私の恋人 beyond
オフィス3〇〇
本多劇場(東京都)
2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/06/30 (木)
価格6,580円
30日19時開演の初日舞台を拝見(114分)。
個人的には、ほぼ同じトーンが 114分続くのが単調に感じられた。
が、客観的には、渡辺えりさんの堂々たる歌唱、小日向文世さんの飄々たる演技、そして、のんさんの華のある存在感を踏まえれば…チケット代に見合う、充実した"音楽劇"なのであろう。
その演じ手だが、渡辺えり、のん 、小日向文世の主演トリオは勿論のこと、松井夢、坂梨磨弥、関根麻帆、山田美波の4氏が歌唱・パフォーマンス共に、実に素晴らしい出来だったと伝えておきたい。
セイレーンの痕
たすいち
吉祥寺シアター(東京都)
2022/06/23 (木) ~ 2022/06/27 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/06/23 (木)
価格5,130円
23日19時開演の初日公演(120分)を拝見。
普段より広く・天井が高い会場も
普段より大所帯の出演者も
巧みな照明・考え抜かれたミザンスに
アンサンブルの一人一人にまで血を通わせたホンのきめ細かさで
充分に使いこなしていた本舞台。
内容が内容だけに、上演中・終演直後の観客席を見渡すと、特に若い客層には訴求力があったと感じられた。
ギリシャ神話のセイレーンに擬したカリスマ・シンガーの歌声に魅かれて、若者達が自ら思考し苦悩することより導かれることを選んだのも
女子高生が悩み事を内に抱え込んだのも
個人的にも共感できる。
だが、とある事情で、思考や行動がフリーズしちまった教師には「キミって、それでもオトナなの?」と、そのナイーブ過ぎる感性に観劇オジサンはかなり批判的にw
最後に演じ手について雑感2点。
それにしても、怪しげな人物を演じさせたら、フジタタイセイさん、まさしく天下一品(注.ラーメンチェーンの名にあらず)だなぁ!
永田紗茅さんと中野亜美さん、ホンマ、息ピッタシやなぁ。
本谷有希子の『マイ・イベント』
劇団、本谷有希子
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2022/06/17 (金) ~ 2022/06/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/06/19 (日)
価格3,000円
19日14時開演回(85分)を拝見。
当初、黒田大輔、安藤玉恵両氏のお二方で演じる『マイ・イベント』だったはずが、「皆様、ご迷惑をおかけしてしまい、大変、申し訳ありませんでした(当日配布のリーフより)」との潔い謝罪の下で、脚本・演出の本谷有希子氏自身による一人芝居、「本谷有希子の『マイ・イベント』」に改編されての、今回の上演となった。
でっ、実際に観た感想だが、改編前の作品を知らぬ以上、あくまでも推測に過ぎないが、本作、今回上演された一人芝居の形式の方が、さらには、ひょっとすると、人間の役者が表に出ることのない影絵芝居やラジオドラマに仕立てた方が、観客の想像の翼をより大きく広げられたかもしれないと強く感じた。
それにしても、台風や暴風雨絡みの芝居には付きものとはいえ、今回、ラストシーンで現出したカタストロフィー。自然のチカラさえ凌駕する程の、人間の醜い感情の暴発に、それを引き起こした””最上階の夫婦”の常軌を逸していく過程共々、なかなか凄まじいものであった。
精神衛生上、決して良い影響を及ぼす内容ではないが?! 良き演劇を魅せてくれたと、ただただ本谷氏に感謝したい。
おずわるど
東京ノ温度
小劇場B1(東京都)
2022/06/11 (土) ~ 2022/06/15 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/06/12 (日)
価格4,500円
12日13時開演回(110分)を拝見。
頭のネジが何本か弾け跳んだような、あまりにも奇想天外・しっちゃかめっちゃかな筋立て。
とりわけ、時折、唐突に舞台に現れる「パッチワーク娘」のシュールさは特筆モノ!
というわけで、120分弱の上演時間中、何度も何度も爆笑させてもらった。感謝!
ジョージ・オーウェル〜沈黙の声〜
劇団印象-indian elephant-
駅前劇場(東京都)
2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/06/08 (水)
価格3,500円
8日19時開演回(130分)を拝見。
英国の大作家・オーウェルの、第二次大戦中のBBC勤務及び退職後の生き様を描いた130分。
大英帝国下のインド人の同僚達や、英国の利権そのものの擁護者である上司と接していくうちに、自身の人道主義的理想の矛盾を突かれ苦悩するエリック(オーウェルの本名)。そんな彼を支え続けることに、自身の生きがいを見出す妻アイリーンの献身が尊かった。
それにしても、エリック・アイリーン夫妻を初め、BBCの上司や同僚、女性であることを伏せた作家に、親友でもある弱小出版社の社長…と、それぞれが語り出す真摯な理想や感情の波に、上演中、幾度も溺れかけた。重層的な脚本ゆえの醍醐味を堪能させてもらった。
なお、余計なアドバイスかもしれないが、事前にWikiで、ジョージ・オーウェルの生涯を予習してから観に行けば、より一層、作品を味わい深く鑑賞出来るかもしれない。ただし、必然的にネタバレになってしまう部分もあるが…。
【追記】
上演時間が長いので、必要があれば、座布団の貸し出しを利用されることをお勧めしたい。
ネオンの薬は喋らない
人間嫌い
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2022/06/03 (金) ~ 2022/06/07 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/06/04 (土)
価格4,000円
4日19時開演回を拝見。
個人的には、まず何より
モデルであろうニュクス薬局のご主人に容姿を似せた?!
河村慎也さんにニタニタ
前回公演「24歳のフォーチュン!ウェディング」からの続投組
樋口双葉さん・青山美穂さん・川勾みちさんの活躍にニコニコ
な105分だった。
内容は、交通事故による3か月の入院のため、不在の店主に代わって、深夜薬局「LUNA」の運営を任された後輩の男性薬剤師・前澤と、繁華街らしい様々な事情を抱えた来店者たちとの交流のスケッチ。
だが、単なるスケッチにとどまらず、主宰・岩井美菜子さんのホンは、前澤や薬局の事務員・なるみとのやり取りを通して、来店者個々のキャラをくっきりと浮き上がらせていた。
結果、従来作品からも感じられた、観客の気持ちをつかんで離さない”握力”が、今回、一層強くなり、とても見応えのある作品に仕上がったなぁと感心しきり。
ホテル・ミラクル6での「ビッチの品格」が気に入って、「フォーチュン!ウェディング」「24歳のフォーチュン!ウェディング」、そして本作と、自分が観て来た岩井さんの作品の中では、「ネオンの薬は喋らない」、ベストの出来だと思われる。
세월
ケダゴロ
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2022/05/26 (木) ~ 2022/05/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/29 (日)
価格3,500円
29日15時開演回(60分)を拝見。
下手に"再現ドラマ"化するよりも、若い演じ手達の五体からほとばしる・発声や息遣いから伝わって来る、諸々の感情を訴えかけるパフォーマンスの方が、犠牲者の無念をより切実に体感させてくれたようだ。
【追記】
当方、韓国語は不案内なので、船内のモノを模したスピーカーで、上演前から繰り返し発せられた言葉、後で調べたら、日本語訳で「じっとして」の意。
この船内放送が乗客の退避を遅らせ、多数の死者を生じさせた原因の一つだとわかり、戦慄を覚えた。
その他、劇中で流れる曲の歌詞も含め、せめて当日パンフレットか何かで、補足説明すべきじゃないかなぁ?と感じたことは付記しておきたい。
ウー○ーイーツを待ちながら
スカレッティーナ演劇研究所
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2022/05/26 (木) ~ 2022/05/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/28 (土)
価格3,300円
28日18時開演回(75分)を拝見。
長年、生活を共にして来た新庄家の祖母と母親との"喰えない会話"を軸に、二人の娘とその彼氏や友人、"飛び道具"的な肌着のセールスマンがワイワイ・ガヤガヤの75分。
過去の作品群からは予想だにもしなかったクスクス喜劇。
トゥイードル
AURYN
スタジオ空洞(東京都)
2022/05/25 (水) ~ 2022/05/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/25 (水)
価格3,500円
25日19時開演の初日舞台を拝見。
初見の魁ウェンズデーさんと、幾度も舞台を拝見している御三方…4人の役者さんの表情豊かな演技の様に惹きつけられた85分。
登場人物個々の性格づけも明確で、そして何よりも、ストーリー全体を通して感じられる、作者の視線の温かみに共感!
鮭スペアレ版『マクベス』
鮭スペアレ
銕仙会能楽研修所(東京都)
2022/05/22 (日) ~ 2022/05/22 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/22 (日)
価格2,420円
22日18時開演回(78分)を動画配信で視聴。
北千住BUoYでの初演公演(2018)と比べて、筋立てが簡潔明瞭に感じられ、素直に鮭スペ版『マクベス』の世界観に入っていくことが出来た。
Short.Act.Master.Pieces!
兎団
レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)
2022/05/18 (水) ~ 2022/05/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/22 (日)
価格2,154円
22日18時半開演回(103分)のS班を拝見。
構成は短編3本。
最初の「三つの手紙・天才探偵兎乃狂四郎」は、今現在の
二番目の「CAFE BIANCO~土砂降りの国」は、存在を認識した頃の
最後の「車曳き」は、私が知る以前の
兎団の作風なのかなぁ。
なお、(世代がバレるんで触れたくはなかったがw)
「CAFE BIANCO~土砂降りの国」では、ベトナム戦争の頃に
「車曳き」では、小劇場演劇と出会った大学生の時分に
気持ちが戻ったようだった。
朱の会vol. 5 朗読シリーズ~ときめいて、艶めいて
朱の会
Book Trade Cafe どうひん(東京都)
2022/05/19 (木) ~ 2022/05/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/20 (金)
価格3,000円
20日18時開演回を拝見。
前半は
川端康成『雨傘』『日向』
三浦哲郎『とんかつ』『あめあがり』
小川未明『赤いろうそくと人魚』
10分間の休憩を挟んで
後半は
藤沢周平『朝焼け』
の計140分。
劇集団光『赤い鳥の居る風景』以来の
高野百合子さんや
演劇ユニット クロ・クロ 『巌窟に眠る』以来の
木村優希さん等の若手を初め
私と近い、あるいは先輩にあたる皆さんの熱演に、まるで深夜のラジオ放送に耳を傾けているような感銘を受けた。
ただ、かえすがえすも残念だったのが、入り口付近から聞こえて来たスマホの着信音にバイブレーション。
折角の熱演に水を差す愚行、ご本人はわかっていることだろうから、今後は、スマホの電源を消すか、今宵のような静寂を必須とする朗読会には二度と足を踏み入れないで欲しいものだ。
リーディング短編集 #1 神楽音
しあわせ学級崩壊
神楽音(東京都)
2022/05/01 (日) ~ 2022/05/21 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/15 (日)
価格3,500円
15日20時10分開演のB・劇作家版を拝見(50分)。
背もたれの無い丸イスでの50分間は腰に響いたが、今宵の語り手4人のリーディングは胸に響いた。
本公演ではなかなかソロプレーヤーとして意識しずらい、しあわせ学級崩壊の面々の、各自の持ち味に直に触れられたのは予想外の収穫。
実に充実した時間を過ごすことが出来た。感謝!
ブタに真珠の首飾り
しむじゃっく
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2022/05/12 (木) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/15 (日)
価格3,000円
15日14時半開演の千穐楽の舞台を拝見。
何が正解なのかわからない幾つかのテーマについて、躊躇しながらも、自身の考えを語っていく4人の登場人物。
そして、最も深刻なテーマである、重い障がいを持って生まれた子供への対応につき、4人の中で最も軽率そうな印象の琴水に、最も真理に近い処し方(当事者ではないという認識を持って、応援に徹する)を提案させた脚本の巧みさに感銘!
じっくりと聴かせてもらった75分。
それにしても、今回もそうだが、しむじゃっく 制作・主宰の舞台は、内容(選んだ脚本)が手堅くて、演出に余韻があって、ハズレなしだよなぁ!
衣人館 / 食物園
牡丹茶房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/14 (土)
価格2,500円
「食物園(しょくぶつえん)」14日18時半開演回を拝見。
対人恐怖症から就業はおろか、外食さえもままならず、自室に籠る若菜。
そんな彼女の現状をどこで聞きつけたのか、突然現れた、かってのクラスメイトや区役所職員を装ったブローカーに喰い物にされながらも、漸く他人の役に立ったことで心から満足する…
オスカー・ワイルドの『幸福な王子』を想起させる、悲しくも美しい70分。
【追記】
『幸福な王子』に最後まで寄り添った燕と違って、若菜に近づいたカラスは若菜の…(以下、略)。
花柄八景
Mrs.fictions
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/05/12 (木)
価格3,500円
12日19時開演回(80分)を拝見。
駒場東大前に寄席出現!
滑稽噺やSFや師弟の情やらが合わさった80分の一席は、マクラからサゲにいたるまで、一部の隙も無く、常に観客の笑いを誘いつつも、芸事=表現することの愉しさが自然と伝わってくる傑作だった。
終演時、出演者一同打ち揃っての挨拶に、観客席から文字通り、万雷の拍手が沸き起こったのも頷ける、実に得難い貴重な時間を過ごせた。
衣人館 / 食物園
牡丹茶房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/11 (水)
価格3,000円
11日18時半開演の「衣人館」初日舞台。
僅かに捻れたヴァイオリンの弦が、両端から締め上げられていくうちに、不調和音の悲鳴をあげていくような70分。
そのあまりに"強迫性障害"な展開に、終演後、主演のあの方に「大丈夫⁉︎」と思わず声をかけたくなった(注.コロナ禍の今、勿論、声かけは厳禁です)。
観るヒトによっては、精神的にかなりヘビーな内容の芝居かもしれない。
春夏秋冬
世田谷シルク
座・高円寺1(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/24 (日)
価格2,500円
“おわら風の盆”をモチーフに、 四季に重ねた女性の一生を、モノローグと創作舞踊で表現した97分。
拝見しているうちに、会場の座・高円寺1に居合わせなかったことへの悔しさが募るばかりだった。
板の上の二人と三人そして一人
映像劇団テンアンツ
小劇場B1(東京都)
2022/04/22 (金) ~ 2022/05/05 (木)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2022/05/01 (日)
価格5,900円
1日12時半開演の松チーム回を拝見。
でっ、事前のストーリー案内から予想していた以上に、(私見だが)ベタな展開に手が合わず
更に、ああいったやり方での笑いの取り方も好みではなかったため
前半90分を終えたところで退席させてもらった。
ということで、あくまで個人的嗜好に合わなかったためだけの低評価ゆえ、今回は、☆評価は遠慮させて頂く。
時々展覧会
時々自動
元映画館(東京都)
2022/04/28 (木) ~ 2022/05/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/30 (土)
価格2,700円
30日18時開演回を、おかわり!
開演前に展示物を一通り目にして、開演後は二度目なので最早驚きはないものの、皆さんのパフォーマンスを、しっかりと味わうことが出来た。