マイディア・ディアマイドール
夢幻舞台
中野スタジオあくとれ(東京都)
2018/10/19 (金) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
違いのある所に自由は生まれ、自由のおかげで「嘘」を堪能できる・・・ 「嘘をつく」よりも「嘘は悪いと決めつけて罰する」方が悪い・・・ 心の眼が開かれるアイディアに素直に感じ入りながら、自由で瑞々しく華やかな舞台に目を奪われた。
夢途切相駆彼岸
明橋文学
荻窪小劇場(東京都)
2018/10/13 (土) ~ 2018/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
それはどこまでも彼であって、彼ではない感覚。 そこは彼の夢の中で、彼の制御及ばぬ ”世界” 。 でも彼は ”世界” を択べる、より身軽に、よりリアルに・・・そんな時代感覚。 無数の彼が重なり合う現実に目覚める前、取り戻せそうで叶わない大事に出会う前・・・ いじけて斬り捨てる若さがいじらしく疼く。
子守詩
前納依里子
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2018/10/12 (金) ~ 2018/10/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
小屋に息合う無言の饒舌さがハッとするほど濃厚に映し出す、従順でしなやかな強さを巡る影燈籠。 違和感なくつながり、でも明らかに擦れ合う童謡を、いつしか静かに、前向きに受け留める子守詩。 風雪を堪え、死生に震撼し、彼我を見つめて来たであろう見事な枝振と重なった。礼賛に値する衝撃。
ドキュメンタリー
劇団チョコレートケーキ
小劇場 楽園(東京都)
2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
リンリリンリと鳴り始め、トゥルリトゥルリと鳴り止まん。 想像を超える 「ユートピア」 、他者の目たる倫理は届かず、切り開くべき本性顕る現実。 組んでは離れ、当たっては砕け、進み出ては後退する・・・ 嗚呼、「3」を前に立ちすくむのみ、か。 正誤を跨いで繰り返された、過熱を避けた結晶が心に ぞわり と伝染り込む。 次も勇んで征かずば済むまい、解き放った重圧の、さらなる奥深く・・・。
さらばコスモス
世界劇団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/09/22 (土) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
想像芸術としての人間に 一層研ぎ澄ました斧を振り下ろす感覚、か。 『いったいでーす!』に痛みを感じぬ即物性 と 『そうそう』や『もしやもしや』にネタネタ笑う俗物性・・・ 現実とシンワする重奏構造に絡め撮られてしまうマジカル・パフォーマンス。
ヤング・ブラザーズ
ヤング・ブラザーズ
ART THEATER かもめ座(東京都)
2018/09/14 (金) ~ 2018/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
カッコイイですねー、何でかな? ウィ・スキーな何かをジバクしてでも守ろうとする必死さ、かな。 アホでもバカでもプーでもブーでもオニでもカブトでもいい、ロックに生きなきゃね、白黒つけてイエイ!
「イッツ・ア・クローズドワールド」
楽園王
OFF OFFシアター(東京都)
2018/09/06 (木) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
闇の中の闇の中の・・・ 頁の中の頁の中の・・・ 夢の中の夢の中の・・・ 妹のオーラを確かめる道行きて、マイナスのオーラが夢幻に満ちていて、クローズドがクローストするアナ・ザ・ワールドが PET な救水に満たされて、溢した泪に解けた何かが光り射し込む出口に誘いて・・・目覚めた。
おくやみ(仮)
京央惨事
東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
1男との 時間 × 濃密度 がほぼ テイリツ な3女の反芻により、曖昧不明にされた4者を変数とする関数 が徐々に解け出す。 座布団1枚、茶碗1個に気まずいスイッチングな攻防、するりと逃げた ”ぎりぎり好き” な答えに辿り着く。 ヘンシンに係る(仮)の世界を生きているのだと実感。 主宰挨拶文が素敵です。
アントニオは死んだ
薬味一味
キーノートシアター(東京都)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
そんなつもりじゃなかったのに・・・ 甘酸っぱさ と ほの苦さ から立ち上がってきた ピリ辛 に衝かれた。 なかなかどうして、侮れない一味。 期待を裏切るストレート は涙腺を破壊するパンチ力。 あゝこれで良かったのだよなぁ と心の納まりがつく味わい。
スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/08/18 (土) ~ 2018/08/27 (月)公演終了
満足度★★★★
左 に気を取られて 右 に乗り遅れ気味ながら、アエラ なく昇って行った スゴメン たちを隙間なく忙観。 棄てる も 信じる も忘れたように俯く集団の忙隷に 帰りの足まで引き摺られた。
マナナン・マクリルの羅針盤 2018
劇団ショウダウン
シアター風姿花伝(東京都)
2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了
満足度★★★
すべてを溶かし込んで生み出される漆黒 と 蒼、深まるほどに近づく風景は 心を映して曖昧に移り変わる。 破け曝した色々が 鮮烈を増して、螺旋の如くに混ぜ合わされば・・・ カレーなる味の深まりを予感させる素材の良さにとーても期待!
『世 界のはじ の穴』
sekai record
プロト・シアター(東京都)
2018/08/02 (木) ~ 2018/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
弱者、異物、目を逸らしたい、遠ざけたい・・・ 端から愧まで、月は照らしてるよ と兎は告げる。 水玉からモザイクに眩ましても、底知れぬ穴は回りまわって己に還る、完璧に死にたくとも、完全に忘れ去られたくとも・・・ 己の「 」を問う、掘っても埋まることのない心のアナロジーは、きちんと葬ることではじ まるお伽話、のような。
キシカンミシカン
演劇プロデュース『螺旋階段』
神奈川県立青少年センター(神奈川県)
2018/07/21 (土) ~ 2018/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★
ミシカン・・・立ちすくむ、目を疑う、流し去った光景の消え跡、だろうか。 マリオネットの助けを借りて、キシカンを覚える未来を、いつかわかるその日を取り戻す物語。 ゆるめのコミカルさにハマりつつ流れ着いて見れば、ルイジのようで違う、より幸せな始まりに立ち戻っていた。
何度も壊れる赤い橋
The Stone Age ブライアント
小劇場 楽園(東京都)
2018/07/19 (木) ~ 2018/07/22 (日)公演終了
Vの果て
劇潜サブマリン
王子小劇場(東京都)
2018/07/12 (木) ~ 2018/07/15 (日)公演終了
満足度★★★★
空想・妄想を形にするために、背後に迫る ”作り物感" とあからさまな情熱。 「レアル」を感じた開幕のエネルギッシュな数分間。 赤みがかったフィルムから飛び出すような迫力のなか、レアルがいつしかリアルにリレーされたときの心地好い自然さ で "生ける死体" の生死が入れ替わったのか・・・そんなヤスっぽい決着にメロメロだ Z !
棄児も泣かずば雨たれまい
劇団 枕返し
北池袋 新生館シアター(東京都)
2018/06/29 (金) ~ 2018/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
啼いてよかったんだと、 泣いてもいいんだと、 雨たれた先の景色を見せたかったんだなぁと。 いいキジ揃いで味わいも好みながら、キャッキャッとハジケーンばかりの共鳴にはもうひとワナなき! タカ鳴る期待。
ムシ研
劇団オンガクヤマ
劇場HOPE(東京都)
2018/06/14 (木) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
目を疑うような日常を虫メガネを通してありありと描き出す傑作。 風土に根差したものは掛け声だけでは変えられない、個性的な ”ヘルメット” 全員がムシであることはムシできない、と他人事に満ちた空気が伝えて来る。 捕食されずに活用されるほどの美しさ、奥床しさを、これからのAIする森でもずっと・・・
エガオヲミセテ
ラビット番長
演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)
2018/06/16 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
逆ピラミッドの 奴隷 な社会で、善意 と 信用 をエネルギーに、現場の寒さを エガオ で凌ぐ。 眩しすぎると感じる御宅もあるのかなぁ・・・ 献身を巡る、葛藤のタビ。
そふとタッチ
演劇企画アクタージュ
荻窪小劇場(東京都)
2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
5人のキャラはそれぞれ愉快でウズウズしていたのに点火しなかったのは・・・ そふとな画を見てみたかった、ケンシロウのファンになりたかった、ということか。没入してモノトーンになりがちな世界をそれとして描きつつ如何に着色して落ち着きを得るか、工夫の為所と思う。
新宿の紫のバラ
めがね堂
新宿眼科画廊(東京都)
2018/03/02 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★
「私」を追いかける。 チラシた夢を喰らい、本当のドラマを創り上げていく「私」が「私」と出会う。 押し流し、振り回す。闘い、問い詰める・・・ サケよ乱るる花園で、バラまく間に凝縮した紫の香りが沁みた。