t-satの観てきた!クチコミ一覧

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「ワーニャおじさん」

「ワーニャおじさん」

劇団つばめ組

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2017/04/20 (木) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★★★

エレーナのスワンな羽ばたきに息を呑む。「昼と夜」な眼差しに見入るほど魅入られて、ミイラ取りがミイラになるほど熱に浮かされ狂奔した時の流れ。 ここに幸せな人は・・・いない。無常な人生、幸せは過去形でやって来る。働きなさい、生きて行きなさい・・・ソーニャの言い聞かせが余裕なく胸に沁み入る。

リビングデッドスペース

リビングデッドスペース

劇団若鶏の☆唐揚げ

【閉館】日暮里ARTCAFE百舌(東京都)

2015/11/14 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

愛すべきリビングデッドたち
シリアスはシリアスでチャカさないのが好ましい。おバカが素直に笑いを誘う雰囲気がある。百舌に違わぬマシンガン口撃も、細腕マッチョも、世界平和も、ムッチリ課長も、ひどくチャーミング。やや間延びと感じられた後半、破り置かれた紙屑が“みんな、活きていた”ことを気づかせた。何かを教わり、何かが変わり始めたんだ・・・末広がりの夢を予感させ、窓のない部屋に薄明かりが射し込んで見えた。

ときのものさし

ときのものさし

HOTSKY

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/11/20 (金) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

わかるな~そうだよねぇ~
わかっていないようで見抜いている、感じている。「会う」では足りない、「会わなくちゃ」では憂鬱、「会いたい」と思ってますか? さびしさからの‘逃避’に誘われた夢見を覚ますのは、「会いたい」いまのあなたに。謡声に振り向かない妹を見つめる、優しく少しさびしそうな微笑が暗がりに遠くなる、夢から覚めていくのだなぁ・・・ 「会いたい」と思い思われることが、ときのものさしを‘いま’に合わせておくために大切なのではないか、しみじみ考えさせられた。

兄弟の都市

兄弟の都市

MICOSHI COMPLEX

OFF OFFシアター(東京都)

2016/05/12 (木) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ブロッカリどうぞー
楽しいキャラたちの魅力で充分面白かった。彼らが一層躍動する土台として、姉妹(兄弟?)「都市」の制度や立場の飛躍にいまひとつの裏付け、'正当性'があればと思う。その部分の発想や設計に期待していたところではあったが、面々のシャイニング!ぶりが'収穫'だった。

8人の女優たち

8人の女優たち

喜劇団R・プロジェクト

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/11/26 (木) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

「決める」ってむずかしいですね!
色々と強烈! 見事に色づいた‘もみじ’に戦慄しつつも笑ってしまう。8者8様の手札や(裏)技を仕掛けるバトル。目を白黒させる男たちがある意味主役、‘受ける’ことで滑稽や笑いを作り出す。いくつもの色を着こなす、つもりでいつしか色に溺れてしまいそうで危うく、だからこそ魅力にあふれる女(優)たちはこんなにも一生懸命で健気(?)。魔法の言葉「カワイイ!」「キレイ!」を本能的に求め続けるのか、それとも時代とともに魔法の言葉も変わっていくのだろうか・・・。

楽屋

楽屋

Quiet.Quiet

小劇場 楽園(東京都)

2015/08/21 (金) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★

既視感が起きるほどに・・・
光と影、光の中の影、影の中の光、・・・カラフルな4人のせめぎあいによぎる、この世のあらゆる欲望を呑み込んだような女優というものの美魔力。うつりゆく楽屋の波間に漂い、密度の濃さを感じつつ流れる時間が惜しい。。柱や壁のスペースを活かした創り、オープニングとエンディングが印象に残る。

唄わない冬

唄わない冬

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/08/21 (金) ~ 2015/08/31 (月)公演終了

満足度★★★★

「わからない」磁力
性としてのレギュラーな欠落感ではなく人としてのイレギュラーな欠落感を埋めようともがく、それが「愛」になりつつあるのか。かぶりぎみにぶつけ合う言葉の応酬にこの「愛」の本質が尽くされていると感じた。それがどんな愛であれ、砂地に点いた模様がその存在自体の証拠として儚く広がる。エゴで虚しい空気の中で星を見上げるのも涼やか。

ホテル・ミラクル4

ホテル・ミラクル4

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/10/28 (金) ~ 2016/11/07 (月)公演終了

満足度★★★★

連れ込まれたのは?
優位なようで思うにまかせぬオンナたち。エサに乗らぬ男に焦れるオンナたち。ジャンルを超えた賢い"競争社会"で最早ヤラしいものは希少になりつつあるのだろうか・・・ たどり着いた『クリーブランド』では引き摺る感じのヤラしさがぼんやりと思い出される。アスクとリスクに満ちたかけ引きの中、最後まで煙に巻いた苦みを残す。

オールドアクターズソング

オールドアクターズソング

THEATRE ATMAN

シアターシャイン(東京都)

2016/08/18 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

洞穴
金でもなく、土地でもなく、何しろ人間なんだなぁとしみじみ。人間に見せるための劇場であり、役者であり。夢の光を容れるものの宿命としての空虚は、また可愛げと切なさとが同居するもののよう。「歌ってしまった」ある者は虚ろを'抱えて'追い続け、ある者は空ろと'なって'受け入れ続ける。生き生きと味のある独り言とくすんでもの悲しい独り語りが強いコントラストとなり、過去に光を吸い取られてしまったかのよう。不思議な'いま'が流れていく。

簡単な生活

簡単な生活

小田尚稔の演劇

新宿眼科画廊(東京都)

2015/08/29 (土) ~ 2015/09/02 (水)公演終了

満足度★★★★

文庫本的寛ぎの愉しさ
許される時代に三女三様の心地の良さを帯びた背中。さまようから簡単でいるのか、簡単だからさまようことができるのか。そうか、彼女も行ったのか・・・簡単だからこそ味わえる贅沢な時間。好みです。

10分間カセット

10分間カセット

張ち切れパンダ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/05/26 (木) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

アカずの間
現れるのは白か黒・・・でもみんな見えないグレーの境界線で踏ん張っている、本当は。薄汚れた身心を洗い流すような10分間の再生音。新たな物語がB面に録音される予感に明るむ。四人の心の裡に気づかぬふりの自分と見詰め合えた時間。

玉川上水心中

玉川上水心中

めがね堂

RAFT(東京都)

2015/11/25 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

タクシーこわい
“私にはわかる”ためにおのれを虚しくした、その虚しさに堪えられなくなったのではないか、実のないおのれに実を持たせたくなったのではないか・・・ 終いには、いったい太宰は実在したのだろうか、と仮宅してみたり。確かな演技がおぼろげな時空にくっきりと輪郭を与え、人物各々の立場からの‘真相’に思いが巡る。

Green(C)OPERA -グリーン・コッペラ-

Green(C)OPERA -グリーン・コッペラ-

劇団コスモル

OFF OFFシアター(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

いろいろ飛びますね
人間のあり方に疑問を感じるとき自分でもこういうことを思い巡らすなぁ。きっと心の優しい方が作ったに違いない。ラスト20分でようやく印象がアップ、追いついた感じ。

合理的エゴイスト

合理的エゴイスト

劇団ピンクメロンパン

明石スタジオ(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

ポストがなければ・・・それでもただ・・・
黒白逆転の鮮烈! ’人間になりたい世界から ロボになりたい世界へ’ 積み上げた価値観の軛を超越し感情さえ切り捨ててしまうのではないか・・・ 終わりがエンゲージされない「合理的エゴイスト」の姿がおぼろげに浮かんだ。

その頬、熱線に焼かれ

その頬、熱線に焼かれ

On7

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/10 (木) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

開く勇気
経験に遠く及ばぬ想像の、それでもその大きな糧となる時間。違いを違いとして許し合うことで生まれる距離感。両の足で必死で踏ん張る生命力。もたれ合うのでなく支え合う「仲間」を7ガールズが体現してくれた。

ミッケ?

ミッケ?

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2016/07/08 (金) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「夢」芝居
後出しを封印し、お試しから引き戻す、ミッケた?儚い道具立てを見せ球に'もしも'で通した過去と未来のマッコウ勝負。そこはかとない「ンッ、フフ」 も、テンポのいい「プッ、ハハ」も、塞いで見ればひとしくいとおしい。特に第2部はケッサク!

幸せの怪物

幸せの怪物

KuWa

スタジオ空洞(東京都)

2016/07/09 (土) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

蝕 の K aris u W a
ヒョロッと長いフォルムと被り物のインパクト。なんとなく不思議な異星人感がベースに貼り付く。凝集した分遠く感じる、スナック菓子のようなパサついた神経戦がピリピリと音を立てている、オープン・クローズな閉塞感。幸せを制御できずに怪物と化したおのれ自身に滅ぼされる、そんな自虐的な不安を映しだしているかのよう。この星へのやさしさが影となりもがくのを見た。

雁次と吾雲

雁次と吾雲

護送撃団方式

萬劇場(東京都)

2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

雲間を翔る雁
吾は雲なる兄、’自由’にがんじがらめの弟。生きてこその’自由’と知り「死」を身近にして最も’自由’であった兄。 人間は目印がないと’自由’さえも見失う。経験できない「死」をそこに感じながら生きるかどうか。それが空をつかむ鍵と思えた。

100人のタナカ!

100人のタナカ!

PocketSheepS

TACCS1179(東京都)

2016/10/13 (木) ~ 2016/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★

みね打ち に カマかけ
"建前と本心"のカミングアウトにより「議決」さえ無力化するほどの「独断」が露見。欺き、見くだし、支え、助け合う、感情と理性の二人羽織が脳内狭しと駆け巡る。他者に向けた身を捨てる愛こそ勇気、それが行き先であれば一歩前に進めるんだとおのれの"100人"が活気づく。

カナリヤ【追加公演決定!3日19時】

カナリヤ【追加公演決定!3日19時】

日本のラジオ

新宿眼科画廊(東京都)

2015/05/29 (金) ~ 2015/06/03 (水)公演終了

満足度★★★★

ココしかない!場所
あの人たちはいったい死に値する罪を犯したのだろうか。こちら側から見れば確信であっても、向こう側の空間に身を置いたとき、気づけば何だかその確信が揺らいでいる。考えて、こちら側に戻って、やはり首を振る、それしかない。自分自身から流されてきた場所は閉鎖空間、行き止まり。その淀みに浮遊する、それしかない感じがちょっぴり、せつなく伝わってきた。

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