犯さん哉
キューブ
PARCO劇場(東京都)
2007/10/06 (土) ~ 2007/10/28 (日)公演終了
ゼブラ(再演)
ONEOR8
新宿シアタートップス(東京都)
2007/11/02 (金) ~ 2007/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
家族の肖像
四人姉妹それぞれにとっての母(父)
そして姉妹としての四人の間にある「のりしろ」みたいなものが
時空列を行きつ戻りつしながら丁寧に重ねられていくことで
浮かび上がる面白さ。
非日常の出来事をきっかけに
小さなほころびが大きくなるように観せる上手さが好き。
個人的には自分の頑なまでに正直を貫き通す娘に共感したりして。
最初は『?』だったタイトル
面白さが後から沁みて来た。
というか、付けた作者にも見えていないかもしれない
そんなトコロまで感じて面白く思えて来たりした。
岡田利規 新作「ゴーストユース」
桜美林大学パフォーミングアーツプログラム<OPAP>
PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)
2007/11/20 (火) ~ 2007/11/25 (日)公演終了
テイクフライト
パルコ・プロデュース
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2007/11/24 (土) ~ 2007/12/09 (日)公演終了
天海姐さん
舞台の上の天海姐さんはやはり素敵だ。
軽やかな所作と優雅な手の動き。
難曲もこなし見栄えも言う事なし。
思いのほか城田くんも好演。
彼はこれからが楽しみと思わせてくれた。
ただ・・・こういうのが観たかったわけじゃなかった。
個人的にはそうとしか言えない。
Get Back!
グリング
ザ・スズナリ(東京都)
2007/11/28 (水) ~ 2007/12/09 (日)公演終了
満足度★★★
まだまだ
手堅いくらいに纏まって面白かった。
客演も馴染んでたし皆さんリアルに息づいていた。
ただ・・・
まだまだこんなもんじゃないだろう。
って、何様だワシ(苦笑)
伏線が多いのに終結していくところがソコ?という感があって
まだ何人もエンディングに辿り着いていないキャラが居たように感じた。
前回は全体が弱い印象で今回は散漫な印象。
話運びも演じる者も総じて巧いが
このままでは例の「ウェルメイド」とかいう
ワシの嫌いな一言でまとめられてしまうじゃないか。
劇場を離れる時に温和な青木さんの笑顔を見たら
もっともっと先を観せて欲しい
なんて、ファンだからこそのワガママを言ってみたくなった。
crossing2
風琴工房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/12/24 (月) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
Bプロ
本当ならA・B共に観たかったが日程が合わず
何とか『授業』目当てでBプロに駆け込み観劇。
思いがけなくと言っては失礼だが
「命を弄ぶ男ふたり」では演者のバランスの良さと
その場面処理、列車の見せ方が面白く満足。
またお目当てだった、きらり☆ふじみ以来の『授業』。
他のカンパニーと比較出来たのも楽しい体験。
あちこちで賞賛されてる宮嶋さんの艶技もさることながら
個人的に御贔屓役者であるリリーさんのラストの妖演に衝撃。
前作の時にもっと女なリリーさんが観たいと思ったくせに
ファンって勝手なのさ(苦笑)
東京裁判
パラドックス定数
pit北/区域(東京都)
2007/11/29 (木) ~ 2007/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
見えないもの
今回も独自の切り口で
見事にコンパクトに
モンスターを捻じ伏せて観せてくれた。
見えないものも見えた(気がした)面白い体験。
彼らがいったい何と闘っていたのか
もしかしたら
実際の当事者だった人達が感じていたかもしれない
そんな空気まで感じられて感慨深かった。
わが闇
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2007/12/08 (土) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
闇の向こう
長時間の上演にも集中力が途切れることなく観劇。
かなりかなり好きな世界だった。
丹念な描写により人生の厚みが層を成し
主要キャラが見事に立ち上がってきて面白かった。
いやもう、渋谷で大枚叩いてバカに付き合った後だけに感慨もヒトシオ(笑)
もう一度観たかったが日程の都合がつかず断念。
偏路
劇団、本谷有希子
紀伊國屋ホール(東京都)
2007/12/14 (金) ~ 2007/12/23 (日)公演終了
チカラわざ
すごく稚拙な人間の地団駄踏む様子を懇切丁寧に見せてくれた。
結局年齢的なものとか好みの問題なんだけど
自分でも珍しく上演時間がかなり長く感じ
ついには席を離れたくなったが位置的に難しく辛かった。
・・・『遭難』の方がスキだった。
ビューティ・クイーン オブ・リナーン
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2007/12/07 (金) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
ビューティーか・・・
演出家としての長塚さん、マクドナーではピローマンが好き。
(ウィー・トーマスはいかにもって感じで個人的にはダメなんだけど)
今回も湿った寒々しいアイルランドの空気が感じられる舞台で良かった。
妖気がゆらめきそうな二人の女優を劇場の中央付近から堪能。
予想通りといえばそうだけど、やはり流石。
朱雀家の滅亡
あうるすぽっと
あうるすぽっと(東京都)
2007/12/04 (火) ~ 2007/12/16 (日)公演終了
なんともいえない・・・
美しい言葉を求めての観劇。
ホワイエには三島直筆の書などの展示もあり
その美しい筆跡を直に拝観し楽しくも興味深い趣向。
タイトルから想像出来る通り華族一門の墜ちていく様が描かれる。
人間の生に対する芝居だとチラシにあったので期待したが
意外とあっさりした仕上がり。
それにしても、
観客の年齢層が非常に高く、始まる前から少し不安だったが
案の定、年輩の女性による携帯着信音のタレ流しが発生。
それがクライマックスに、1回ならずも4回も!
ラストの見せ場とあって注意する事すら抑えていた周囲からも
「出ていけ」「いい加減にしろ」の怒声まで上がる始末。
役者が気の毒だし、前方のど真ん中に座っていたその女性の
あまりの無神経さに呆れて何とも言えない後味の観劇に。
いろんな意味で残念な舞台になってしまった。
世界の涯て Lands End
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2007/11/21 (水) ~ 2007/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
目眩くとはこういコト◎
想像した通りといって良いのか、
チラシを手にして直感的に観劇を決めた自分としては
チラシから受ける印象のままスタイリッシュで面白かった。
次から次へとイメージが具象化されて夢か悪夢のように
舞台上に立ちあがっては消え、縺れては解れ
途切れることなく繋がって行く90分。
手仕事、職人技の域かと思われるアナログな演出を多用しつつ
表現として提示されるものは実にクールで先鋭的。
人間の肉体表現と人形とが舞台という異空間で優雅に添いながら
観る者の視線を絡め取っていく。
以前観た「アンデルセンプロジェクト」といい、
表現者、創造者としての心意気を堪能した。
欲望という名の電車
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2007/11/16 (金) ~ 2007/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
哀しくも気高く
子供の頃荒い画質の映画版を深夜に観て以来
ずっと「何とかならなかったのか」と思ってきた。
ソレくらい自分にとっては或る意味魅かれる戯曲。
篠井ブランチに対し他のキャスト
特に男性陣の線が細い気がして少しバランスが悪い印象が残ったが
それでも今回は観て良かったと思わせてくれた。
抜け穴の会議室
Team申
赤坂RED/THEATER(東京都)
2007/11/10 (土) ~ 2007/11/24 (土)公演終了
満足度★★★★
少し救われたきがして
自分としては前川さんの本で初めて
終演後微かに「希望」のようなものを感じて嬉しかった。
佐々木さんと中村さんのバランスも良かったと思う。
野鴨
メジャーリーグ
THEATRE1010(東京都)
2007/11/01 (木) ~ 2007/11/30 (金)公演終了
満足度★★★★★
未だ混沌として
自分の中で巧く処理出来ない。
舞台上での表現とか観せてくれた世界
それを受取った自分の中に広がった波紋のような感情とか。
イプセンのまっとうな作家の力を
より濃厚なカタチにして差し出してくれた演出家の力に唸った。
レインマン(再演)
TBS
PARCO劇場(東京都)
2007/10/30 (火) ~ 2007/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
あたたかい^-^
橋爪さんを舞台で観るのはコレで2回目。
そして椎名さんに至っては初めて。
初演と再演共に先に観た方から、
「2人の関係が初演より隔たって見えた」とか
「椎名さんがTV的な演技に感じた」等々、
辛口の話を聞いていたのだが自分は充分楽しめた。
初演に引き続き橋爪さん、お見事でした。
観ていくうちにこちらまでレイモンドが愛おしくなっていく。
あの怪物(笑)相手に椎名さんも他の共演者も素晴らしい。
ラストの暗転寸前まで心惹かれる場面が続き心から満足して手を叩く幸せ。
自分の観た回は客席の空気も良かったようで
カテコでの拍手は本当にあたたかく気持ちが込められていたと思う。
ワールド・トレード・センター
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2007/10/20 (土) ~ 2007/11/06 (火)公演終了
豚と真珠湾
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2007/10/04 (木) ~ 2007/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
命を繋げるということ
戦争という苦痛の嵐が過ぎ去っても
こんなふうに人の生活に関わってくるのだということを
静かに淡々と描いて観せてくれた。
市井の、しかも離島で隔絶された人々の
無骨で決して器用ではない「いきかた」。
特に命の方舟である女性達のしなやかさと逞しさが印象的。
観るまでは突拍子の無いタイトルだと思っていたが
人の体温を感じられるエピソードからの引用と知ると頷けた。
PIAF ピアフ
TPT
ベニサン・ピット(東京都)
2007/09/24 (月) ~ 2007/10/08 (月)公演終了
満足度★★★
歌に包まれる至福
正直にお詫びします。
なめてました、私。
安奈さん、素敵でした。
女優として「ピアフ」を受けたということは演じるだけでなく、
彼女(ピアフ)を丸ごと飲み込んで昇華させるということ。
演者として差し出さなければならないのは
人に夢を見させるようなキレイで伸びやかな歌ではない。
求められているのはライトの中に立つ彼女の影の濃さにも似た孤独と
幾度も繰り返し堕ち、汚れ、降りかかる悲しみに枯渇しひび割れた心。
そういった彼女という人間の奥行きと陰影が集約されたカタチで声に現れなければ。
ストーリー展開としては駆け足で生涯を追った為、
ピアフに関わる人の描かれ方が通り一遍で深み無く、面白みに欠けると感じた。
が、ピアフ=安奈さんがスタンドマイクに向かう時、
今回求められるモノは其処にある・・・そう感じ、
同じあの空間に居る幸せを味わい包まれる喜びに浸ることが出来た。
その夜の侍
THE SHAMPOO HAT
ザ・スズナリ(東京都)
2007/09/29 (土) ~ 2007/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
怨讐と恩讐の果て
舞台上の場面転換が同時進行のように被せながら行われていくのが実に鮮やか。
赤堀さん演じる被害者の夫、見た目には分かり難いが日常から徐々に浮きズレていて行く感じがリアル。
もともと素養があったにせよ、ひとつのきっかけで拍車が掛かるように常軌を外れ狂っていく加害者の怪物化に嫌悪感を覚えつつ、しかし彼もまた自分と同じ人間なのだと思うたびに人の持つ闇の深さを感じた。
舞台の転換場面、その闇の中から行くあてをも失ったかのように歩いてくる被害者の夫の姿が哀しく痛い。
公演で配られたパンフ(?)の覚悟を体現した良い舞台だった。
今から次回作が楽しみです。