悪魔のアレ
捨組
コラッセふくしま(福島県)
2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了
満足度★★★
福島県のステカセも侮れないyo。
全部が、後半出てくる絵本《悪魔と少年》の「箱物語」という凝った構成で、芸達者な俳優陣が、レモンの兄弟とか、羊羹職人とか、無闇に高慢な女優さんとかのキャラで、コミックリリーフを勤める。
映像作品も中に出てくる。簡単なようだが、芝居の中に映像作品をきちんと組み込む作業をやっている。他の劇団はタイトルバックを映画風にする位で力尽きていると思う。
情緒的にお客さんの反応が激しくてびっくりした面もあったが、福島の小劇場は、侮れない。俳優もきちんと揃っている。
ただ、わたしには《悪魔と少年》のお話が物足りなかった。
メルヘンさん
演劇集団嘘憑堂
いわき市文化センター(いわき市中央公民館)(福島県)
2008/05/25 (日) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★
ファンタを飲む様なヤツ
大ホールの舞台をトリプル・ステージに分割使用。席を潰して観客のエリアは狭く。「回転頭」「新鮮組」の他の二劇団のメンバーも集結。
都市伝説めいた話からスタートする壮大な物語。アンデルセンの《人魚姫》に、八百比丘尼の伝説、ある漁村の篤志家の裏話めいた物語を重ねて創作。作中にも幾種類かのヴァリアントが出て来るのが現代的。
役者も個性の強い面々が揃う。特筆モノは、細かいギャグをどんどん入れて来るコミックリリーフ役の遠藤佑紀さん。客演ですが女形(衣装兼任)の小松嗣典さん。
終幕直前に一番劇的な場面が突然出て来るのが何か惜しい。明らかに物語が突っ走るのを抑制している感じがする。
サンシャインハイツ202号室
pointo
白鳥ホール(宮城県)
2008/07/06 (日) ~ 2008/07/12 (土)公演終了
寛とふきたの北枕ツアー
オドラデク道路劇場(福士正一)
音蔵こみせん(青森県)
2008/05/24 (土) ~ 2008/05/24 (土)公演終了
満足度★★★
津軽パッション炸裂
青森の舞踏の福士正一さんとご存じ三上寛氏を招き、弘前周辺で活動するミュージシャン、アーティストが集ったイベント。主催のふきたさん。パッショネイトなラブソング。コスモス。「危ない人」キャラで大暴れだが、手品を応用するなど芸が細かい。NONさん。日本のパンク/NW創世期の女性ボーカリストの一人。ベースぶんぶんさせて歌う。
福士さんは鼻が高く、黒子、口髭、顎鬚というマスクがいかにも太宰治的な没落富豪みたいな雰囲気を漂わせる。エビ足ですっと立上ったり、反り返って頭の位置を体の軸線から後ろに置いたままずっと立っていたり、女になったり、獣になったり、暗黒舞踏の正統派です。技と見せ場をつくる人か。
三上寛さん、札幌のねこやなぎツアーとほぼ同じセット。エコーが効きすぎるのか、機材の不調か始めのころはいまいち。後半ねばって盛り返す。津軽弁が出て来る歌に絡んで福士さん登場で締める。3時間を優に超える。多分青森の人はテンションが他の地域の1.5倍高い。ボルビックのレモン味を口に含んでギョッとする三上寛さん。
私たち死んだものが目覚めたら
shelf
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★
イプセン最晩年作。
ク・ナウカ、山の手事情社の主力が名古屋で見られる。
川渕優子さん確かにいい。ありもしない彫刻の細部で争う場面最高におかしい。
ただ前世紀初頭の劇が骨董品なのは否めない。今では通用しない社会の枠組み像だし。
近代人の苦悩云々は歯切れが悪すぎる。
クロノスの時間
A Ladybird Theater Company
GalleryOneLIFE(宮城県)
2007/12/22 (土) ~ 2007/12/23 (日)公演終了
満足度★★★
熱くて潔癖
熱くて潔癖な、若い人に受けそうな好作。ジャンル的にはファンタジー寄りのSF。4作目にして未だこの劇団の評判を聞いていなかった。代々木アニメの声優系の学生が中心らしい。東京から流れてきたらしい脇役の主宰氏が独特のキャラ(容貌と声)で光る。つか系の熱演芝居とクールなナレーションの構成、やや抽象的なセット。書き込まれたギャグがややくどいが、アドリブ的部分もあり。
少年の腕 ~Boys Be Umbrella~
TheatreGroup“OCT/PASS”
せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)
2008/05/28 (水) ~ 2008/06/07 (土)公演終了
満足度★★★
本領発揮。
『ザウェル』は、ペット屠殺が題材。大げさだなと思った。『バビロン・バタフライ・バーレスク』は、求心力不足か。そして今回。これが本来の持ち味か。
革命日記
青年団
アトリエ春風舎(東京都)
2008/01/30 (水) ~ 2008/02/12 (火)公演終了
満足度★★★
岡目八目
人物が再登場すると空気が変わる場面がある(特に小学校の副担任の先生)。その役者をじっと見ている。盤面ゲームの局面が変わるのを見ている様な感じで。岡目八目。ちょっと意地悪な感覚が“オリザ演劇”の肝と見つけたり。
blind
シア・トリエ(旧:満塁鳥王一座)
Night Club NEO(福島県)
2007/09/05 (水) ~ 2007/09/08 (土)公演終了
かもめ
重力/Note
シアターバビロンの流れのほとりにて(東京都)
2008/02/28 (木) ~ 2008/03/02 (日)公演終了
ビューティ・クイーン オブ・リナーン
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2007/12/07 (金) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★
渋谷でやってもなあ。
二幕目。開幕しばらくの暗転とか、難しいことを気取らせずに進行出来る、技術的に高い舞台。ただ、根源的には、政治性の表現とか洗練されすぎていて、渋谷で上演は本当はもったいない。こういう問題、わからないだろう。
身近でも切実でも無いくせに「鬼気迫る」演技だとさ。
秋田、山形等の劇団は観客に充分な衝撃をもたらすだろうアイルランド演劇こそとりあげるべきだ(東京資本とか大学のセンセーが障害になっているのでなければ)。
ミチユキ → キサラギ
仙台市市民文化事業団
エル・パーク仙台 ギャラリーホール(宮城県)
2008/02/08 (金) ~ 2008/02/11 (月)公演終了
満足度★★★
トラジコメディ
結果的に、いわゆる悪人の出て来ない劇になってしまった。トラジコメディ(前半喜劇/後半悲劇)。
誰がヒロインなのか、主題は何なのか、迷いを残して劇はゆっくり舵を切る。
ハイ・ライフ
東北えびす
白鳥ホール(宮城県)
2007/11/29 (木) ~ 2007/12/02 (日)公演終了
満足度★★★
そういう訳で演技も充実。
演壇つき講堂と、回廊つきグランキャバレーの折衷のようなホールが復活。80年代「十月劇場」が水を溜めプールにして暴れた伝説のスポットらしい。見に来ていた大阪の「未知座小劇場」の「打上花火」さんが「あんたらアホちゃうか」とあきれたという話しが伝わっている。
大阪と仙台の演劇人の交流が、一部で断続的にのこっているのはこういう出来事があったためだろうか。
『動く銅像'08』/『地球から観る円』
リュウセイオー龍
遊空間がざびぃ(東京都)
2008/02/23 (土) ~ 2008/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
生理的な肉体
一見野蛮なようだけど、生理的な肉体の反応を、ある程度意識してやっていると思う。
音楽は、キャリアはディープで長いけどライブは久しぶりという小間慶太さんのギター弾語りに、大熊ワタル、こぐれみわぞうの夫婦パンクチンドン。
ムチェンスク郡のマクベス夫人
劇団黒テント
創空間富や蔵(福島県)
2008/07/05 (土) ~ 2008/07/06 (日)公演終了
満足度★★★
愛ルケならぬ憎ルケ
「黒テント」もしばらく見ないうちお嬢さん方ばっかりになったねえ。感触は「こんにゃく座」オペラに近い。三人殺しても死刑にならず流刑。このお話が現代まで伝わっているのは、流刑地にたどり着くまでにもう一波乱あったからなんだろう。
鳥憑町事件
空間実験こがねむし
宮城県木材文化ホール(宮城県)
2007/12/03 (月) ~ 2007/12/09 (日)公演終了
『妖炎犠』
工藤丈輝(東京戯園館)
せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)
2007/09/05 (水) ~ 2007/09/05 (水)公演終了
満足度★★★
ハイブリッド舞踏
仙台里帰り企画/舞踏デモンストレーション。炎の精が近代化の波にもまれて散々な目に逢う、という童話風ストーリーになっている。マイム。ヒップホップ系ダンス。歌舞伎の型等いろいろ引用してみせるハイブリッドな舞踏。軽味にびっくり。雨天のため半分室内になってしまったこと。また半端な小雨だったことが演出上くれぐれも残念。
音響:へも。照明:相馬洋子。制作:伊藤文恵。
※雨天の為野外デッキを室内に変更。
旅行者
下鴨車窓
精華小劇場(大阪府)
2008/03/20 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★
「お姉さんそこが庭じゃ全然違う家の話になっちゃうよ」「この村で裁判所の話が聞けるなんてねえ」
ベケット《勝負の終り》、安部公房『友達』、別役実に似過ぎた(というか摸作的な)導入部。カフカ的な司法官が姉妹の絆を破壊するが、どっこい病弱だった姉は、という前衛派のパッチワーク的な構想。現実の大きな状況との緊張感が無いので何となく締まらない。いろんなタイプの女優が見られる劇として貴重か。
三人姉妹
あなざ事情団
演研・茶館工房(北海道)
2008/03/15 (土) ~ 2008/03/16 (日)公演終了
時間、時間! 加納の小一時間!! 2 !!!
加納真実
イワト劇場(東京都)
2008/09/22 (月) ~ 2008/09/24 (水)公演終了