先輩となるドーラ(室田百恵さん)はきっと社会に出ていれば並みの男以上に社会貢献できそうな頼もしい女性
お嬢様育ちで現状把握さえちゃんとできていないペルセポネー(天然が入っていてユーモラス)の良きアドバイザーであり良き話し相手
一見楽しげな会話シーンの連続でありながら、この病院ではろくな治療行為も行われず閉じ込めっぱなしである事がハッキリ炙り出される光景でもある
やがて二人が編み出した別の名前になって繰り広げられる現実とは別の世界
そこにはもはや恋愛欲求や食欲など入り込まず、ひたすら“憧憬”に特化されていくようで何とも切なく、時には狂気が混ざり込んだ美しさで妖しく輝いて見える
“相互依存”という状況は悪い意味で使われる事の方が多いけれど“相互依存”がなければきっとこの二人は廃人になっていたに違いない
後半 気の遠くなる様な50年を経て、彼女達がどの様に変貌していったのかは必見
お二人の女優魂を存分に味わい、その後の人生に思いを馳せ、前に述べた「実際観終わった後には彼女達のキャラクターや台詞の端々から推測や憶測がいくらでも湧いてくる」に繋がっていくのでした

ネタバレBOX

追記
ラストシーンが目に焼き付いたのと同時にモヤモヤした気持ちがどうしても残っていて、ようやく後になって気付かされました。
自分の幼少期、比較的近所に大きな精神病院があったみたいで、確かにそこはアンタッチャブルな存在として囁かれていた記憶があり、初めて「差別」という認識が知らず知らずのうちに生まれたのではなかったかと

「異形」と映ってしまう人達を目の届かない場所に隔離し、存在ごと蓋をしてしまう事が如何に残酷な事か
自分の身近にもあったかもしれない事であり、無意識にその様な考えが残っているとしたなら改めなければならないと強く思い知らされました

迷子

迷子

WItching Banquet

Half Moon Hall(東京都)

2024/06/27 (木) ~ 2024/07/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

元々はタモリと同じく「日本人がミュージカルなんて」などという偏見を持っていたというのに幾つもの段階を経て、やがてドハマりするほどの日本人ミュージカル俳優公演とも出逢って久しいのだけれど、まさか一般日本人の人生模様とミュージカルがここまで自然に融合するレベルにまで向上していたなんて!と、素直に驚いてしまう

多重介護を余儀なくされた青年と一人の女性(この女性もある問題を抱えている)の出逢い
息が詰まるほど重い題材でありながら、時にはしっとり抒情的に、時にはエンターテイメント性抜群の躍動感で楽しませるなんて、なんという異色作!そしてなんという傑作!としか言いようがない
ドラマ的にもテーマ(介護問題)と真摯に向き合った内容
過剰な表現でなくとも、精神障害を取り巻く避けがたい混乱や(充分な)介護というものがどんなに難しい事なのか鮮やかに伝わってくる
加えてこの難題を乗り切るための芯みたいなものを差し込む事も忘れていない

下北沢の民家エリアに位置する今回の会場、ハーフムーンホール
ひっそりとした洋館の佇まい、地下に降りていくと素敵アート空間が拡がっていてビックリ
天井も高く閉塞感は感じないし 照明、音響の設備も完全に備わって空調も程よく効いて快適
とても丁寧に創られた上質な公演に合い相応しい会場だったと思う
舞台スペースもたっぷり(両サイドで奏でるプレイヤーの見せ方も小粋)
生演奏と歌唱、まるで夕陽が差し込む中、柔らかい風が流れていった様でした
(金木犀sideを観劇)

1123GO8

1123GO8

!ll nut up fam

萬劇場(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人間の死生観を管理するという何とも目新しい世界
天使と悪魔、それぞれのコミュニティーが存在するも、天使側の政治の方がぐらついており悪魔よりダークな匂いがするという意外な展開
唯一の人間となる主人公には華やかさとリーダー性があるので、入り込んでしまったこのヘンテコな世界をガンガン引っ掻き回して欲しかったもけれど、最初は宙ぶらりんな状態であったのがちょっと勿体無かったかなぁと(重要な立ち位置ではある)
バナナマンを彷彿させる天使&童顔の天使の二人組が筆頭になって笑いを誘発
ケレン味たっぷりの見せ場が随所に用意されてバラエティーに富んだ舞台
導かれた結末で作品の主張部分に共感できたけれど、もう一段深みが加わればもっと良かった

野球

野球

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ・Office ENDLESS・DisGOONie

天王洲 銀河劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルがズバリ「野球」とあるだけに丸々一試合描かれるプレイシーンの表現力が素晴らしい!
グラウンドとなる舞台はいわゆる八百屋舞台
その傾斜があるおかげで絶妙な遠近感(奥行)と臨場感が生まれ、しかも様々なアングルで見せてくれるものだからその都度目を見張ってしまう
キャスティングから鑑みても若い女性客が中心で、会場中にすすり泣きが拡がっていくのは必然というものだけれど、これって一番涙腺が崩壊してしまうのは思わず我が子を登場人物に重ねてしまう母親(父親)世代ではないかと

ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』

ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』

ゴツプロ!

本多劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

昭和23年の日本、武骨で破天荒な男達
作家だから、というエクスキューズがあったとしても現代の作家さんはもうちょっとスマートに生きているのではないかと
それでも強烈な生き方に惹きつけられるが故に実在した作家さんを描いた作品には名作が多く、本作も唯一無二の傑作
熱い血の流れる演技をされるゴツプロさんと脚本との相性がとても良かった

笑いに溢れた舞台であったけれど、皆が必死に生きている姿そのものであり決してコメディー的な笑いでは無い事がポイント
作家たちの壮絶な生き様に加えて腰の低い編集者たちも中々の狸
とても一般人が入り込める隙などないのだけれど、どうにも惹きつけられる男達、女達
そう!3名の女優さんが出演されていますが三者三様の立場で凄く良い味が滲み出ていて作品に何とも言えない深みが
ずっと受け継がれた伝統料理みたいに日本人に合った味覚で心に深く染み込み、後に複雑な苦味が広がる大人の舞台でした

静かにしないで

静かにしないで

TAAC

シアター711(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台はデリバリー専門の飲食店調理場
使い込まれた感ある本物と遜色ない調理場セットは水道もガスコンロも使える
実際、調理が始まって良い匂いまでしてきたのには驚いたけれど、何より描かれるやり取りが真に迫ってリアル
兄弟二人で営む飲食店
最終営業日の焦燥感、それでも淡々としたひとコマから色んな事が伝わってくる兄弟モードに浸っていたところ、Uber配達員がやって来た事で空気が一変
この配達員との絡みで発生する空気感というのは公演回によって微妙に異なってくるのだと思う(実際アフタートークでもその様な話が)
自分の観た回ではハラハラする緊張感、固唾を飲んで見入ったけれど、別の回ではクスッとした笑いが出る日もあったのではないかと
どっちが良いとかでなく、受け手の観客が発する空気とか役者さんの瞬発力で変わってくる「ガチに生ものだなぁ」という舞台の魅力を感じることができたのがとても良かったと思う

家族(人)と向き合うにことに対して様々に考えさせられる内容が実に深い
現実ならここは見てはいけないと配慮してしまうシーンも配達員(高畑裕太さん)がバッキバキの目で凝視、しかも深入りしていくものだから、こちらも思わず凝視してしまうという構図
障害者の弟(永嶋柊吾さん)と兄(小林リュージュさん)双方の痛み、その表現力が凄い
大変な事だと思う。それでも・・・どこか清々しいラストに力が湧いてきました

ピテカントロプス・エレクトス

ピテカントロプス・エレクトス

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

東京芸術劇場シアターイーストってこんなにレイアウト自由な劇場だったのか!と入ってみてビックリ
壁際の四方向全てに座席が配置された囲み舞台
どこが正面?ヒントになるものは舞台上に無いのだけれど、心配ご無用
どの座席列も正面、どこに座っても平等に鑑賞できます
(お目当ての役者さんがいる場合、その役者さんがどのラインの席に座れば好みの角度で観られるのかスタッフさんに聞いてみても良いのかもしれません)

ネタバレBOX

まだ若い劇団さんなのにエレガントな香りは一体どこから
ピテカントロプスを扱われるという事だったので、てっきり言語の無いパフォーマンス的な表現がメインの内容かと思いきや、しっかり“対話”がメインの舞台
何十万年という時を隔てた人類種達が、やがては現代人と未来人が穴を通じて対話を繰り広げる4編
言葉のキャッチボールをひとつひとつ拾っていこうとがんばってみるも、残念ながら自分の理解力ではニュアンスを嗅ぎ取るくらいが限界
意図されたものが色々あったのではないか、それらをポロポロ取りこぼしていたのではないかと思うと本当に残念
後付けの気付きでも良いのでアフタートークという名目で解説してもらえるとありがたかったです

発声の仕方がかなり独特、あぁそうだった!劇団あはひさんは能など古典芸能のエッセンスを取り入れているのだと合点
ただ、今回はそれが段々と眠気を誘導する装置になってきたものだから大変
絶対に舟だけは漕ぐまいと踏ん張って聴き込んだ先に見えたのは・・・あぁ何とも幻想的な光景だなぁと
警鐘を鳴らす意味合いも表現されていたというのに、これでいいのか
そして★はどう付ければいいのか

さかさまのテミス

さかさまのテミス

友池創作プロジェクト

駅前劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっぱり芸人さんの手掛ける舞台は独特なエンターテイメントへのこだわりが感じられ、その性格も反映されている様で独特な目線、世界観が面白い
登場人物達のインパクトある言動や軽快なやり取りは本来コメディーとして機能するはず
しかし、そのキャラ達のおかげでどんどん人の良い主人公が追い込まれていくものだからとても笑っている場合ではない
結果、コメディー性よりもドラマ性の方が圧倒的に強い異色作に
出版界という業界モノとしての楽しみ方もあり、これに近い経験をした人にしか出来ないのではないかと思える描写世界
映画化の案件、いろんな思惑が飛び交う面倒な世界である事が主人公目線で熱をもって伝わってきました

ビジュアル面でも優れた役者さんが多く、非常に近しく役者さんを感じられる劇場での公演なので、何と言うか お得感あり
物販と終演後の面会がセットになっているのは駅前劇場では珍しく、そこが残念と感じるお客さんがおられてもおかしくないものの、これがシアターサンモールとかであれば割と普通に感じられるので悩ましいところ

ネタバレBOX

ほとんどの登場人物が自分の立場や事情で突き進んでいるのに対して、憧れを頑なに歪ませず自分より他者を思いやる主人公ヒナタだけが「正義」というワードにとことんこだわっていたのではないかと
真面目なとても良い娘であり、もっと生きやすい場所は他にきっとあるだろうに、この職場では搾取されるばかり
いや、学生時代のエピソードを鑑みると、非常に損しやすい性格なのは否めなく
似たような思いをされている方には非常につらい展開であり、世の法則は時には容赦がないと思い知らされます
ある意味、ホラーよりも怖い
どう「正義」と折り合いをつければ生きやすくなるのか・・・ズシンとやられた後にいろいろと答えを巡って考えさせられる舞台でした

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

地味な作業服の登場であっても「あっこの人が元ヒーローのオジサンだ!」と一瞬で分かる
なぜなら公演ページにもあるフライヤーデザインを見ているから(笑)
実際に観るまでは過去にどんな活躍をしてきたヒーローなのか、今回の事件で一体何が起きたのか色々分からない所ではあるけれど(⇐ここはしっかり観てのお楽しみの部分)予想していたというか期待していた通りに、すっかりオジサンになってしまった元ヒーローのアイロニーや哀愁で思いっきり楽しませてくれました
声が何故か元仮面ライダー1号 藤岡弘さんの声と似ているのも妙に可笑しく味のある元ヒーロー

急遽、初日の回だけ団地の住人役のお一人が出演できなくなり、飯島タクさんが代役になるとの前説があってビックリしましたが、本当に本当の急遽だったみたい
こういうピンチに、困ったぞ!な部分はスパイスくらいのチョイ見せ、それを逆手に取って笑いに転換してやろうという心意気は本当に生きる勉強になります
劇団さんの歴史の中で語り草になるであろう公演回
語り草になり得るのは観客の拍手が鳴り響く最後まで、一致団結でやり遂げられたからこそ
主催 穴吹一朗さんが役柄としてMC的な役割も担っており大奮闘、代役の飯島タクさんを追い詰めるという暴挙に出ていました(笑)
実際の水面下ではかなり大変だったであろうと想像しますが、観客としてはただただ楽しんでしまうばかりで本当にありがたい
明日からは本来のメンバーでの公演(だと思う)
毎回ちょとずつ違った表情を見せてくれそうなタイプの舞台
間違いなく明日からもしっかり楽しめます

親の顔が見たい

親の顔が見たい

diamond-Z

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2024/05/16 (木) ~ 2024/05/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今まで身の周りで中学生の自殺事件が起こった事こそ無いけれど、普段 通りかかっている学校内で、こんなやり取りが実際にあっても全くおかしくないなぁと思わせる説得力
日常生活の延長線上な世界観は、やはり日常生活で関わりのありそうな雰囲気ある役者さん達の揃ったdiamond-Zさんにはとても合っている
穏便に暮らしていて突然この様な事件に直面したら
「これは何かの間違い、うちは関係ない!」・・・そう思いたい気持ちは痛いほど分かる
だからこそ目が離せない
本当にいろんな親の“顔”を見る事ができます
味わい深い役者さん達、台詞が自身の役に沁み込んだ“言葉”としてもう一段自然に発せられたなら、味わいはより一層深まったと思う

このページのQRコードです。

拡大