病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/08/08 (日)
価格2,800円
2年前のスタジオ空洞から会場を変えての再演作品、8日14時開演回の千穐楽の舞台を拝見。
基本的な感想は前回と同様なのだが
長いこと入院していた亡父のこと
同じ話を繰り返す入院患者あるある!
120%関心の無い田舎の噂話を喋り続ける実家の親族
昭和名物・暴君親父の理不尽な言動の数々
そして、自身の入院時に体験したアレやコレや…
冷凍庫の奥の方に隠れていた記憶が、郷愁と痛みを伴って解凍された120分だった。
演技陣に関しては、初演とキャストが変わった
片岡役の小野ゆたかさん
片岡の娘/小林の娘役の安川まりさん
橋本の娘/小林の担当看護師役の小野寺ずるさんの3名が
いずれも「病室」の世界観に溶け込んでいて好演だった。
あと、舞台セットに関して、左右にベッド2台を並べただけの初演時のセットでは、星のホールの舞台の広さを持て余すかなぁ?と案じていたが…杞憂に終わって、良かった。
ダンス×人形劇「ひなたと月の姫」
日生劇場
日生劇場(東京都)
2021/07/31 (土) ~ 2021/08/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/08/01 (日)
価格3,000円
千穐楽の8月1日14時半開演回を拝見。
竹取物語がモチーフの、途中休憩20分込み2時間の舞台。
ほぼ等身大の人形を操演し、セリフもこなす、人形劇団ひとみ座の皆さん
主人公役の2人は役者も兼ねるコンテンポラリーのカンパニー
舞台下手、Perc、Gt 、Vlによる生演奏
能楽(月の王、他)、演劇(おばば、他)のベテランも参加した
まさしく総合芸術としての舞台だった。
特に終盤
かぐやが月に去った悲しみを舞台いっぱい駆け回り・踊り狂う
村娘役の辻󠄀田暁さん
幼馴染の大宮大奨さん
そして、村祭りの日
その2人の子どもとして生まれ変わった、かぐやのために、村人達が乱舞、小動物や鳥達の人形が祝福する大団円は、まさに見事のひと言。
児童向けとはいえ、充分に大人の鑑賞に値する120分だった。
から騒ぎ
言葉のアリア
劇場MOMO(東京都)
2021/07/28 (水) ~ 2021/08/02 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/07/29 (木)
価格4,330円
29日19時開演回(124分)を拝見。
前回の「煙が目にしみる」とは作風がだいぶ変わって(第1回・2回公演からすると今回の方が本来の作風か?)、シェイクスピア喜劇らしい、ダジャレに言葉遊び、速射砲のようなセリフ回しに、現代風にアレンジした演出・振付が上手くハマった、実に愉快な2時間だった。
かげきはたちのいるところ
Aga-risk Entertainment
サンモールスタジオ(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/07/25 (日)
価格4,200円
千穐楽の25日13時開演回(途中14:18から5分間の換気休憩。終演は15:40の上演時間160分)を拝見。
2014年6月の『時をかける稽古場』から、『紅白旗合戦』『時をかける稽古場2.0』『わが家の最終的解決(再演)』『発表せよ!大本営!』と観てきたが、”寄席の観客、怒涛の大爆笑”的なウケ方の部分と、登場人物の心理描写に感情移入させられる情感の部分とのミックス具合、本作品が一番優れていたように感じられた。
それにしても、脚本の絶妙な位置に仕掛けられた笑いの爆弾を、作者の意図通りのタイミングで炸裂させる気心知れた演技陣の、他の団体・ユニットでは真似の出来ないチームプレイには、今回もまた、マスクの下で大笑いさせてもらった。こうしたアガリスクさんのテンポの良さを一度体感すると、当面、他のコメディー系の公演での笑いのハードルが上がるので、困るといえば困るんだが…w
『shuku-sai』
(石榴の花が咲いてる。)
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/07/22 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/07/22 (木)
価格2,500円
22日19時開演回(前半50分+途中休憩10分+後半50分)を拝見。
そんなに何回も観た訳ではないが「(石榴の…)って、こんな語り口の芝居もやるんだぁ」と感心。
アンディ本山さん、小島望さん、刺腹由紀さん等の、奥行きのある演技も作品に陰影をつけていたなぁと。
とはいえ、杏奈さんの独白や、終盤での川勾みちさんのセリフ回しは、やっぱり、私が認識している(石榴の…)らしくって、勝手にニコニコさせてもらった。
【追記】
当日配布のペーパーで、役名の後に「衣装上下の簡単な説明」の表示あり。
自分は今回、知っている役者さんが多かったので大丈夫だったが、例えば、初めて小劇場演劇の舞台を観る方には大変役に立ったんじゃないかぁ? 良い工夫だと思った。
いのちの花
劇団銅鑼
練馬文化センター(東京都)
2021/07/13 (火) ~ 2021/07/15 (木)公演終了
Air pocket
Fallen Angels
APOCシアター(東京都)
2021/07/09 (金) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/07/11 (日)
価格3,500円
11日17時開演回(途中休憩5分込み2時間)を拝見。
1本の幕間劇?でつなぐ3本の短編集は、短編3本共、強い声の芝居で、重なるとストレスを感じがちだったが、ナビゲート的幕間劇「Air pocket」の演者、湯田勝也さん、渡辺由佳子さんの醸し出す空気感が、良い緩衝材として機能していた。
誰か決めて
吉祥寺GORILLA
王子小劇場(東京都)
2021/07/07 (水) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/07/07 (水)
価格3,200円
7日18時50分開演回(130分→実際は開始が遅れて125分か?)を拝見。
旗揚げ公演の「くるっていきたい」、第二弾の「グロサリー」に続く第三弾の本作、前2作から更なる"深化"を遂げた重厚な脚本を、実力派揃いの役者陣が力演!
ビターテイストのハートウォーミングストーリーは、限りなく我が身にしみて痛かった。
センス・オブ・ワンダー
Nibroll
シアタートラム(東京都)
2021/07/02 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/07/04 (日)
価格4,000円
4日14時開演回(70分)を拝見。
昔、五反田にあった「ゆうぽうと」で、シルヴィ・ギエムに魅せられて以来、座・高円寺での舞台で観た辻田暁さんのパフォーマンスや、PRUNUS HALLまで足を運んで桜美林の学生さん達の公演を拝見したり…。
今日もまた、コンテンポラリーへの見識浅く、理解が及ばぬまでも、お三方のパフォーマンスにハッとしたり・見惚れたり…記憶に残る70分間を過ごさせて頂きました。
バクで、あらんことを
くによし組
王子小劇場(東京都)
2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/07/01 (木)
価格3,830円
Bチーム初日・19時半開演回。
口の中に入った砂のザラザラした触感、不調和な・生きづらい世界を見せられ続けた80分。
色々と感じるところ有り。
でっ、この作品、私みたいな部外者よりも、役者さんにこそ観てもらいたかったのかなぁ。
ぱらいそ
元素G
調布市せんがわ劇場(東京都)
2021/06/25 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/27 (日)
価格4,000円
27日16時開演回(途中休憩10分込み120分)を拝見。
終演後、振り返ってみると、結構エグいストーリーだったのにも関わらず、あと味は決して悪くないのに改めて驚かされる。終始、品位の保たれた、脚本・演出・演じ手達の成せる技か。
劇中、各人のダンスや歌唱など、しっかりと見応えのあった120分。
『無表情な日常、感情的な毎秒』6月公演
エンニュイ
北千住BUoY(東京都)
2021/06/25 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/26 (土)
価格2,800円
26日19時開演回を拝見(100分)。
エンニュイという「現場」が、物理的な場所とヒトを入れ替えながら、今年の2月から12ヶ月かけて、「演劇」という仕組みをノリで鍛え、作り変えていく…
といった試みとのことだが、当方、ポーンと"6月の駅"から途中乗車した行きずりの客として、感想を述べる。
開演直後の、ロールプレイの役割説明みたいな時間帯は、まるで演劇の実演授業か実験に、無理矢理付き合わされているような、何処かあざとささえ感じられ、率直に言うと、席を立ちたくなった…が、我儘?OLあたりからか、シチュエーションや噛み合わないセリフのやり取りに面白みを感じ始めた。結果、ラストの、誰に向けて放たれているのかも不明なセリフが交錯するカオスな大団円⁉︎まで、席を蹴って出口に向かうことなく、ずっと舞台に惹きつけられる羽目にw
でっ、この試みの意図や意味合いについて、決して理解が届いていないという自覚はあるので、今回は、自分の感性にどれだけ波紋が広がったか、という観点から星をつけることにする。
東京と歩む
制作「山口ちはる」プロデュース
下北沢 スターダスト(東京都)
2021/06/15 (火) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
価格3,300円
20日19時半開演のBチーム回を拝見。
話の進め方、登場人物の見せ方等々、柴幸男氏の『あゆみ』を想起させる50分。
"もんちゃん(ヒロインの父親)"世代のヒトは
開演早々から涙腺が刺激される展開に困り果てたw
名前と顔が一致する役者さんが3人出られていることで選んだBチーム。
その3人が好演だったのは勿論のこと、とりわけヒロインの金沢沙耶さんが、まるで当て書きのようなハマり役。実にすんなりと感情移入出来た。
熱海殺人事件 水野朋子物語
キャンディプロジェクト
池袋GEKIBA(東京都)
2021/06/17 (木) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/17 (木)
価格3,500円
17日18時開演回のAチームを拝見(90分)。
過去に観てきた『熱海…』は『ザ・ロンゲストスプリング』1本除けば、悉く『売春捜査官』だったので、今宵は?と期待。
でっ、基本的な設定、見た目のにぎやかさは『売春…』同様だったものの、実は登場人物4人のバランスが均等な、体裁の整った「熱海」だった。
当初の『熱海…』が内含していた活火山のような熱量(「在日」「貧困」「離島」といった社会問題への怒り)も、年月を経て、『水野朋子』の頃には(決して、解決には至っていないのに)だいぶ落ち着いてきて、その代わり、演劇作品としては台本がよく練れてきた、というか、良くこなれてきたんだろうな、と感じさせられた。
作品的にどちらがより好みかといえば、昭和に生まれた私は初期の『売春…』なのだが、今宵の『水野朋子』も演劇としては実に見応えがあった。
ガラスの足腰がガタガタにはなったが、良い時間を過ごせたことに感謝!
短編集 口を開けば孤独
南京豆NAMENAME ✕ 家のカギ
スタジオ空洞(東京都)
2021/06/15 (火) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/06/15 (火)
価格2,800円
15日19時開演回を拝見(100分強)。
4本の毛色の違う作品による計100分強の公演は、本日初日ゆえ内容は伏せるが、前売り2,800円じゃ申し訳ないぐらいの充足感。
コロナ禍の今じゃなかったら、千円札、もう一枚置いて帰りたかった。
2作品同時上演 「ずっ止まってる」/「ラブ・ストーリーは特戦隊」
room42
OFF OFFシアター(東京都)
2021/06/09 (水) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/13 (日)
価格2,000円
『ラブ・ストーリーは特戦隊』13日12時開演回を拝見。
ヒーローものではあるんだが、正義の他に、社内恋愛や不倫や恩讐やら、いろんな要素が盛り沢山で、タイトルやあらすじから「まぁ、こういうもんかなぁ」と予想していたレベルを、はるかに超える、S級クラスの面白さだった90分。
なお、出演者6名中4人の顔と名前が一致する役者陣の中では、目を閉じると、マジンガーZの兜甲児(CV・石丸博也氏)が喋っているように錯覚させられた、伊与勢我無さんがとりわけ印象に残った。
電話
劇団普通
ワークピア日高(兵庫県)
2020/09/18 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2020/09/20 (日)
価格1,500円
昨年9月、「豊岡演劇祭2020 フリンジ」で上演された作品を、2021年6月12日、動画配信で視聴(CoRichのシステム上の都合で、「鑑賞した日」を2020年9月20日で登録)。
田舎の長男(演・澤唯さん)が、都会に暮らす次男(用松亮さん)と末の妹(小林未歩さん)との間で交わす、通話のスケッチ。
「話がくどい」「すぐ説教になる」「ヒトの生き方に口をはさみたがる」「老親の面倒や親戚付き合いについて自分の意見を押し付けがち」などなど、ついつい自身の経験のあれやこれやに引き寄せてしまいがちな、苦笑いの37’42”。
それにしても、「松茸ご飯」でも・「パエリア」でも・「ビリヤニ」でもなく、目立つかやく(具材)は皆無な「白いご飯」を、ここまで美味しく炊いて、目の前に供してくれるんだから、石黒麻衣さんの技量は大したもんだ!と改めて感服。
走れメロス ~TOKYO20XX~
劇団肋骨蜜柑同好会
サブテレニアン(東京都)
2021/06/08 (火) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
牛乳の唄
兎座
小劇場B1(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/05 (土)
価格3,800円
5日17時開演回を拝見。
ストーリー自体は、紆余曲折はあるものの、先が読めるというか、観客の期待した通りに運んでいく。ただ、それ故に、目の前で巻き起こる出来事を余裕を持って観ていられた…すなわち「お茶の間」感覚で観劇できたんではなかろうか。終演後の余韻は、アットホームなタッチのNHK朝ドラを視終わったような印象だった。
それにしても、高乃麗さん、剣持直明さんのお二人の熟練の演技に、他の皆さんが熱演で応じた心地よい舞台空間…いつまでも浸っていたかった。
ビニールの城【5月8日~5月9日花園神社公演中止】
劇団唐組
花園神社(東京都)
2021/05/08 (土) ~ 2021/06/03 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/03 (木)
価格3,800円
3日19時開演回を拝見。
途中休憩10分間込みの2時間10分。
人生初のテント公演。
腰を下ろす座面の位置の低い客席は、クッションを持参してきたものの、やはりガラスの腰と両の腿が被害甚大!
とはいえ、観終わっての感想は…観に来て良かった♪
唐組は初見だが、断片的な知識は持ち合わせていたので、舞台美術も、独特のセリフ回しも、概ね予想した通り。
ただ、朝顔とモモの関係が、予想以上にロマンチック(←私見)に描かれていて、自分の目には煌びやかに映った。
なお、ラストシーン、屋台崩しからの「ビニールの城の主・モモ」を魅せる演出は、さすがテント公演の醍醐味か。