OJの観てきた!クチコミ一覧

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宇宙へ行きたい

宇宙へ行きたい

漢の仕草

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2008/12/12 (金) ~ 2008/12/14 (日)公演終了

満足度★★★

何とも・・
バカバカしんですけど・・。

でも笑えた・・。

公演中ですので以下はネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

いや~・・・。
限りなく・・・、バカバカしい・・。


まず、宇宙船に攫われる事を目的とした部活動、というところで既に笑えるが、そこでは、宇宙船が降臨した際、タイミングよく攫われるようにスライディングの練習をしたり、怪我しないよう受身の練習をしてたりする・・。

シマラない掛け声にダレダレの練習風景・・。
何ともユルい雰囲気・・。

極めつけは部長モロオカの超キモいキャラ。
所属部員も何ともケッタイな連中ばかり・・。


もう設定、ストーリー、出て来るキャラもハチャメチャなんだが、幾度かのシーンで、不覚にも何度も吹き出してしまった・・。

長渕の歌に合わせゴン、ゴン、ゴン、あそこで堪らず笑ってしまったし、他にも結構笑えるシーンも・・。
何と言うか、バカバカしい中にも、笑いのセンスとかツボが、自分の感覚に妙に合ったところがあったのかも知れない・・。


終始ふざけっぱなしの印象を前面に出しているが、最後の結末で話の軸となる宇宙への憧れ、ロマンを鮮やかに描き出しており、最後は結構ちゃんとした感じ・・。


シベ鉄の茜さん、久々に見たけど、相変わらずいい感じのキャラ・・。
根強いファンがいるのも、わかるような気がした・・。




ひめごと

ひめごと

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2008/12/10 (水) ~ 2008/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

抑えた佇まいが・・
とっても素敵な作品・・。

公演中ですので以下はネタバレBOXにて・・。

ネタバレBOX

上手にレトロな雰囲気のお部屋、下手半分を贅沢に使って落ち葉を敷き詰めた庭と鮮やかに色づいた柿の木。
会場に足を踏み入れた途端、何とも言えぬ優しい雰囲気に包まれる。


脚本がとてもしっかりしており、いつの間にか作品世界に惹き込まれる。
翠のほんとうの父親は・・。
そして失踪した写真家は、今何処に・・。
多少ミステリアスな風味も添えたストーリーの展開に最後までドキドキさせられた。


役者陣の落ち着いた演技もとてもいい。
納屋さん、もっと見たかった気もするけど、たったワンシーンで示した存在感はさすが。
場面に応じた二十五絃筝の自在な調べが、情緒感溢れるシーンを演出する。
柔らかい照明も温かみがあってとても良い。


ひめごと・・、確かに誰にも言えない事情だが、作品には重苦しい雰囲気はなく、終始しっとりとした優しい感覚が漂う。


風情ある舞台設定、しっかりとした役者陣の演技、そして優雅な筝の調べが格調高い。
抑えた佇まいがとっても素敵な作品・・。


何だか優しい気持ちになって劇場を後にした。
静かに余韻に浸りながら・・。

もっと見る (公演終了・御来場御礼)

もっと見る (公演終了・御来場御礼)

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2008/12/05 (金) ~ 2008/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

相変わらず・・・
程の良い匙加減が絶妙・・。

公演中なので以下はネタバレBOXにて・・。

ネタバレBOX

不治の病を宣告され、死と直面する男の最期を描いたストーリー・・。
普通ならもっと壮絶感、悲壮感が漂うところなんだろうが、物語は淡々と進む。

決して激情に流されるようなシーンに埋もれる訳ではなく、そこかしこに、ほのかなユーモアさえ漂う。

そこには、この劇団特有の、何とも言えぬ人情味豊かなペーソスが滲んでいるようでとてもここちよい。

友人、家族、病院のスタッフや師弟など、とりまく周囲も鮮やかなキャラで描かれる・・。


この世に生を享けた限り避けることは出来ない死の世界。
自分の命の限りを知らされた時、その人の値打ち、品格、人となりも現われてしまうのだろう・・。

本編主人公の作家は、決して取り乱すこともなく、最期まで力強く生き抜く。


題材は果てしなく重いテーマだが、決して悲壮感を感じさせず、むしろ物語は恬淡と進む。

スロットルを踏み込み過ぎることなく、穏やかに収束させる程の良さが絶妙で、決して出しゃばり過ぎない、そこはかとなく感じさせるセンスの良さが奥床しい。

何度も何度も涙が溢れそうになりながら、そこでコミカルなシーンにまた引き戻される・・。

今回も板垣マジックの世界に翻弄されたように思う・・。
心地よく、人情味溢れる世界に・・。


素敵な作品を魅せていただいた。
また次もマジックの世界に溺れたいと思う。


Post-

Post-

サラダボール

アトリエ春風舎(東京都)

2008/12/03 (水) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★

とっても・・・
レベルが高い集団・・。

公演中なので以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

役者さんのレベルは高く、テンポ良い演技。
とりわけ女優陣は発声が豊かで素晴らしい。

短い作品では面白い着想の作品もあったが、中には不条理劇を思わせるような雰囲気の作品もあり、普段わかりやすいお芝居を観る機会が多い自分には、正直なところ、少しハードルが高いものもあった。

表現する手法など様々に試されているようで、レベルの高い演技と相まって、とても真摯に演劇と言う芸術に取り組んでいる姿勢には好感が持てた。
あの娘ぼくがロングコート裸で着たらどんな顔するだろう

あの娘ぼくがロングコート裸で着たらどんな顔するだろう

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2008/12/03 (水) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★

あれは・・・
ハプニングだったのか台本通りなのか・・・。

公演中なので以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

相変わらずユルユルで何でもアリ・・。

状況設定も個々のキャラもユニークで面白い。
竹田先生が何ともいい感じ・・。
冒頭イノマーを蹴りまくるシーンがあったけど、あれ、マジで痛かっただろな・・。


一人ずつの回顧シーンがとても興味深く、役者個人の素顔や力量が伺えたと思う。

あのケンカして仲違いのシーン、あれは、ハプニングだったのか台本通りなのか・・・。

沢山お芝居を観てるけど、さすがに主宰が割って入って途中で中断させたのは初めて観た・・。
ま、何でもアリーのぬいぐるみと言えばそれまでなんだけど・・。


あれはあれで面白かったけど、回顧シーンで折角エンジンがかかってきて、さぁこれからと言うところだったので、ちょっと勿体ない感じ。

相変わらずハチャメチャ、下ネタ満載ながら、発想や笑いのセンスはなかなか良いものを持っていると思う。

解散公演ということだが、またいつか復活して、笑わせて欲しいと思う。




客席でギャル次郎(に似た方・・?)来てたのかな・・?
さすがにあの眉毛ではないので確信持てなかったけど、モグラを思い出して、何となく懐かしかった。

玉青の行方

玉青の行方

地球割project

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

また新しい可能性を・・・
見せられたように思う・・。

公演中なので、以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

事前に聞いていた「闇の中」での公演。
覚悟はしていたが、開演前リハーサルの段階で、目の前10cmにある自分の手のひらさえ見えない闇にビックリ・・。

ここまで完璧な闇の中での作品となると、視覚以外の感覚が余計に重要になってくると思うが、朗々としたセリフまわしはまさに秀逸。
余程丹念に仕上げてきたんだろう・・。
いつもながら、緩みや妥協を感じさせない硬質な意思がそこにはある。


全方位から飛んでくる、或るときはユニゾンで、また違うタイミングでは輪唱のように後からかぶせるように追ってくるセリフ。

いつの間にやら、作品世界の中に埋没させられる・・。

カリオンや衣擦れの音を用いた演出も斬新・・。

個人的な思い込みかも知れないが、父が自分の子を迫害するというストーリーに、斉の孟嘗君の故事が思い起こされ興味深かった。

何しろ眼前も定かでない暗闇の世界。
逆に言うと、観ている方も普段働かせぬ五感も六感も総動員して、自分自身の作品世界を演出する・・。


それにしても・・・。
毎回驚かされるが、今回も改めてその異質な才能にビックリさせられる・・。

作者はいずれ、演劇という殻をさえ突き破った飛翔を、遂げるのかも知れない・・。
何となくそんなことを思いながら、劇場を後にした・・。



God Save The Me!

God Save The Me!

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/12/01 (月)公演終了

満足度★★★★

最後のシーンで・・・
自分の中での評価が一挙にあがったと思う・・。

公演中なので、以下ネタバレBOXにて・・。

ネタバレBOX

テンポは良いものの、正直なところ、最初、少し入りにくい部分もあったかと思う。

話や設定がいろいろ飛んだりするので、観るほうは当然初見なので、少し当惑させられる部分もあった・・。

でも徐々に、彼女はそういう世界に遊んでいるんだ、ということが見え始めてから、ストーリーがとても締まってくる・・。
癌とアルツハイマーと言う究極の組み合わせがそれに拍車をかける・・。

極めつけは、最後何度も繰り返されるお茶淹れのシーン。
幕間からいたずらっ子のような目で出て来ては夫の為にお茶を入れる妻。
一生懸命、一生懸命何度も淹れるが、実は夫は既にもうこの世に居ない。
そのことすら理解できない妻・・。

最後のシーンで、ぐっと引きつけられたように思う。
それまでのもやもやも、何だか全て払拭されるように思えた。


月の輝く夜に

月の輝く夜に

コマ・プロダクション

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2008/11/22 (土) ~ 2008/11/29 (土)公演終了

満足度★★★★

何とも粋でオシャレな世界・・
全編、そういう印象・・。

公演中なので以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

美男美女の出演者、アメリカンポップの香りも豊かに、何とも軽妙洒脱な世界・・。

色んなところでくっついたり不倫してたりするが、こういう劇でいちいち目くじら立てるのは無粋というものなんだろう。

背景一杯に広がる大きなお月様が何ともロマンチック。
優雅に会話を楽しむレストランでのワンシーン。
いずれも、彼の国ならこういう日常、毎日をまさにエンジョイしている人達がいるのだろう。

それにしてもキュートなロレッタ、白いマフラーもカッコいいロニー・・。

個人的には、(何となく自分ならそっちの役割だろなぁ・・なんて思ってしまう)ジョニーの同情を禁じえないが、それも笑いのネタとして取り込んでしまうくらい、大らかな作品なのだろう・・。

ユーモラスで小粋な作品・・。
観劇後もしばし、馥郁たる余韻に浸っていた。


ブレス

ブレス

劇団東京イボンヌ

新宿村LIVE(東京都)

2008/11/19 (水) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

とても心地よい空間・・
センスの良い音楽に癒されます・・。

メジャーな曲も沢山選曲されていましたが、やはり印象深いのはメインテーマになっているHPのBGMにもなっているメランコリーなメロディー・・。

すぐに覚えてしまって、早速自分のレパートリーに加えさせていただきました・・。

(今後再演あるかも知れませんし、結構作品世界に触れますので・・)
以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

突然女の前に颯爽と現れたクールな転勤者。
やがて二人はお互いに惹き合い、ただならぬ仲となる。


自分には優しいけど何となく頼りない夫と、欲しくてたまらなかった自分自身の子供。
ぬくもりのある家庭は居心地いいけど、どことなく物足らない・・。


やがて禁じられた愛とわかっていながら、家庭を捨てて男との逃避に気持ちは傾く・・。



一方で女は、南海の楽園モルディブに一人でしばしば訪れる。
抜けるような青空、エメラルド色に輝く海。
そこには国内の愛憎もしがらみもなく、開放感溢れる空間が広がっている。
窒息しそうな自身をブレスして蘇生させてくれる異国の地。




人間とは何とも欲張りで勝手な生き物だ。
目の前に現れた異性とのめくるめく情熱的な恋も、居心地良い家庭も捨てたくない。
決して両立できないことは理性ではわかっていても、二兎を追いかけたい。
そして、何もかも忘れ癒される楽園でのひと時・・。




一方主役の二人だけでなく、様々な愛憎に生きる身近なカップルも断片的に描かれる。
モルディブというのが自由と開放感を象徴しているようで何とも印象的。
人間に生じるあらゆる煩悩とそこからの解脱。



全編を紡ぐ音楽が素晴らしい・・。
普段顧みない様々なことに、自分自身の思いを巡らされるような、そんな風にも思った。
鹿 金

鹿 金

少年かしこ

OFF OFFシアター(東京都)

2008/11/19 (水) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

とっても素晴らしい!!
いや~、期待以上、とっても素晴らしい!!

とても素晴らしい作品!
まだまだ公演中なので、以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

全体の構成、脚本、そして何より、緩むことなく最後まで疾走する、緊迫感溢れる展開が素晴らしい!

いや~、いい意味で期待を裏切られた、てか、とても素晴らしい!

細かく観ると、確かに不条理、不合理だらけなんだろう・・。

でも、そんな瑣末な事は全く感じさせず、高度なテンションを保ったまま疾駆する・・。

何やら、古き良き時代の、向こうもののB級ホラー、サスペンスの香りも豊かに、すっかり作品世界に魅了された・・。

昨今、緊迫したミステリアスなテイストの作品でも必ず笑いどころを取り入れているようだが、この作品はそういった遊びは一切なし・・。

終始緊張感溢れる展開が、心地よいテンションを保つ。
ヒロインの火傷の傷跡も何とも効果的・・。

何度か、背筋が冷たくなり、全身ゾクっと鳥肌が立つようなシーンもあった・・。
単純な暴力や狂気ではなく、何やら得体の知れない心理的な病巣を抉り出すような描写が、徐々に恐怖感を増幅させたのだと思う。

いつの間にやら作品世界に導かれているとしたら、やはりそれは秀作だったということだと思う・・。

途切れることなく保たれるテンションが誠に心地よい・・。

良い作品を魅せてもらった・・。

次も楽しみにしたいと思う。


晩秋事情 【ご来場ありがとうございました】

晩秋事情 【ご来場ありがとうございました】

青春事情

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2008/11/06 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

満足度★★★

目指す方向は・・・
いい感じだったと思います・・。

本日初日、公演中ですので、以下はネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

役者さんは皆さん素敵でいい感じ・・、熱演も申し分ない・・。
きっと近くにいれば、誰からも好感持たれる、モテ男とモテ子さんに違いない・・。

ただ、それだけに、人生の黄昏時をノーメイクで演じるには、少々設定が強引なように感じた。
老人にしては歯切れ良すぎる身のこなしも・・。


冒頭繰り返し問答される実年齢と不相応な外見・・。
この辺り、少々しつこく、しかもずっと種は明かされずにそのまま進む。
何となくしっくりこない違和感、込み上げるフラストレーション・・。

中盤から物語は展開を見せるが、どうも練りが甘い。
今時終身雇用が全てでもあるまいし、その為に大切な仲間と己の信念を捨ててと言うのも、ちょっと無理がある・・。

笑いを企てたシーンではことごとく不発・・。
大変カラい評価だが、申し訳ないが、自分は一度たりとも笑えなかった。
隣の方が何度か笑っていたが自分にはさっぱり・・。
少々厳しい言い方だが、あのレベルで笑いを取ろう言うのは、ちょっと厚かましい感じもする。

少々辛口の評価をしたが、とは言え、この作品、この劇団の目指したい方向、言わんとしたいことは、何となくいい感じだと思う。

希望と夢に満ちた青春時代、若い頃のそういう感覚を一生持ち続ければ、人はどんなに幸せだろう・・。
学校を卒業し社会に入り、やがて伴侶を見つけ家庭を営み、人生の節目ごとに安定する代わり制約も多くなる。
束縛するものが何もなかった頃、自由奔放に描けた自分のキャンパスが徐々に限界を設け、そこに如何に折り合いをつけていくのが人生なのかも知れない・・。

 「わかってるよ、そんなこと・・、でも俺は自由に生きたいんだよ・・」
齢は重ねても、そういうフリーダム、心意気を大切に・・。
作り手はそういう事を言いたかったのかな・・。
何となく気持ちはわかるように思った・・。







ベッドマン・スリーパー

ベッドマン・スリーパー

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2008/11/05 (水) ~ 2008/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

久々、大絶賛!!!
いや~・・、ちょっとビックリ!!

久々、大絶賛!!!

泣かされる作品でしばしばフルマークを付けましたけど、そうでない作品でこれだけ高い評価を感じるのは久々!

いや~、素晴らしい作品、素晴らしい劇団を見つけました!

本日初日、公演中なので、感激は以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

いや~・・・、ビックリ、ビックリ・・。

個人的な好みの傾向もあるのかも知れないけど、ここまでビンゴの作品はちょっと久々・・。

ストーリーはいいけどラストは・・、役者さんはサイコーなんだけど・・。
過去、幾多の素晴らしい作品に巡り合ったけど、大抵どこか、そんな余白を感じたりもしてたのだけど・・・。


この作品は非常に高いレベルで、ほとんど全ての要素において、自分としては最高点を付けられる、それくらいのインパクトがありました。
決して強引過ぎる展開でもない、強烈なキャラに吸い込まるのでもない・・。
でも、う~ん・・、なんだろ・・、全てにおいてほぼ完璧!!


全体の構想、よく練られたストーリー、巧みに張られた伏線、最後のドンデン返し、冒頭の穏やかさからはとても想像できない凍るような結末・・。
そして、初日と言うのにいささかもぎこちなさを感じさせない役者陣の見事さ・・。

いや~、ここまで全ての角度から錬度の高い作品は久々。
時折見せる小ネタや笑いまで、ことごとくツボにはまった・・。
作り手は、余程きめ細かいこだわりのある方なんだろう・・。

ツノダ役の役者さん、演技は勿論のこと、セリフ、間の取り方など、もう最高に素晴らしい!!・・。

こういう作品、劇団を見つけると、あぁ、劇場に足を運んで良かったな、と嬉しくなる・・。

劇場を出た後、頬を嬲る風が冷たかったが、興奮冷めやらぬ自分には、それもとても心地よく感じられるように思えた。
建国のテロリスト

建国のテロリスト

劇団両面HERO

池袋GEKIBA(東京都)

2008/10/30 (木) ~ 2008/11/02 (日)公演終了

満足度★★★★

終わり良ければ・・
いい作品なんだと思います。

公演中ですので、以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

全体的な構想は良かったと思います。

戦国時代、忍の世界に題材を採って、史上著名なキャラもまじえ、個人的にも好きな世界。
色んなところにフラフラするけど、「この世から戦をなくす」、このテーマを一貫して描いており、大筋としてはよくできた作品だと思います。


時折挿まれるユルめのシーンは、個人的には、もう少し少なくてもいいかな・・。
ネタもほとんど不発でしたし・・。

折角長身の俳優さんが演じられているのに、舞台が狭いので、殺陣のシーンは少し気の毒な感じもしました。
もう少し広い空間があれば、ダイナミックに演じられたのでしょうけど・・・。


最後、五右衛門のシーンが何ともカッコ良くて素晴らしい・・。
アレが何といっても良かった。
お芝居は、やはり最後が大切ですね・・。

カミカミも緩めも多かったけど、あのシーンで一挙に締まったように思います・・。


重要なことは棚に上げて話す

重要なことは棚に上げて話す

play unit-fullfull

サンモールスタジオ(東京都)

2008/10/24 (金) ~ 2008/10/28 (火)公演終了

満足度★★★★

アレ、手なんですね・・
東京公演は終わりましたけど、この後の公演もありますので、以下ネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

う~ん、なんだろ、この感覚・・。
よくやくわかった気がする・・。
あの、これでもか・・という神経を逆撫でするイラつかせる設定、あれは手なんでしょね・・。
思っきりイライラさせて、何でやねん!・・、どないなってんねん・・、不条理を思わせておいて、最後おもむろに、ゆったりと収束させる・・。
何となく、ですけど、ようやくわかったような気がします・・。
う~ん、なんか、いいかも・・。


前作、「ユンボーさん・・」ではその機微がわからず、前半のビハインドでブチ切れてしまい、撒き餌の段階で既に「聴く耳持たぬ状態」。
意図したものを汲み取れぬまま不本意に劇場を後にしたのですが・・。


今回、適度にユーモラスなところも良かったです・・。
途中、突然かすみが窓を蹴破って出て来る場面、何やらオカルトもののサープライズを思わせるようで、とても笑えました・・。
たっぷりと暗転を用いた場面の切り替えも、メリハリ効いていてなかなか良かった。


杉木さん、前作の生臭坊主役では(個人的な感情ながら)なんかすごくムカついたのですが、今回真逆のシャイで内気な役柄がとても好感持てました・・。

どんな役でもそれなりに自然にこなせるのは、とても素晴らしいですね・・。
極道LIVE!

極道LIVE!

theatre BAROQUE

元麻布ギャラリー(東京都)

2008/10/10 (金) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

普段近寄り難い世界を・・
コミカルに、適度に緊張感持って見せていただき、楽しめたと思います。

公演中ですので、以下はネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

作品説明にある“俳優が立つ舞台”があり、“観客が座る客席”があるシロモノではない・・。
なるほど、そういう意味だったんですね・・。

作品は3部構成。
第一部は畳の大広間での組長代替わり襲名披露。
第二部はステージ上でのショータイム。
第三部、この部分が普段見慣れている、ストーリー性ある、いわゆるお芝居の部分。

趣向をこらして、なかなか楽しめる作品だと思います。


元麻布ギャラリーは初めて訪うこともあって場所がわかりにくかったが、近づくと「その筋の方」のような風体の方が何人も屯されており、それを道しるべにたどり着く。
いきなり
  「お疲れ様です!」
同様の風体の方が仁義を切るように腰をかがめ連呼する。
気の弱い自分など思わず半歩後ずさりしてしまったが、どうやら「いらっしゃい、ようこそ」との意思表示らしい・・。

恐る恐る中に入ると靴を脱いで畳の間に招じ入れられ、明らかにいつもの観劇とは異なる雰囲気。
そのまま畳に座らされ、自分達観客がそのまま、これから始まる組長襲名披露の見届け人ということらしい。
内容はヤクザ映画とかで見かける式次第まんまだが、何しろ目の前で繰り広げられるナマの儀式とあって、突然、
 「バキューン!」
流れ弾が耳元を掠めてこないか、などと想像してしまい、少々落ち着かない。
 (良かった・・)
せめて出口に一番近い末席に座ったことに、多少安堵する。


二部、ボディラインを強調したミニスカに髪をアップした和服の女性陣。
黒服こわもての兄さん連に劣らず、こちらもいかにもあの世界に棲息してらっしゃるようなケバい雰囲気。
ステージ上のショー、なるほど、これが「踊るヤクザ」なんでしょうね・・。
こわもてのアンちゃん達が演じるコミカルなギャップが何とも楽しい。
ステージを降りた出演者は観客に混じってフロアーに遊泳しており、なるほど参加型。
目つきの悪いアンちゃんが近付いてくる都度、(これは役柄、本当は野蛮な人じゃないんだから・・)と思いつつ、ひょっとして自分だけブスっとか刺されたら・・、などと連想して、そういう意味では適度に緊張させられた。
何しろ悪い方の想像力は、普段よりやたら逞しい。


三部、ようやく座る席が用意された会場での観劇。
ストーリーはまあよくある感じで、その先の展開も何となく読めてしまうが、虐げられ嵌められた弱小組織が強大な組に立ち向かい、さすらいのキレ者ヤクザがその助っ人をするというのは、この手の作品のある意味定番なんだろう。
わかりきった展開でも、やっぱり何となく熱くさせられる。
お約束の格闘シーンも、何しろ間近で繰り広げられるのはやはり迫力があっていい。


小林役の飛野悟志さん、前作「AFTER STAGE」では枯れた舞台監督役をしみじみ演じていたのがとても印象に残っているが、この作品では全く違うキャラでの好演。
緊迫したシーンとコミカルなシーンとのギャップが何ともいい感じ・・。

二度場所を替えての作品で時間的にも結構長かったと思うが、自分には全然気にならなかった。
普段伺い知ることのできない世界を垣間見せて頂き、楽しい時間を過ごせたと思う。

お月さまのために

お月さまのために

森下庸之プロデュース

アドリブ小劇場(東京都)

2008/07/25 (金) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★

優しくふんわりとした作品・・・
オリジナルの脚本を読んだ訳ではないので、軽々しく判断できないのですが・・。

軽妙なタッチの鈴江さんの雰囲気を大切にして、この作品は創られたのでしょうね・・。


若者達の、若さゆえ騒がしい、そうゆうお話・・。

ネタバレBOX

原作の持つ風韻を損なわないようにと言う配慮なんだろうが、その分、少々淡白に思えた。

何と言うか、淡々と進みすぎて、逆に言うとインパクトが薄く、もう少しクライマックスと言えるような、うねるように盛り上がるシーンも欲しい。

色んなところでお月様が出てきて、それは象徴的ではあるのだけど、この作品で何を伝えたかったのか、どういうメッセージを聞いて欲しかったのかが抽象的過ぎて、少々もどかしい思いも感じた。

THE☆どツボッ!!

THE☆どツボッ!!

劇団たいしゅう小説家

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2008/07/18 (金) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ほんと、笑いっぱなし・・。
最初にほんとのことを言い出せなかったばかりに、嘘を隠す為にまた嘘を塗り重ねて・・。

全編コミカルなタッチで役者さんのキャラも明るいので笑って過ごせたけど・・。

ネタバレBOX

こういう作品で余り深く考えるのは、野暮ってもんだとは思うのだけど・・。

それにしても、自分の不倫のツケを我が子になすくりつけるってのも、ど~なんだろ・・。

息子役の八神蓮が、いかにも正直そうな好青年、手練手管なんて全然わかりませんよ~っ、て純真な役柄だったので、余計憤りが募った。

不倫相手の杏さゆりが、これまた何とも控えめな感じで、イケイケのほんとの息子の恋人役、篠田麻里子と好対照なのも上手い設定・・。


それにしても・・。

芸達者なモト冬樹もさることながら、どの役者もキャラが濃くてメチャ笑える・・。

個人的には、篠田麻里子のイケイケキャラがツボで、踊りながら、と言うか、パフォーマンスしないと携帯取れないキャラがめちゃ笑えた・・。
彼女AKB48とのことだけど、AKB48ってアイドルグループって思ってたのだけど・・。


相変わらず、美男美女を贅沢に用いた舞台は夢があって楽しい・・。
この劇団はいつも座組がほんとに魅力的。

どこにでもありそうな風景なんだけど、ちょっとイケメンと可愛い女の子・・。
少なくとも自分の周囲を見回しても居ないレベルの子達なんだけど、演じられるのはごく日常の光景で、普通の世界に居る自分も思わず日常を離れ、自然にその世界に入り込めるトレンディな世界・・。
これがこの劇団の描く世界の醍醐味なんだろう・・。

いつ観ても期待を裏切られないというのは、やはり素晴らしいセンスなんだと思う。


ワールズダッチ

ワールズダッチ

青年団若手自主企画 大久保企画

アトリエ春風舎(東京都)

2008/07/16 (水) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

結構・・・
強烈ですね・・。

ネタバレBOX

煩悩って、男の専売特許かと思ってたのですけど・・・。

女性でも、或いはそうゆう方もいらっしゃるんでしょか・・。

いずれにしても・・、少々強烈ですね・・。
恋人ができないが、もういい

恋人ができないが、もういい

箱庭円舞曲

OFF OFFシアター(東京都)

2008/07/12 (土) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★

こうゆうの好きですね・・。
いい感じです・・。

自分、こうゆうの好きですね・・。

公演中ですのでネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

あの業界のことはまったき知らないのですけど・・。

ただ、トレンディドラマのように、とてもオシャレに、スピーディに、そして何よりも、とてもリアリティがあるのが良かった・・。

たった一言で万人の心にうったえかけるキャッチ・コピーの世界・・。
現代社会に欠かせない広告ビジネスの世界は華やかな反面、何とも残酷だ。
そこでは勤勉、優しさ、古来日本人が尊んできた価値観ではなく、万人、とりわけ、クライアントを納得させるセンスを表現できる者のみ生きてゆける。

実力も包容力もあるボス、いずれは大きな仕事を自分の今いる秩序を越えても思いを遂げたい野心家のライター、履歴は旧いが才能が枯渇した忠臣、様々なキャラが鮮やかに描かれる。

自分の仕事を天職とする活き活きとした生き様を、スピーディーなタッチで描写する。
音楽もとてもいい感じ・・。
全編を刻む歯切れ良さがとてもいい感じ・・。

好きですね、自分。
次回も観たいですね、この劇団・・。
期待に応えてくれそうな、そんな予感がします・・。

「ダンバチロック6/我慢美顔 ガマンビガン」

「ダンバチロック6/我慢美顔 ガマンビガン」

ショーGEKI

「劇」小劇場(東京都)

2008/07/11 (金) ~ 2008/07/20 (日)公演終了

満足度★★★

可愛いですね・・。
ガマンビガンを観劇。

公演中ですのでネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

いや~、パワフルで、可愛いいですね・・。
女性らしい両極端と言うか・・・。
でも、どちらも可愛いなと思いました・・。

場面場面のコネタがとても面白かったです・・。
とても笑える・・。
ただ、惜しむらくは全体を通しての、何だろ・・。
リアリティとか必然性と言うのが少し薄いのかな・・。

その、お芝居って、やはり虚構の世界だから、それは観る方もそうゆうお約束ではあるのですけど、余りにトンじゃうと、そこですーっとひいちゃうような、夢の世界から現実へ引き戻されるみたいな感覚があって・・。

レディースをフューチャして、そこは可愛くていいのですけど、個人的にはMEN'Sと絡んでるところがとても面白かった・・。

今回はスケジュールの都合でレディースしか観れなかったのですけど、今度はMEN'Sも観てみたいなぁ・・。




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